愛という名の淫靡な檻に、つながれ囚われてしまう——美貌の御曹司が腹違いの兄に抱く、禁断の執着LOVE!!

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作囚われの人

有元克美, 義兄・アリモトリゾート社長 37歳
有元美月, 有元家嫡男・大学生 19歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

幼い僕の身体に、性の悦びを教えてくれたのは最愛の兄さん――。
突然の事故で両親を亡くした美貌の御曹司・美月(みつき)。病弱な美月に代わり会社を継いだのは、腹違いの兄・克美(かつみ)だ。だが社長に就任した途端、優しかった兄はなぜか美月を突き放し、取引相手に身体で接待しろと強要!! 
――兄さんはもう抱いてくれないの…?
犯され汚されても、嫌われることを恐れ、一心に兄に縋る美月だが!?

作品情報

作品名
囚われの人
著者
水原とほる 
イラスト
高崎ぼすこ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199007842
2.7

(28)

(4)

萌々

(6)

(5)

中立

(4)

趣味じゃない

(9)

レビュー数
6
得点
63
評価数
28
平均
2.7 / 5
神率
14.3%

レビュー投稿数6

ネタバレを読まずに読んで欲しい!

電子書籍版を、購入。
表題作の「囚われの人」、その後を描いたSS「愛を求める人」 が収録されています。
挿し絵なし、あとがきありです。

何の前知識もいれずに読んで欲しい。
そんな作品です。

本作は私の中で、文句なしの「神」作品。
でも、「しゅみじゃない」、「中立」な評価も納得できる。

あ、こんな感じ前にもあった……

そうだ、 あれだ!

吉田珠姫さんの『鬼畜』の読後感に似ている。
全然、内容や系統は違うんだけど、
こんな世界があったのか!っていう衝撃が似ている。

新たな扉を開けてしまったかも。
それを楽しむためにも、どうか、ネタバレなしで読んでください。

5

歪で痛い縛りあい

どこのレビューサイトにも必ずある感想が「歪んでいる」という感想。
・・歪み加減に興味をそそられて2015/01発刊の古い作品だけど、電子版を読了。

電子版は表紙だけで、中の挿絵は無し。
後書の著者曰く「歪な愛によって縛り・縛られあう兄弟」の物語。

●竹下/有元克美:37歳
美月の父の婚外子。アリモトリゾートを後継して、有本姓に変わる
父の死後、性格豹変。美月を虐待。

●有元美月:19歳 
正妻の子。病弱な大学生 
両親の死後、義兄の克美から取引先要人と性接待を命じられる

「囚われの人」
どう解釈しても、兄の克美は異常。
婚外子扱いの鬱憤を美月にぶつける克美。 兄の無体を善意に解釈する美月。
「克美は自分を愛している」と信じる美月は、無垢というより狂っている。

「愛を求める人」
自分の短命を悟る美月は、受け身の生き方しかない中で、兄の愛に縋る。
美月への兄の異常が、美月の健康を蝕んでいく。
離れたくても、離れられない二人。
原因は克美にある。克美の心を囚える美月への恋情を否定したい。

病弱な美月は、年を越せないと短命を覚悟している。
意地を通す克美は、美月の死後、喪失感に苦しむと思う。
美月の服従が、自分の死後に克美が苦しむことを想定しているものなら、美月は無垢な怖い子。

「心の痛みと歪み」がテーマの水原ワールド、耽美風。

1

いつもの水原作品とちょっと違う

ちるちるさんのあらすじを読み、理不尽な攻めと可哀想な受け・なんかエロそうな設定、いつもの水原ワールドだ!とワクワク読み始めたんですが、ちょっといつもと勝手が違う・・・なんと受けが性悪でした。病んでるというか自覚のない無垢な悪魔というか。

私はBLの受けは心の綺麗なカワイコちゃんが好きなのでそういう点では「しゅみじゃない」評価になるのですが、サスペンスみたいな雰囲気や、攻めの見ている前でエロジジイになぶられる受けとかいつもの水原クオリティーで良かったので萌え評価です。

タイトルもミソです。「囚われの人」とは一体受けと攻めのどっちをさすのか・・・最後まで読むとわかります。

4

衝撃的

面白い作品でした。弟のドロドロとした執着心が上手く描かれていて話全体もサスペンスぽくてドキドキしました。また弟の可憐な容姿や実は恐い性格にも惹かれました。でも一方で、兄の心情が急展開すぎて「ん?」ってなりました。
まず、なぜ優しかった兄の態度がいきなり冷たくなったのか分かりません。また、両親が死ぬ以前は本当に美月を可愛がっていたのに、ずっと前から美月の不気味な性質に気づいていたというのも不思議ですし、なぜ最後憤慨した兄がいきなり美月を受け入れることにしたのかちょっと謎でした。美月を愛しているから仕方なく受け入れたというよりは美月が恐ろしいからただただ言いなりになったという感じでした。
テーマ自体が難しいので心理描写が重要だとは思いますが少し作者の力量不足のような印象を受けました。
ただ全体的には面白い作品でしたし、水原さんの中ではこれまでと違った作風は衝撃的でした。
私としては水原さんは健気で心優しい受けのほうが向いていると思います。

4

歪(いびつ)な愛のかたち

久々に精神的にクるものを読んでしまった…。
どんなものでも萌えられる雑食派のわたしですが、これはなかなか辛かった。

病弱な美月。
学校もろくに行けず、熱を出しては寝てばかりの美月の前に現れたのは、あたたかい笑顔を浮かべる竹下克美。
可愛がってくれる竹下にすぐに懐いた美月は徐々に彼に惹かれていく。
ところが彼は、半分血のつながった兄だった───。

シリアスというよりは、ダーク。
優しかった克美は美月の両親亡きあと社長の座に就き、あの優しさが嘘のように美月に冷たくあたり、接待と称して美月に取引相手と寝ろと強要。
無体をされては熱を出し、それでも最愛の兄のためにと体を捧げる美月なんですが…健気という言葉では美月を表せません。

兄のためなら、どんなことでもする。
狡猾さがあればまだ人間味があった。けれど美月は恐いほどの無邪気さで兄の妨げになるものを排除していく。

誰か救われた人物がいたんだろうか。
誰もいない気がする。

話の展開として、兄・克美は本当に悪人で、美月を手駒のごとく扱い非道な人間で、美月は兄に逆らえず否応なしに言うことを聞かねば生きていられない。
そこに弁護士先生でも取引相手でもいいから誰かが正義のヒーローごとく現れて、美月を救い出す、という王道ものならもっとすっきりしたんでしょうが…これは最後まで病んでいました。

美月と克美、双方相手に囚われ執着し、真っ直ぐに進まない愛が歪な形になり終着点が見えないと感じたお話でした。

作者があとがきにて語っています。
「悪」を「悪」と認識していない人は「悪人」と呼んでいいものか───。
そう、美月は「悪」と認識していないんですよね。
だからこそ、幾人もの男に陵辱され過酷な思いをしても、汚れのないまま無邪気に育ってしまったんでしょうか。

読むにはだいぶ根気がいります。
恐いくらいに歪んだ血縁ものが読みたい方は手にとってみてください。

4

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP