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表題作はるがきた

香月 楓
桜田 春

あらすじ

友達なし、恋人なし、もちろん経験なし。
そんな人生を変えるため、楓は脱童貞を決意し目の前の風俗店に飛び込んだ。
が、そこはまさかのゲイ専門。
まともに童貞も捨てられない自分に落ち込む楓だったけれど、美人で優しいヘルスボーイ・さくらに心とファーストキスを奪われてしまい……!?

冴えない童貞メガネ×人気No.1ヘルスボーイ
愛すること、愛されることに不慣れな二人の行方は──。
もちの米待望のファーストコミックス

作品情報

作品名
はるがきた
著者
もちの米 
媒体
漫画(コミック)
出版社
笠倉出版社
レーベル
カルトコミックスequal collection
発売日
ISBN
9784773071757
4

(106)

(41)

萌々

(36)

(20)

中立

(8)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
14
得点
417
評価数
106
平均
4 / 5
神率
38.7%

レビュー投稿数14

可愛い表紙にド重で良き良き

可愛い表紙とは裏腹に読み応えガッツリ重系ストーリー……
ガッツリストーリー好きなので嬉しい誤算でした。

お話は偏差値偏重環境で育ったため学歴ばかりで柔軟な「社会」に適応できない攻め様が、人間らしくなりたいと風俗に行くところから始まります。ふらりと入ったのでゲイ向け風俗で、なんだかんだ受け様の接客を受けます。一目惚れ(多分)して通うも、人との関わり方がガッタガタなせいですれ違ったりすれ違わなかったり。
そんな感じで、風俗勤務だけど聖母な受け様に救われる話かな〜と思いながら読んでたら、おやおや、なんだか受け様、訳あり…………?攻め様の無償の想いをすごく嬉しがるな……?
と風向きが怪しくなってきて、実は受け様はもっと精神構築する年齢の頃からえらいことになってた!
ハピエンだったからよかったけど!!けど!!!

攻め様、昨今話題によく上がる高学歴だけど仕事はできないの典型みたいな感じですかね。この前もツイッターでそういう人見かけた気がするな……なんて。
そんな攻め様ですが、風俗店で受け様に惚れてそこから受け様の気持ちを考えるようになるの、人間的成長が見えてよかったです。あと割と思い切って行動するタイプなのですかね、後半の方はグイグイ行く感じでよかった!受け様のこと、救ってそのまま二人生きて行ってくれ……

で問題の受け様、この方の生い立ち云々のおかげで読み応えが倍増してると思う。
子供の頃に教師に性的虐待受けてたけど、父親にもひどくされてたおかげで、教師の方は甘言があるぶんそれに縋るしかなかったように思います。おかげで本人の中では"他人に認められるためには痛みが伴う"みたいな認識になってしまってるんでしょうね。
その教師を拒否したら愛されたこともなくなってしまう。認められるには奉仕と耐えがなければならない、みたいな。
結局風俗業につくも、すべてのやり取りは金銭の上に成り立っていてただ闇雲に認めたり、愛されたりと言うのはないから、それ以外がわからない。
そこに現れたのが無償の想いを授けてくれた攻め様で、あとから中盤の駆け引きを見るとなんとしても離したくなかったんだろうな……となんとも胸が痛くなります。

攻め様、受け様のことちゃんと叱るし、大事にするし。独占欲と履き違えてても受け様は自分を思ってくれるだけでまず嬉しいんだよ……!

攻め様も受け様も、人との関わり方の精神的な部分は未開拓すぎて、これからも壁が立ちはだかるんだろうなと思いますが、根底は純粋に思いあってるから大丈夫と信じて、二人の幸せを願いたいです……。
これ二巻でガッツリ描かれてたら私の心中もっと抉られてたな……

描写的に地雷ある人もいるかと思いますので人を選びますが(蝋燭責めって言うんでしたっけ?非SMで見るのは初めてかも……)、単巻でシリアスなお話読みたい方にはオススメです。
絵柄は終始ほんわかにもありそうなタッチで良いです!笑

レビュー読んでこの作家先生の第一作と知り、驚きが隠し得ない……もちの米先生、今後も追いたいと思います……!

