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神様はたぶん左利き

kamisama ha tabun hidarikiki

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表題作神様はたぶん左利き

同時収録作品君は総天然色

その他の収録作品

  • 真倉×夜野編(描き下ろし)
  • 夜野×真倉編(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

父親が背負った借金を返済する為、祖父が経営する印刷所で偽札を製造することになった夜野。ヤクザに言われるがままに偽札を作り続ける中で、夜野は印刷工として「ならばせめて、出来の良い偽札を作ってやる」と自分を鼓舞する日々だった。

そんなある日、ヤクザの紹介で〝人間コピー機〟の真倉が印刷所へやってくる。まるで感情のないロボットのような真倉の態度に夜野は突っかかるが、ある出来事をきっかけに、二人の距離は急激に縮まっていき……。

作品情報

作品名
神様はたぶん左利き
著者
虫歯 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
ISBN
9784834262957
3.8

(85)

(38)

萌々

(18)

(17)

中立

(4)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
8
得点
317
評価数
85
平均
3.8 / 5
神率
44.7%

レビュー投稿数8

軸がよくわからず

虫歯先生読むの4作目です。これまでの3作はとても好きだったんですが、本作はちょっと…と思ってしまいました。

2人のキャラや惹かれ合うところはいいんです。
虫歯先生らしい、いじらしさや健気さがあり、とてもかわいい。

ですが、ストーリーの進み方がどうもぎこちなく感じて。
唐突に何かが起こって、なんでそうなるの?と思うもののその疑問が解決されないまま進んだり。

偽札作りがテーマなのはおもしろかったのですが、その情熱や技術力のすばらしさを見せたかったのか、もしくは擬札を作る犯人をやっつけたかったのか、どこを目指していたのかが、一本筋があるようでない気がしてしまいました。

自分たちが犯罪者集団であるという自覚や罪悪感や葛藤みたいなものもあまり感じられなかったし。
せっかくのおもしろい設定なのに、バタバタと進んで細かいところでリアリティが微妙かな〜と思いました。

描き下ろしのポジション2パターンは遊び心があっておもしろかったです。

0

虫歯先生の意外な一面が見られる

虫歯先生の作品は本作以外はすべて読んでいて、良い人ばっかり出てきて先生の作品超ハッピー!って思ってたのですが、こんな引き出しもあったのかと舌を巻く作品です。もともと本作について、攻受を選べるという驚きの試みをしている作品だという知識はあったのですが、ちるちるさんの以下の記事で紹介されており、面白そうだなと思い、読むことにした次第です。

【エッッ同じ先生が描いてたの!?】同作家のギャグ作品とシリアス作品比べてみた

https://blnews.chil-chil.net/newsDetail/27812/

なので良い人ばっかり出してくれる通常運転の虫歯先生を期待すると痛い目を見ますが、本作を読むことでますます虫歯先生の他の作品にも愛着が湧きますね。いろんな選択肢がある中で、普段はハッピーな作品を自らの意志で選んで描いていらっしゃるのだなと。
なお、攻受を選べる≠同軸リバなので、同軸リバが苦手な方でも大丈夫です。

偽札づくりに本気で取り組む夜野と、人間コピー機・真倉は、狭い世界の中で強固な絆を結んでいきます。2人の間の熱は、偽札をつくっているという社会への後ろ暗さ故に、ますます「この愛だけは本物である」という物悲しさを生んでいます。

2人の印刷工場の仲間や社長である夜野のおじいちゃん、他の印刷工場の樹さんなど、出てくる人たちそれぞれに味があって、人間ドラマとしても優れた作品です。真倉の元先生の絶妙なクズ具合とか、ものすごくリアルです。

読んでいくと、攻受をどうしても決められなかったという虫歯先生のお気持ちがわかります。夜野みたいなキャンキャンしてる子は受かな〜と思っちゃうのですが、夜野の方が包容力って言葉は合うし、真倉の朴訥とした感じも可愛くて受に回したくなる(笑)。読んで絶対に左右はこれ!っていう確信がない方なら、両方載ってても気にならないんじゃないかと思いました。

物語の最後、あれは刑務所の中ということでしょうか。出所したら、今度こそは堂々と世に出せるものを印刷する人生を歩んでほしいです。

作中に出てくるお札の絵って、まさか地道に描くしかないのでしょうか。もしそうであれば、よく偽札なんか題材にしようと思ったなーと最早引くレベルの描き込みです(笑)。あとがきによるとアシスタントさんがいらっしゃったみたいなので、アシさんが描いたんでしょうか。そしてそこにあの村上キャンプ先生のお名前も載っております。
あとシンプルな絵柄ですが人物の描き分けがしっかりしているところも良いですね。組長がイケおじです。
表紙の黒子は「あれ?」とは思っていましたが、あとがきで真相が明かされ、すっきりしました。

同時収録の「君は総天然色」は、4ページだけのお話でしたが、いつもの虫歯先生の作風でした。

全体的に甘さは控えめですが、とても読み応えのある作品だと思います!

