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好きなのは女性なのになぜか男性にしか欲情できない高史。同棲してた彼女の転勤で、急遽友人の使っていない寮の空部屋に住む事に。そこにいたルームメイトはバイト先でよく見かける気になってた彼で⋯。
同居人深町はゲイだと知り胸がざわつく高史。一線を越えてしまっても深町にも想い人がいて、高史にも恋人の舞が。
ふつうって、運命って何だろう?手探りしながら近づいていく2人の距離感が、不器用で誠実でとても良かった〜。
理屈じゃない、好きって気持ちが一番大事よね。彼女いたのは地雷な人も、エチ無しなのでセーフかと。
約2年前に読破。
「シティ・ライツ・バースデイ」で本郷地下さんを知り、その内容に度肝を抜かれて「他著作も読みたい!」となり、本作にたどり着きました。
しかも2017年発売の作品で、しかも BL Award 2018 Best ディープ部門センシティブ系受賞作とは、いやはや時代だなぁ…すごい作家さんです。
(このページのどこにも受賞したことが書かれてないので、運営さん~、どこかに表示してほしいです…)
性的指向(※性的 "嗜好" ではない)は、変えたくても通常は自分の意思で変えることができないものです。
某ニュースサイトで以前、主人公と同じ悩みを抱えた方のインタビューを読みましたが、大変苦労されているようでした。
本作の設定とは少し違ってて、わかりやすく言うなら彼にふさわしいパートナーは「工事を望まないトランスジェンダーMtF」もしくは「顔つきが女性にしか見えない女顔のゲイ」、「男の娘・女装子」でした。
私のようなノンケ(=ヘテロ)女性向けにわかりやすく言い換えて説明するなら、今まで好きになった男性全員の体だけがもし女性のものだったら、と想像してみてください。
本作の主人公やインタビューの男性と同じように相当悩まれると思います。
そしてもしある日目の前に、頭のてっぺんからつま先まで理想の人物が現れたら…?
本作のその相手は男女両方からモテる描写があるので、設定とつじつまが合うように考えるなら若干女性顔なのでしょう。
本作を受け入れられるかどうかは、彼女持ちである主人公の浮気をどこまで受け入れられるかにかかっていると思います。
非常に珍しい設定のBLなので、ぜひこの機会に試し読みしてみてください(常に48ページもあります)。
さらに「商業特典まとめ本に収録した描き下ろし漫画」(22ページ、165円) でえいちな番外編も読めますのでそちらもぜひ。
ちなみに実際のゲイ風俗でも、プロフに「女装可」と書いたほうが多く稼げるとどこかで読みました。
多数派ではないにしろ、それだけ需要があるということですよね。
もちぎさん、もしくは新井祥さんのエッセイ漫画だった気がします。
ご興味ある方はそちらもぜひ。
<注意点>
本作はいわゆる「女装BL」ではないのですが、高給バイトにつられて仕方なく…という描写があります。
感想が難しいけど自分が何者であるか悩む時に読みたい本だなぁ。若い頃は特にあるんじゃないだろうか。「ふつう」ってなんだって改めて問いかける物語だった。深町くんは色々経験して何かを飲み込んで生きてきた感じがするなぁ。
高史があの時あの行動に出てくれて少し胸がスカッとしました。その後の2人の会話が良かったな…。
すごく繊細で難しい問題だなと思いました。
好きになるのは女の子だけど、欲情するのは男って相当生きづらい。
実際にそういう方がいらっしゃるのかは分からないけど、自分自身の心と身体の乖離に苦しむ姿は想像に容易いです。
女性を好きになっても子どもは持てないわけですし、キスやセックスをしないままでも良いよ、という女性がいれば良いんでしょうけど、性欲解消は男性としか……ってなると、その辺りの理解をしてくれる人はそういません。
思春期でそんな思いを抱えるのは大変だったろうなぁ……と思いつつ、でも樋村には理解を示してくれた彼女もいたし、話を真剣に聞いてくれた深町もいる。そんな2人と出会ったことは幸運だったと思います。
結局、深町に対しては欲情以上の想いも抱くようになったけど、自覚のキッカケが深町の美麗な女装姿だったのは、ちょっと複雑……。恋の始まりはやっぱ女性の見た目なんだなぁって。
でもその一方で、潜在的には既に深町に惹かれていて、女装姿はただの自覚のキッカケって考えることもできるんですよね。
いろんな見方や考え方ができるぶん解釈の広がりは様々ですが、でも樋村がバイト先で深町を見かけたときから恋は始まっていたような気がするし、私はそのときから2人の運命が始まっていたと思いたいです^ ^
出会いがあれば別れもある。。。
グチャグチャな感情に戸惑い、涙する樋村の感情の描きや繊細な心理描写は胸にグッとくるものがありました。
切ない思いと、嬉しい思いでいっぱいになった物語でした。
思ったより、評価低くて驚きました。
メトロとかと比べると、インパクトが弱くて
人間関係が微妙だからかなぁ
好みなのは同性ということは
このコはゲイってことなのかな?
と思いながら読み進んでいったら
欲情するのは同性、恋愛感情は異性
だという。
とりあえず、腐女子なんでそこもすんなり
了解しますやね。
でも、深町くんと出会って
怪しいほど偶然が重なって
最初からオープンにしてる深町君
そして、深町君も想いながらも叶わない同性のことを好きで、と
遠くから好みのフォルムとしてしか
見ていなかった深町君の
色々なことを知るたびに、
人としてのかたちを成してきて
やっと、性欲だけだったところに
好きの気持ちが追いついたんですよね。
ただそれだけのことなんだ。って。
あぁ頭のかたいやつ、っていうけど
思い込みってほんと厄介なんだなぁ
別れを言った時の彼女も多分嘘をついてたけど、
でも、性癖に理解あるところを示していても
最後までそれを治すものとしか見ていなかった彼女。
深町君の想い人も病気としか認められなかった
うぅー思い出してもめちゃめちゃ辛い…
同調しなくちゃと頑張っていた高史とか
独りになることで身を守ってた深町君とか
そんな優しくないことばかりで
それでも、このどうにもならない自分の性も含めて
この自分はアリでいいでしょ、と
あぁ予想もつかなかった奇跡のゴール❤︎
私は、先生の作品で一番好きだなぁ
とっても良かったです❤︎
