fandesuさんのレビュー一覧

君のいる世界 小説

櫛野ゆい  あおいれびん 

好きな子が目の前で何度も何度も死んじゃうストレス

初読み作家さん。
刊行当時「読みたい!」と思いつつ、ついつい後回しになってしまっていたお話なんです。
多分、タイムリープものだから気になっていたんだと思います。
時間や記憶を弄ってしまうお話って、そうなってしまった原因に関わる切なさと、いつか正常な時間軸に戻っていかざるを得ないことから来る切なさがダブルで襲って来ることが多いので好きなんですよ。
あと、個人的にベストスポーツ(観戦のみ)であ…

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ガチャ彼氏ができました⁉ 小説

田知花千夏  絵津鼓 

心より頭がフル回転しました

年末のお休みに向けて読む本を物色していた最中に、こちらでレビューを読んで購入。
先日読んだ田知花さんの『脳内でグルグルするサスペンス(はい、素直に書きましょうね。『独占欲』です)』とお話の作りは似ていて『ぶっ飛んでいるくせに理にかなっている展開』とでも言いましょうか、大変興味深かったです。

人間の気持ちに興味がなく、恋愛が出来ない(と、思い込んでいる)解剖医の千晶は、人を夢中にさせるセック…

2

妖狐とワケあり駆け落ち中!? 小説

松雪奈々  兼守美行 

異文化との接触は、時にかなり笑える

私、松雪さんのコメディは殆ど読んでいる様です(自信が無い書き方なのは今、調べてみた結果だったからです)。多分、松雪さんの書かれる『社会習慣の違いから生まれるギャグ』が好きなんだと思うのですよ。
日常的に「あたりまえ」と思っていることが、根底から崩されると不安になりますよね?
だから文化の違いって、結構不快感に繋がってしまうものだと思うんです。
松雪さんの書くお話では、主人公は得てしてこの『あ…

1

kiss you,kiss me 小説

ひのもとうみ  yoco 

『可哀想な受け』は嫌いじゃないんですけれども……

これを書く直前に「私、ひのもとさんの本、何を読んだんだっけ?」と確かめたくなり検索したら『(作家の)傾向』の欄に「痛い」と書いてありまして……このお話も正にそう。蒼くんの転落ぶりは不憫を通り越して痛いのなんの。
それもね、多分この『転落』って、様々な制度を利用すればもう少しましな所で止められるはずだったんじゃないかって思うものなんですよ。
「親!とりあえず法テラスに行け!何をやっていたんだ、君…

10

ひよこ劇団で社長と幸せ上演中 小説

榛名悠  金ひかる 

体(?)から始まる恋(きぐるみだけど)

初読み作家さんです。
手に取ろうと思ったのは、パペット劇団を舞台にしたお話だったから。
人形劇、好きなんです。で、年に1~2回観るんですよ。
ただ、残念なことに『人形劇』というジャンルは衰退の一途を辿っているんじゃないかと思うんですよ。
でも、そのジャンルが好きで、それも『子どもを喜ばすのが楽しい』のではなく『子どもと一緒に楽しむのが好き』っていう主人公が可愛くてねぇ……朝陽くん、いい子だ…

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共鳴発情 オメガバース SIDE B 特典

電子書籍での配布方法が……

紙の本ではペーパーだったのですね。
私は電子で読んだのですが、利用している電子書店の『おまけ』としての付け方がとても面白かったので、それについて書いておきたいなと思いまして。

今までの電子書籍の『おまけ』って巻末に付いているものしか読んだ事がなかったんです。
それがですね、今回、時間を置いてから配信されて来たんです。
2週間後くらいでしょうかね?別の本を買って、ダウンロードしようとした…

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好き嫌いはイケません。 小説

鳩村衣杏  小山田あみ 

置かれた場所で咲きなさい、ってことなのかも

私、お仕事BLって好きなんですよね。
特にその仕事が好きで好きで、だから他の人にも「その素晴らしさを知らせたい」となっちゃっている人にはとても惹かれます。
このお話では番匠がそういう人でした。
イタリアで腕を磨いた後、帰国して前に勤めていた料理店が新しく出店する店のシェフに収まるはずだったんですよ、本来なら。
ところが、帰ってきてみたら本店そのものが潰れてしまっていた……それもオーナーの株…

1

愛になれない仕事なんです 小説

砂原糖子  北上れん 

お喋りな男ってのもどうかと思うけど、あまり喋らないのもねぇ……

リアルタイムで読んでいた方は4年の開きがあるのですよねぇ。
今作が出版された(あるいは雑誌に載った)時には、さぞや狂喜乱舞したのではないかと。かなり経ってから続けて読んだ私としては、その時の『祭』に参加出来ずにちょっと残念です。
まぁ『萌本発見の目』がなかった自分が悪いのですが。

表題作は『刑事もの』として、ある驚きが隠されているお話なので感想のみ書きます。
『甘えっ子(あるいは無垢)…

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情愛恋華 小説

華藤えれな  加東セツコ 

読んでいるうちに自分がスケベオヤジと化した

『気持ちが高ぶると方言が出てしまう』というのは大変素敵だと思うのですよ。
で、全くもって個人的見解ですが、その中でも京都弁と博多弁はステイタスが高い様な気がします。
時折、気が高ぶると京都弁が出てしまう美人な華道家元……そそりますよね。

27歳という若さで華道の家元になった怜史はその重圧でかなり息苦しい思いをしているんです。
そんな時、たまたまテレビで映っていた水嶋の作品に目を奪われて…

4

ちょっと並んで歩きませんか 小説

栗城偲  北上れん 

子育ては過去の思い出なので面白く読めました

今作に関する感想はBLについてじゃないのです。
幾人かの方がもう既に書いていらっしゃいますが「子育ては大変だった」ということを、まざまざと思い出したという点で、大変身につまされたお話でした。

私は桜町の様に『丁寧で頑張る』親ではなかったのですが「ああそうだった。あの時とかあの時には、全てをぶん投げて北北西の方向に出奔したかったなぁ」と、そんな私でも思った時期がありましたもの。

現在、…

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