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短編集。
どれも良かった〜。
里つばめさんといえばGAPSシリーズが超人気ですけど、こちらは派手な展開は無いけどしみじみと「里つばめさんイイわ〜」という感じ。
お互いが恋愛対象になるまでを描いているのは最初の2作。
あとの2作は片思いだったり、友達になるまでだったりしますが…これからこの2人どうなるんだろう(ワクワク)っていう期待はバッチリ持てる終わり方でたまらんかったです!
私がとくにキュンときたのは前後編の
「加賀英明の少し特殊な日常」でした。
この加賀さんが、髪型は七三でメガネ、きっちりした性格で何事も予習は欠かさず、休日には掃除と読書…という真面目人間なのです。
でもただの堅物とはちょっと違って…。自分ルールの中で折り目正しく生きているのだけど、決してそれを押し付けたり頑なに他者を排除したりせず良いものは認め取り入れようとするんですね。素直でピュアでなんだかとっても可愛らしいのです。
作中ではお見合いデートをする女性にその生真面目さがことごとく引かれちゃってますけど、いやいや見る目ないだろう、と。確かに予定詰め込み過ぎだけども笑、一度のデートのまずさであんな可愛い男性を逃してしまってもったいなーい。
でもそのおかげで加賀さんの良さを最初から分かっていてベタ惚れな可愛い年下男子と出会えましたからね!BLの神様(タイプの合わない女性を紹介し続けた先輩?)ありがとう^ ^
やっぱり面白い作品を書く方は短編集も面白いですね!
4編からなる短編集です。
スタートラインに立ったようなカップル達のお話なので、
Hなことはほぼないです。
それでもストーリーだけで飽きずに読ませてしまう力があります。
表題作ももちろん面白かったのですが、
私は2作目の「加賀英明の少し特殊な日常」が好きでした。
もちろん加賀英明が主人公なのですが、
潔癖真面目な天然で憎めないキャラなんです。
電車の中で恋愛の指南本を読んでしまうような(笑)
とにかく、全ての 登場人物のキャラが好きでした。
ちょっと癒されて萌える…そんな作品集です。
リアルにいそうで、でもちゃんとフィクションな絶妙なキャラクターを描くのが上手な(個人的感想)の里つばめ先生の短編集でした。魅力的なキャラクターが本当にたくさん出てくるので、短編集という短い話でもどれももの足りない感じが一切なく楽しめました。
どのお話もラストまで描くのではなく、勝ち確にも見えるような2人がもしかしたらこの後またこじれるかもしれないし、恋愛には発展しないかもしれないし、ちゃんとラブラブになるかもしれない、そんな「この先は想像にお任せします」というラストで締めくくられているので、短いお話でも無理矢理起承転結を収めた感じもなければ、あーもっと先が読みたい!と思わせてくれるような魅力が詰まっているのではないかと思います。
本当にどのお話も1冊の単行本にしてほしいくらい面白かったし、本当に日常に潜んでいそうな描写が多くほっこりしました。
どのお話もとても面白く内容もしっかりしていて読み応えもあり、一番重要な主人公達が全員好感を持てるなんて、本当に素敵な1冊だと思います。
カバー下のプロフィールを見て改めて読み直すと、また違った視点で読めるので更に好きになる本でした。
どのお話も、攻めさんは皆受けさん大好きな感じが凄く伝わって、受けさんも戸惑いながらもじわじわ好きになっていくあたりが、こちらも読んでいてドキドキしてました。
風待ち休暇
表題作で、一番最後に描き下ろしの続編があります。
都会での生活に嫌気が差した受けさんの山岡さんは急に思い立って海が見える島に行くとこから始まるのですが、最後の最後まで攻めさんのアキラとくっつくのか、ハラハラさせられました。
なんだかんだ言って島を発つ時に山岡さんはアキラを好きなんだと気付いて涙を流すのですが、その描写がすごく綺麗です惹きこまれました。
アキラはちゃっかり引っ越しの手伝いをしに着いて来てたけど笑。
本編はここで終わるのでハッキリくっついた感がなかったのですが、描き下ろしで2人の貴重ないちゃいちゃが見れて満足です。
出来たら島で生活したその後の2人の様子が読みたいです!
