沙野風結子さんのレビュー一覧

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

兄弟だからこその意味

うわ~…すごい、なるほど…!(´⊙///⊙`)
と思わず唸ってしまう兄弟モノでした。面白い!

まず1番新鮮に感じたのは第三者の存在。
兄弟モノは"家庭内の秘め事"で"誰にも知られてはいけない"というのが、やはりね、倫理観も手伝って「2人だけの世界」として描かれることが多いのですが(そんでソコが兄弟萌えポイントだったりしますが)、この作品はいわゆる間…

3

神の囲い人 小説

沙野風結子  梨とりこ 

軍服と無垢なるものたち

童貞萌えの方、軍服好きな方に特におすすめしたい作品です。

大国・ガイゼル帝国と敵対する、謎に満ちた貧しい小国・ラカン神国。
長年大小様々な小競り合いはあったものの、本格的にガイゼル帝国の圧倒的な武力と戦力の差に制圧されていく。
今作は「神の人形」「神の愛人」「神の囲い人」と、それぞれ異なるCPの連作オムニバス形式で描かれた作品です。
異なるCPではありますが、ちゃんと話が繋がっているの…

3

蜘蛛の褥 小説

沙野風結子  奈良千春 

蜘蛛の巣に絡めとられたのは・・・

「蛇淫の血」のスピンオフ。こちらも大好きな作品になりました。

ヤクザ×検事もの。いや~涼しげな美貌の検事さんがエロい辱めに合うのっていいですね・・・

高校時代の弓道部の後輩と先輩が大人になって偶然の再会を果たし、そこから始まる執着ドロドロストーリーです。
組織の抗争が絡んだある殺人事件の捜査をしていた神谷は、情報提供を持ち掛けてきた久隅と接触するうちに、ノンケの同僚事務官に対して抱い…

4

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

性癖だよね

血の繋がりが無かった兄を好きになった弟が、兄弟であり続けるために故意に怪我をして外科医の兄と繋がりを持ち続けようとするお話でした。

痛々しい怪我をする要斗と、全くそういう意味では弟を見ていない總一郎をどうやって恋人まで持って行くのかと思いました。

途中に式見というイケメン俳優が現れて、要斗のことは何でも理解してると絡めとって行く様子に怖気さえ感じました。

そして式見に弟を取られま…

4

閨盗賊 小説

沙野風結子  小山田あみ 

受けのストイックさが逆にヤラシイ

14歳の時に盗賊団に誘拐されたレンと、その時仲間の手から守ってくれた盗賊団の長の息子・カイルの再会愛。
レンは幼い時から、敬虔なクリスチャンの継母に、姦淫は罪だときつく教えられているため、実年齢よりもおぼこいような感じ。そんなところをカイルも可愛いと思ったのか、乱暴されるようなこともなく、ひたすら甘く接してくれて、誘拐先での出来事なのにキュンキュンくる。
再会後は怪しい錬金術師イザイの登場で、…

4

蛇淫の血 小説

沙野風結子  奈良千春 

子蛇ちゃんの覚醒

ー凪斗(受)が敵の首元に匕首突き立て「俺に角能さん(攻)ください」ー
ーそれを聞いた角能は、凪斗に己の全てを捧げる決意を固めるー

終盤のこのシーンにもうどれだけハゲ萌え転げたことか!!



凪斗はヤクザの組長の隠し子でありながら、一般人の母親の元で、裏社会とは無縁の平穏な人生を送ってきました。
しかし跡目を狙う異母兄からたびたび脅迫を受けてきたため、巻き込んでしまうことを恐れ…

3

神の飼育―真白き神の恋― 小説

沙野風結子  座裏屋蘭丸 

宿命の強さに身震い…

この小説を読みだして、有名な「羽衣伝説」をモチーフにした作品と油断していると、意外なトラップが仕掛けられていました。沙野先生の人気作「処女執事」と同じく、ある時点で読者は思違いをしていた事に気付かされます。その時点で壮大な愛に身震いしました。それ以降物語の見方が変わってきて、あれこれ思いを巡らせました。読者によって色々な解釈や想像の出来る余地のある奥深い作品でした。

タイトルは「神の飼育」…

4

月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

表紙の美しさにため息

叔父と甥の禁断の愛がテーマだが、特殊設定のない現代モノは沙野先生の作品にはちょっと珍しいかも。

3年間も自分との関係を忘れた恋人と同居しながら、攻めが悶々としてひたすら耐えている、というところがこのお話の切ないポイントだとは思うんだけど、そもそも肝心の、なぜ叔父さんが13歳も下の血の繋がった甥に恋したのか、という部分が書かれていない。
なので叔父さんの気持ちになかなか入り込めないし、甥っ子…

4

隠し神の輿入れ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

世界にはお互いしかいないふたり

幼い頃に神隠しに遭い、異界を長く経験した人間は、もとの世界に戻っても違和感と疎外感を抱き続けるらしい。依冶のベースにあるのは、ここは本当の自分の居場所ではない、という感覚。
そこへ昔、自分を連れ去った山の神、藍染が現れたために、依冶は二度と失いたくないという一心で、身も心も全て捧げてしまうような状態に。

藍染も神様というわりに決して万能ではなく、人々の生活が豊かになった代わりに、信仰心も失…

1

夢を生む男 小説

沙野風結子  北沢きょう 

年上のムッツリ攻めが敬語で眼鏡、しかも執事

予知夢を現実にする力を持つ一族の暁と、その力を操る一族の伊織の、歳の差愛の物語。歳の差にも萌えたけど、主従愛でもある。大好物な設定がてんこ盛りで、もうどうしよう。

前半部分は能力の設定を理解するのに、ちょっと戸惑ってしまった。まだ受けが少年だった頃から、アレコレ致しているのは萌えるのだが、この特殊能力が微妙にそれを阻む。
伊織を好きな自覚がある暁は、彼を自分が夢で操ってそうさせているのだと…

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