SS付き電子限定版
2020年のGWはこのシリーズにささげています。
紙版だったのですが、電子には限定SSがあるんですね。ずるい。
読みたいじゃないですか。読みましたよ(1巻から)。結構ちゃんとボリュームも内容もあるので、買ってよかったと思いました。(でもクーポン使いましたよ。)
3巻のSSは印南さんが、冒頭ちょっとおかしな酔い方してるよ?の理由が明かされています。いや、これ結構大事な部分なんですけど!
恋人になる1巻、印南さん溺愛攻としてキャラ確立する2巻と割りと糖度高めの展開から、二人の将来設計にかかわる3巻は不安になったり悩んだりと、ちょっとハラハラしましたが、筋肉と同じで、人間関係も一回痛めて強くするみたいな感じなんだなぁとつくづく思いました。より頼もしく、たくましくなる印南と青依が、ただの恋人にとどまらないくらいの強い信頼関係を築く様子が尊いです。
みんなそもそも環境や才能にめぐまれていたりする人たちだけれども、それ以上に努力を惜しまないという姿勢が描かれていて、、私も仕事がんばろう、、とつられて思ってしまうのでした。
シリーズ3作目。めっちゃいい子ですが、萌という面では減ったかなと思ったので萌にしました。若者の健やかな成長を見守る心地の本編250Pほど+あとがき。シリーズ1作目から読んだ方が絶対いいと思います。
変わらず仲良く暮らしている二人。競合会社の事情によりめっちゃ忙しい日々を送っている中、より印南を支えたいと考えることが増えている青依。ある日、印南にとって恩人となる研究者のベルさんがフィリピンからやってきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ベルさん(♀、きっぱりしたタイプ)、印南の甥っ子、酒匂さん(印南の秘書)、研究所の仲間、工場の仲間、諸星(2巻で出てきた秘書)ぐらいかな。甥っ子は迷える青少年といった感じで将来楽しみだ。
**良かったところ
2巻でも「どうやったら印南を支えられるか」と色々悩んでいた青依。今回はとてもはっきり考えを述べるベルさん登場により、大学に行くべきだ!と現状を変えていくことを迫られます。
私も現状変えるのを躊躇う方なので、そりゃ色々悩むよな、ベルさん厳しい・・と青依と一緒に超考えちゃって大変でした。そんな中、当巻では結論がないまま、とにかく大学に行って研究職を目指す!という結論は出て、明るい未来が垣間見えるという終わり方。万々歳の未来をしゅるしゅるっと書かれても納得いかなかっただろうと思うので、この終わり方で良かったかな・・頑張れよ青依という気持ちでいっぱいです。
もう一人今回頑張ったのは新登場の誉(甥っ子)。甘ったれのクソ坊ちゃんでしたが、色々経験して振り切れたのかな。現場を知ってこれからの事を考えて、ぜひぜひイケメンになってほしいものです。
悩める若者二人のことばかり気になって、今回もやっぱり印南はあんまり印象に残らずでした。もうちょっとイケメンっぷりを見せてほしんだけどな。社長さん、若者に負けないように頑張ってくださいね。
若者が自分の中にある壁を取り払って成長する!という印象の爽やかなお話と思いました。
お仕事話がお好きな方にも良いシリーズでは、と思います!
