fandesuさんのレビュー一覧

家計簿課長と日記王子 小説

海野幸  夏水りつ 

後からジワッと来る

電子書籍で読了。挿絵有り。

34歳の購買部課長、室木(童顔、草食奥手、ゲイ、倹約家)と、25歳の営業部員、伏見(イケメン、やり捨ての噂有り)が、社宅の火災で同居することになり、それぞれの見た目や社内の噂とは違う本当の姿に触れる様になって……というお話です。

確かに、見た目や普段の言動で「この人はこういう人」って決めつけられちゃって、損をすることってあるよなぁ……でも、逆に「噂と違うその…

4

淫夢 小説

愁堂れな  笠井あゆみ 

最後まで引っ張ってくれます

電子書籍で読了。残念なことに挿絵なし。

あとがきに「二時間サスペンス調のラブストーリーにエロティックさとオカルティックな雰囲気を加えたような作品」とありますが、ミステリ風味も大きいお話だと思います。まずは核心部分に触れないようにあらすじを。

刑事の折本龍を悩ませているのは度々見る淫夢。夢の中で龍は美しい少年の姿で誰かに抱かれ喘いでいます。自分にはそういう欲望はないのに何故?と思い悩んで…

0

ふしだら者ですが 小説

中原一也  小山田あみ 

途中から驚愕の急展開

電子書籍で読了。挿絵はありません(残念!)が、あとがきはあります。

あとがきによれば『オヤジ受け二作目』とのこと。
紙の本は2009年刊行ですので「中原さんでも二作目なのかぁ……オヤジ受けってまだ10年経っていないジャンルなんだなぁ」と感慨を深くしました。オヤジが愛でられるの、私は好きです。

幼い頃に『同性に言い寄られる魔法』を妖精にかけられた皆川は、異性には『ジミヘン(地味で変な奴…

2

きみはまだ恋を知らない 小説

月村奎  志水ゆき 

少女小説テイストでした

電子書籍で読了。挿絵有り。

『安定の月村さん』で、今回は少女小説っぽいと言うか『あしながおじさん』風味でした。
司くんの様な『不遇で傷持ち』で『世の中にはささやかな幸せがある』ことを知っているから、それに向けて淡々と日々を積み重ねて行こうとする主人公を見るだけで「私はダメな大人だ、悔い改めよう」という気持ちになります。「綺麗なものを見させていただいてどうもありがとう」という感じです。

2

薔薇の下には 小説

バーバラ片桐  兼守美行 

大風呂敷を広げているわけではありませんが、ミステリとして面白い

電子書籍で読了。挿絵有り。

バーバラさんのお話はテーマによって振れ幅が大きくて、読む度に「引き出し多いなぁ……」と感心します。今回はアブダクション(異星人による連れ去りと人体実験)がお話を引っ張る鍵になっているのですけれど、荒唐無稽なものではなく、大変ミステリ色が強いです。(バーバラさんならこのテーマでとっても面白い『トンチキ』を書いてくれそうな気がしますが、今回はシリアスモード)
BLの…

3

王と剣 ーマリアヴェールの刺客ー 小説

妃川螢  みずかねりょう 

キラキラ!

電子書籍で読了。挿絵あり。このお話とみずかね画伯のイラストはまさしく『正統なマリアージュ』とでも言うべきシンクロ率!凶器レヴェルでドはまりです。

お話の冒頭から、大団円までが目に見える筋立てとなっています。ハラハラドキドキして読む種類のお話ではありません。幸せな結末までのディテールを楽しむ本です。強く賢く紳士なくせに野性的な攻め様、美しく不遇な生い立ちながら拗くれず健気でありながらはねっかえ…

2

双獣姦獄 小説

西野花  石田惠美 

『即落ち』ってそういう意図があったのか!

電子書籍で読了。かなりエロイ挿絵有り。

美貌の副社長がバイオ技術で造られた性的な奉仕を行う義体『BEAST』二人に拉致監禁され、いけないことをされてしまう理由がミステリー仕立てになっています。これが結構泣かせる話なので、ネタバレは止めておきます。

西野さんのお話は、陵辱監禁だったり、薬だったり、痴漢だったり、まぁ、どちらかと言えば『あまり気分の良くない』行為が行われることが圧倒的に多い…

4

川 ―乳親番外編 ― 小説

宮緒葵  朱月とまと 

昔からそうだったのね

電子書籍で読了。挿絵はありませんが扉絵でちっちゃい幸董が見られます。可愛いです。

「乳親」の番外編です。十年くらい前の話で、本編を読んでいないと「意味が解らない」と言うほどではありませんが、あまり楽しめないかと思います。
董親と幸董がどれだけ朝幸が大好きで、独占したいと思っているかが主として書かれていて、ドラマチックな出来事が起きるというお話ではありません。
いや、事件は起きるのかな?主…

2

乳親 小説

宮緒葵  朱月とまと 

まさしく『乳親』なんです

電子書籍で読了。挿絵有り(お武家様が月代でないのがちょっとがっかり)。

いかにも宮尾さんらしい執着責めと、絡め取られちゃう薄幸美人受けです。
今回の攻めは『犬』と言うより『蛇』ですね。それも二匹で親子蛇。子蛇の方はちょっとだけ犬の匂いがしますが、その本質はやっぱり蛇でしょう。
蛇系のお話だった「悪夢のように幸せな」と、構造は似ている様に思います。私は『犬派』なので「大好き―っ」とまでは行…

4

伯爵夫人の魔法の靴 小説

かわい有美子  あじみね朔生 

読んでいる自分まで上品になるような気がする

電子書籍で読了。挿絵有り。

かわいさんのお話は品がよろしいと思います。
今回は『英国百貨店に買収された日本の百貨店が、傘下に入るオープニングの記念イベントで、それぞれのコレクションである宝飾と呉服の展覧会を行う』お話でした。その間に引かれ合っていく二人の恋愛模様が書かれていくのですけれども、それぞれの仕事ぶりを見ていくうちにその人柄を好ましく思い、一緒に過ごす時間を大切に思う様になる過程が…

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