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拾われた竜人族の青年×人嫌いな魔法使いの、年の差疑似親子ロマンス!
作家買いです。
しかも、今回は個人的に大好きな「受けが攻めを育てる」と言う子育てもの。
ほのぼのハートフルで可愛い作品なのですが、強く心を打たれる部分もあり、思いがけず泣いちゃったりして。
そう、愛していて、愛されてる。そして限られた時間を共に生きてゆくー。
これ以上の幸福て、無いのですよ。
至極シンプルでありながら、最高に素敵な事だよなぁ。
と、胸がいっぱいになる作品でした。
内容ですが、ハイファンタジーで拾われた人狼×魔術師による両片思いものです。
森で隠遁生活を送る魔術師のオジェ。
追っ手に終われ瀕死の竜神族の幼子・ヴァリを拾い、なりゆきで育てる事に。
素性を隠すために「人狼」と偽り、いつしかオジェを見下ろす程、強く逞しく育ったヴァリ。
二人は家族にも似た温かい関係を築いてゆきますが、ヴァリの出生に関わる重要な情報が明らかになり-・・・と言うものです。
まずこちら、キャラクターがなんとも魅力的です。
ちょっぴり生意気な部分はあれど、とても一途で世話焼き、包容力があるヴァリ。
そして人一倍優しいのに、愛情表現が不器用過ぎるオジェ。
人間の国に魔術師がいて、それぞれの獣人国がありと言う世界観ですが、ヴァリは希少で謎の多い竜神族になります。トラブルを避ける為に、よく似ている人狼のフリをし、と言う設定。
で、オジェですが、彼はその強い魔力によって不老不死になった「時を止めた者」。この永遠に生きると言う部分だったり、そうなった理由だったりになかなか切ないものがあったりします。
が、とりあえずは超ほのぼの可愛い子育てパートから始まるんですね。
ヴァリが拾われた幼い頃から、時系列順に丁寧にストーリーは進みます。
これ、オジェがですね~、超子供の扱いが下手なんですよ。
大怪我を追って記憶も無くし、怯えている子供に対して、ぞんざいで気遣いの無い言葉。
で、ヴァリがグズグズ泣き出せば、慌てて「な、なんだ急に。どうして泣きだすんだ」みたいな。
しかしですね、不器用ながら心を砕いて彼を育ててゆく-。
二人の遠慮の無いやりとりなんかもあたたかいんですよ。
「この暴力じじい」「私をじじいと呼ぶな。小便小僧めが」てな感じで。
二人は最初から劇的に惹かれ合ったのでは無く、こんな毎日を積み重ねてゆく事により、互いに心を許してかけがえのない存在になっていった・・・。
長い時をかけたからこそ、得られる関係がとても素敵です。
更に更に、萌えるのがここから。
二人が出会ってから19年がたち、立派な若者に成長したヴァリ。
彼は超スパダリに育ってるんですよ~。
で、自分の腕の中にスッポリ収まってしまう、華奢で美しい養い親に熱い想いを向けるようになっている。
両視点で書かれてるのが、これまたいいんですよ。
オジェはオジェで、いい男に育った養い子にすっかり操縦され「生意気になりおって」と。
自分が面倒を見ていた相手に世話を焼かれるようになりと、いつの間にか立場が逆転している。それにくすぐったい思いをする受け!!
これぞ「受けが攻めを育てる子育てもの」の醍醐味ですよ!!
