藤たまきさんのレビュー一覧

この喝采を彼に 小説

T・A・ウェブ  藤たまき 

どこまでも貴く強く深い愛

愛のお話しでした
とても貴く力強くそして深い

主人公達が過ごしたティーンエイジの時代が自分の年代に非常に近く、作中に登場する音楽もすごく当時の空気感を呼び起こす役割を大きく担っていてもはや創作の世界とは思えぬような感覚で読み耽りました
彼らが年齢をごまかしクラブで飲むラム&コークにジャック&コーク、それすらも自身の記憶かと錯覚するかのよう…
そしてクラブの中で行われるその場の空気や若気…

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青を抱く 小説

一穂ミチ  藤たまき 

青を抱く

海の事故で2年間、意識不明の弟を持つ泉。
ふらりとその海に滞在しにきた宗清。
泉の弟に瓜二つな宗清とたまたま出会い、少しずつ近寄っていく。
泉の家族が献身的に弟を看病していて、事故の理由はわからないまま話は進んで。
宗清は泉に惹かれ、泉も宗清といるのは嫌ではなく。
終盤、驚く事実がわかりすごい話やなぁと。
泉のお母さんがある人にいう言葉がすごく心に残って。
それはとても冷たい表現かも…

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寄せては返す波のように 小説

六青みつみ  藤たまき 

不器用な大人のみっともなさ

スピンオフ元を読んで、エリィことエルリンクのあまりの不器用さにああー…となり、彼が主役の作品も読んでみたいと手に取りました。
切なさとままならなさは流石六青先生と言いますか、どちらも甲乙付け難い切ないものがあったのですが、設定と展開的には前作の方がドラマチックで惹かれるものがあったかな。

記憶障害を患っていて、短時間しか物事を記憶しておけない少年・ルース。
この、忘れてしまうという設定が…

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蒼い海に秘めた恋 小説

六青みつみ  藤たまき 

受けの幸せを願ってやまない

はー…時間を忘れて読み耽る面白さでした。
果たして面白いという言葉が正しいのかどうか…終始あまりにも切ないんですよ。
この切ない世界観は六青先生にしか描けないでしょう。
悲しくなるくらい切ないのだけれど、ショアの行く末を見守らずにはいられないとページを捲りたくなる。一気読みでした。
都市が水に沈んでいるという設定も魅力的でしたね。

もう、もうですね、読めば読むほどショアという青年に肩…

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青を抱く 小説

一穂ミチ  藤たまき 

R5年8月発刊 角川文庫版で読了

BL小説の一言で片付けるには色々な要素が絡み合っていて、「恋愛小説」の趣き。角川文庫版なのでイラストも表紙しかなく、前半はなかなか読むペースが上がらなかったのだけど、後半に進むにつれ、散りばめられていた伏線が一気に回収されていく。

今回、書き下ろしの短編が収録されている。この短編によって作品全体の余韻がより深くなるから、旧版を読んだ人もこの書き下ろしは読む価値ありじゃないかな。登場人物がみん…

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明日が世界の終わりでも 榎田尤利作品集 小説

榎田尤利  藤たまき 

テーマは「約束」「生と性」

二つの小説に共通する構成は、【やってしまった➡後悔➡修復】

「ラルゴ」は、音大生の恋。明るくコミカル。
「明日が・・」は、重め純愛物語。題名は、望が玲治に出した手紙

★榎田先生は、トラウマ持ちの心理描写が上手いと思う。
明日は今日と同じではない・・有限で不条理が多い今世で後悔を残さず生きるヒント。
是非読んでみて。
★榎田ユウリの書斎便り https://is.gd/UgP9R…

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カフェオレ・ランデブー 小説

栗城偲  藤たまき 

最悪な日の最高の出会い

珈琲・レトロな純喫茶好きにはたまらない1冊。
常連客ほど注文しないと噂のおすすめコーヒーを私も飲んでみたい。
派手さはないけれど味がある好みのタイプのお話でした。
作品全体の雰囲気もカフェオレのようなまろやかさです。

恋人同士だと思っていたはずが、知らず知らずの内に自分が不倫相手となっていた…と、ベッドの上で今まさに抱かれている状態で恋人が既婚者だと知る最悪の29歳の誕生日。
そんな…

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Don't look back 小説

ジョシュ・ラニヨン  藤たまき 

ハラハラ系

記憶喪失もの。窃盗事件の犯人として、何も分からないまま追い詰められていく主人公に、ハラハラしながら読みました。
周りの視線を全部悪いものに感じている様が可哀想だった。
警察、もっと早く何とか出来ただろうと思ってしまいました。

友人の女の子達が良い人かつ可愛かった。
記憶喪失になっても心配してくれる友人がいて良かった。
記憶喪失になる前から情緒不安定だったであろう主人公。そんな人に寄り…

1

天水桃綺譚 小説

凪良ゆう  藤たまき 

良い桃(´ω`*)

凪良ゆう先生初期のお話なのだそう。
新人だからこそのストレートど真ん中と後書きにありましたが、私の萌えきゅんにもどストレートでした(*´ω`*)

天の桃林に生った桃の精のモモ。
四神の1人である白虎が起こした風で天から落ちてしまい、桃農家の亨の世話する桃畑へ。
天の桃なので、まさに純粋無垢なモモが、とても一生懸命で健気で可愛い。
とてもとても良い桃ですよ。
少しづつ心を通わせていく…

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遊覧船 コミック

藤たまき 

旅情あふれる街でのでこぼこな愛

2008年とかなり前の作品ですが、これはよかった。ぜひおすすめしたい作品です。

観光で栄える港町。体が弱く休学中の日和は売店でバイトをしている。そこへたまにやってくるシュッとした青年のことが気になっていて。。

旅館の息子という影の薄い設定ですが、純粋な高校生そのものの日和がかわいい。
そして一方の間宮。大富豪のため食べるのには困らないが作家をしているという。そして人間関係をお金でなん…

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