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表題作テンカウント 6

黒瀬陸 無愛想な心療内科勤務のカウンセラー
城谷忠臣 社長秘書、不潔恐怖症

その他の収録作品

  • 黒瀬くんと城谷さんと
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あらすじ

200万部突破、アニメ化決定

何でも好きなようにしてあげます
潔癖症の心と身体を満たす、恋のセラピー、ついに完結ーーー。

「キスしてみて嫌じゃなかったら 俺のこと好きって認めてくれますか?」

時を重ね、身体を重ね、確実に距離が近づいていく二人。
城谷が黒瀬を誘って外出した先で二人は、城谷が潔癖症となったきっかけに関わる女性と遭遇する。
様々な気持ちが蘇る中、城谷は……⁉︎
そして、手帳の10項目めに書いたのは……?

無愛想なカウンセラーと潔癖症の社長秘書の恋、ついにクライマックス!

作品情報

作品名
テンカウント 6
著者
宝井理人 
媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
シリーズ
テンカウント
発売日
ISBN
9784403666216
4.3

(455)

(300)

萌々

(71)

(49)

中立

(11)

趣味じゃない

(24)

レビュー数
47
得点
1942
評価数
455
平均
4.3 / 5
神率
65.9%

レビュー投稿数47

盛大にネタバレしてます⚠注意⚠

テンカウント最終巻の感想です。
最初に読んだ時は、あの黒瀬くんが涙を流したり、
余裕なくなったり、声を出して笑ったりしている事にドキドキしていました(*´д`*)
そして城谷さんも黒瀬くんも幸せそうで良かったと思いました。

落ち着いてからまた読み返しました。
城谷さんは植田さんに、黒瀬くんは西垣さんに会い、それぞれとらわれていた過去を乗り越えられた事を嬉しく思いました。
黒瀬くんは西垣さんを助けられなかったと思い込んでいたみたいですが、実際は西垣さんは黒瀬少年に救われたんですよねぇ。
西垣さんの本のタイトル「黒い光の少年」って黒瀬くんの事ですよね?
だから城谷さんの感想が聞きたかったんですよね(笑)
黒瀬くんは西垣さんの事があったから臨床心理士になり、城谷さんを救いたいと思った…。
でもその臨床心理士を辞めるという事には何か意味があるのでは…?と引っかかっていました。
「城谷さんに会ってしまったからですかね」って黒瀬くん言ってるし…。
その答えを探していたら、見つけました!
黒瀬くんが見ていた携帯の画面に…!!
募集職種詳細、EAP専門職、株式会社東澤、んっ!
城谷さんの職場じゃないですか(⊙⊙)‼
(知識がないので詳しく説明はできませんが、EAP専門職は病院ではなく企業に籍をおいてカウンセリング等を行います)
48話の最後のページを見て二人の新たな関係が始まるのかなとぼんやり思っていましたが、これに気づいてからは、びっくりする城谷さんを想像して楽しくなってしまいました‹‹\( ´꒳`)/››

この作品はストーリーが緻密に練られているなと私は感じています。
黒瀬くんは臨床心理士だから城谷さんの事が理解できて、でも最初から城谷さんと臨床心理士と患者というスタンスで向き合っているわけではなくて、二人それぞれにトラウマがあって、黒瀬くんがSで、城谷さんがMで…、みんな必然なんですよね。
凄いと思いました!

25

私のBL史上一番感情移入しながら読んだ作品かもしれません。

とうとう終わってしまった・・・
軽くテンカウントロス状態です。。
何を書こうか迷いましたが、最後の巻なので作品全体に対する私の雑感のようなものをつらつらと書かせてください。

もともと宝井理人さんのような作風のBLはそこまで私のツボど真ん中ではないので、2巻が出たところでようやく、話題作だから読んでおこうかなくらいのノリで読み始めた作品だったのですが・・・
1巻の1ページ目を開いた瞬間目に飛び込んできたモノローグに私とても強い衝撃を受けてしまって、そこからはもうダダハマリでした。
1巻を読み終わった時なんて目の前が真っ暗…!
私のBL史上一番感情移入しながら読んだ作品かもしれません。
自分の中で他の作品とは明確に別なラインに居続けた作品でした。

「テンカウント」の魅力を私なりにズバリ一言で言い表すなら、
よろしくない関係性(=共依存)と、理想的な関係性(=相互依存)のギリギリのラインで、読者をハラハラとさせるバランスを絶妙に保って描かれる二人の関係性
これに尽きます。
不安定で危ういから目が離せない。そんな類いの求心力で引きつけられていました。
最初は城谷さんに、そして徐々に黒瀬くん…と、キャラ達にめずらしいくらい感情移入せずにいられなかった私は二人がどんな関係に行き着けるのかが自分のことのように気になって、新刊を心待ちに待つ一方で、毎巻ビクビクしながら読んできました。
最終巻を読み終わった今、真っ先に思うのは、
「城谷さんと黒瀬くんが出逢えて本当に良かった」
ただもうこの一点。
城谷さんが黒瀬くんに、でもなく、黒瀬くんが城谷さんに、でもなく、二人ともが彼等にとって『出逢えれば最良の相手』に出逢えたことが本当に良かったねと。
所詮作りものの世界のお話だとしてもそんな風に心から嬉しく思えるとても晴れやかな着地点で、満足のいく終わり方でした!
それと、私の中でものすごく気になっていたとある登場人物のことも今巻でちゃんと描いてくださっていました。これも本当にありがたかった。すっきりしました。
あと、アノ女の子には黒瀬くんが今までにない黒さでガツッと言ってくれます!これは別の意味ですっきりしましたw
最後だから言いますけど、正直このストーリーにここまでエロを突っ込む必要はなかったでしょう。
題材が題材なだけに、余計嫌悪感を感じた読者も少なくないはずです。
それでも6巻すべてに私自身は迷いなく神評価を付け続けられたのは、やっぱり単純に一巻一巻が読み物としてしっかり面白かったからだと思います。
潔癖症に限らず、心の病気は自分がかからない限り絶対に理解なんてし得ないものだと思いますし、実際に城谷さんのような症状の人に黒瀬くんのような近寄り方が良い方法なのか私には判りません。
でも作家様の神経質さをうかがえる程度には、この作品はしっかり調べて描かれていたと思います。
そしてそれらは城谷さんの動作や黒瀬くんの台詞の端々に現れていたと思います。

4巻が辛かったなぁ、、
ラストまで読んだ今でも、4巻のこの日から城谷さんはどんな思いで何十年も生きてきたんだろうと思うと胸が苦しくなります。
城谷さんが最初に言っているように、触れないなら触れないでも生きてはいけますよ。
でもふとした折に「自分って何なんだろうな」って思うんです。
それが人をズドンと落ち込ませるんです。
5巻で西垣が小さい黒瀬くんに言った「このまま誰とも関わらないように過ごして死ぬんじゃ何のために生きてるか解んねぇ」というセリフが結局のところ全てな気がするんです。
あの時ボロボロと泣きながら本を読んでいた黒瀬くんと同じ思いを抱きながら、多分この二人の行く末をずっと見守っていたんだろうなぁ。

6巻で思わず涙が出た二つのシーン。
ひとつは二人のキスシーン。もうひとつは黒瀬くんの涙のシーン。
色んな思いが巡りました。
改めて、
城谷さんと黒瀬くんが出逢えて本当に良かったです!