3冊目。とても好きなのでもっと続くと良いな。
青依と印南さんだけじゃなく、脇を固めるキャラまで魅力的。
新キャラの印南さんの甥っ子、誉。
イラストがそっくり印南子供バージョンで凄い……と魅入ってしまった。
誉みたいな自己評価だけが高い子、いるよいる。周囲の「大人」からは諦められていて、ろくに注意もしてもらえない。でも青依くんは違う視点で行動してる。なんだろ……「社長の甥」「グループの御曹子」「最近の若い子」ではなくて、最初からナチュラルに誉本人を見てる感じ?甘やかさない。
一言でいうとアニキ。さすが元ヤンだねと他のスタッフにからかわれつつ面倒見が良いです。本人は自分だって大人なのにとご不満ですが、それは事なかれ主義に染まってない青依の美点だなや。
自分と対称的な生い立ちの誉の、その悩みも聞くとああそうだよなーて恋人のことを思って寄り添ってみたり。かわいい。
ベルさんの穏やかな癖に日本人にない押しの強さや、そういえば1巻での酒匂さんの迂闊さにしても、ここのキャラはどこかリアル。それぞれがそれぞれの考え方で行動してしかも成長してるので先が読めなくて楽しみ。
そして印南さんの、わかり辛い溺愛っぷりが好き。
青依の将来を巡って、印南と青依の心が大きく揺れる本作。シリーズの中で一番好きです。人生を左右する大きな選択に印南と青依が出した答えは、二人が共に幸せになる最高の形だと思いました。
忙しさに疲弊する印南のそばで、青依は直接的な戦力になれない自分をもどかしく感じます。そんなとき、来日した研究者・ベルが、青依の優れた記憶力に研究者の資質を見いだし、フィリピンに来ないかと誘ってきます。大学に行かせてあげる、とも。心揺れる青依と印南。そんな時、印南の甥・誉が進路に悩んで家出してきて…。
中卒の自分に結果が出せるか自信がなくて、青依はベルの誘いに尻込みします。印南のそばにもいたくて、現状で充分に頑張っている、と自分の気持ちに蓋をしてしまいます。
印南のほうも、自分が青依の枷になっているのではないか、と引け目に感じながら、青依の心が自分から離れるのが怖くて、青依の背中を押すことが出来ません。
悩んだ二人が最後に出した答えは、青依の進学も二人の恋も諦めないこと。印南の「待っているから。」、青依の「自分たちはもう、家族になったのだから」に、強く胸を打たれました。青依を愛して印南はこんなにも変わり、青依にとって印南は恋人であり家族という存在にまでなったのですね。二人はいっとき離れても絶対大丈夫。そう思えました。
たとえ今一緒にいることが幸せでも、互いに引け目を感じたり、後悔が残るような関係は、いつか苦しさが勝ってしまう気がします。ベルと誉の登場が、二人の関係を大きく動かしたと言えるでしょう。新しい道を開くのは、人との出会いなのだと思わされます。
前作を読み終えて、青依の行く末は秘書なのかと予想していました。違ってよかったです。青依が自分の能力を活かして印南の隣に並ぶ未来が、より鮮明に浮かんできます。
シリーズ通して、タイトルが内容に、当たらずといえども遠からず、という感じなのが、気になっています。青依は玉の輿に甘んじてはいないので。ユーモアのあるタイトル、と解釈した方がいいのかもしれませんね。
二人のこの先がとても気になり、小説Charaでの番外編を見逃したことが悔やまれます。書き下ろしを加えて文庫化されたら嬉しいのですが…。二人のやりとりが楽しいので(特に致す前の。笑)、もう少し読みたいです。
シリーズ3作目。完全にお話としては続いているので、このお話だけ読んでも登場人物の人となりがわからないと思います。ぜひ1作目からどうぞ。二人の成長に驚きです。
電子書籍で読了。表題作+電子特典SS「きみに幸せあれ」
前作の秘書選抜で不採用になった青依(受け)は再び古巣の工場の一般事務と資料管理の仕事に戻っています。他社の不祥事の影響を受け年度末も相まって非常に忙しい毎日を送っていました。
今までの仕事に加え工場の軽作業の手伝いにラボでの手伝いもこなす青依にフィリピンの研究者ベルが来日し、青依をスカウトします。
