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表題作純情な人のように、さよなら

売れない舞台役者・前岡祐也(25)
不誠実なエリート医師・柚木智大(30)

あらすじ

「あんたを愛してる。絶対にあんたを手に入れてやる」恋人は顔がよくセックスが楽しめればいい、そんな考えを持つエリート医師の柚木を無理やり抱いたのは、不遜な俳優・前岡。互いに恋愛感情はないはずが、時々年下の男が自分を想って言い放つ言葉に戸惑いを隠せない。しかも過去のトラウマのせいで、愛に臆病な柚木の心は、その想いを拒み続けてしまう。寂しさや本心を隠したまま、柚木はある決意をするが…?
(出版社より)

作品情報

作品名
純情な人のように、さよなら
著者
西江彩夏 
イラスト
桜城やや 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
発売日
ISBN
9784862637116
2.7

(9)

(0)

萌々

(2)

(3)

中立

(4)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
21
評価数
9
平均
2.7 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

割とダメな人同士のCPだと思うんだけど好き

攻×攻に期待して読んだけどそこは案外あっさり決着。
でも人間不信から臆病と卑屈をこじらせて外面だけはいい小狡くスレた受が超俺様だけど一途な(まさかのDT!)クーデレ攻に籠絡され混乱する様は面白かったです。
序盤強姦そのものより張り手に若干ヒいたけどね。
芸能人×医者というカップリングで派手っぽいのを想像してたけど意外に地に足が着いている感じのお話。
普段は芸能界物苦手にしてるのでそのくらいで調度良かったかも。

時計のプレゼントのシーンは不器用な前岡の真摯なアプローチとそれに心動かされながらも「君は僕を裏切らないか」と尋かずにいられないほど信じきることができない柚木の臆病さ、二人の温度差が切なくて泣けた。
大事な人が一生自分の傍にいるって言ってくれてる至福の瞬間なのに。

攻がカレー見て料理してくれたって嬉しそうなとこはわんこっぽくてかわいかった。
変わり者っぽく見えるけど、他にも弁当を持って試合見に来てほしいとかなんか意外と発想が普通の男の子でおかしかった(笑)。
関係ないけどゴールキーパーなのがなんかツボでね。普通ああいうキャラのポジションってフォワードなイメージが。サッカーはGKで野球は捕手萌えです。司令塔に弱いの…。

年下だし不器用なのに男としては何枚も上手な攻。
裏切られることを極端に恐れる柚木に対し「裏切られてもいい」という決断を突きつけた前岡の男っ振りがいい。
粘り勝ちですね。
不器用な言葉で受のコンプレックスを溶かし戸惑う受に待つと宣言し仕事面で成り上がって最後に攫う。
強姦以外はかなりなオットコ前な攻でした。
「ダメな人ほど愛してやらないといけない」っていう前岡のセリフは彼の傲慢な態度からは考えられないほど存外まともに愛されて育った人だと想像させられました。愛されて育った人の強さみたいなものを感じるよね。
分からないものを「分からない」って切り捨て方もすごいけど。

始まりこそ強姦だけど荒療治じゃなきゃ行きずり以上にはならなかっただろうからね。
そういう意味では物語上意味のある強姦だったな。
っていうか柚木のタチ設定も「攻×攻萌え」っていうより始まりを無理矢理の関係からにするためのものだった気がする。だからネコ転向がわりとあっさり目で処理されてるのかも。
メロドラマチックなあらすじですが物語の構成はかなり理詰めで作り込んでいるような気がします。
この辺り好き嫌いが分かれそう。
リリカルな表現もあるのに全体として乾いてるのが不思議なんだけどその辺が原因か。
あと文体や台詞等も少し独特でショートムービーっぽい印象(読み手を突き放すような感じというか敢えて歩み寄らない感じ)なのでその辺りも感想が割れそう。
ドライイに見えてウェットな二人の雰囲気とは合ってたけど。
素直にすんなり入ってこない独特の歯ごたえを面白いと取るか稚拙と切り捨てるか。読み難くはないんだけどところどころ引っかかる感じがクセになる。

あ、紳士過ぎて謎な当て馬西谷君救済スピンオフ地味に希望。

0

一途攻めの求愛は、臆病な遊び人受けに届くのか

萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
不遜な態度の売れない俳優・前岡(25)×遊び人ゲイでタチの美形医師・柚木(30)という、素敵な設定!
デビュー作「ナルシストの憂鬱」がかなり面白かったので、密かな追っかけ作家さん。
嘘の笑顔を処世術に要領良く生きてきた美形のエリート医師、しかも恋愛に奔放なタチのゲイが主役!?しかもそれが受けって!

