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表題作ありのままの君が好き

英駿二,25歳,高校の同級生,若手弁護士
四天王寺寿杏,25歳,ひきこもりのブタゴリラ

あらすじ

「俺のぶーになれよ、幸せにしてやるから」
人呼んで『ぶたごりら』の四天王寺寿杏はゴリラの巨体に乙女の心を持ち、父親が死んだら自分も死ぬと断言するファザコンの成人男子である。外を歩けば後ろ指さされ、家でめそめそ泣いてお菓子を貪り食べる…そんな寿杏の家に、ある日、高校時代の同級生で父親の弁護士事務所に勤める若手弁護士・英駿二が同居することになるのだが。好き、好き、好き、好きになる?誰が誰を好きになる? 人生を豊かにするウルトラ・オトメチックラブ誕生。

作品情報

作品名
ありのままの君が好き
著者
樹生かなめ 
イラスト
雪舟薫 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
ありのままの君が好き
発売日
ISBN
9784813010487
3.7

(24)

(9)

萌々

(6)

(4)

中立

(4)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
13
得点
85
評価数
24
平均
3.7 / 5
神率
37.5%

レビュー投稿数13

ある意味上級者向けの怪作

再読です。
まず初めに、雪舟先生の描かれた美しい表紙の麗しい男性2人同士のCPではありません。
受けである主人公の挿絵は殆どございません。
こちらの作品、タイトル通りある意味上級者向けのBL作品となっております。

太っていた受けがダイエットをして痩せ、美しくなり愛される…という作品は何作か読んだ事がありますが、今作はなんとエンドレスブタゴリラです。
身長202cm・体重170kg・産まれながらに目付きが悪く、顔はゴリラのようと書かれている彼が受けとなります。
痩せませんし美形にもなりません。
この時点で引き返してしまいそうになる方もいらっしゃるかと思う設定なのですが、ちょっと待って頂きたい。
これがまた1度読むとくせになるスルメのような面白い作品なのです。
雪舟先生の、受け視点での挿し絵というのも新鮮で面白かったですね。

以下、あらすじと感想です。
四天王寺寿杏という、キラキラネームを元モデルの母親に名付けられた寿杏は、名前と見た目のギャップもさることながら、運動能力も頭も要領も良くありません。
美男美女の両親から産まれたものの、摩訶不思議な事に顔も全くよろしくない。
しかし、内面は気が小さくとても繊細で優しくおっとりとしていて、どこか乙女のような心を持っているのですが、そんな事は周りに分かるはずもなく…
物心ついた頃から現在まで、ずっと人に後ろ指を指される生活が続いているのでした。
その事から、自己肯定感0・根暗で卑屈なまま、大学を卒業してからというもの、自宅で父親の世話をするだけという引きこもりのような生活を送っています。

ある日、寿杏を唯一愛してやまない弁護士の父親が、自分の事務所に勤めている寿杏の高校時代の元同級生で若手弁護士の英を自宅に招き再会する事に。
しまいには自宅に居候をさせると言い出します。
この英、外見は男前で職業は弁護士と、一見完璧な王子様のような完璧さですが、中身はというと…とてつもないエゴイスト。
人の裏側ばかりを見て来た英は、どんな相手でもどうしてもその人のアラを探してしまい、途中で嫌気が差して人と上手く付き合えないでいます。
そんな彼が寿杏と共に生活を送る内に、卑屈でバカがつくほどのお人好しで、本当に本当にアラしかないけれど、自分の理想とぴったりの裏表がない性格で、更には心優しく無垢な内面の持ち主だということに気付いてしまいます。

