鼠
大人だからこそのもだもだした恋愛、楽しめました。相変わらず糖度は低いままだったけれど、お互い尻尾を振って相手に縋ることのないドライ過ぎるようにも見える距離感は、エリート達の職場恋愛としてはリアルさもあったんじゃないでしょうか。里先生の作品は軽薄そうに描かれる女性が多いイメージでしたが、この下巻では自立した女性や周りに流されない女性も登場し、単純にどちらかを嫉妬させるためだけに現れるわけではなかっ…
淡々としたテンポでドライな駆け引きを描かれていて、大人な恋愛だなぁというのが第一印象。でも、神谷は心から割り切った関係を楽しんでいる人間ではなく、心の内の繊細さが時々覗きます。一方の梶は神谷のペースに引きずられず、常に自分の軸を持って行動するとことが男らしくていいなぁと。いそうであまりいない攻めのような気がします。序盤で致してしまって関係が拗れており、2人のこともまだ十分には理解できていないので…
◆風待ち休暇(表題作)
都会暮らしで溜まった鬱憤を、まったく景色の異なる田舎で晴らす。誰しも一度はやってみたいと思ったことがあるのではないでしょうか。そうしてやって来た山岡を釣りやBBQに誘いつつ、強引に連れ回すわけでもなく来てくれたら一緒に楽しむ。そんな緩いスタンスで親しくなる年下のアキラの存在が、とても癒しに感じられました。感情の伝え方も素直で、山岡との環境の違いも意に介さず、かと言って不…