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アヒルくんはソレを知らない

ahirukun wa sore wo shiranai

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表題作アヒルくんはソレを知らない

王子 隼,31歳,美容整形外科医
阿比留蓮,,高校生,銭湯屋の息子

その他の収録作品

  • アヒルさんはソレを知ってる

あらすじ

知らないコト全部、先生が教えて。

昔ながらの銭湯・アヒル湯の番台に座る蓮は173cm95㎏のかなりぽっちゃりなDK。最近現れる銭湯に不釣合いなエロい身体のイケメンドクター・王子隼から「お前痩せたら絶対可愛い」と言われるけど、長年日陰のデブとして生きてきたネガティブさから、カースト上位=王子の言葉が信じられない。半信半疑なままダイエットの決意を固める蓮に、厳しくも温かく指導してくれる王子。嬉しいな、もっと褒められたいなーー。気付けば蓮は王子のことばかり考えていて!?

作品情報

作品名
アヒルくんはソレを知らない
著者
コウキ。 
媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
発売日
ISBN
9784344841833
4.1

(131)

(56)

萌々

(51)

(12)

中立

(7)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
21
得点
527
評価数
131
平均
4.1 / 5
神率
42.7%

レビュー投稿数21

「醜いアヒルの子」風味のBL、でもそれだけじゃない深ーーーい作品

「醜いアヒルの子」を彷彿とさせる「銭湯の客(医者)x銭湯の息子(DK)」。
ホントに可愛い漫画を描かれる方ですね。ペットのアヒルや弟が可愛い。
攻めのアホ毛が心情を表してるのも可愛いw

怠惰でなかなかダイエットできない主人公が自分と向き合うだけでなく、外面を磨くだけでは得られない「美しい心」や「自分を大切にできる心」を自分でつかみ取り、ダイエットを手伝ってくれた王子先生にも王子様が現れるお話。

受けの心が美しくて感動しました。
「何回負けてもいい」んです。
コンプレックスに「気づかない」人、「忘れられる」人、「共存できる」人がいる中、いろいろと考えさせられる深い作品でした。
ぜひネタバレなしでどうぞ。

そして手書きの母親のセリフが良かった!母は強し!
「喰われたがりの仔羊くん」の受けもちょい役で出てきます。
あとめちゃくちゃ和食が食べたくなるー!
(ナスの煮びたし、豚角煮、レンコンのはさみ揚げ、ぶり大根、五目おこわ、etc.)

0

ダイエットビフォアフ動画より圧倒的に心に刺さる

何よりもまずめちゃめちゃ頑張って美しくなった蓮くんに拍手を。好きな人のためにものすごい努力をして可愛く綺麗に美しくなったあなたは本当にすごいし、あまりに可愛かった。

人は結局見た目が大事だということに真正面から向き合ってる作品。でも他人から見た自分ではなくて、自分が自分を好きになるために見た目が大事だということに重きが置かれていたことが響きました。

今までずっと根暗で自信喪失状態で生きてきた蓮くんに対してズバズバいう王子先生に度々ヒヤヒヤさせられましたが、蓮くんを想っている気持ちは間違いなく本物だったのでどこか安心感がありました。
また先生の整形がバレた時も拗れすぎず蓮くんに簡単に受け入れられたことで本当の意味で2人が近づけ、そこからの2人の距離感が愛しかったです。

1冊とは思えないほどのボリューム感と読み応え、さすがのコウキ。先生でした!大満足です。

1

自己肯定感の上がる1冊。

ぽっちゃり男子高校生の蓮くんが、美容整形外科医の隼さんに「デブ」と言われ傷ついたのち「痩せたら可愛い」と言われ、ダイエットに励みます。前半はぽっちゃり蓮くんのダイエット奮闘記。正直この辺までは評価中立。(ただ、銭湯の解説や描写は美しい......!)

...しかし。その後2ヶ月で変貌を遂げます!!
いやもうありえんでしょ!最強のイケメン美男子になります......いろいろ現実的に考えればツッコミどころ満載なのですが、見た目も中身も豹変っぷりがすごい......!いやもう小悪魔だ......とてもとても刺さりすぎました......もはや誰だよw

そこからの後半の展開はほんと素晴らしいです。美貌・美容整形という難しい問題に真っ向から立ち向かって描かれています。

"あの女"にはもう少し言ってやりたい気持ちでいっぱいですが........とても考えさせられる素敵なお話でした!

