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表題作こどもの瞳

榎本仁,30歳,子供返りした兄
柏原岬,25歳,弟

その他の収録作品

  • こどもの瞳2

あらすじ

小学生の子供とふたりでつつましく暮らしていた柏原岬が、数年ぶりに再会した兄・仁は事故で記憶を失い6歳の子供にかえってしまっていた。
超エリートで冷たかった兄とのギャップに戸惑いながらも、素直で優しい子供の仁を受け入れ始める岬。
しかし仁は、無邪気に岬を好きだと慕ってきて…。
初期作品に書き下ろしを加え、ファン待望の文庫化。

作品情報

作品名
こどもの瞳
著者
木原音瀬 
イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
ISBN
9784344806405
3.6

(92)

(26)

萌々

(25)

(26)

中立

(10)

趣味じゃない

(5)

レビュー数
26
得点
318
評価数
92
平均
3.6 / 5
神率
28.3%

レビュー投稿数26

うぎゃー

木原小説を読む場合、もう何が来ても驚かない覚悟はできてるつもりだったのに、これは驚きました。
え、まさかまさか…まじでやっちゃうの…ああ、やっぱりか!みたいな。
インモラルのパラダイス銀河です。
でも、主人公の息子の六歳の城太郎くんのおかげで、作品全体の空気感はほのぼのしたムード。
城太郎くんの副担任の先生を主人公にした二作目は、ただただ切ないです。
私はもう、木原作品に何が来ても驚かないと誓います。一生ついてゆきます。

14

“お兄ちゃん”逆転

妻に先立たれ息子と二人暮らしの岬の元へ
記憶喪失になって6歳まで記憶が後退してしまった
絶縁状態の兄の仁がやってくる。

相思相愛とはいえ、近親相姦。
体はオトナだけど心は6歳児。
息子と同じような精神状態の兄とセックスする弟ってどうよ?

不道徳極まりない設定ですがするする読めました。
セックスの描写も挿絵も、嫌悪感なくみれたのは
木原音瀬さんの筆力と街子マドカさんの画力のマジック。

兄のほうは、記憶喪失中につき自分が体のおっきい6歳児と信じて疑わないw
自分が突っ込んでる“お兄ちゃん”が、自分の弟だとはわかってない。
弟は、兄と認識して6歳の心を持った兄に抱かれるわけです。

記憶が戻ったときは
今度は、きちんと兄が“お兄ちゃん”として弟を抱く。
しかも“お兄ちゃん”と呼べって強要w

ずっと“お兄ちゃん”が逆転してたわけですよね。
逆転してたからこそ、弟には見えなかった“お兄ちゃん”の視点がわかったと思うし
兄にも、弟の視点がわかったのではないでしょうか?

父と伯父が愛しあうことになんのてらいもなく受け止める小学生の城太郎に救われる。
それでも読者は、城太郎の行く末について心配しちゃいます。
そんな一抹の不安は書下ろしで読むことができるのですが
やっぱし、城太郎大変そう・・・。
「こどもの瞳2」と題して城太郎と副担任の男性教師との
淡い恋愛が描かれ、一番多感な時期は、すっぱり抜けてます。
それでも城太郎が強くたくましく育っている様を、ちらっと垣間見れて良かった。

なんでしょうね。
兄と弟ですが、そこに“愛”があれば、それは忌み嫌うものではないんじゃね?
なんかね世間体やタブーを気にして好きなものを我慢したり
好きなのに嫌いとかいうほうが不純で、つまんない気がしてきた今日この頃。
木原先生の作品を読むようになってからは、心の垣根をとっぱらって
そこにある、愛のカタチを素直に受け入れてみることができるようになってきましたよ。







12

これはある意味ショタといえるのだろうか

絶縁状態だった兄が突然目の前に現れた。

はじめは、疎ましく、迷惑そうにしていた岬。
事故で記憶を失い、子供に戻ってしまった仁。
兄×弟ですね。
はじまりから、終わりまでの間にある、岬の気持ちの変動が面白いです。
なんども言いますが、岬は兄が嫌いだったんです。
絶縁状態だったんです。
会いたくも無かったんです。
そんな兄が突然現れた。
幼児化して、岬の名前ばかり呼ぶから連れてきたと。
子供にもどってしまっている仁は岬に好かれようとがんばるんです。
その優しい気持ちにほだされていく~という流れ。
可愛くて、無邪気な子供らしい仕草なんですが、実際をみると、身体は成人した大人なわけで。
岬よりももちろん大きいわけで。
子作りとかww
カワイスギルww
事実、やられてる方は、穏やかな気分でもないでしょうが(苦笑