ここからがもう、果たして私はブタゴリラ受けのBLを読んでいたのだろうか?と思うほどのラブにラブなシンデレラ展開でして。
寿杏のあまりの純粋さと可愛さをどうにも放って置けなくなり、デートに誘い、強引なくらいに猛アタックを繰り返しては「俺のぶーになれよ」と口説き、これでもかと溺愛し見事手中に収めるのでした。
ある種自分とは縁遠い存在だと思っていた王子様のような英に求愛・溺愛されて戸惑う乙女な寿杏も、それを言い包める英の溺愛具合が読んでいて恥ずかしいくらいにベタベタに甘い!
くっついてからは新妻のような可愛らしいぶーと、そんなぶーにメロメロになっている英というバカップルが見られます。
見事な溺愛・執着・独占欲攻めでした。


ブタゴリラがブタゴリラのまま、素敵な王子様と出逢って幸せになるシンデレラストーリーです。
しかし、この王子様が読者目線だと独占欲の塊で、なかなかのエゴイストかつ全く王子様感が無いという、コミカルに描きながらちょっぴり毒があるのが樹生先生作品だなと。
寿杏の父親も、良く似た性格をした英も、寿杏に「自分のために」自分好みの「ありのままの自分」でいて欲しいという事なのかなと思いました。
寿杏がこの性格になったのも、父親が自分に従順で可愛い息子で居させたかったからですし、自分の死後に息子を守ってくれそうな「同じような性格」の英をあてがったのも父親という闇な部分も見えてくるのが面白かったです。
なんだかんだで幸せそうではありますが、そんな2人に囲われてしまった寿杏はどうなるのでしょうね?
再読を機に続編も読んでみたくなりました。


軽快で読みやすく、クスッと笑えて可愛らしいお話が読みたい方や、ひとひねりあるお話が読みたい方におすすめの1冊となっております。
乙女でいじらしいブタゴリラ、1度読んでみませんか?(笑)

最後に、愛らしいぶーの姿が見たい方はカバーをぜひめくって見てください。

2

かわゆいブタゴリラ

受けがブタゴリラ。誇張抜きでブタゴリラ。
そんな前情報にドキドキしながら読み始めたこの作品。
ブタゴリラが受けのBLに萌えられるのか…? そんな疑念の中読み進める。
結果、萌えられました。
はい萌えるんです。受けがブタゴリラでもキュンとするんです。

はじめてこの作品を知るかたに説明しますね。
この作品の主人公は受けである寿杏くん。
寿杏(じゅあん)なんてお洒落な名前の彼ですが、身長2m越え、体重MAX時で200㎏↑というなかなかびっくりな体格をしています。それでもって顔がゴリラのようだからと、周囲からブタゴリラとあだ名をつけられ侮蔑や嘲笑の的にされて生きてきました。
〈それだけの立派な体型なら何かやりようがあるんじゃないの? 体を鍛えて、いじめられたらやり返すとか。〉そうお思いのあなた。
いえいえ、寿杏くんはそうはならないのです。見た目に反して、彼はとてもナイーブで心優しい子なのです。ついでに極度の運動音痴で、頭も要領も悪いのですが…。
だからこそ、いい標的にされてきてしまったんですね。世知辛い世の中です。

そんな寿杏くんも25歳に。彼は父親と二人暮らしをしながら専業主婦のような生活を送っています。働いてはいません。他人にたくさん傷つけられてきたせいか彼は対人恐怖症気味になってしまっており、いわゆる「ひきこもり」の道に(買い物には出掛けますが)。弁護士である父親・嘉一の庇護のもとで暮らしています。
そんな中、寿杏の高校時代の同級生であり、嘉一の弁護士事務所に勤めている英が居候として自宅に転がり込んできます。
他人、それも高校の同級生が家に居ることに初めは抵抗感を抱く寿杏だったが…。
といった具合に物語が展開していきます。
ちなみに表紙のイケてる二人は嘉一と英です。はっきりと寿杏くんが描かれているイラストはありません。