性格悪~い受けがぼこぼこに凹む話かな~とばかりに勝手に妄想してたんですが、ちょっと風向きが違いました。
蓋を開けてみれば、真剣な恋愛にどうしても向き合えない遊び人の受けを、一途な攻めが辛抱強く懐柔してゆくというお話。
臆病さとプライドでがちがちになって、どうしても素直になれない受けの心情で、端から端までまるまる1冊読ませます。

「その場しのぎのおべっかなんていらない。もっと本音で喋れ」と言う攻め・前岡は、態度は不遜だけど一切の飾りがない本音人間。
上っ面の態度は通じず、「心はいらない体だけ。飽きるまで楽しめればいい」という柚木の恋愛観をただの予防線だと言い当て、本当は恋愛に臆病なだけなんだということまでも見抜きます。
常に本音を隠してきた柚木とは反対のタイプで、だからこそ柚木は自分と向き合わなければいけなくなっていきます。

遊びの恋愛はOKでも、本気の恋愛はNG。
裏返せばそれは、本気の恋愛を信じているからこその台詞ですよね。柚木は恐らく自分が思っている以上に純粋な人なんでしょう。
前岡のまっすぐな愛情の前に、往生際の悪い柚木が逃げきってしまうのか、最後までハラハラさせられてしまいました。
読み終わってみれば「純情な人のように、さよなら」というタイトルは、柚木の厄介な不器用さがよく表れていて、少し切ない。

真剣な恋。不器用な恋。
いい歳をした大人が滑稽なほど恋愛に翻弄される様は、やっぱりいい。

2

一途さが心地よい

典型的な年下攻めです。丸ごと1冊表題作で、柚木の目線で進みます。

題名はちょっと情緒的でぴんと来なかったです。
あらすじ読んだ時は、年は下だけど遊びなれた俳優・前岡(攻め)が、クールな医師・柚木(受け)を翻弄する話かと思ったのですが、ちょっと違いました。

話が進むにつれ、柚木がどんどん弱く可愛く、前岡が意外と純情なのが分かってどんどん格好良くなっていきます。臆病な柚木を、決して諦めない前岡の一途さは心地よかったです。逃げられても追いかけ、拒絶されても側にいたいと告げる。それが鬱陶しくなく感じて素敵でした。

終盤に登場し、柚木が自分の気持ちを再確認することになった、警察官の西谷。短いながら良い男でぐっとくるものがありました。彼のイラストがあったらよろめいてしまったかも?(笑)何かの作品で登場されないか、期待しています!

シリアスっぽい書きぶりですが、重くはなく、さらりと読めます。柚木の医師としての仕事の話はあまり出てきません。切なさもありますが、前岡の強いラブに安堵させられました。臆病な大人な受けと、一途で情熱的な年下攻めがお好きな方は手にとってみてください。

2

芸能人ネタじゃなければ・・・

今回は何回かグッと来る所もあったんですが・・なんかちょっと・・という内容だった気がします・・
過去のトラウマとあらすじにあったから、恋愛絡みかと思いきや、家族ネタだったのも、あるかも・・。
あとは設定ですね~・・芸能人ネタってのがちょっと違うような気がしました・・
芸能人ネタが悪いというんでは無いんですが、このタイプの受けを「一生愛して、傍で守る・・」的なセリフを言うならば・・芸能人っていう設定はどうかと?思いましたね・・お互いが芸能人とかだったら、まぁいいですが・・
相手は医者でかたや芸能人じゃぁ、すれ違うばかり・・っていうのが目に見えていて、もっと違う設定だったら、ちょっとはこのセリフに真実味もあるし・・もっと柚木を甘やかしてあげれる職業とかでも、良かったかなぁ~と感じました・・

相変わらず時間の流れに無理があるような違和感を感じましたが、空港の一方的な別れのシーンは結構お気に入りですね。柚木の切ない心情、不器用性が表れていて良かったです。

前岡の傲慢だけど一生懸命な所は好感持てましたね・・しつこい様ですが・・これで、芸能人でなければ・・もっとOKなんですが・・柚木に対しての真摯な態度もいいですし、なんか可愛い?って言うか・・偉い偉いって頭を撫ぜたくなってしまった感じです・・・私から見てですが・・

でも、ポイント高いのはちょっとしか出てないけど、警察官の彼は!!彼は良かった・・数回しか会った事が無いのに、ちゃんと柚木の事を見ていて・・彼みたいに傍に居てくれる人を選べばいいのに・・って思ったりして・・

やはり前作2冊は私の中で結構・・否、かなり心に残る作品だったので、結構期待が大きかった?大きすぎた?感はありますね・・前2作は攻めにちょっと難あり的な感じで、漢前受け設定だったので、私の中では、ヒットだったんでしょうね・・・

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