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表題作フィフス

叔父・国会議員・門真巽(46)
「エスコート」オーナー・榎本和佐(32)

同時収録作品フィフス / スタンス

志岐由柾 榎本の同級生・トップガード
浅生ユカリ 新米ガード (21歳)

同時収録作品フィフス / スタンス

延清美弦 トップガード
水嶋律 榎本の秘書

同時収録作品プレイス

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

ある日、人材派遣会社『エスコート』のオーナーである榎本のもとに、新しい依頼人から電話が入る。
相手は衆議院議員の門真巽。
彼はボディガートを依頼し、さらにそのガードを同行させるプライベートな旅行に榎本を誘う。
実は榎本と門真は、17年前、榎本が中学生の時にある取引をし、月に一度、身体を重ねる関係だった。
旅行に誘われたのは初めてで、二人の関係の微妙な変化にとまどいを覚えながらも、榎本は門真の誘いを受けるが…。

作品情報

作品名
フィフス
著者
水壬楓子 
イラスト
佐々木久美子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
エスコート
発売日
ISBN
9784344805323
3.6

(33)

(10)

萌々

(12)

(4)

中立

(4)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
8
得点
114
評価数
33
平均
3.6 / 5
神率
30.3%

レビュー投稿数8

月1回の逢瀬×17年間≧愛?

叔父・国会議員・門真巽(46)×甥・「エスコート」オーナー・榎本和佐(32)
「エスコート」シリーズ第4弾はオーナー登場です。

『フィフス』
毎月5日は契約の日。
月に1回会って抱き合う。
それが榎本が巽と結んだ契約。
巽の未来を縛る代わりに、巽の自由に振る舞わせる。
その関係はもう17年も続いている。
なのに、その契約日以外に旅行に出かけようと言われて…。

オーナー、実は15才の誕生日から御手つきでした。
ちょっとびっくりしました。
ある種、契約愛人のような関係になるんだけども。
それは巽が「飽きたら」終わりになる契約で。
17年の間、その日以外呼び出されたこともなかった榎本は何かが変わるんだなとぼんやり思っていて。
それでも、自分はそれに素直に従うだけだと思っていたんだけども。
泣いて縋る榎本は30男だとしてもやっぱり可愛かったですv
巽の方はもっと自信家なのかと思ってたんだけども、そうでもなかったんだなと。

『スタンス』
巽サイドからの過去の回想とその後。

初めての時の榎本の初々しいこと。
それでいて、減らず口なところは現在まで変わらずで。
最初の頃からなんとか巽と対等にあろうとしてるのが見て取れて。
そんなところに巽も心動かされたのかなーとか思ってみたり。
契約結んだのも衝動的なものだったしね。
初めての月1回じゃない逢瀬に戸惑ってる榎本もかわいい。
言葉では抗うような素振りとか見せても素直に従っちゃう榎本ってばホントかわいい。

『プレイス』
初めて巽が榎本の部屋を訪れる。

何よりも2人の時間を大事にしたい巽。
榎本の前で議員との食事をキャンセルする電話を入れてみたり。
ホント巽は榎本に対して甘いなぁ。


このシリーズでは「リミット」が一番好きなんですが、その次にこれが好きかも。
いつも飄々としてる榎本がどこか巽の手の上で転がされてる感じがして。
減らず口を叩く榎本と巽の言葉遊び?みたいなのも楽しいし。
これ、CDで聞いてみたいなぁ…。
CDは2作目の「ディール」までしか出てないので、これが出るとしたら先に「ミステイク」が出てからなのかもしれないけども…。
だって、榎本、コニタンだもん。
コニタンが受になるんだもん。
…超聞いてみたいんですけどー。
受コニタンて聞いたことがないので。
あと、その場合、誰が巽をやってくれるのかも気になるところで。
誰かCD化して!!

7

結構、好きです。

オーナーのお相手は誰だろうと、そもそも榎本は受けなのか攻めなのかどっちだろうと思っていたのですが、さすが水壬さん!お相手は国会議員できましたかという一冊です。

叔父であり、国会議員の門真巽さん・46歳。
彼が榎本をとても可愛がり、甘やかし、榎本の意地悪な発言にも動じないいいオヤジなのです。
まさに割れ鍋に綴じ蓋のような二人。

榎本が15歳の時、親戚である二人に今後を左右する重大な話が降りかかります。
ある政治家の後継者に巽さんか榎本かどちらかがならなければいけないというもの。
二人とも冗談じゃない、嫌だとなるけども選ばなければいけないのです。
榎本はまだ学生で、巽さんはまったく政治とは無関係な仕事をしていて興味もなくて。
どちらかが自分の人生を犠牲にしなければいけないという状況の中、二人は話し合いの場を設けて話すのですが平行線のまま変わりません。
そして巽さんが言うのです。
ちょっと飲んでもいいかな、そしてお酒をあおります。
榎本は、こんな時に飲むなんていい気なもんですね、みたいな事を言いますが巽さんは、自分でも馬鹿なことを言うんだ飲まなければやってられないといいます。
そして二人の関係が始まります。

