水原とほるさんのレビュー一覧

愛の奴隷 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

相手の好意をここまで見ないのは罪だよなあ

小児性麻痺で足の太さが違う宏樹。「誰にも見せるな」と足にキスや愛撫する攻め良いな〜。
彼らの恋話よりヤクザを継ぐかどうかで結構もめてて、ヤクザものに興味が無いので萌評価です。
宏樹はどれだけ優しくされても良い理由を見つけて相手の好意を無視する。リハビリも続け料理をし、社会に出て資格を取ろうとする姿は立派だけど罪作りな思想では…とはいえ彰信も無口で説明不足だから不憫て事もない。甘そうなテーマなの…

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小夜時雨の宿 小説

水原とほる  夏珂 

兄の面影がある弟

佳史は、6年間愛し合って付き合っていた恋人・雄司に一方的に別れを告げられた。一年後に恋人の弟・修司が突然現れ、雄司が病死したを伝えられました。
強引な肉体関係から、どんどん修司という存在は自分の孤独を満たされる存在に気がついてた佳史が、修司に愛という感情が生まれました。

受けの佳史に感情移入し過ぎて、読み始めたら止まらなかった。
恋人の雄司への想い、修司への戸惑い、佳史自分自身の孤独、憂…

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夜夜の月 小説

水原とほる  町田九里 

2つの孤独な魂

水原とほる先生の初期の王道作品でした。
設定は「夏陰-cain」にかなり近いです。
強引な攻め、支配するために受けを責め、暴力を振るう。
無理矢理に体を重ねていくうちに、受けは心寂しい攻めを見透かし、愛しい感情が生じ、最後に、2人が依存のような愛が生まれました。

亮:絵を愛して、絵と向き合うためと、澤との関係、葛藤でいっぱいになった孤独な魂。
澤:絵を憎んで、復讐以外に自分は何もなっ…

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悲しみの涙はいらない 小説

水原とほる  ヤマシタトモコ 

ヘビーでブラックな足長おじさん

電子書籍版では挿絵なし。
義父の借金の肩代わりに未成年の息子を囲い込んで売春させるといった展開が読めるのは2008年刊ならではだな。
未成年絡みのウリ云々なんて今やNGで、その当時では許された痛さ設定だ。

だが、どんだけ痛さ増しになっていくかと思いきや、待っていたのは遙に強要させていたウリを止めさせて休学していた高校に復学させるといった驚きの展開だったりする。
非道なはずの国枝が何故気…

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午前一時の純真 小説

水原とほる  小山田あみ 

VLと言われれば納得

2008年刊、電子書籍にて購入、挿絵なし。

軒並み攻めキャラのDV率が高い水原さん作品。
今回も非情な新興暴力団の組長・鷲谷のインパクトが強烈だった。
重傷を負ったところに鉢合わせした縁で気弱な大学生・史也を気に入ったはいいが、独裁的な性格を発揮して無理矢理レイプした末に自身の愛人に据える…
といった痛さ満載な展開はいつも通りだった。

一応史也には同郷で友人未満の邦彦って知り合い…

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徒花(アダバナ) 小説

水原とほる  水名瀬雅良 

受けの芯の強さ

普通に仕事をし、普通に暮らしていた受けの和彦。
たまたま通りがかったケンカの中にかつて同級生だった、そして好きだった赤澤を見つける。

高校時代に告白をし、振られていたが、まだ好きな気持ちは残っていて…
そこからは、ヤクザとサラリーマンで住む世界が違うもののお互いが少しづつ心を許して、体を重ねるまでに至る関係になります。といっても、和彦の方は、心を許すと言うより、赤澤への想いがしっかりとあ…

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囚われの人 小説

水原とほる  高崎ぼすこ 

歪で痛い縛りあい

どこのレビューサイトにも必ずある感想が「歪んでいる」という感想。
・・歪み加減に興味をそそられて2015/01発刊の古い作品だけど、電子版を読了。

電子版は表紙だけで、中の挿絵は無し。
後書の著者曰く「歪な愛によって縛り・縛られあう兄弟」の物語。

●竹下/有元克美:37歳
美月の父の婚外子。アリモトリゾートを後継して、有本姓に変わる
父の死後、性格豹変。美月を虐待。

●有…

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家路 小説

水原とほる  高星麻子 

道行 

後書によると「探す旅」がテーマの2016年発刊の本。
「ロードムービー」(road movie)とは、
旅の途中で起こる出来事で構成する物語。和ものでいう「道行」。
道行といえば、西鶴や近松門左衛門の悲恋を思い出すけど、この話は、ハピエンだった。

後書から、
●高校生・未来:
万年貧乏の母が、有り金全部を持って突然失踪。
母を探す旅が、自分を探す旅になる。

●整理屋・塔馬芳…

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氷面鏡 小説

水原とほる  真生るいす 

一卵性双生児 弟の巣立ち

凌辱や痛みだけじゃない水原ワールドが面白くて、全部読んでみようと目下追って読んでます。
一冊読み切りで、頁足らずで少しアレ?な作品もあるけれど、
言葉遣いや文法の間違いがほぼないし、
資料を良く調べて書かれているので、期ハズレ作品が少ない。
読みやすいのと、知らない世界を覗く面白さが魅力。

2008年の作品。
主人公は一卵性双生児の弟、母の手元で育った郁。

双子の母:
有名…

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見初められたはいいけれど 小説

水原とほる  ミドリノエバ 

心理描写が丁寧、二人の共通点は「寂しさ」

だいぶ以前の作品は、誰かが突然凌辱されたり、みんな殺されて独りだけ生きのこったり、悲しくて痛い結末を書く作家だと思っていたんですけど、最近、円熟したというか、痛くない作品が増えてます。

この作品は、心理描写が丁寧。
頑張っている人には、ジョッシュの言葉が、自分に言われているように響くかも。

●ジョッシュ・ブライス:25才
表紙の座っている黒髪、留学準備で来日したアメリカの大企業の御…

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