中卒の青依に対し、大学・院へ行く費用と卒業してからフィリピンのラボへの就職を約束するという提案に驚く青依。夜間の高校へ行くことを目標としていながら、仕事が忙しく実現していないながらも、印南の側にいたいということ、今の居場所がとても心地よいということもあり躊躇する青依に対してベルは印南(攻め)の役に立ちたいなら動くべきだと諭します。
青依がスカウトされたことに対して、印南は何も意見しません。自分と付き合うことによって青依の可能性をつぶしているのではと危惧する印南は自分の側を離れてほしくないと思いながらもそれを口にすることはしたくない。でも、逆にそうされないことに青依は不安を覚えてしまって、今の状況に満足している自分はよくないことなのか詰め寄ります。
学歴コンプレックスから自己評価が低く、印南の役に立ちたいと願いながらかなわない現実を突き付けられ、印南に突き放されたと思った青依は言い争いになります。
時を同じくして、印南の甥・誉が突然高校へ行きたくないと転がり込んできます。
高校を辞めるという誉に対し、なんとか辞めさせたくない大人たちは、インターンとして印南の会社に勤めることにするのです。
フットワークが軽いという理由で誉の面倒を見ることになった青依は、自身が末っ子で今まで所属していたグループでも自分より下が居なかったため、初めての後輩指導に四苦八苦します。そのうえ、反抗期の誉は全く働く気がなく、仕事を言いつけてもため息はつくわ、バックレるわ、工場の仲間とも険悪になり、青依はその間にたって謝る日々が続きます。
後々、誉の高校へ行きたくないという理由を聞くに、誉にも同情する点はたくさんあるのですが、自分だけが大変だと思っているお子様なところがそしてやはり裏で動く大人たち
の甘やかしがやはり大企業の御曹司だからと言われてしまう所以だろうと思いました。
誉が反抗期が落ち着き始めたころ、再びスカウトの話が持ち上がります。
誉の子供だからこそ言えるストレートな意見もあり、青依は卑屈にならずにフラットな気持ちで決断することができます。
青依の決断は二人にとって落としどころとしては一番しっくりくるものだと思います。が、実際仕事をしながらではかなり難しいのではないかとも思いました。
これからの青依の頑張りに期待したいです。
普通、巻を重ねるにつれて、マンネリになったり当て馬が出てくるといったありきたりな展開になってがっかりすることが多いのですが、このお話は二人がお互いを想いながら成長していく過程がとても楽しいです。
ぜひぜひ4冊目で研究室にいる青依を読んでみたいです。
今回初めて登場するのは、印南の甥っ子・誉
はじめは、本当に腹の立つ子供ですが、反抗期の男の子って話するだけでもマシレベルなので(特に母親には)ブチ切れて高校やめるといいつつも親と話をするだけましかもしれません。とはいえ、印南の兄は本当に自分勝手だと思いました。今までの印南への仕打ちをすっかり忘れたかのような、都合の良い時
だけ、相手の都合も聞かず甥っ子を押し付けるとは。この父親には大いに反省してもらいたい。
そういうエピソードも読みたいものです。
最後にはすっかり青依に懐いた誉がどんなふうに成長するのかも楽しみです。
そして、今回は印南の友人であり秘書であり青依の兄貴分でもある酒匂さんの出番が少なかったのがちょっと残念でした。彼にももっと登場してほしかったです。
きみに幸せあれ(印南視点)
本編にて言いたいことがあるようでなかなか本音が言えなかった印南の話。
印南が本編で言葉を選んだり、言い澱んだりしている背景が書かれており、再読すると、このもどかしげな印南はこんなことを考えていたのかということがわかります。
印南の役に立ちたい、印南に少しでも近づきたいと思う青依。
印南の真意がわからず呆れられたとショックを受けたり涙ながらに怒っていた青依ですが、世間的には格差がありますが、実際印南は青依が卑下する必要は全くないくらい並んで立っている認識でいるんだということがわかります。それどころか青依においていかれるのが怖くて本心がいえない臆病な面もあらわになっていて、印南の本心がわかってすごく良かったです。