1

痩せて白鳥になり、恋の苦しみを知ったアヒルの子

アヒル湯の経営者の孫、アビル君、
育ちすぎた肥満体のお肉がおばあちゃんの代わりに座る番台からはみ出ている。
いつも慰めてくれたおばあちゃんの遺言にも、痩せなさいと書かれていた。
デブハラを受けて悲しむ主人公、
銭湯の常連客、美容整形外科医の王子に「痩せるなら手伝う」と言ってもらって、痩せる決心をするアヒルくん

始めにしたことは、引きこもっていた部屋の喚起とゴミ捨て。
そして、王子先生の指導のもと減量作戦が開始される、頑張れアヒルくん。
醜いアヒルの子は、美しい白鳥に変身できました。

成長期のDK減量の指南書みたいな漫画だった。

1

「絶対逃がさない」からのお母さん登場が最高でした(笑)

太っちょな少年がイケメン医師に出会いダイエット→痩せたら美少年
これだけ書いたら、とてもありきたりな話のようにみえるのですが、
先生(イケメン医師)の過去や太っちょな少年(蓮くん)の性根のきれいさ等が、「アヒルくんはソレを知らない」を、ありきたりな話ではなくしています。

前半は、王子先生(イケメン医師)の格好良さが目立ち、王子先生が蓮くんの人生を華やかに変える人!みたいな感じですが、徐々に蓮くんこそが王子先生の過去を優しく包み支えになる人 という感じになっていきます。
ただの、ボーイ ミーツ ドクター(ボーイミーツガールをもじりました。)ではないところが、すごく良かったです。




ストーリーも良かったのですが、個人的には、王子先生の言葉等の方が、更に惹かれました。
特に、王子先生が家族と決別したときの回想シーンは、刺さりました。(「さようなら 」のところから「確かに」までのシーン)
また、5話の冒頭の王子先生の信条のところも、勉強になりました。

1

アヒルくん

銭湯の番台に座るデブ。
誰もが振り向かないその巨体。
しかし、運命の出会いでそれは一転する。

というかですね、個人的にせっかくポチャなのに
痩せちゃうのが勿体ないっちゅーはなし( ノД`)シクシク…
や、そりゃ痩せたアヒルくんはかわいいさ。
というか、痩せてから高校生って気づくとかどんだけww
性格もまたすごーくいい子だから可愛さ倍増さ。
しかしだな、しかしだな、しかしだな。
せっかくなら肉まで愛せと思ってしまうのは私がデブだから?

おいといて。
前半はわりとコミカルなタッチですが
実はイケメンな攻も整形の過去があって
誰よりコンプレックスを持っていた。
それを何でもないよと空気でスルーする受の対応が好きでした。
形成逆転やね。うんうん。強くて可愛い受がオイシイ1冊。
リバウンドしないかな~

0

本当に「醜い」のはなにか

好きです、この作品。
表紙の可愛らしいイメージを良い意味で裏切るお話でした。


あらすじを読んだ印象では、ややネガティブで丸々と太った受けの蓮(アヒルくん)が、攻めで美容整形外科医の王子先生の協力の元、ダイエットに成功し、醜いアヒルの子から美しい白鳥へと生まれ変わるお話なのかな?と思っていました。
ところがこの作品はそれだけで終わる王道ストーリーではないんです。
人の美醜や美容整形など、あまりコミックでもBL作品でも見かけない、日本では暗にタブー視されているようなテーマが丁寧に描かれています。
この文だけを見ると重たいテーマにも思えますが、コウキ。先生の描き方が本当にお上手で、可愛らしいところは可愛らしく、甘いところは甘く、切り込むところは切り込む!というメリハリとテンポのバランスがとても良く、終始夢中になって読んでしまいました。
うーん、感想を書くのが難しい作品です。
でもすごく好きです。