描き下ろしの後日談は、個人的にキター!って内容でめちゃくちゃ萌えました。
色んなところで散々書いてますけど、私ピアスと刺青にやたらと萌えを感じるんですが、その中でもピアスなり刺青なりを相手に入れる描写が異常に好きなんです。
これまでなんでそんなに萌えるのか分からないでいましたが、この作品を読んで、この描き下ろしを読んだら、その答えがなんとなく分かった気がします。
それは多分、他人をうまく信用することが出来ないせいで他人を自分のテリトリーに入れることが出来ない自分にとっての、関係性に対する憧れの具現化なのでしょうね。
そう考えたら、この描き下ろしの意味がさらに意味のあるものに読めました。

最後に、客観的視点からも思うことをひとつ。
この作品は、大袈裟でもなんでもなく、BLジャンルの「売れる作品」の傾向を塗り替えた作品のひとつなのだろうと思います。
言い換えるなら、ジャンルの間口を広げて新しい読者層を大量に呼び込んだ作品のひとつなのかな。
この頃に存在自体が異文化なはらださんがデビューされたことも影響としては大きいとは思いますが、それを考慮してもテンカウント前後でランキングの上位の傾向が随分と変わった感じがするのは、そういう単位で新規読者を一気に呼び込んだということなのだろうと思っています。


以上、真面目トーンで書いてきましたが、最後なので腐女子視点での心の内も吐き出しておきたい。
いくらなんでも黒瀬くんの黒瀬くんでか過ぎるし城谷さんの城谷さんちっこ過ぎない??
私もうそれが毎回気になって気になって仕方なかったよ…!

あと、最後に黒瀬くんは本領発揮のドS感でしたねw
宝井先生!私その続きをすごく読みたいです…!

【電子】レンタ版:修正○、カバー下なし、裏表紙なし

17

完結。

正座して発売を待っていた『テンカウント』の6巻にして完結編。完結編なんだよな、終わりなんだな、ってすごく寂しい気持ちになりつつ、でもじっくり読みました。

ネタバレ含んでいます。ご注意を。






6巻は城谷さんが誘ったデートの日。
5巻の終わりで登場したきれいな女性の正体が明らかになるところからスタートします。

黒瀬くん絡みの女性かと思いきや、その女性は城谷さんの父親の元カノ(という表現でいいのかな?)で城谷さんの潔癖症の原因にもなった植田さん。彼女の存在に気付いた城谷さんは動揺するが…。


この植田さんがね…、

めっちゃヤな奴なんだな、これが。

黒瀬くんの気を引くためにわざと鍵をおとすとか、自然な行動に見せてあざとい行動がサラリとできる描写に、かつて城谷さんを苦しめていた若き頃の彼女の姿とダブる。
そんな彼女にイラつきつつも、城谷さんの態度から彼女と城谷さんとの確執をすっと見抜き、彼女にさらっと鉄槌を下す黒瀬くんの行動に気持ちがすっきりし、そして彼のカッコよさに痺れました。

城谷さんは植田さんと再会し、そして、黒瀬くんの方も、かつて知り合いだった西垣さんととある場所で再会する。二人とも、過去を昇華し、そして過去を乗り越えて前に進もうとする姿にエールを送りたい。

彼らが過去のトラウマを乗り越えられたのは、まぎれもなく、お互いの存在があったからこそなのだと。

5巻までは城谷さんが黒瀬くんに押される形で性交渉を持っていたけれど、ここにきてやっと城谷さんが自分の気持ちを認めることができたのにも激萌え。そしてそんな城谷さんの変化に気付いた黒瀬くんが涙をおとすシーンにも。
「あの」城谷さんが黒瀬くんにフェラするシーンにはめっちゃ萌えた…。この濡れ場はすっごくエロいのですが、エロいだけじゃなくって二人の想いが透けてみえるようで気持ちが温かくなりました。

『テンカウント』は「潔癖症」という城谷さんの病を軸に進んできたわけですが、非常に上手に「潔癖症」という事項を描いていたように思います。
二人の出会い。
潔癖症を治すという名目での二人のつながり。
そして。

最後に黒瀬くんが城谷さんに

城谷さんが俺にして欲しいことを書いてください
本当にしてほしいことを 偽りなく

と告げるシーンがあります。

城谷さんに「してほしい」と言われた事なら何でも叶えるであろう黒瀬くん。
そして、そんな黒瀬くんの気持ちを受け止めたうえで、自分が望んでしてほしいと思う事を伝えてほしいと黒瀬くんが望んでいるのだという事を理解した城谷さん。

信頼関係と愛情で結ばれた彼らに、ずっと幸せでいてほしいと願ってやみません。

描き下ろしは二人がピアスを付けるストーリー。
お互いにピアスホールを開けあう二人が、

めっちゃ可愛いです…!

