ふばばさんのレビュー一覧

蜜濡れの刃 コミック

神崎貴至 

主従、身分違いなど

和風ファンタジー的世界観。
帝が大和を統べている。
帝は大和の国を7つに分けて、それぞれの領主に勢力を競わせている。その儀式が「七領代表の御前試合」…
…という設定があって、それぞれの領主だったり軍の総将、また武人たちが、み〜んな男同士の恋に燃えてまして、御前試合を前にしてそれぞれの恋愛に苦悩したり絆を深めたり、というオムニバス形式のお話となっています。

「蜜濡れの刃」前後編
①三峰…

0

ドリーマーズハイ コミック

宮本佳野 

宮本風恋物語、2編

「ドリーマーズ・ハイ」
こういうのも「宮本節」とでも言うのかな…
だって、ずるい大人のいい加減なちょっかいで友情にヒビが入る友人関係も「寂しげな男同士の人間関係の揺らぎ」に読めてしまうのだから。
だってやっぱりこんな三角関係、ひどいでしょ?
なのに「繊細な人と人との関わり」に読めてしまうのだから。

母子家庭で母親の男性関係が安定せず、そんな母親を見ていて恋愛なんてしたくない、と頑なに…

0

ブロンズ像の恋人 小説

剛しいら  兼守美行 

妄想を侵食する現実の肉体

かなり奇妙な読後感。
で、そこが面白い。

主人公は、彫刻家を目指したがそれは叶わず、マネキン製造会社でマネキンの原型を作る仕事に就いている真砂(まさご)。
彼は芸術家肌というのか、精神が繊細に過ぎるのか、幻覚や幻聴を見るのです。
それらに悩まされるのではなく、幻聴と対話しながら、幻影と戯れながら、創作に没頭する真砂。
母ひとり子一人で母のペットのように育てられ人付き合いが苦手な真砂。…

2

yes-man コミック

宮本佳野 

テロリストの傲慢な甘え

「コーリング」シリーズ最終巻「エデン」にて、狂気の自爆テロを実行してしまった羽生の物語。

羽生は「コーリング」シリーズ第2巻の「ノーウェア」にて、一度は監禁した0課の浅岡に顔を撃たれて逃げられてから、段々周囲もついていけない異常性を表していきます。
テロリスト集団として警察からマークされ、一般社会からは恐れられていた羽生たちだけど、自分自身が傷を負い血を流してはじめて人殺しの意味を実感した…

2

満員御礼 上 コミック

真生るいす 

定期的に読み直すお話

2009年発表の「上巻」。下巻は未だ出ておりません。待っているのですけどね…
本作の舞台は「相撲」!
独自性がすごい。
とはいえ、主人公は力士さんではなくて「呼び出しさん」です。
だから力士体型のおデブではなく、すっきりした塩系男性。
そこに、タニマチ(相撲の世界で言うところのスポンサー)の3代目社長のボンボン(イケメン)が絡んで…というお話です。
ボンボンの梶之助は、昼間っから桟敷席…

2

月食奇譚 コミック

春泥 

グロ系注意

これはBLの文脈というより、夢野久作とか江戸川乱歩とか横溝正史などの異端怪奇小説、猟奇小説の系譜だと思いました。
ミステリーとホラーとオカルト、そしてレトロが融合して、非常に奇妙で悪夢のような物語世界を創り出している。
私は怖い話が好きだし、横溝正史大好きだからこういうタイプの話はイケますが、「BL」を読むつもりだけで読み始めるとエッとなってしまうかも。
これから気持ち悪い話を読むぞ、という…

5

すべてはこの夜に 小説

英田サキ  笠井あゆみ 

非情と情、愛と憎しみ、愛と怖れ、そして哀しみ

すごく良かったです!
こういう連作短編集のような体裁はとても読みやすい上に、一つの見方だけでない重層的な物語の構成になるので、1冊として深みが出る。
もっとこういう構成の小説が増えてほしいですね。

「すべてはこの夜に」
メインCPの、メインの物語。
英田サキ先生お得意のヤクザ関係。
ヤクザと堅気さん、という英田先生の作品によく出てくる関係性がすでに顕著だと思いました。
愛だけがあ…

3

白狼の士 コミック

琥狗ハヤテ 

beauty & the beast

琥狗ハヤテさんの大ファンです。
本作は、琥狗ハヤテさんお得意の人外、「獣人」ものです。
レビュー1本目のようなので、粗筋多めで書きます。

時代は戦国時代あたりでしょうか…
主人公は、領主鹿嶋家の若君・暁月(あかつき)。
頭目であった父の死後、家臣の小木が逆臣となり暁月の命を狙っていた。
暁月は山中の深い森の中で追手に遭い、腕を矢で射られ気を失う。そこに血の臭いを感じて大きな白い狼が…

7

春を抱いていた ALIVE(5) コミック

新田祐克 

一段落

帯にて、「隠し子騒動終結!」あー良かった〜…
個人的にこの隠し子編はもー萎え萎えでした。
霧胡の般若顔の恐ろしさ!絵柄とあいまってレディコミ感もマシマシで。
香藤と岩城の絆は盤石、それはわかってるけど、岩城の立場とかはどうなるんだろう?と心配もあったので、終結は喜ばしい。
ここのところ、香藤は「攻め」であり、何かあると動揺する岩城を守り勇気づけ、支え包み込む、そんな役割が固定されてた感じ。…

7

エデン コミック

宮本佳野 

「コーリング」シリーズ完結巻

「コーリング」シリーズ完結巻。

テロ組織の首謀者・羽生は浅岡に顔を撃たれてからテロ行為への執着や浅岡への殺意が変容し、周囲の理解を超えて狂気じみたテロ計画を立てている。
並行して、圭吾と自衛隊の三佐・御手洗の二股をかけている錦織(シキ)の悩みも描かれます。
好きだけど正体も明かせない圭吾と優しくて全部知っている御手洗を天秤にかけ、御手洗を選ぼうとする錦織。しかし……!
続く展開は衝撃で…

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