アドバイスを受けながら努力をして痩せ、元々持っていた磨けば光る天然物の美しさを手に入れ、卑屈だった性格も明るく変わった蓮。
外見も性格も何もかもが完璧に見える美容整形外科医かと思いきや、家庭環境にはあまり恵まれず、外見にもコンプレックスを持ちながら育ち、美容整形で現在の美しい姿を手に入れた過去を持つ王子。
入口は外見からだったかもしれませんが、異なる方法で生まれ変わった2人が、お互いの過去や醜いと思っていた部分も全部まとめて今があるのだから、どんなあなたでも好きだと言い合える関係になっていきます。
前半は蓮の脱皮物語・後半は王子先生を含め、外見だけでは満たされず心にコンプレックスを持ったままの人々の救済の物語でした。
本当に大事なのはコンプレックスとの付き合い方…確かにそうかもしれませんね。
整形の良し悪しについては人によって感じ方が変わるかと思いますので、かなり賛否が分かれる作品かなあと思いますが…
読んだ方の感想が聞きたくなるような作品でした。

主役2人はもちろん魅力的なのですが、温泉の常連客や蓮の家族がみんなで蓮を応援して可愛がっているのがとても暖かかったです!
欲を言うのなら、思い合ってからの甘い2人ももっと読みたかったなと思いました。
コウキ。先生の他の作品も追って読みたいと思います。

3

王子様にも王子様が必要

救済と愛の物語なのかな?

ちょっと長くて休憩しながら読みました。
蓮くんがみにくいアヒルの子から白鳥になって。
王子様に見初められて幸せになるのかなと思いきや。

蓮はコンプレックスを忘れて生まれ変われた。卑屈さもみんな置いてこれた。これはきっと先生のお陰かな?それとも恵まれた環境で育ちひねくれずに育ったからかな?
逆に先生はコンプレックスを乗り越えたようで共存していて。親からも愛されず友達もいなかった過去を捨てて生まれ変わり順風満帆に見えたけど実は…。

蓮が可愛くてポッチャリでも美少年でもどっちも。
そんな蓮が先生を救って、放火の女性も。

蓮が先生に性欲アタックも可愛かった。宿題もちゃんとこなして、僕を大人にしてって。ギャー!いつの間に小悪魔に。あいつか、塾のリア充か?

悲しいことにやっぱり美しいと人は寄ってくるし、明るくなれるしいいことも多いですよね。
先生の美容整形に対する持論もなるほどと思いました。自分が満足しないと自信を持たないといつまでも満たされないですね。

最後のページでは7年後が。良かったねえ。

1

真実

現代日本でタブーとも言えるテーマに切り込んだ意欲的な一冊、某漫画に「醜いわ、人は見た目が全てです。その人の内面が全て外面に出ているのよ」という台詞があります。

当たり前ですがBLの登場人物(特に受け)は大抵非現実的なくらい可愛らしいです、なので良く言われる「読み手が受けに感情移入して攻めに愛され~」云々はすごく違和感があります。

アヒルから白鳥に変身するのが思いのほか早いですね、もう少しデブ姿と先生のやり取りを見たかったです。

ちなみに右の子は痩せただけで全て天然物ですが左の先生は逆に体型はそのままですが首から上がフェイクです、美容整形外科医になる勉強中にお金を貯めて整形した設定です。
この辺が地雷の人もいるかも、最後は二人の変身前の写真を額に飾って話が終わります。

1

アヒルは白鳥に

評価に悩む作品です。
1冊まるっと表題作なのですが、途中で違う作品になったかと思うような…

表紙と数ページで分かるように、アヒルくんである蓮が痩せて綺麗になる話が前半です。
まずつまずくのが、あまりにも容姿に関する話題が多いこと。確かに容姿がメインテーマなのですが、デブとかブスとか言い過ぎて少々げんなりしてしまいました。

中盤、晴れて蓮はダイエットに成功します。おめでとう!ここから後半にかけて、蓮の性格が急に別人のようになってしまいました。ダイエットだけじゃ変わらないだろってぐらい頭身や骨格も変わって、性格も突如全く違ってしまうので、最早別の主役の話になってしまいました。

終盤は、攻めである隼先生の過去と救済が描かれています。
絵も綺麗で、まとまっている作品ですがここまでくるもやもやが多くて複雑な気持ち。
ただ、コウキ。先生の他の作品も読みたくなりました!