それにしても。この寿杏くんというのが、イロモノですね(失礼)。
ブタゴリラとあだ名される受けなど見たことありません。平凡受けだって実は整った顔しているのが常のBL界において、本当にブタゴリラなんですからね。稀有な受けです。
しかし不思議なことに、読み進めていくにつれブタゴリラもとい寿杏くんが愛しくなっていくんですね~。彼が本当に心優しくて純粋で、そういったところに好感を持てました。
何だかだんだんと、母性本能というか庇護欲というか、寿杏を泣かしたら許さねえぞ!って気持ちにすらなっていきましたね。
その弊害で、攻めの英や父親の嘉一に向ける目が厳しくなっていく(笑) 他のかたのレビューにある、英や嘉一に対する厳しい意見にも思わず共感しちゃいます。

思うに、受けの寿杏は外見にクセがありますが、英や嘉一は内面にクセがあるんですよね。英や嘉一が寿杏にしていることって、一歩間違えたらマインドコントロールですし(なんて言うのはちょっと大げさかな?)。
〈自分たちのため〉に寿杏がブタゴリラでいることを望み、寿杏が変わることを拒む。果してそれは本当に「ありのままの君」を好きなのか…。
最後はハッピーエンドですが、寿杏を応援したい身としては、少し不安も残る終わりだったように感じます。
いや、英くんもいい人なんですけどね。ちょっと独占欲と押しが強いだけで、寿杏にベタ惚れなのは伝わってくるし頼りにもなりますし。二人の愛が末永く続くのを読者として祈るのみです。

とかなんとか色々と好き勝手に感想書きましたが、まあ、難しく考え始めたらキリがないですからね!
純粋無垢なブタゴリラと、ちょっと強引なイケメンが織り成す胸キュンラブを楽しんだもん勝ちということです。
それに何より、面白い作品ですからね。テンポもよくて読みやすいですし。人は見た目じゃない、というテーマも好印象でした。
改めてBLの懐の深さを感じられたのも良かったです(笑)

いつもとはちょっと違うBLをお望みのかたはぜひ読んでみてください♪ ブタゴリラに萌えることができるか、お試しあれ~。

1

乙女ブタゴリラを可愛いと思えるかがカギ

あらすじ読んだものの、表紙のイラストを見て、どこがブタゴリラ?と疑問に思いつつページをめくったところ、表紙のイケメン二人は攻めと、受けの父親というオチにビックリしました。ブタゴリラと称された受けは、イラストには後頭部がちょっとしか登場しません。運転手の米倉も含め、受けの周囲はイケメンぞろいで眼福でした♪

丸ごと1冊表題作です。寿杏の目線で進みます。
容姿がブタゴリラな寿杏(受け)は、乙女の心というよりノミの心臓の方が近い気がしました。小さい頃から周囲の冷たい視線と酷い噂にさらされ、同級生にからかわれ続けて臆病になったというのが、妙な事件でトラウマになったというより自然で納得できました。

ただ、ネガティブでお人よしというより無頓着な寿杏を、ピュアで可愛いと思えるかがポイントだと思います。親の保護下で暮らす甘ったれと感じると難しいです。

どんな作品でも、彼のどこが良くて好きになったのか?がポイントになるものなのですが、この作品はその点が簡潔です。

寿杏は父親・嘉一が死んだら生きていられないくらい好き。嘉一は寿杏の純粋さが大好きだけど、自分の死後を案じた嘉一は、自分と似た気質の英(攻め)に寿杏を守ってもらおうと同居をさせます。ファザコンかつ押しに弱い寿杏が、その気になった英に適うわけもなく(笑)

高校時代は何の興味もなかったのに、再会して2週間で好きになった英。嘉一とタイプが似ているからってそれはどうよ、と思ってたのですが、嘉一と同様に「三日でその人のアラが見えてしまう」英にとって、3日どころか初めてどんどん好きになる寿杏を、これだと決めたのだと思えば納得でした。こういうタイプって決断が早そうですし。

しかし、父親が当人の前で本人をブタゴリラと呼ぶのはちょっと不快と感じたのですが、弁護士的に周囲も本人も認知している事実をあえて否定するのはおかしいと考えていると思えば理解できました。