加賀英明の〜
これ、何気にこの本の中で一番好きなお話かもしれません。
マニュアル通りに物事すすめる几帳面すぎる受けさんの加賀さん。
あるごたごたで攻めさんの晴君と出会い、そこから友人付き合いが始まるのですが、晴君は最初から加賀さん大好きオーラ出てて可愛かった‥!
待ち合わせ30分前に来た晴君が「今日を楽しみにしてたから」と言ったのに対して、『そんなに映画が楽しみなんだな‥』と恋愛経験ゼロなのもあってか天然炸裂な加賀さんも、見た目がきっちり堅そうなだけに可愛かった‥!
ピュアな2人の関係がじわじわゆっくり進んでいくのを楽しんで読めました。
春を待たずに
就活がうまくいかず採用されたら長年片思いしてた先輩に告白する!というお話なんですが、最後がはっきりしないまま終わったので少しもやっと感があります。
先輩は何を思って後輩君と仲良くしてるのか、魂胆なしに飲み会の後後輩君の家を訪ねたのか、採用通知が来たらしい(最後の感じからして)けど後輩君はちゃんと告白して付き合えたのか‥1番疑問点が残って消化しきれてないのですが、お話自体は好きです。
壁越しに住む人
これはびっくりさせられたお話でした。
今から読む方には何も知らないまま読んで欲しいので、あえて内容は伏せます。
どのお話も知らず知らず相思相愛のお似合いなカップルさんばっかりで、疲れた時に癒やされるとても素敵な1冊でした。
欲を言えば、それぞれのその後がぜひ読みたいです(*>_<*)!
表題作を含め全部で4つのお話が収録されています。
4カップルと書きたかったのですが、どれもカップルになるまでの...「なりそう!もうなるか!?明日なるか!?いまなるか!?一時間後になるのか!?」みたいな感じなんです。先のレビューでみんみさんも書かれていますがまさに "寸止め" 祭りです(笑)。でもそこがすごくよかった~!私はとても堪能できました。オール年下攻めかな?と思いながら読み進めましたがあれはどうなるのかな?どっちなのかな…と考えるのもまた楽し。
一番のお気に入りはなんといってもコレ↓
■「加賀英明の少し特殊な日常(前後編)」70頁
前編・後編合わせると、収録されている中では一番長い作品です。まずはこの加賀英明。ルックスはビシッとスーツにメガネ、黒髪をサイドに流してしっかりセットしています。背は171cm(カバー下より)。掃除と読書が趣味というか日課で、何事もマニュアルや下調べなしでは生きられない33歳。…けれど、きっと生きられないわけではないんでしょうね。ここが面白いところでした。この人はただ「誰か」に出逢っていないだけ知らないだけで、飛び出したら冒険家、どんどん吸収しちゃう、そんなタイプの人でした。先輩に相手を紹介してもらって婚活中だが、将来家庭を持つためのもので、恋愛経験とは違う。「好き」という気持ちをもったことはないのです。
そこへ衝動の目覚めを運んでくるような子(年下ワンコ)が現れる。出逢いからもうなんか楽しくって。加賀さんは"気づいていない"んだけど、こちらはワクワクがとまりませんでした。あたりまえのようでこれはなかなか難しいですが、一緒にいて自分が気持ちよくいられるかどうかって大事ですよね。相手の食べ方、これは大きい。話し方は、別に敬語じゃなくたって構わない(加賀さんが気にしていない、と読んでいて思うから)。そして、加賀さんからすれば「本能のおもむくまま」に行動しているように見える青年も、ちゃんと考えているんですよね。なんだかいろいろと可愛かったです。
どの作品もカップルの相性というか、バランスが面白く堪能できましたよ。とってもテンポがよくて、周りの音が聴こえないぐらい気づいたら集中しちゃってました。そしてなによりこの絵、やはり好きだなぁ。表紙にも癒され、ステキな一冊が読めてよかったと思っています。