1

レビューがよかったので

読んでみました。かなりのデブの子が、整形外科医と出会って変身する、醜いアヒルの子、なお話でした。

家業である銭湯の番台さんを務める蓮。そこへ傍若無人ないい男がいつもやってくる。それが整形外科医、王子先生。王子は蓮の素材を見抜いて、プライベートでいっしょにダイエットしようともちかける。

先生に色々アドバイスされているうちに、ゲイの蓮は先生を好きになる。一方、やせてものすごくかわいくなった連に一目惚れした王子先生。
あとはハッピーエンドなのですが、先生は整形でイケメンになった過去があり、そのあたりも後半で語られます。

やや後半が、後からストーリーをつけ加えた感じがありましたが、全体にハッピーで嫌な人も出てこず、軽く楽しめる作品でした。

1

攻めの成長物語

あらすじと作者がコウキ。先生だったので購入しました。

読了して、王子先生(攻め)のお話しだなと思いました。
BLって受けか神の目線で描かれることが多いと思うのですが、作品の後半からは王子先生の過去とそれを乗り越えるまでが王子先生目線で描かれています。
そのせいか漫画全体の印象が「攻めの成長物語」というものになりました。

私としては、主な視点は受けか神、攻めの目線はスパイス程度、という漫画が好きなので、入り込みにくかったです。
ストーリーは面白いですし、絵柄もきれいだと思うので、これは本当に個人的な好みの問題なのかなと。

それと、受けの性格が前半と後半でがらっと変わっていて驚きました。
痩せて自信をつけたのだとしても、根本的な性格はすぐに変わるものではないので、「この子、ほんとに蓮くん…?」と思いながら読んでいました。

1

醜いアヒルの子

某コミックサイトで1話を視聴して即コミックを購入しました。
内容はブサデブ男がとあるイケメンにあって色々と心の成長をしながら痩せてイケメンになるお話。
女性バージョン(女性がブサデブ)ならよくあるお話ですが男の人バージョンは私が読んだ中では初めてでした。

ビフォーアフターが本当に凄い・・・

そして1話の終わりが絶妙で、続きが凄くきになり一気に読み終えてました。

人間変わろうと思えばこんなにも変われるんだなと思いました。

5

絵がすごーくかわいい♡

Twitterで見て気になっていたのと、書店で見つけて、絵が、とても自分好みだったので、即購入しました。個人的には、アヒル君が、とてもかわいくて好きでした。正直アヒル君は、太っている状態でも全然かわいいと思いました。
でも、話の上下?みたいなのが、少しわかりにくかったかなと思います。王子先生の元の顔が、ばれたときや、先生のプロテーゼが、突き出しちゃったときなどにもうちょっと、掘り下げる?と良かったかなと思いました。あとは、もうちょっとエロのシーンが増えたらいいと思います。
語彙力が、全然なかったので、伝わりにくかったと思いますが、最後まで読んでくれてありがとうございました。

1

実は前半まで「あ〜この話ハズレだな〜」と思っていましたすいません

アヒルくんの性格とっても可愛いしいい子なのに、王子先生ったらやたらアヒルくん(以下蓮くん)に対して顔がいい顔がいい言いますからね。他の方が言っているように、「結局顔かい」みたいな。(王子先生の壮絶な過去を知ると一概にそこんところ否定もできないわけですが)以下、ネタバレ注意です。

で、す、が、物語半分ちょい過ぎで、ついに蓮くんに王子先生の整形と元の顔がバレてしまいます。(しかもかなり最悪な状況で、です)ここからですね、盛り上がるのは。二人の心と心がぐっと近づいていきます。もう前半はこのための布石、準備段階と思うことにしました(笑)蓮くんが王子先生の精神的な支えとなります。自分の情けなさに落ち込む先生の頭を蓮くんがぎゅっと抱きかかえて、「先生いつもがんばりすぎだから」と言うのですが(天使か)、王子先生はその温かさに(やめて欲しくない、離れたくない)と思いながら言うんですよ、「ーこんなこと、親にしてもらった覚えもない」と。ぐっときましたね。こんな調子でどんどん蓮くんはその優しさと温かさで、王子先生の劣等感や家族に愛されなかった過去によって空いた穴を埋めていきます。これだ、これだよ私が読みたかったのは。「整形する前の先生 顔の腫れあがった先生 歯をくいしばって勉強し続けた先生 今から会いには行けないけど その全部の果てのあなたを愛しく思いました」…いやこんなこと言われたら…おま…そりゃ「好きだ………!」てなりますよ。