0

はるがきた!

この1冊で、内容がビッシリ詰まってた。
とても、良かった。タイトル通り!

登場は少ないけど、要さんの存在が大きかった。春が危機的状況の時に必ず現れて救う。決して甘い言葉をかけず、それでも隣で見守る姿が印象的でした。

FTM設定のコミックを始めて読みました。
現社会においても、セクシャリティについては浸透してきて居るので、これからも作品に反映されたら嬉しいですね。

さて、全くタイプの違う楓と春の出会い。
楓が、風俗すらマトモに入れないのか!は、ここだけは泣き顔込で、笑ったwww

けど、高学歴はあったとしても何の役にも立たない事に気付いた時のセリフは、楓のこれまでの人生を全て否定して切なかった。
でも、楓は自分自身の問題だからこれからどんどんストーリー状で変化して行く事に期待しました。

問題は、春・・・これは、辛い・・・
思春期〜真っ只中、クズ父からのDV、売春させられ、挙句に刺されるとか・・・
心の拠り所だった、初恋であろう〜先生に買われ、弄ばれいた事。
この、二重の裏切りは暗い影を落としましたね。

楓からの告白の時に、その影は現れた〜幼く辛かった時のもう1人の春が、大人になった春に問いかける、同じ事を繰り返すの?と。

その後、春は自分の本名を楓に教えて〜受け入れ〜踏み出した所が、この作品の中で1番好きなシーンでした。

楓と春のその後の、日常をもっと読みたかったな!

もちの米先生のストーリーは、読ませてくれるなぁ〜これからも、期待しています。


3

笑いに包んだ哀愁

以前ちるちるで紹介されていたもちの米さんの作品。
読んでみようと買ってしばらく置いていました。読んでみて、これはひと味違って面白いなあと納得。こちらがデビュー作品なんですね。

風俗で働くさくらと、モテない仕事できないのダサ男、楓。楓は、恋がうまくいかず、こうなったらと飛び込んだ先がさくらのお店。男性がサービスするとは知らず、風俗もろくに選べないかと失意に沈むのですが。。

お店の受付にいるゴリラみたいな乙姫さんや、オーナーの男装?女性など、脇がひとくせあって良いキャラ揃い。
楓の勤め先にいるだるそうな女性社員もいましたね。

絵や、無言も多い間の雰囲気などが上野ポテトさんに少し似ています。
独特の作品で、なぜか印象に残りました。
ややコミカルな中にもほんのりとした哀愁、そしてハッピーが詰まった良い作品。

0

あたたかい

表向きあまり影は感じないけれど、読み進めるうちに何やら重ためな予感…
訳ありでヘルスボーイをしているのはわかったけど、さくらがあまりにもほんわかしていて危機感を感じさせない性格だったからこそ、過去やストーカーの存在にちょっとびっくりしてしまいました。
父親や教師のせいで歪んでしまったさくらの心を考えると本当に切なくて…
楓との出会いが変わるきっかけになったことは良かったなと思います。
でもまだまだ回収しきれていないところがあったので(ボスのこと同僚のことなど)もっと続きが読みたくなりました。

0

心が温まった

あまり幸せとは言えない二人が出会うお話でした。
信じて必死でやってきたことが、意味が無かったと気づくことは言葉では表せない辛さだと思うんです。
気付いたら自分には何も無かったと絶望感を味わっている攻めと、壮絶な過去を乗り越えてきた受けのお話なので途中少し辛い描写もあります。
そういう辛い過去を乗り越えて幸せになる話が好きなので、とても良かったです。

受けの仕事がらお決まりのすれ違いはありますが、割と二人とも素直な性格なので拗れすぎなくてホッとしました。
家のドアの前で寝てる春を見て楓が泣く場面、胸がキュッとなりました。
楓が終盤にみせた成長には感動しました。子供の頃にできなかった自分で踏み出す一歩に勇気を出せて良かった。
恋のチカラは人を成長させますね。
素敵なお話でした!

1

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