沙野風結子さんのレビュー一覧

兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

外からの闖入者によって、暴かれ、図らずも結びつく甘く隠微な物語。

プロローグを読みかけて、これは…自殺願望のヤバいヤツかも? と、手に取ったことを少々後悔する。
別の意味で、それが当たらずとも遠からずだということを知る。
命知らずのスタントマンの要斗は、大怪我をしては、兄の病院に担ぎ込まれることを常としていた。
ここでもやはり、美しく優秀な兄に構われたい、ヤバいヤツだと思っている。
ことはそれほど簡単では無い。両親にも自分にも似ていない兄が、自分を気遣い…

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「嘘と楽園」アニメイト特典ペーパー 特典

料理人・アガタ

「嘘と楽園」アニメイト特典ペーパーとなります。
大きさはハガキ大。モノクロ印刷です。
内容は、全4コマのマンガです。

以下、内容となります。


↓↓↓↓ネタバレ↓↓↓↓



①啓人、孝二、イクが揃って…
「アガタ…どうしたんだ その…」

②アガタ「鯛 釣れた」
ド〜〜〜ンと、リアルな鯛。

③台所に立つアガタと孝二。孝二はエプロンつけてお手伝い態勢。
「…

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嘘と楽園 コミック

沙野風結子  高緒拾 

壊れた方位磁石がいつも指していた先

私の、沙野風結子先生に対するイメージは、シリアスで陵辱とか執着、ドエロくキツい展開で…というもの。
そこからすると本作はすごく読みやすいです。
と言っても、実の親からの暴力、親の自殺、施設入り、里親の闇、など、それなりにシリアス「すぎる」舞台は用意されています。
このような生い立ちは確かに主人公・啓人の暗い過去ではあるし、現在の弁護士としての強引なやり方の根底に巣食ってはいるけれど。
本作…

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処女執事~the virgin-butler~ 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

表紙とタイトル以上の満足感

これ表紙がすごくて、通販で購入しました。
題名もね、すごい中身を想像されてしまいそうですよね。

たしかにエロも丁寧に描写されております。

ですが、内容的にはとても深い愛の話です。
そして、人間のエゴが作り出す生命に対する責任の重さ。
作り出された生命に宿る心を無視してはならないとか、
何かちょっと難しいこと考えちゃいました。

それはさておき、お互い記憶を失くしても何度でも…

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「月を食べて恋をする」コミコミ特典SS付きイラストカード 特典

あとがきネタ

本編の後日談です。あとがきで書かれていた、章介のピアスについて。

恵多は章介のジャケットのポケットから出てきたピアスを見つめ、嫉妬心を鎮めようとしていると、その部屋に章介が入ってきます。最初はピアスを恵多の持ち物だと勘違いして、問い詰める章介でしたが、という話でした。

本編では泣く場面が好きだったのですが、こちらのSSでも必死になって涙ぐむ章介が可愛かったです。恵多の記憶が戻るまでは本…

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嘘と楽園 コミック

沙野風結子  高緒拾 

養護施設で出会った4人

原作が沙野風結子先生というだけあって、主役二人だけでなくその友人も含めた4人の過去や現在の思いがもれなく書かれています。友人同士なんだけど、その情を利用しているとか。

誠実そうなのに嘘だらけの主人公が、自分から語ることがなかった吾形の一途な思いを知るにつれ変わっていく様が胸にグッときました。

そんな本編の後に、番外編漫画「引っ越しと丼とご挨拶」で友人二人の今後を思わせ、ショートストーリ…

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Chara BIRTHDAY FAIR 2018 プレミアム❤ペーパーセレクション Aコース 特典

すごいペーパーたち

今年初めて応募してGETしました。A4サイズのカラー用紙(小説は黄緑で両面、コミックは薄黄色で片面)で折り無し、16枚びしっとラッピングされて送付されてくるものですから、迫力!そして全編楽しい、ニマニマ、幸せ!!以下、本編読んでいないものもあって、頼りない内容で申し訳ないですが。
小説の1,2とコミックの2が大好きでした!すいません、以下長いです。

1:「DEADLOCK」副題「How t…

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兄弟の定理 小説

沙野風結子  笠井あゆみ 

恋する傍観者

 本来ならプライベート中のプライベート、二人だけの秘め事であるはずのセックスシーンに第三者が介入する、というのは、さほど稀なことではありません。少なくとも沙野作品においては。

 「狂犬と野獣」シリーズの靫真通クンなんて衆人環視プレイがしまいには快感になっちゃって「お前は本当に見られながらが好きだな」なんて言われてたし、「神の囲い人」じゃ「婚姻の証人」の大義名分の下にお友達カプ2組も参戦して堂…

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月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

評価は再読してから

途中で思いっ切りネタバレしています。ご注意下さい!

ーあの時キスしたの、覚えてる?ー

小山田あみさんの表紙イラストが素晴らしく美しい
この作品には、スルメみたいなところがありました。

初読み時には分からなかった・気づけなかった文章表現や描写の意味が
重みを持って心を打ってきたのは、再読している最中でした。
沙野さんらしさのある細やかで意味深な描写の数々に
ハッとさせられ、…

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月を食べて恋をする 小説

沙野風結子  小山田あみ 

失われた時を巡る、甘やかなミステリー。

ロマンティックなタイトルに魅かれて。
その月は、冷たいのだろうか。昼間に見上げた白い月なのか。輪郭が甘い朧なものなのか。
タイトルの意味はラスト周辺に明かされる。それは私の想像していた様な「白い月」でない事を知る。

父が事故死した時期周辺の記憶を失くした恵多は、時々発作に悩まされながら、何か「大切な」記憶を思い出そうとしている。
そして父亡き後、弱った自分の世話をしながら側にいてくれる…

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