設定含めて、凄く面白い作品でした。
幼児化した兄に攻められるという、メンタル面でちょっと痛いかも・・・という部分はありますが、最終的に二人がOKならいいのですよ。そう、いいのです。
やっぱり兄弟ものの醍醐味は「お兄ちゃん・・」ですからね!!
ハァハァ'`ァ,、ァ(*´Д`*)'`ァ,、ァ

プラス

街子まどか先生の
挿絵が
すばらしくカオスなので、挿絵のためだけにでも購入の価値ありですぞww

9

体は大人、頭脳は子供

まさに名探偵コナ○の逆バージョンだったわけですが(笑)
実兄弟もので兄×弟。
久しぶりに再会した兄は事故で6歳の子供にかえっていました。
ちなみに岬と仁の両親は幼い頃に亡くなっていて、2人は離ればなれになってます。
大人になって一度会ったことはありますが、兄の態度は冷たく、岬は兄が嫌いになります。
なのに事故で6歳になった兄を預かることになった岬。

見た目も体も30の男だけど知能もしゃべり方も記憶も6歳になってしまった兄。
初めは泣いてばっかでしたねー
そのたんびに岬が怒鳴ってました。
でも岬の息子・城太郎君が仁のいい遊び相手になってくれてw2人の会話は聞いてて可愛かったですw
しかし6歳になってしまったからといっても体は大人。
性に対することは一切知らない子供は、岬を好きだ好きだといい、ついには体を繋げてしまいます。

最後にはちゃんと記憶も戻ってハッピーエンドです!
しかし記憶が戻ったときと6歳のときの兄のギャップがすごいw
記憶が戻ったときのエチが一番萌えました(*´Д`)
特に兄が岬に「お兄ちゃん」って呼ばせるあたり・・・萌えました!

そして書き下ろしの『こどもの瞳2』はそれからの話ですが、城太郎の通う小学校の先生視点の話です。
城太郎も絡んできます。
岬と仁は相変わらずラブラブのようですが、「岬は俺より仁が好きなんだ!」というセリフはちょっと切なくなりましたね。城太郎も寂しかったんだろうなあ(´・ω・`)
そんな城太郎に本気で恋をしてしまった先生ですが、やはり小学生とじゃ無理ですよね・・・
こちらは切ない話でした。

街子マドカさんのイラストも良かったし、兄弟萌えたし、城太郎可愛かったし満足です!

9

1話目は設定が神! 2話目は切なさが神! 。・゚・(´□`*)・゚・。

この度も電子書籍化されている木原先生の未読作品の中からセレクト。タイトル&表紙イラストに惹かれて。ですが挿絵イラストは拝めずそこは残念でした (T_T)

目次
こどもの瞳(柏原岬・受け視点)75%
こどもの瞳2(堂本広喜視点)25%

どちらのお話もとても良かったです!長さから言ってもメインは当然1話目。血のつながりのある実の兄弟のお話です。2話目は書き下ろし。小学校の先生と生徒のお話です。どちらも同じタイトルですがCPが異なります。しかし2話目を読むことにより、1話目でCPとなった二人のその後の幸せをも垣間見ることが出来ます。

まず1話目ですが「実の兄弟」もの。これだけでダメな方はダメかもしれません。「実の兄弟」という響きには何やら淫靡で、卑猥で、タブーなイメージがあります。「地雷」として眉をひそめる方も多いことでしょう。また2話目も「ショタコン」もの。きっと嫌いな方は嫌いでしょう。バッドエンドですし…。でもハピエンだったら犯罪だし…切ない。それゆえラストは涙腺崩壊! (つд-。)



ガチ兄弟に対する私の見解は以下の通りです。

聖書では同性愛をタブーとして禁じております。理由は子孫繁栄に繋がらないから。子孫の繁栄に直結しない性愛行動は神さまの御心に反します。同じ理由でオナニーも禁止。近親相姦は奇形児が生まれる可能性が高いという理由から禁止。同性愛も、オナニーも、近親相姦も、元を正せばタブー視される理由は全て同じ。「子孫繫栄に繋がらない」この1点に尽きます。

