きみがいれば大丈夫

てのなるほうへ

te no naru hou e

てのなるほうへ
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神42
  • 萌×236
  • 萌11
  • 中立2
  • しゅみじゃない2

170

レビュー数
21
得点
389
評価数
93件
平均
4.2 / 5
神率
45.2%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
シリーズ
クロスノベルス(小説・笠倉出版社)
発売日
価格
¥890(税抜)  
ISBN
9784773088021

あらすじ

それは昔々。
他の妖怪たちに顔がないからと仲間はずれにされた寂しがりやの妖怪・のっぺらぼう。顔を狐面に隠し、ひとりぼっちで愛する誰かを待っている。
そして二百年──。
一般企業に勤める中途失明者の巽は職場で浮いた存在なのを自覚していた。
そんな巽の唯一の楽しみは狐面を拾った縁で出逢った男・草枕と過ごすランチタイム
。古くさい言葉遣いでちょっと浮き世離れしているけれど真っ直ぐ巽と向き合ってくれる彼に、いつしか恋心が芽生えていく。
そんな時、巽のまわりで不思議なことが起こりはじめ……!?

表題作てのなるほうへ

草枕,妖怪・のっぺらぼう
紺野巽,コールセンター勤務,中途失明者,21歳

その他の収録作品

  • めんない千鳥の啼く夜
  • 春宵一刻
  • あとがき

評価・レビューする

レビュー投稿数21

ほんとにまさかののっぺらぼう! 3

やっぱりこのタイトルつけたくて、先にレビューされているお姉さま方に
敬意を表して 3 つけてみました。
まさかののっぺらぼう攻め×中途失明者さんの受け・・・
本当にびっくり設定でした。
ぐずぐずに泣いちゃうか と思ってましたが
ちょっとせつない、でもハピハピほわほわ気分で読了できました。
いいお話。ので萌2.

少し前から手元にあったのですが、
どうにもこうにも ハンディキャップを持っている方々のお話を読むのが
ツライなあ と感じる期間だったようで、手に取れず。
最近になってようやく手に取れました。

せつない序盤。もうここで既にぐっすん状態。
独りぼっち って寂しいですよね。
最後の方で、そうなる原因を作った、他の妖怪たちも後悔していたことが
わかって、気持ちが救われました。
本当に愛すべき可愛い妖怪たち。
(いや 怖いんだよ、大首とか。でもなんか可愛い)
幸せ気分で終われる いいお話でした!
初心者でも大丈夫と思いますが、ちょっと異色作っぽいです!

1

コンプレックスは魅力になり得る!

中途失明者の巽は、いつもお昼を一人で食べている公園で、風に飛ばされたお面を拾ってくれと頼まれます。
それがきっかけで、巽はその狐面の持ち主・草枕とランチタイムを過ごすようになり、ちょっと浮世離れしてるけど真直ぐで優しい草枕に惹かれていきます。
そんな時、自分以外いないはずの部屋で物音がしたり、物の位置がずれていたりするようになり・・・と書くと何だかホラーかサスペンスものみたいですが(笑)、ほんわか心が温まる、妖怪との恋物語です。

すごく読みやすいです。
最近2段組の小説ばかり読んでいたから・・・じゃなく、絵が浮かぶような分かりやすい、読みやすい表現を選んで書かれているように感じました。
初読みの作家さんだったのですが、小説を普段あまり読まない方にもオススメできると思います。

何といっても吃驚なのが、妖怪・『のっぺらぼう』が攻め!!
設定萌え小説なのかと思って手に取ったのですが、全然違いました。いい意味で裏切られましたよ!
顔が無いことがコンプレックスなのっぺらぼう・草枕。初めて巽に出会った時には、巽が見えないことに安心したんです。顔が無いことを見られないから。
続き
最初はそうだったけど、親しくなっていくうちに巽自身に惹かれていきます。
顔に触れたいと巽に言われて面を外したときの草枕の勇気、御簾裏に願う草枕の想いに胸が熱くなりました。
巽がいてくれたからこそ、最後の章では、あまり他の妖怪たちとも馴染んでなかった草枕が宴に参加するまでになって・・・草枕のそんな姿に、コンプレックスを乗り越える物語でもあるように思いました。
実際そう簡単にコンプレックスは乗り越えられないけど・・・作中にあるように、コンプレックスって「周囲がどう思っているか」よりも、「本人がどう思っているか」だと思います。自分自身の心の中の問題。
巽と出会うことで草枕の心がコンプレックスを乗り越えられたんです。
巽もハンディを背負っていつの間にかいろいろ諦めてて、草枕と出会うまでは自分が寂しいと感じていることさえ気付けなくなっていました。
会うべき人に出会えた二人・・・もう何て温かい物語!!とても良かったです!
春宵や他の妖怪キャラクターたちも魅力的で、本当にスピンオフか続編があれば嬉しいな、と皆様と同様に思っています。

