かわいそうな光 俺なんか好きになったばっかりに

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表題作心を殺す方法(4)

篠原光,春樹の義弟
篠原春樹,義兄

同時収録作品心を殺す方法(4)

英,春樹の先輩
篠原春樹,後輩

その他の収録作品

  • 番外編 4
  • bonus track

あらすじ

妊娠中の母親は気づき始める。
実子・光が見せる、
10歳上の義兄への異常な執着に。

そんな義母から光との仲を牽制されたのを機に、
春樹は姿を消した。光に忘れられる事を願い、誰にも告げず、遠くへと……。


しかし、光は、春樹を見つけてしまう。

その瞬間、春樹は逃げる事をやめ、
身体を光の愛欲に委ねた。
そして密やかに、ある未来を選択するーー。


愛憎極まる義兄弟インモラルドラマ、衝撃の終幕。

作品情報

作品名
心を殺す方法(4)
著者
カシオ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
シリーズ
心を殺す方法
発売日
ISBN
9784396784355
4.2

(156)

(99)

萌々

(27)

(8)

中立

(14)

趣味じゃない

(8)

レビュー数
27
得点
641
評価数
156
平均
4.2 / 5
神率
63.5%

レビュー投稿数27

終演

これをハッピーエンドととる人もいるのかもしらんが
なんだかなぁ。
ある意味、壊れたものは完全には治らなくて
歪みは歪みとして残ったまま
でもそれがまた新しいモノだと思えばそれもよし
個人的にはこの終わり方じゃなんだかなぁ
なんだけど。。。どなんでしょね。

先輩最後までいい人だったね
いい人で終わってしまったのが勿体ない
最終的に意気地なしなとこが残念だったけど

話の展開としても追い打ちがエグかった
久しぶりにこんなハードなBL読んだ
BLとして読まなかったら評価もすこし上かもなぁと
もう少し先に、愛でも恋でも生まれてくれれば良きですな。
壊れた穴は塞がらんかもしらんが

0

1度味わった闇からは逃れられないんだなって

こういうドロドロシリアスストーリー大好物なんですよ、、


春樹と光くっつきましたね。個人的な意見ですけど、春樹の光への気持ちは決して恋愛感情では無いと思ってます

春樹は英先輩とくっつくことが幸せへの道だったとは思います。でも、光とくっついた事にこの漫画の良さがあると思いました。落ちて落ちて落ちまくって、やっと解放される、、ってなった時に、よくあるオチなら英先輩とくっついて、ハッピーエンドって感じだと思うんですが、人間そんな簡単に変われないというか、落ちて落ちて落ちまくって春樹自身も罪を犯すし、そんな罪を誰も許せやしないけど、唯一最大の罪を犯してる光になら許されると感じているといった春樹の生き様がこの漫画を完結させてるなと思いました。

春樹が自分の罪を隠し通せばどうなっていたのか、母が死んで父に悲しい思いをさせてしまった罪悪感からか、春樹は死ぬことはなく生きていますが、生きていくのに誰にも言えず罪を背負うのはあまりにもしんどかったのかなぁ、、
生きていく上で自分の罪を許してくれる光が居てくれれば自分の罪を軽く思えることが出来たのかなぁ、、
何にせよ、もし誰にも言えずに生きていたら、いずれは死んでいたのかなって思いました。


1度汚れたらなかなか綺麗にすることは出来ない、そんな表現を感じられる作品でした。



結局最後光と春樹がくっついて、ヤったりしてるけど、春樹はいつからかインポになっていて、最後までイクことはなかった、っていうところが個人的には罪の意識と執着だけで繋がってる関係なのだと思いました。


決して幸せな作品ではありませんが、凄く引き込まれて面白い作品でした!

光視点から考えれば幸せかもしれませんが、、!