巽さんは飲むときにいろいろな決断をしていたんですね。
政界へは自分が行こう。
榎本を行かせるのは可哀想だ。
しかしどうしても腑に落ちない何か。

男の悲哀がにじみ出ていいのです。

水壬さんの作品で同じ政界ものの「スキャンダル」という義父と養子の話もありますが、そちらはこんな幼い子に何を愛人契約なんかして!ひどい!と思いましたが、こちらはそんなことも思わず、すんなり入り込めました。
叔父×甥だからでしょうか。
榎本の妙に大人びた性格だからでしょうか。
このお話は好きでした。

8

オジ好きには嬉しい

なぜ「5」なのか?
それは二人の関係に由来します。

元々榎本が学生(って、15歳ですよ!)の頃からの関係です。毎月、その日だけの逢瀬。
5日は榎本の誕生日でもあります。
もうそういう関係が17年も続いていたのだけれど、ある日5日ではない日に会うことに…。

いやぁ、今は飄々とした得体の知れないエスコートのオーナですが、実は可愛らしい!そこが素敵で、巽だけに見せる姿に萌えます。もういい歳の巽ですが、榎本の縋る気持ちがわかる。大人のカップルなんですが、微笑ましくもあるので、私はこのシリーズでは、これが一番好きかも。ま、榎本みたいな受けが好きなんです〜。
って、前はリミットが一番って言うてたけどね

他のCPに対しては、全部お見通しみたいにお膳立てしたり、そうなるように仕向けたりしてる風なんですが、自分のことはやっぱりね、、、難しいみたいです(笑)

3

地雷を超えるほどの17年の軌跡

人生初の衝動買いですと!?

なんか二人の17年間を後からたどると涙が出そうです。
初めは人生を賭けた戦い、そして見返りとしての愛人契約?この愛人契約が出てきた時点で、ギャー出たよ!なぜBLは愛人契約が好きなの!?と読むのを止めそうになりました。しかも相手はまだ中学生!

しかし現在の箱根旅行で後から後から明らかになる二人の想いや過去やらに。また一人で生きてきた和佐が道標にしてきた巽に。本当は自分にとってどんな存在だったか…。わかると泣けてきます。

お互い気持ちを隠して毎月。溢れそうなのに。巽がいつまでも和佐を子供扱いするのも、和佐がいつまでも可愛くて仕方ないからですよね。巽の意地悪なところもとっても良かったです!

2

惚れたらコドモ

 このシリーズ、ほかは制覇したのですが、本作だけ洩れてました。主役はエスコートのオーナー榎本(受け)。某所で「なめ●じ」呼ばわりされていたほど、ある意味強烈な人を食った性格で、読者の好き嫌いもはっきり分かれそうなキャラではあります。ただ私自身は、自分が間違っても愛されキャラではないと重々自覚したうえで、それでもわが道をゆくしかない榎本のようなタイプ、嫌いじゃないです。

 エスコートの関係者には家庭環境に難ありな人が珍しくないんだけど、
中でも榎本はかなり特殊。15の年まで父の顔も知らない母子家庭育ちで、その父はなんと現職の大臣だった。正妻との間にこどもができなかったので、榎本を引き取って後を継がせたいという。

 その知らせをもたらしたのは父の弟、つまり実の叔父である門真。昔自分と母を捨てておきながら何を今更!と激しく反発する榎本に、門真はだしぬけに持ちかける。「君の代わりに私が後継になってもいい」ただしとんでもない交換条件付きで「君が私のものになるなら」

 このとき榎本15歳、中学3年生。対する門真は29歳、大学講師。この構図では、当然いいオトナで教育者でもあった門真の方が非常識のそしりを免れようもありません。でもわたしは個人的に、BLに限っては近親相姦にさほど背徳臭を感じないので(生殖を伴わない、という1点において)初対面の実の甥に向かって「今どうしても君が欲しくなった」と駄々っ子のようなことを言い出す門真を許せてしまいました。まあ、お互い初対面だったからこそ、肉親とつがう生々しさを感じなかったのかもしれませんが。ともあれ病身の母との生活を護るという大義名分もあり、榎本は条件をのむのです。

 以来17年。門真は約束通り政界入りし、榎本は月に一度だけ門真に抱かれる。ずっと形も変えず、途切れることもなかった2人の「契約」。本来なら榎本の母が亡くなった時点で打ち切られてもいいはずなのに、どちらもやめようとは言いださぬまま。少年だった榎本もいまや押しも押されもせぬ企業経営者、門真は未来の総理総裁候補ともいわれる公人でありながら、どこか浮世からも、時の流れからも隔絶された感のある2人だけの世界。そこに突然門真の縁談という「現実」が投下される。

 タイトルの「フィフス」。2人の逢瀬が毎月5日だったことから付けられたようですが、もうひとつの意味は「5番目」。榎本は自分を門真の5番目だと思っている。仕事、家族、友人、趣味、その次くらいの存在だと。そんな自分には、門真の結婚に異議を申し立てる権利などないと思っている。

 門真は初めて、榎本を一泊旅行に誘う。でもそこまで。それ以上は動かず、榎本の出方をただじっと待つ。彼がずっと言えなかった本心をさらけだすまで。こういう場合、年長者の余裕とか、懐の深さとみるべきかもしれないけど、実は門真の方も結構いっぱいいっぱいで、余裕どころじゃなかったようです。その辺の心情は門真視点の後日談「スタンス」を読むとよくわかります。もう一つの後日談「プレイス」では、恐れを知らぬ若造のユカリに「オーナーのどこがいいんですか?」とマジで問いただされてましたし・・・惚れた弱みには年の功も無力なようです。

3

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