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表題作。
クソガキ(言葉悪くてすみません)純がザマァ展開で大人になるオチがよかったです。
慎也×秋本。
年下ワンコ一途攻めはかわいいけど、ここまでくると確かにうざい。この辺のキャラ設定ほんとにお上手。
三鷹の前での意地の張り合いというかイチャイチャゲンカでヘリクツを押し通した慎也に
三鷹「──勝負あったな」の流れが気持ちいい。
早く大人になると言う慎也に、ゆっくりでいいと答える秋本の心の声が「ヘタに急ぐと一気にオヤジになひそーだしなコイツ…」が確かに!と笑いました。
一旦別れて慎也が大人になって再会してのハピエンもよかったです。
この2人にちょうどいい年月とタイミングなのかなと。
もう1本のギャグは竹芝が好きでした。
無表情で冷静沈着だけどやることがおもろい。
3話構成の同時収録の方が表題作だよなあと思っていたら、あとがきに書いてありました。
表題作決めるに当たって、やっぱりタイトルって大事なんだなあ。
【ため息の温度】 萌2
兄への想いを隠した兄の友人・祐也を、兄の代わりと言って何度も抱いてきた純。
「兄の名前を呼んでもいい」と言っても、祐也が口にするのは純の名前という点に読者はピンと来るけど、好意を向けられていたことに気付かなかった兄同様、弟も気付くはずもなく。さすが兄弟。変なところでそっくりです。
兄の外見は質実剛健タイプ、純は誰が見ても「モテるんだろうなあ」と思うタイプ。
純の18才の誕生日を祝おうと言う祐也に、「これ、絶対何かのフラグ」と思ってしまうので浮かれる純を見るのがつらい。
しっかりと結末まで読ませてもらえるものの、もう少し読みたい魅力的なCPでした。
【BLIND】【DISTANCE】【BORDER】 萌
初カノにフラれて、雨の中、傘もささずに来ない彼女を待ち続けていた慎也。
そこに声をかけてきた秋本と…。
始まりは大学生と美容師。最後は慎也がリーマンになってます。
カラダだけの割り切った関係を求める大人と、カラダを重ねたら気持ちも動く若者の温度差の描写が素晴らしくて、猪突猛進にぶつかっていく慎也をあの手この手でかわしていく秋本の捉えどころのなさが、読んでいるこちらまでもどかしい。
踏み込もうとするとブラインドをさっと閉じられ、近付いたと思ってもまた遠く感じたり、騙されたり境界線を引かれたり。
何だかんだとはぐらかされたり、手に入れたと思ったらするりと抜けていたり、遠回りしつつ、で切なさや焦ったさも存分に味わえたのですが、慎也のビジュアルがあまりにも無骨なイモ兄ちゃんなのが…。そこが魅力なんだろうか。きっとそうなんだと思うけど、わたしの心には届かなかった…。
【ボクたちの卒業】 萌
幼馴染み2人(松、竹)と、高校からの友人(梅)。
3人いれば気持ちが通じ合う2人+αになるか、全員が一方通行かですが、こちらはミスリードで一瞬後者に思えたものの、「あ、そっち?」という流れ。
コメディタッチで軽く読める作品でした。
2004年発表の短編集。
「ため息の温度」
高校生の純は成績不振。兄の亮の友人・佑也に家庭教師に来てもらうが…
佑也が亮に恋してると知った純が、黙っててやるから、と佑也と無理に関係を結ぶ。
だが佑也はそんな純に手酷いしっぺ返しを…
だけどそれは哀しい佑也の本心の裏返し。
純の粗暴な子供っぽさと佑也のアンニュイなルックスの対比がいい。
「BLIND」
「DISTANCE」
「BORDER」
この3作は続いている一連の物語。
決まった相手は作らずセフレ付き合いだけを求める美容師の秋本。
今度の相手は純朴な大学生の慎也。
当然ながら真面目な慎也は秋本に本気になっていく。
秋本が人間関係に怖気づくのは幼少期の体験から、とお決まり的な理由ではあるんだけど、慎也の誠実さが秋本を包んで癒していきます。
ところが!さすが国枝先生。ただ恋人になって終わりはしません!
なんと距離を詰めすぎる慎也が捨てられちゃうんですよね…
価値観の違い、というものの根深さというか?一筋縄じゃいかない現実?
別れて3年。道でばったり会う2人。
慎也は秋本をホテルに誘います。お腹の大きな奥さんがいるのに。
慎也、変わったな!と思ったら…⁉︎
そう、慎也もただの素朴純朴から大人になりました。今度は続けていけるかな。
「ボクたちの卒業」
国枝先生らしさ爆発のギャグ作品。
汚れなきショタっ子、ムッツリ無表情メガネ、可愛いけど自分勝手に突っ走るおバカ。この3人が繰り広げるドタバタ。
でも一番ツボったのはあとがきの「先生のモデルは故・岸田森サマ」なのだ。モデルならこのルックスで描いて欲しかった〜!
国枝先生のスタイルが詰まった作品集。どれも構成が素晴らしいです。
さっき読んだ「夏時間」で思った事全てが叶ってしまいました。あれれ?(笑)
もしかしたら、作者さんで一番好きなコミックスかも?
あまりに意外だったので、驚いております。
でもきっと、これはこの作者さんのカラーの話ではないのだろうなあと思いつつ、年上受けが好物なので、うはうはしてしまいました。
表題作もいいし、美容師さんの話もいい!
くっついたり別れたり忙しいですが、どちらもちゃんと落ち着く場所に着地してくれたので大満足です。
自分はBLには癒しを求めているのかもですね。
最後は救われる話が好きです。
国枝作品というと、胸の奥に鋭く突き刺さるような痛さ
一方で、ななめ上のありえんギャグ
という極端さが特徴だと思うんですが。
そういうのを期待している方には少々物足りないかもしれないです。
しかーし
毎度、国枝先生の描く、ロン毛の受けには萌え萌えさせられるよ。→ロン毛好き
なにがいいって、受けの妖艶で気だるい表情の変化がいい。
タバコくわえながら、ときとしてスレているような冷めているような
しかし、心はすごくベタなほどに純情。
年下攻めには特段、萌える体質じゃないもんで
今回もやっぱり受けの透明な眼差しに釘づけでした。