草枕を揶揄い過ぎた妖怪たちも、巽に嫌がらせする山内も、根っこの感情は同じ。
山内さん、私は嫌いになれなかったなぁ・・・むしろ親近感(苦笑)。自分の思った通りに進まないと、仕事中は特にイライラしちゃいます。自分を振り返ってちょっと反省しました。
そう意味でも、心に残る作品でした。

1

自分のバカヤロウ

実は栗城偲さんの作品はこれまでの実績から相性が良くない印象があって、こちらの本も積んだままになっていたのをようやく読みました。

…何故もっと早く読まなかった自分のバカヤロウ!と壁ドンする勢いで、大好きな作品になりました。小椋ムクさんのイラストがまた素晴らしくマッチしていて、妖怪と人間、のっぺらぼう、視覚障害者、男同士…などのやるせない事実がありながら、全篇にわたってとにかく優しくて温かい物語になっています。

もの哀しいプロローグにあたる「めんない千鳥の啼く夜」から始まって、表題作の本編、そしてエピローグと、面白くてドキドキする構成で、最後まで惹き込まれて読みました。

美醜に左右される恋愛というのはあって当然ですが、のっぺらぼうと言うのは…一つの究極の形ですね。ともすればシュールなコメディーになりそうな題材をこんなに素敵なお話にしてくれたことに感謝します。読めて良かったです。

続編があったら是非とも読みたいと強く思います。

2

心温まるお話です

このお話は答えて姐さんでご紹介頂きました。
イラストも可愛らしくて、とても素敵です。
のぺらぼう(草枕)と、中途失明してしまった男の子(巽)の話。
草枕はずっと200年待ってやっと出会えたんだね。
でも、たぶん巽のほうが先に死んじゃうかもしれないね。
だけど、二人が出会えてよかったと思いました。
ちょっと現実離れはしているかな…
私は違和感はそんなになかったけど。
巽の視力が、戻るのがやけに感動しました。
脇キャラの春宵も気になります。
ジブリアニメ
千と千尋の神隠しのような
雰囲気がありました。

1

イラストの雰囲気がぴったり

中途失明の薄闇の中で孤独に生きている人間と、二百年生きている孤独な妖怪が結ばれるお話。
坦々と上品で味わい深い作品でした。
人の気持ちは、目が見えなければ見えない事もあるし、目で見えないからこそ見えてくる物もある。
見えない巽と、見せられない草枕。
二人の間にあるのは、言葉と、そして心の動く気配。
巽は視覚以外の、声音で、匂いで、空気の動きと、微かな熱で、草枕を好ましく思い惹かれていきますが、それが恋愛とはなかなか気づけません。

巽の、この奥手でウブな感じが読んでいて好ましかったです。

東京の真ん中に、今でもあるという「その場所」の主と、そこに集う妖怪達。
春宵のお話も、もっと詳しく知りたくなります。

1

とっても楽しかった♪

栗城偲先生の本を読みたくなって、買ってみました。
一言でいえば、設定が面白い!
そして、とっても優しいお話でした。
このお話アワードノミネート作だったようで、もっと早くに読むべきでしたね。
読むのがちょっと遅かった…残念だなぁ。

表紙からもわかるように、妖怪たちが出てくるお話です。
非BL本にも人気の妖怪コミックや小説がありますが、私は昔からこの妖怪ものが大好きでして。
小学生の頃は、妖怪百科みたいな本も何冊か持っていたと思います。
かの有名な妖怪ものの作者の故郷へも旅行で行きました。
幽霊とは違って愛嬌があるといいますか、とても親近感がわきますよね。


お話の主人公である紺野巽(こんのたつみ)は、盲目の青年。
中学生の頃、完全に見えなくなりました。
そんな巽は、独り暮らしをしながらコールセンターで働いています。
いつもお昼休みには、近くの公園ベンチへ座ってコンビニで買ったものを一人で食べていて。
そんな巽の足元に狐のお面を落としてしまい、拾ってくれと頼むのが、もう一人の主人公である草枕(くさまくら)。
この出会いをキッカケに、お昼休みに話をする続きようになり。
徐々に親しくなっていきますが…?