しかしここが最高潮、クライマックスではありません。この後最高に涙がちょちょぎれる展開が待っています。火事の中取り残された蓮くんの大事な弟・葵くんを王子先生が助けに行くんですが、中で葵くんを抱いて脱出する途中、柱が落ちてきて王子先生の顔に命中してしまいます。当然、鼻に入れていたプロテーゼは突き出るし、火傷もしてしまいます。王子先生は(嫌われちゃうかな)と思いながら蓮くんに言うわけです。「気持ち悪いよな、ごめん」と。蓮くん、王子先生の胸にしがみついて号泣。「そんなこと言わせたくなかった ありがとうって言う前に 謝ってこないでよ ぐちゃぐちゃでものっぺらぼうでも好きなんだよ」ああああああああああ!!!!!!これを言われた王子先生の心中を読みながら泣きました。これらは一部で、読者は王子先生とともに何度も何度も蓮くんにノックダウンさせられます。

あと読後の幸福感半端ないです。最後のコマは整形前の王子先生と太ってた頃の蓮くんと今の二人の写真が並べて飾られているシーンで締められるんですが(これは前に蓮くんが提案していた)、このお話の主題、テーマみたいなものを感じました。王子先生が完全に過去を乗り越えたことの象徴が最後にあるって言う。また、その最後のコマでは王子先生がしわくちゃになってもずっと好きみたいなことを言うんですけど、その隣に描き下ろしで七年後の王子先生と蓮くんと葵くんが描かれていて、王子先生の言葉と相まってここでもじんわり温かくなりました。

他の方も仰っていますが、とても考えさせられるお話でしたね。攻めが整形だと言うことで抵抗感ある方も多いのではないかな、と思うのですが、ぜひ色々な人に読んでみてほしいと思いました。読んだ後での賛否両論は沢山あると思うのですが、読む前に整形攻め(笑)という理由で避けてしまうには惜しいくらいの作品ではあります。後何度も言いますが、前半は布石だと思いましょう。

個人的に蓮の家族が本当に温かくてユーモア溢れていて大好きです。

22

意外と考えさせられる作品

 小気味好いテンポで進んでいく、コウキ先生らしさの詰まったラブストーリーでした。肥満の受けというのが珍しくつい手に取ってしまいましたが、見事にダイエットで化けて、まさに醜いアヒルの子が白鳥へと変化していく様子が素敵でした。その素質を見抜いた攻めの王子の観察眼に感服です。太っていた頃は控えめでおどおどしがちだった蓮が、無自覚ではあるものの徐々に小悪魔っぽい性格になっていくのも見応えがありましたね。段々王子の方が振り回されるようになるのが面白かったです。

 一見余裕たっぷりの攻めに見える王子も、実は昔は劣等感の塊で、整形をしたことで今の美貌と自信を手に入れていたという過去があったのには良い意味で驚きました。ここが「イケメン王子様に見初められた受け」というような、単純なシンデレラストーリーには留まらない、コウキ先生ならではのエッセンスなのではないかなと思います。王子の方が上手に見えますが、実際には蓮は痩せれば美人という天然ものの美貌を持っており、それに対して王子の美貌は人工ものなわけです。美麗なタッチでいかにも王道なBLが似合いそうなコウキ先生ですが、実際に作品を読んでみると意外と闇を感じさせる部分があったりするんですよね。今作も、整形をしても満たされない人間の心の描写もあり、明るさと薄暗さが共存しているようにも感じました。王子もまた、どんな過去でもどんな見た目でも受け入れてくれる蓮に救われたわけですね。持ちつ持たれつな2人の関係に応援したくなること間違いなしです。

3

ビフォーアフター。

インタビューを機に購入。
太った子がダイエットで綺麗に痩せて恋をして〜なシンデレラストーリーかなと思ってたら、それだけではないお話で意外性ありました。

素材は良いが太っている受けが、家業の銭湯の客(攻め)のアドバイスにより痩せる。
痩せたら攻めの予想通り美形→攻め、受けに惚れる。
この流れに「結局は顔かい!」となりましたが、以後明かされる攻めの過去が重い。
でもそんな攻めの過去も現在もひっくるめて包みこめる受けが良かったです。
受けは攻めによって変わり、攻めも受けによって救われる。
出会うべき人に出会ったんだな、と思いました。