でもBLは男同士の恋愛に寛容なジャンル。タブーなど取っ払っている世界。であれば実兄弟ものもOKと言うのでなければ矛盾するような気が致します。奇形児が生まれるわけではないし、BLを好きになってしまった時点で私自身は無問題と考えております。

もちろん人にはそれぞれ考え方があり、生理的に嫌と言うものを押し付けるつもりはありません。かく言う私も数年前まではBLを気持ち悪いと敬遠しておりました。けれども今では偏見&食わず嫌いだったと反省しきり。よって「気持ち悪い」とか、「地雷」とか、「鬼門」などはさて置き、試しに読んでみて頂けると嬉しいです (-人-)



1話目の主人公は25歳の柏原岬(受)です。2年前に妻を亡くし男やもめで6歳の息子・城太郎を育てています。岬には幼い頃離れ離れとなった兄・榎本仁(攻)がおり、今や大企業の社長です。17年も音信不通でしたが、妻の病気でお金の遣り繰りが困難になった時会いに行ったことがあります。ところが兄・仁は冷たく、怒った岬はお金を借りることを断念。その場を去りました。もう二度と会わない。そう思っていた岬の元に、事故に遭い記憶喪失のため6歳児に退行した仁が訪れ同居することになります。

このお話は設定が最高に面白かったです。思わずクスリとなるシーンが何度もありました。Hなシーンも満載で、「6歳児の脳」恐るべしと思いました。また6歳児の脳の仁と、ホントの6歳児の城太郎が、体格の差をものともせず「仲良し」なのが微笑ましかったです。あと記憶が戻ったばかりの仁の、意外にも激しい口づけ。これにはめちゃくちゃドキリとさせられました。これからは二人の関係は変わる、そんな予感めいたものを感じさせるシーンでした。大好きな作品です。


さて書き下ろしですが泣かされましたー。こちらもショタコンと言われ禁断もの。24歳の小学校の先生・堂本と、1話目に登場していた受けの息子・10歳になった城太郎のお話しです。切なくて、苦しくて、辛かった…。でもそれだけにめちゃくちゃ心に沁みました。

数ページ読んだだけで、「あ、悲恋ものだ」と分かりました。堂本先生が転職をし塾講師の面接を受けるところから物語が始まるからです。だから覚悟をしながら読みました。途中、楽しいシーンがあっても逆にウルっと来てしまい、鼻の奥がツーンと痛みました。覚悟はしていたものの最後はやっぱり悲しくて、すすり泣きが積乱雲のように湧きあがりました。

実は1話目のラストは意外なところで唐突にお仕舞いとなりました。二人はハッピーエンドで結ばれたのです。でもまだまだ問題は山積しており、今後の新たな展開を楽しみに頁をめくりました。ところが急転直下、物語は終わりを告げるのです。「えーっっっ、ここでお仕舞い?」「うっそー!」と読者にはちょっと残念なラスト。

それは2話目にも言えること。冒頭で堂本先生は愛する城太郎の未来を想い、別れを決心しました。その後7年経って、彼の成長した姿を偶然見かけるのです。もちろん城太郎は気が付きません。でも堂本先生は遠目で見守り「ようやく本当の意味で城太郎にお別れが出来た」と涙一つで見送るのです。この余韻がもう!何とも言えません。涙、涙、涙。だって!体の関係こそないものの二人は両想いだったのです。恋人同士だったのです!城太郎のこんな言葉やあんな言葉が忘れられません。

「先生が俺のこと好きっていったら、付き合ってあげてもいいよ」

付き合ってあげてもいいなんて…!めちゃくちゃ傲慢で強引な城太郎の言葉。大人が口にしたら小憎らしく妖艶なセリフも、小学生の城太郎が口にするから可愛い。こんなキュートで愛らしい子、堂本先生ならずとも好きにならずにいられません。私も大好き!きっと城太郎のこの性格は攻めに違いない!などと一人勝手に思ってしまいました。でもラストは城太郎に気づかれないまま最後まで堂本先生の視点で終わります。こみ上げてくる悲しい思いを抑えきれずにボロボロ泣きました。泣いて、泣いて、泣いて。そして涙にはものすごいデトックス効果があるということを実感しました。思いっきり泣いたあと気持ちがスッキリしましたもん (゚ー゚。)

9

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