二人の過去のトラウマについて、もう少し掘り下げて描いてほしかったという気持ちもあれど、それでもこの二人の間に根付き、そして育っていった恋心にギュンギュンと萌えをいただいていました。

6巻完結なわけですが、またどこかで彼らに会えるといいな。

こんな神作品に出会えたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。

14

爽やかにときめく

テンカウント最終巻。ずっと好きな作品なだけに、ビクビクしながら手に取りました。読み始めるとページをめくる手が止まらず、一気読みしました。
読了後の直感的な感想としては「穏やか」でした。皆さん書かれていますが、「ああ、これで良かったんだ」「これで二人とも救われたのだ」と私も思いました。真逆なようでいて似た者同士の二人がお互いに救いを得て幸せそうにしている姿は涙を誘います。
また、宝井理人先生らしい終わり方だなとも思いました。花のみぞ知るもそうでしたが、恋愛の過程を大切にしている作家さんだと私は考えています。テンカウントはいつもと毛色が違うと思いましたが、最後は綺麗に「恋の物語」にしてくれました。本当に読了後は爽やかです。

一つ引っかかった点を挙げるなら、心なしか(問題解決の過程が)少しあっさりしてるか…?と思いました。私から言わせてみれば、出てくる人出てくる人、皆性善説的すぎる!と思ったのです。でも、このあっさりさとキャラクター達の人の良さ(?)が読了後の爽やかさに繋がったので、これはこれだと今は思っています(^。^)
そして、最後の書き下ろしがすごく良いです。最初、ピアスを開けると聞いて「?」となりましたが、これがすごく良い。特に「俺、黒瀬くんに恋していたんですねえ」のくだりが本当に良かった。城谷さんの真っ直ぐな言葉に、私も思わずなるほど〜と頷いてしまいました。これが恋か!と。萌を感じたというより、ときめいた!という感覚です。胸がきゅんとなります笑(もちろん萌もいっぱいありますよ!)

最後に、個人的なことでありますがテンカウントは大好きな作品というだけでなく、商業BLに本格的にはまるきっかけになった作品でもあります。感謝と敬愛の念を込めて神評価とさせていただきます!

11

成長のストーリー

前巻が出てから約1年半、焦らしに焦らされてようやくこの最終巻を読むことができました。読み終わった後は「いい話だったなぁ」といつまでも余韻に浸ってしまい、なかなか他のことに手がつきませんでした笑

城谷も黒瀬もそれぞれ過去のトラウマに囚われて生きてきましたが、2人が出会うべくして出会い、互いの脆い部分を支え合うようにして歩んでいく姿が1~6巻を通して丁寧に描かれていたと思います。

物語の軸が「城谷の潔癖症」なので最初の頃は城谷が一方的に黒瀬に支えられているようでしたが、後半からは黒瀬の事情も絡み、この6巻では互いの存在に背中を押されて2人とも自分の過去にけじめをつけることができていました。

傷ついた者同士が寄り添い合うと向上することをやめてしまうのがしばしばですが、城谷と黒瀬の場合はむしろ相手の存在を糧にして成長したんだなとしみじみ感じます。この2人に共依存的な関係にありがちな脆さ、暗さが無いことが読後感の良さの理由ではないでしょうか。

2人の人間的成長も感じられましたし、何よりラブシーンがたくさんあったので非常に満足です!特に初めてのキスの直前、黒瀬がする余裕のなさそうな表情がとてもエロくて思わずキャアという悲鳴をあげてしまいました。キスシーンで赤面させられたのはかなり久しぶりです。

続きを楽しみに読んでいた作品が終わってしまうのは寂しいですが、アニメ化もするそうなのでそれをまた楽しみにしていこうと思います!宝井先生、連載お疲れ様でした。

9

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