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少し好みとは外れている絵なんですが、やっぱり年下攻め(どんだけ好きやねん!)という事で手に取った1冊です。
少しだけネタバレさせてもらいますが、このコミックほぼエチシーンがありません。表題作【東南角部屋彼の恋】ではキスシーンのみ。
エロなシーンがあるのは2本目の【20分間の秘密】ですが、これまたエロが薫るぐらいです。
3・4本目なんて受け攻めも解んない(何となくそうかな~程度)です。
お話も元住人が今の住人と同居する(表題作)とかちょっと強引かなとか、家庭教師(2本目)のお話もありがちかな~とか思わなくないのですが。
しかし、何故だか私の萌に引っかかりまして・・・。
エロLOVEな私ですが、こういうエチなしのふんわりした作品も好きなんだなぁと再確認しました。
全体にすごくきれい。
絵もすっきりきれいだし、ストーリーもするするきれいに展開するし、
もう、言うことないくらいきれい。
でも、逆に、きれいにまとまりすぎて印象が薄い。
特に表題作は。
表題作より、同録の短編の方が印象的。
「20分間の秘密」の含みを残したラストとか、
「マネキンは笑わない」の余韻とか
「酔っぱらいミスリード」の期待感とか。
長いストーリーをちゃんと作っちゃうよりは、きれいな空気感を活かした余韻のある短編の方が作風的に向いてはるんちゃうかな。
もっといろんな、シャープな面とかみてみたい。
私のなかであがた愛先生といえばエロがお得意というイメージだったので、まさかの一冊まるごとエロ皆無な作品だとは思わず…!
でもどこかシリアスだったり、世間のゲイへの偏見だったりが孕んだ現実的な仄暗さがチラつく空気感が先生の作品ぽさが光ってました。
表題作では「仕事が出来て他人とは距離を取るリーマン」が、自分の家に届く以前住んでた人宛の郵便物を開けるというなんとも矛盾した行動からストーリーが始まるので度肝を抜かれましたが、それでも2人の関係性にときめいてしまいました。
淡々と日々を過ごしつつ、しっかりと距離が縮まっていくところと、お互いが好意を寄せていく過程が、ドラマチックな展開は無いのにも関わらずなぜか好きです。
あとは短編がいくつかありますが、その中でも「マネキンは笑わない」のせつなく甘酸っぱい感じが良かったです。
明確な受け攻めが描かれていない作品が多かったし、それでもときめけるのが作者さんの力量を感じさせられる作品集でした。
最初の方は二人が一緒に住むことになる経緯など、読んでいてツッコミどころが沢山あり、なかなかストーリーに入り込めなかったのですが、二人の惹かれ方はすごく自然でキャラクターも惹かれ合うのに相応しい魅力的なものだと思います。
絵は表紙で見るよりも少し可愛めかな?好みはあるのでしょうが、私はけっこう良かったです。同時収録のマネキンは笑わないなど、この絵柄がぴったりだなーと思う場面がたくさんありました。
短編が3つ入っており、どれも完全に思いが通じるところまでは行っていないのですが(酔っ払いミスリードは告白まで)、作者さんの世界観に驚きです。20分間の秘密 は、夢と現実の混同で不思議な雰囲気を醸し出し、マネキンは笑わない は、二人の間に距離はあるのに気持ちの近さはしっかり表れていて少し切なかったです。酔っ払いミスリード は、ほっこりしました。
全体的に萌というよりは、おおお、と言いたくなるような作品に思えました。
◾︎表題
◾︎篠田はるき(大学1年)×田崎(会社員)
前の住人の郵便物が届いたら、差出人返却にしましょうよ。あるいは賃貸会社や大家に相談しましょうよ。親展郵便物を勝手に開けてはいけません。
という感想から始まる。フィクションの世界で許せること許せないことありますが、これはかなりもやっとする。表紙の雰囲気とタイトルはとってもいいのに、非常識っぷりが残念。
◾︎マネキンは笑わない
とても好きです!こういう作品は商業として出辛いと思うし長編にはならないので、こういうデビュー当時の短編集や同人誌でないと読めないんですよね〜
掘り出し物に当たった気分。主役の矢附のキャラデザが好みだったらもっとハマってた。