父親が自分の身代わりに恋人を連れてくるって、シリアスにされるとキツい展開なのでしょうが、こちらはコミカルに書かれているので、面白く読めます。英と嘉一の甘さ満載も楽しいです。

なお、続編「なにがあっても君が好き」が2014年(9年後!)に発売されていると知り、早速購入したことは言うまでもありません(笑)

4

ブタゴリラ-ブタ=ゴリラ

いやいやお父さん、そんな算数で現実教えなくても…(^^;)

そろそろ続編が出るので再読です。
新刊の表紙見たけど相変わらず綺麗な絵ですよね雪舟さん。
イラスト描き下ろしだそうで挿絵が凄く楽しみです。

超男前でデキる弁護士の父親と元モデルの母親から生まれた子供は…
身長2メートル越え、体重も200キロ近く
付いたあだ名はブタゴリラ!!
そのせいで昔からイジメの対象で人付き合いが凄く苦手。
でも心は超優しい1人の青年。
だけなら良かったのですが、外見は別としてお金持ちの息子。
そのせいで人に騙されやすく、放っておけない。

その青年を無条件で愛してくれる男が2人。
彼の父親とその父の弁護士事務所に勤める元同級生の英。
母親は?というと、弁護士という名前で結婚したのはいいけれど
自分が描いてた生活ではなかったので他に男を作って出て行った。
今ではその母親でさえ、息子が受け継ぐ財産目当てで近づく始末。

今は自分(父親)が守ってやれる、でも死んでしまったら…
そんな父親が心配して用意したのが英という感じかな。
彼と父親は性格的にもそっくりで、
どんなに気が合う人でいても、
どんなに惹かれた人でいても3日で嫌になってしまうという。
どうしてもアラを見つけて嫌気がさしてしまうらしい。
だけど3日以上一緒にいて愛し続けられる人物
それが今回のブタゴリラ。
勿論父親は家族愛で英は恋愛として。
2人に取って外見は関係ないのです!!
ブタゴリラの性格(存在)が彼らの癒し。

そして英はちゃっかり息子をいただいちゃってます。
そして父親、もちろん自分が連れて来た英ですから反対はしません。
ですが自分が死ぬまで息子を手放す気もなく
英が婿養子のような形で同居です。

そして英を意識してダイエットに励むブタゴリラ
ですが父・英にとっては、ご飯をおいしそうに食べる姿や
その体型さえも癒しの対象。
あれやこれやで食べさそうとするのですが、なかなか思うようにいかない。
そこでとある算数を出してきたのです

それが「ブタゴリラ-ブタ=ゴリラ」

どんなに痩せてもゴリラはゴリラだと身もふたもないセリフ…
男前の父親にモデルの母から生まれた自分。
痩せれば、今よりもカッコ良くなって
英の側にいても迷惑にならないと思っていた息子にとっては…!!

こんなに愛されてるんだから、ありのままでいいじゃないの~(^^;)

そしてこの父親と英
息子に対してだけは優しい一面もありますが
弁護士だけあって結構腹黒そうですよ。
でもその辺も込みで父親好きーっ!!

4

設定は大好物

イケメンパパにイケメン彼氏

自分はブタゴリラ、唯一の取り柄は料理!内助の功の如くせっせと家でパパのために専業主婦する日々。
無償の愛をくれる父親だけが寿杏の救い。
そこに高校の元クラスメイトが転がりこんできて寿杏大パニック!!


かっ会話が、、、、設定は大好きでやべー読むしかねー。
しかし、私の脳内に再生される彼らには何の感情ももたない棒読みが再生されました_| ̄|○なんで?

たぶん、寿杏に対する周りの態度が不自然すぎて入り込めなかった。
英もパパも寿杏だけを愛するのは理解できっけどセリフおかしくねー?(笑)となり最後まで読むのに苦労しました_| ̄|○

せっかく好きなネタだっただけに残念ー。
寿杏の感情もちとなんだか違和感な一冊でした。

2

この作品が収納されている本棚

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