あっさりダイエット成功、ダイエット成功後の周囲のあからさまな変化、受けの性格の変わりよう…と、引っかかる箇所はありました。
とはいえシリアスだけでなくクスっと笑えるところがあったので、暗くならずに絵柄の雰囲気のまま優しい気持ちで読めたな、と。

エロは最後に一回のみ。
攻めが、意外にもちゃんとした大人です(笑)
この二人のラブラブなお話、もっと読みたかったな…(´Д` )

3

白鳥にならない方が好きでした。

作者さんのインタビューを読んで、面白そうなテーマだったので読んでみましたが、ごめんなさい、私にはちょっと合いませんでした。

そもそも太っている人に対して第一声「デブは~」なんて暴言吐いちゃう攻めは人間的に問題ありなのでしょうが、クズ好きな私としては、むしろその口が悪いところが魅力的で『美こそ全て』的な傲慢さを信念にオレ様に文句あるかとばかりにぶっちぎってくれたらすごいよかったのに残念。
すぐに反省しちゃうし、ネガティブオーラ出しちゃうし、さらには抱え続けた悩みを年下の恋人に救われてちゃうしと、弱さばかりが目立ってしまって、インパクトのある出会いで面白かっただけにあれれ~っという感じでした。
過去の自分と決別した完全無欠のスパダリが自分の信念の基に卑屈な受けをガンガン攻めたらもっと面白かったのになぁ。

一方の受けは太っていることで自分を卑下しているおとなしい高校生。隼の言葉でダイエットを成功させて、美少年に生まれ変わったものの、まわりの自分に対する態度の変化に戸惑っている姿が天然で可愛いとか、小悪魔みたいに可愛くまわりを振り回すというよりは、私にはあざとさが鼻についてしまってちょっとダメでした。むしろ太っていた頃の方がずっと可愛かったような…

外見も大事だし、一目惚れもいいけど、一生懸命に痩せようと頑張る受けの姿にどんどん惹かれていく過程を丁寧に描いてくれたらもっとはまったと思うのですが、せっかくの萌えポイントなのにさらっと終わってしまって…『理想の姿に変身!サプライズ~!』にコロっと落ちちゃう攻めねぇ。職業柄とはいえ見た目重視で簡単だなぁと引いてしまいました。外見に強いコンプレックスを抱えていた割には、闇は浅いし、クズにもなるわけでもなく、設定は面白かっただけに表面的で終わってしまって、ちょっと残念な作品でした。

5

深くて可愛いお話

作者買いです!

毎度のことながらとっても綺麗な絵!
ちっちゃい子の作画もとても可愛くて大好きです。

さて、本編ですが、可愛らしい!キュンとくる!みたいなお話かなと思いきや、見た目の優劣、コンプレックスとの付き合い方、人を好きになることとは何か、などかなり深いテーマが織り交ぜられている作品でした。

誰もが振り向くような美青年と美少年カップルという、ザ!2次元!のような構図に反して、二人の心模様や弱さなどはとてもリアルに描かれていて、グッとキャラの心情に寄り添える気がします。

美容整形というワードはBL界にとってなかなか聞きなれない言葉だったので、展開の予想もつき辛く最後までドキドキしながら読めました。

あと、個人的に、後半になるにつれ、美しく、少し小悪魔になっていくアヒルくんがめっっちゃくちゃツボでした!この誘惑を我慢できた先生はすごい。

ボリュームたっぷり幸せたっぷりで満腹の作品でした〜!読み返します.....!

12

一粒で何度でも美味しいっ!!!

作家買い。

ちみっこもアヒルも可愛いけど、可愛いだけのお話じゃないっ!
なんかわかんないけど、読後にじんわり涙溢れてきました。
攻の王子さんに感情移入したからかもだけど。
上手く言えないけど、凄くグッとくるお話でした。

『恋ごころの住み処』は居場所探し的なお話でしたが、こちらの作品では更に突っ込んで、成長や変化(見た目だけではなく)通して人のこころの在り方みたいなお話でした。

小ネタも満載で、読み返す度に気づきがあり、本筋とは別の点でも楽しめます♪
あひるのさとみさん視点の回、面白い!
葵ちゃんとの攻防にクスクスです。お尻の穴を覗いてるカット大好き!
1話から最終話+α迄、葵くんの成長アルバム的に見れるのも、ちみっこ好きには最の高!
じぃさん達がいい味出してるのもツボです!
ママの出産シーンや、ちょっとお花畑感のあるパパも可愛い!