1

"愛"の形はひとつじゃない

最終巻まで一気に読んでしまいました。
こういったテイストの作品は、好きか苦手かで言ったら確実に苦手な部類に入るのですが、そんな感情面の引っかかりを飛び越えて読ませるだけの力がある、素晴らしい作品だと思います。

心理描写が秀逸で、登場人物の言動に納得感があり、どんどんストーリーに引き込まれます。
一人ひとりに選択肢が与えられているようで、結局選べる答えはひとつしかないような場面の連続で、なるべくしてなったラストだと思いました。
一見すると光の執着の異常さに目がいってしまいますが、心が満たされないゆえのものだし、春樹も優しいように見えてダラダラと関係を続けて光を増長させていく…
最終的にはふたりで同じ罪を抱え、共依存のようになっていったのが切なかったけれど、私の中ではこれ以上ないほどにしっくりときました。

途中から英先輩に気持ちが寄りすぎてしまい、彼視点の話がことごとく「番外編」とつけられていたのがつらかったです。
母の法事の後、ふたりでいるところを見かけた先輩の心情を思うと胸が締めつけられます…彼には何も知らないままでいてほしかった。

ボーナストラックがなければ間違いなく"神"でした。ふたりの行く末には、少しだけ想像の余地を残してほしかったです。

2

オベーション

結末に賛否が割れる最終巻。

あまりにも有名な作品が2巻に登場したからには覚悟してました。

うん…。

これは凄い。

長編インモラルドラマのエンディングに向けて親バレや心中程度では不充分だからね。

結末にも納得してます。これ以外考えられない。

私にはボーナストラックも幸せそうに見えなかったし。

改めてタイトルに唸ります。

途中腑に落ちないと嘆きましたが、この結末に向かうためと思えば納得。

推察ですが、重要な事が後だしなのは、順当なタイミングで丁寧に描写すると即バレる為でしょう。

初読時はここまで読み取れず、とにかく結末ありきの作品だと勝手に得心し、申し訳ないが読後しばらくレーベルと作家に対して慎重になりました。

評価はおもいっきり手のひら返してますが、レジェンド級の結末を堪能できたので神です。

0

ストーリー、ネーム、萌えすべてにおいて神✨

この作品は語るべき軸が多すぎて、何周も読んでしまいます。

まずプロローグ。
初回に読んだときは気がつかなかった。
あの法事のシーンのモノローグは、最後まで読んでやっと意味がわかります。

ちょっと不気味ですが、深い愛情と絆と執着。それこそ英先輩のいう「人は変わらない」が凝縮され、ストーリーに引き込まれるのではないでしょうか。

そして、物語の骨子を支えているのは、2人とも「性犯罪被害者」であることですよね。

光は幼い頃にお手伝いさんにいたずらされた。無理矢理、不本意に性的搾取にあった。
だからこそ、好きな人、春樹にも同意を得るということを知らない。

一方、散々「逃げればいいのに」と理解されない春樹。性的イジメ被害者が、はじめは小さなセクハラだった。
でも、優しい・断れない性格や関係性から、本格的なレイプに発展するのと、よく似ていますよね。

レイプ被害者は、心が麻痺して逃げられないんですよ。

そして、光の春樹への異常なで執拗な執着が物語を加速させます。
ここで、グィッと引きこむのが、カシオ先生のネームです。

4巻に逃げた別荘を光に見つかったときのモノローグ。
………………………………………………
俺のどこに感情が残っていたのだろう
それは憎しみににている
憐憫にている
そして何にも似ていない
……
さあ全てを壊すんだ
それ以外この感情の末路を
俺は知らない
わき上がる
この劣情もろとも
………………………………………………

このあと、春樹と光は
誰もいない別荘でやりまくる一方で
春樹は光の殺害をひそかにくわだてます。

以下はそのネームです
………………………………………………
せめてお前が
くるしまないように
薬が効くまで時間を稼いで

それだけなのに
騙る言葉と
本心が
混ざり合って
泥になる
………………………………………………

「混ざり合って泥になる」

クゥ〜、痺れる表現ですよ。
「泥になる」この言葉からも春樹の善悪混じり合った心境が伝わってきます。

そして最後に冒頭の法事のシーン。
2人の傷はやはり癒されてはいなかった。でも、春樹の告白によって、寛解する2人の心。

そして光はなぜ春樹ではならなかったのか。春樹にしか執着しなかったのか。そのエピソードに涙、涙。

さらにbonus trackに登場する「かなしみよこんにちは」。この作品を登場させたことで、奥行きがいっそう深まった
2人の関係を端的に表現し、同時に絆であること。未来まで永久に持ち越すことを示唆している

大人向けの非常に良い作品でした



4

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