2

いろいろとぶっ飛んでいた

 うーん、印刷技術や模写の精度について極めていく男達という要素はなかなか斬新で面白かったのですが…。仕事面の要素が強くて、なんとなくBL要素は取って付けたような印象に感じました。この2人は間違いなく最高の相棒ではあると思うのだけど、別にそこに恋愛的な好意まではなくても十分な気がして。真倉も夜野も、互いへの感情にはまったく葛藤がなくてすんなり受け入れてしまうので、あまり共感できなかったというか、心情の変化を楽しむ余地がなかったかも。もちろん、2人とも好き嫌いがはっきりしているのでそういう面での葛藤とは無縁、というのはよく分かるんですが。ただ、最後の描き下ろしでどっちが攻めでも違和感なかったのは、虫歯先生のセンスだなと思いました。

0

漫画好きなら読んで欲しい!

読み終わったあと、あー!面白かった!読んでよかった!ってなりました。誰かに勧めたい。けど、勧めたらBLを読むことがバレてしまう。諦める…
そういうのが最近ほんとに多いです。散々やおいとか言われてきたBLですが、最近は本当にストーリー性が素晴らしいものが多いと思う。
虫歯さんの作品もそのひとつで、いつもオリジリティ溢れる設定と登場人物の人間らしさの描写に圧倒されて引き込まれてしまいます。絵柄もいかにもBLらしさがなく万人に受けそうなので、ほんともう、もっとたくさんの人に読んで欲しい。それくらい良かったです。
萌とかじゃない、ほんと神ってかんじ。ちるちるさんの評価ランクに感謝…

語彙力がないので、あまりあらすじは描きませんが、今作もとても魅力的な登場人物でした。一見、性格が全然違う2人の「大切なもの」への向き合い方がそれぞれに描かれていて良かったです。そして、ところどころにメモしたくなるような素敵フレーズがたくさんあって…真倉の眼鏡の理由とかも良かったなぁ…「好きにしてくれ、嫌な時は言う」のところもきゅんとした… あと、真倉が土砂に埋もれていく描写も良かった。
最後のゲームブック方式は、どちらも違和感なく読めました。私もどっちが受けでも攻めでもいいかなぁ迷うね!(´-`).。o

「君は総天然色」の登場人物のルックスがどツボだったので、こちらの続編とかぜひ描いて欲しい…と思ってるのは買った人皆のはず……!



5

ものづくりを愛する全ての人へ

ヤクザから借金の肩代わりに偽札の製造を強制させられている印刷工を舞台に繰り広げられる、映画化されても何も遜色のない熱いヒューマンドラマ。

登場人物達の物づくりに対する姿勢や情熱は、何かを作るのが好きな人にはかなり刺さるのではないでしょうか。

主人公
夜野→可憐な見た目とは裏腹に、ザ・職人気質な性格で、自分の好きな物に全身全霊をかける内面はかなりのオットコ前。

真倉→過去の体験から「考える事」をやめ感情を捨てた機械のような男。人間コピー機と呼ばれる程の模写の才能を持つ。

理不尽な環境で出会ったこの2人がお互いに認め合い、惹かれあって行く様を描いています。

物語のテーマはBLジャンルで扱うにはかなり難易度が高いかもしれませんが、ジャンルに関係なく、読み物・作品として大変素晴らしいです。

出てくる広島弁が熱に拍車をかけていて、情景や人々の描き方が細かく、世界観にとても引き込まれます。

好きなものを作り最高の形で世に出したいと言う職人魂や、やっている事は偽札製造と言う犯罪だけど、良い物を作りたいと言う気持ちや生み出される作品は本物だと言う、芸術と法律の壁との葛藤が伝わって来ます。

感情表現が豊かなキャラクター、大胆な演出の数々も素晴らしく、BLと言う縛りを乗り越えて、人が人と惹かれ合うお話として楽しめます。

神様はどこにいると思う?
「神様はひとりで神様として存在できん。
こいつはどうやら神様だぞと信じる人がおってはじめて神様になる」
作中のこのセリフにグッと来ました。
信じてくれる人がいる事の大切さ。
好きと言う気持ちがこれほど人を生かすのかと言う大きなテーマに心を動かされっぱなしでした。

BL目線で言うと、数々の新作が生み出され、新しい挑戦が困難になる昨今でよくぞこんな斬新な挑戦したな!!と目から鱗のゲームブック方式が取り入れられてます。

一部の方には好みではないのかもしれませんが
『好きな物に対しての挑戦』
『表現すると言う事を規則で縛れるのか?』
と、この物語のテーマにもかかっているようで、私は大好きです。

余談ですが、あとがきに書かれているようにこの表紙は真倉のメガネに写る夜野です。(裏表紙の眼鏡にシルエットが見えます)
「枠がないと絵が描けない。何もないと見えるところが広すぎて何を見ていいか分からなくなる」
と、作中言っていた真倉のメガネに目一杯写る夜野。真倉が真っ直ぐに彼だけを見ているって事が表現されていて、読んだ後に見直すと感慨深くなる表紙です。

改めて、細かい箇所の一つ一つまで奥深ーく作品を描かれる凄い作家さんだなと思いました。

もっと…もっともっと評価されるべき!!!と思う作品です。

7

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