凪良ゆうさんのレビュー一覧

初恋姫 小説

凪良ゆう  街子マドカ 

コメディでした

面白いコメディでした。

この話は、元華族が昔恩義を受けた家に、お爺様が一心に恩義に報いようとガンバッて、孫を出仕させているけれど、時代にあった形で示さないと、コメディにしかなりませんよね。だから、最初は拒否される。

男の娘に貧乏食堂の住み込み勤務をさせるなんて、受ける側は精神面の教育を受けて居ないので無礼だし、出仕するお坊ちゃんも、体力的な無理があって気の毒すぎる。
地上げ屋による拉…

0

悩ましい彼 美しい彼 3 小説

凪良ゆう  葛西リカコ 

美しい彼から、1巻から読んでくださいね

美しい彼シリーズの3作品目。
続編が前作を上回る傑作になっていく、そんなシリーズです。失速しないのが本当に凄い。巻を重ねるごとに清居も平良も共に成長し、キャラクターが走り出す。本当にすごい作品だし、すごいキャラクターに出会ってしまった、もうそれしか言えないです。

一番心動かされたのが、終盤の平良が叫ぶシーン。泣きました。自分でもびっくりするくらい泣いてしまいました。
どんな状況に追い込ま…

4

愛しのいばら姫 小説

凪良ゆう  湖水きよ 

人魚姫タイプの健気系自己犠牲愛

スピンオフ元の作品でお気に入りキャラだった美山が主人公のお話、当然期待しながら読んだ。
散々めんどくさいと言われる性格の美山は、遠くから見ている分には分かりやすくて好きなタイプ。対する久保田は清潔な魅力があると思った。

悲観的な美山が欝々と悩みながら進むため、物語の雰囲気はあまり明るくない。おかげで仕事が上手くいけばいくほど落とされる恐怖に怯えながら読むことに。
そして迎える昔の男との取…

2

それはおまえが童貞だからです 小説

凪良ゆう  イシノアヤ 

同人誌のような自由な雰囲気

ラブコメというかただのコメディというか……起承転結がありそうでないような……自由度の高さが同人誌のような雰囲気だった。

一応主役カップルはもだもだやっていたが、気持ちの揺れ動きといったラブ要素は微妙。最初からくっつくことが決まっている二人が事件に巻き込まれ、事件が本筋になり、その内容も少しずつ軸がブレていっている気がした。

媚薬イベントや同僚カップルなども、内輪ノリ感が出てしまっている…

2

雨降りvega 小説

凪良ゆう  麻々原絵里依 

好きになれないけど心に刺さる

相変わらず心理描写が上手すぎてグサグサ苦しくなる凪良さん……これもまた辛かった。
姉を傷つけ、自分を好きになってくれた人を傷つけ、自分を傷つけ、好きな人を傷つけ。多くの人をボロボロにしていくのに誰も悪くないという恋愛が描かれる。

文人に共感はできないが、年齢と経験値の浅さを考えれば仕方ない行動だと分かり過ぎることが多い。というか自分が駄目だと分かっていてやってしまった失敗から学び、文人に共…

4

365+1 小説

凪良ゆう  湖水きよ 

ストレートに抉られる……

凪良さんは相変わらずど直球に心を抉って来ると思った。上京した人間と田舎に残る人間の変化という、ものすごくよくある話を無駄な装飾なしに描くからこそ、ぐさっと刺さる。

三編に別れた話の一編目は、幸せな二人の馴れ初めからすれ違い後の別れまでが描かれる。綾野視点で紺の状況もなんとなく察することができ、紺の言動は虚飾であり若気の至りだと理解できる。それでも、読んでいて綾野より先に気持ちが離れていってし…

1
非BL作品

滅びの前のシャングリラ 小説

凪良ゆう 

萌えとかでは評価できない……どうしたら?

楽しみにしていた凪良先生の一般作。
丁寧な心理描写と、ドキドキする展開に引き込まれました。
一ヶ月後に地球は滅亡する……
そんな世界で人は何を見つけ、何を求めて生きるのか?

タイトル・あらすじから想像した通りの作品。
読後は、とても悲しくてやるせない気持ちになりました。
連作短編集のような形の小説で、それぞれの話が次々重なっていきつつ終焉に向かいます。

〝人生いつ終わってもい…

3

花嫁はマリッジブルー 小説

凪良ゆう  唯月一 

4頁に一度は笑えるコメディ

監察力鋭い著者のコメディもの。
このストーリーでキモいキャラは、姉の恋人のエディ。強いんだか弱いんだか、分からない人。恋人に殴られたって、泣かされたって、縋り付いて9年。(思い出しただけでも噴き出して笑ってしまう、面白いキャラ)
笑い所は、エディの奇行と、拓海の台詞。表現が面白くて笑ってしまう。笑いながら読んだので、一冊読み終わるのが早かった。
「花嫁はマリッジブルー」→「花嫁は今夜もブルー…

2
非BL作品

滅びの前のシャングリラ 小説

凪良ゆう 

するめタイプ

凪良先生の非BL作品。どんなだろうと楽しみにしていましたが、うーん。変わらず凄いんですが、あくまで好みの問題で私は前向きに明るく笑っていきたいので、今回はちと辛かったかな。
ということで中立よりの萌にしました。
お話としては凄いんです。きっとどこかの部分に何かがひっかかって胸が痛むこと間違いないと思います。

17才の江那友樹は、ぽっちゃり体系、言いたいことをぽんぽん言える性格でもなく、学…

2

おやすみなさい、また明日 小説

凪良ゆう  小山田あみ 

最後の短編

★ 後遺症の記憶障害と認知症の健忘 
事故の後遺症の健忘症についてが先にあり、後編は、50年後の話。
「最後の短編のためにここまでの物語が存在している」というあとがき。

私の偏見に満ちた感想
「50年後の要介護世代を書いている後半部分の意味が分からない」というレビューが他サイトにいくつかありました。
作者買いしている読者なら理解している事でしょうが、「一見読者」には伝わりにくいのかな…

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