受けが育ち過ぎた養い子の逞しい腕に抱き締められ、動揺してるのが萌えて仕方ないんですけど(≧∀≦)
あとですね、ヴァリには出生の謎があります。
それに絡んで、二人の間に起こるすれ違い-。
オジェは時を止めた者で、永遠に生きるんですね。
ヴァリがいつか年老い、死んでしまっても。
寂しがり屋なオジェを、一人で残してゆきたくないと強い決意を持つヴァリ。
そして、そんなヴァリの危機に、自分の命を懸けても救おうとするオジェ。
実の所、先の展開はうっすら読めちゃうんですよ。
読めちゃうんだけど、それでもやっぱり切なくて仕方ないし、深く感動してしまう。
伏線がきっちり張られてるのですが、そこで読者を散々怯えさせてるんですよね。
秘術に失敗した魔術師の末路がゾッとくるもので。
その上で、覚悟を持って臨むオジェに、深く深く共感してしまう。
くっ、読ませるな!!と。
まぁそんなワケで、ほのぼの可愛いだけでは無く、深みのあるストーリーで読ませてくれるのです。
また、ラストがとても良くて。
帯には「家族でも恋人でもない」となってるんですが、「家族であり、恋人でもある」二人になったんだなぁと、胸が熱くなってしまう・・・。
ちょっとホロリときちゃう、優しいラストなのです。
とりあえず、とても素敵な作品でした。
作家買い。
作家買いですが、小中作品の中でもダントツに面白かった。
瀕死の人狼(なのかどうかがこの作品のキモ)・ヴァリを拾い、命を助け、そして育てる魔術師のオジェと、彼に救われたヴァリとの恋のお話。
魔術師としては超一流。でも厭世的で天然ちゃんのオジェ。
今まで子育てをしたこともない彼が、右往左往しながらヴァリを育てていく。
一方のヴァリ。
子どもらしい無邪気さを持ちながら、オジェを心から慕うようになっていく。
それは、彼がオジェに拾われ助けられた時から一貫して変わらず。オジェ一筋のヴァリは、まさにわんこの鑑です。
オジェにしろヴァリにしろ、過去のしがらみや環境が非常に複雑。
彼らの過去の謎を紐解きながら、時にコミカルに、時に涙を誘い、時に萌えが爆発しながら進んでいく展開の仕方はさすが小中さんといったところか。
森の中にひっそりと暮らす二人なので、世界はとても狭い。
狭いながらも、彼らを取り巻く周囲の人たちが非常に魅力的で、ストーリーに厚みを与えていました。
オジェにしろヴァリにしろ、相手の事だけを想い、そして愛し合う。
萌えが上がり切って降りてきません。
オジェとヴァリのコミカルなやり取りに爆笑しつつ読み進めましたが、中でも個人的にツボだったのがオジェの「ウゴウゴ」という動き。
自分の動きを、ヴァリに突っ込まれて初めて自覚するオジェの可愛さに悶絶し、その動きをイメージして爆笑し。もう最高、という言葉しか出てこない。
ヴァリがオジェに拾われることになった「理由」はややシリアスで、ベースにあるのはなかなか痛い展開ではあるのですが、シリアス一辺倒でもなく、コミカルなだけでもなく、そして年下攻めというBL的な萌えもありつつ。めちゃめちゃ面白かったです。
挿絵を担当されたみろくことこさんの可愛らしい絵柄も、この作品の世界観に合っていて非常に良かった。
文句なく、神評価です。
テーマは壮大。
大げさな言い方かもしれませんが『人生』について考えちゃったりしたんですね、読んだ時。
そのくせ、語り口が羽のように軽いんです。あ『軽い男』とかの『軽さ』ではなくて、平易で暖かみがあって、人を追い詰めないという意味です。
「なんか、なんかこの感じ、どっかで会ったことがあるんだけどなぁ」と考えていたのですけれど、思い当たったのは、所謂『名作児童文学』!。
あたくしに人生を教えてくれた、あんな本やあんな本を思い出します。
これも『学校図書館に置くべき名作BL』の一冊なんじゃないか、と思います。
ここからネタバレしまーす。
レビューも私で5人目なのでお話の筋は追いませんが、こんなに色々考えてしまったのはオジェが『不老不死』だからだと思います。
それと同時に、彼は数百年前の大戦で魔術師として戦ってるんですね。実際に自分の手を汚しているんです。そのことに後悔をしている訳ではないけれど、自分が本当に助けたかった妹は助けられなかった。厭世的になったというほどではないみたいなのですけれど、でも、その手の陰謀術作が嫌になって森に隠遁している。
これ、すごく虚無感を感じてしまったんです。
オジェって人と接するのが不器用だけれどいい人で、だから捻くれている訳ではないのですけれど、若く(実際は歳を取っていますけれど)美しく、賢く、ある意味『人間が欲しいものを何でも持っているような人』なのに、人生に対しては投げやりに見えるのです。
「風呂が嫌い」とか「身なりにかまわない」というのも、もともとの性格もあるのでしょうけれど、そればかりではないんじゃないかと思うのですよ。
生きる目的が乏しい人。
人生の喜びを感じる部分がすり切れてしまった人。
そんな感じです。
それが、大怪我をしていた子どものヴァリを拾って育てていくうちに、子どもが本来持っている生命力の強さみたいなものに触れて、人生を取り戻していくというか、命がキラキラしていくというか、そういう部分にグッときました(今すごく忙しくて疲れている所為もあるのかもしれないんですけどね)。
子どもと身近に接したことがある方は、この感じ、解ってもらえると思います。
子どもと関係ない人生を送ってきた方でも、超年下攻めであるヴァリくんの一途さにはクラッと来ると思うんです。子どもの頃はやんちゃで、20歳頃には落ち着いた男性になるのですが、この人、大人になって落ち着いても、若いのね。どっか熱いのね。
「いやー、こんなのに想われたら『お爺さん』オジェも若返るでしょ」と思いましたですよ。
このLOVE部分も『エロ度少なめ』ですけれど、かなり萌えます。
「もう若くない」と一度でも思ったことのある姐さま方にお勧めしたい。
恋は、何度でも青春を運んでくると思うのです。
先生買い。
表紙の表情通り、ちょっとスネっとする可愛い方でクスクス笑えて、とっても好きなお話でしたので神。女々しくなくさっぱりしていて、子供っぽい、そしてお風呂ギライ(笑)な可愛らしい方がお好きな方はぜひぜひ。「本編220P弱+先生のあとがき」です。
お話は、真っ黒に火傷し意識が朦朧としたおこちゃま人狼が、真っ黒い影に助けられるところから始まります。目覚めると痛みや苦しみはないけど、記憶もなく、真っ黒影が「ふふ、血を取って実験するんだ」等と言うのをこっそり聞いたため、恐怖のあまり逃げようとして・・・と続きます。
舞台は中世ヨーロッパという印象。飛び道具なし、魔道ばりばりあり、猫人や人狼や人外が人と対等で、国を作っている世界です。
攻め受け以外の登場人物は、オジェの昔の同僚、ヴァリの友達になった猫人二人等。皆いい人で大好き。特に猫人の長が好きだなあ、人生の深みを知る、いい爺ちゃんだ。
みろくことこ先生の挿絵はもともと大好きなのですが、今回、すごく好きな絵が。大きくなったヴァリに身支度を整えてもらって髪を結ってもらっている図が1枚あるのですが、ちょっとテレっとしているオジェがめちゃくちゃ可愛らしくいじらしく、たまりませーん。めちゃくちゃ本文と合ってた印象です。
**最も好きだった部分
オジェが時を止める魔術により、全く歳をとらないのです。それを知った時のヴァリとのやり取りが猛烈に好き!永遠って嫌いなんです。終わりがない=私にとっては恐怖。それをそのままヴァリが話してくれて、「そうよっそうよねっっ」と一人大興奮。限りがあるからこそ、人生って楽しいはず。そして永遠の時を一人歩む予定だったオジェの孤独を思いやるヴァリ、なんとか共に歩めるようになりたいと頑張るヴァリに、そしてそれを失うまいと必死に頑張ったオジェに涙しました。
お風呂が嫌いで、脱いだら脱ぎっぱなしみたいだし、髪の毛は梳かないし、泣いてたら「腹がいっぱいになったら泣き止む」だの「寝たらいい」だのと、テキトーそうに見えて子供の本質をついていて、魔術に夢中で、人付き合いが苦手だから挙動が不審になってウゴウゴ動いたりして、もう強烈に可愛いオジェ。二人で仲良く歳とっていけるという最後が本当に幸せ。
あー可愛い。ファンタジー好きな方に是非おススメしたい一冊でした!
ランキングに入っていたので読んでみました。
久々にヒットです。
一気に読み終えました。
面白かったー。
人外、モフモフ、年の差、子育て、ショタ期?あり。
攻めが受けをぶれずに一途に愛してて甘やかす。
好きな設定がいくつも入ってる!
こちらが攻めなのね?の意外性もよかった。
魔術師オジェは口は悪くて偏屈だけど、可愛くて優しい。愛しくてたまらなくなる。
ウゴウゴにキュンキュンしまくりです。
不老不死、王宮に、跡継ぎ問題にハラハラエピソードもあり。
最後まで飽きさせません。
久しぶりのヒット作でした。