喰われたがりの仔羊くんも出てきてほっこり嬉しい友情出演!

コウキ。先生のキャラみんなでわちゃわちゃしてるのも見たいな~♪

8

自分を「好き」になって幸福を。

今回も分厚い本になってます♪
コウキ。さんのツイッターやpixivにもサンプル多めにアップされてますので参考にどうぞ。

率直な感想としては、
2転3転4転と攻めも受けもイメージが変わっていくなーと…。
冒頭数ページと終わりでは全然違いました。

あくまで個人的な見解ですが、
《冒頭》
俺様美容外科医×コンプレックス気弱
《中盤》
溺愛系スパダリ×無自覚美人な天然…?
《終盤》
くそ真面目な大人×あざと小悪魔系の男前

うん。少なくとも3転ぐらいはしてる気がする。
最初と最後の属性違いよ…(ФωФ)

でも2人の関係が深まるごとにジワジワと変化していくので、
この変化が成長の証なんだろうなと思います(﹡´◡`﹡ )

また、男同士の恋愛がメインというより、
人の成長・人が関わり合う愛情・親の愛情・優しさが中心になっているように感じました。

そして今回もコウキ。さんの描く超絶ラブリーな子供ちゃんも登場します♪
作中で流れる時間に合わせて、最初は赤ちゃんだったのが最後はよちよち歩き+αまで…!
はぁぁ可愛いよぉぉぉ(;///;)

整形に関して切り込んでくお話はBLっぽくはないけど新鮮でした。


というわけで。
受け・アヒルくんは肥満体型で内向的。
ある日、銭湯のお客である美容整形外科医・王子から
「お前痩せたら絶対可愛い」
「自分から醜さに逃げるなよ」と言われ。。。

最初こそ暴言を吐いた王子でしたが、
虫の居所が悪いタイミングだっただけで本当はとても優しい人です。
外見の醜さ・心の弱さを自分自身も経験しているから、フォローの言葉が沁みます。
失敗しても、後ろ向きになる日があっても、決して責めない。

「何回負けてもいいから、何度でも戦って、ちょっとづつ勝っていけ」

ぐぬぬ…なんだろう、優しさに泣きたくなるこの気持ち。
王子の前向きな言葉は後ろ向きな心に刺さるモノが多かったです(;ω;)

そして王子の優しい言葉・王子への恋心を糧にアヒルくんは大変貌を遂げます。

王子が思っていたとおり、いや思っていた以上に可愛かったアヒルくん。
その後の王子のメロメロっぷりといったらw

でもアヒルくんの魅力は外見だけじゃないんですね。
本当の魅力はコンプレックスを忘れられる心の強さ。
それが他人の心を浄化するような力を発するーー。

美容整形でイケメンを手に入れた王子の過去は決して幸福なものではなかった。
それでもその過去を糧に自分の出来る最善で、悩む人を救おうと頑張って頑張って。
張り詰めてきた心を救ってくれたのはアヒルくんの存在で。
弱った大人をヨシヨシする子どもの図がキュンキュン(∩´///`∩)

互いに、後ろ向きで醜かった過去もひっくるめて
まるごと愛おしく思い合う王子とアヒルくんを通じて優しさを感じるお話でした。

脇ではペットのアヒルが活躍(?)してます。
アヒルも弟くんも可愛くて癒やされる~(;///;)
また、銭湯の常連客のおっちゃん連中も中々良い味だしてます。
皆でアヒルくんの成長を応援してて、愛情がめいっぱいでした♪

余談ですが、チラリと「仔羊くん」の羊が登場してて嬉しかったです。
その後の交流が気になるところ。
年上彼氏談義してるのかな~?( ´艸`) ワクワク

ただ、やはり詰め込み過ぎ感はあるかも…。
個人的にはコウキ。さんらしいギッチリ感が楽しかったです。

6

この作品が収納されている本棚

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