お話は、三つにわかれていまして。
「めんない千鳥の鳴く夜」は少し昔の時代のお話で、草枕視点。
「てのなるほうへ」は現代のお話で、巽視点。
「春宵一刻」は本編後のお話で、草枕の友人である春宵(しゅんしょう)視点。
主人公以外の人物視点のお話はとても好きなので、最後の春宵視点のお話大好きです♪


巽と、巽の職場の同僚以外の登場人物が、ほぼ全員妖怪という。
しかもハッキリと何の妖怪か書かれていないものも多くて。
そこも何とも面白かったです。
視覚障害というデリケートな部分も、きちんと細やかに描かれていました。
私の使う最寄駅には視覚障害の方がとても多くて、時々お手伝いをする事もあるのですが。
杖の事だとか、色々知らない事もあり、とても勉強になりました。
今後駅などでお手伝いをするとき、ちょっとは役にたてるといいなぁ。

巽は、大人しくて真面目で几帳面なところもあり。
視覚障害があっても、卑屈になり過ぎないよう努力している頑張り屋さん。
意外に大胆な面(昼食の具材の話、草枕との交流など)があって、とても面白い人物で。
見た目は可愛いのに、酒豪というギャップも楽しいです♪

草枕は、人ならざるものである事と、自分の顔に多大なコンプレックスを抱えています。
とても優しい、そしてとても寂しがり屋な妖怪さん。
いつも言葉足らずですが、ひとつの言葉に沢山の気持ちを込めている気がします。
顔はアレでも心の美しい妖怪さんで、一緒にいてホッとする巽の気持ちがよくわかります。

書籍は文字が大きく読みやすいのですが、その分あっという間に読めてしまい、ちょっぴり寂しかったですが。
もしかしたら、春宵のお話もスピンオフになるかも?なんて期待もしています。
なるといいなぁ~♪
栗城先生、素敵なお話をありがとうございました。

4

恋することで視界が開けた

小椋ムクさんの表紙に惹かれて買いました。初めて読む作家さんです。文章が読みやすく、展開もさほど無理なく進むので最後まで安心して読めました。

攻めはなんと、妖怪“のっぺらぼう”
人外や妖怪モノは数あれど、メインキャラがのっぺらぼうというのは、私が読んだ中では初めてです。
対する受けは中途失明者のサラリーマン。
彼は職場の人と接するときには、当たり障りなく少し控えめに話すのに、草枕の周りの妖怪たちには嫉妬しちゃったりします。草枕と出会えたことで素直になれたんですよね。可愛いわぁ。
二人を取り巻く妖怪たちや職場の同僚なんかも、魅力的です。巽に辛くあたっていたお局の気持ちも「あ〜、わかるわかる」と思わずうなっちゃいましたよ。だって、同い年なんだもの。
巽が普通の人間である以上、いつかはお別れの日が来てしまうんでしょうけど、それまでは悔いのない日々を送ってもらいたいですなぁ。御簾裏さんは寿命を延ばすこととかはできないのかな?

3

優しく心あたたまるお話

初読み作家さん。
人外もの大好きなうえに、メインがのっぺらぼうというとんでも設定に興味を引かれて購入。
小椋ムクさんの挿絵のおかげもあって、妖怪のおどろおどろしさとか、そういったものとは無縁なかわいらしい仕上がりになってます。

のっぺらぼう×中途失明者というCPですが、障碍者を題材として扱う場合、結構作家さん側も神経使ってるなというのが文章から透けて見えることが多いのですが、この作品は相手がのっぺらぼうということもあり、変な緊張感なく読めて良かったです。
とはいえ、受の境遇や会社での人間関係などは、結構考えさせられることもあり、お局さまには気分が悪くなったり……。

受の性格が比較的穏やかで、攻との出会いからゆっくりと想いを重ねていく描写はとても丁寧で、自然と引き込まれていきます。
見えない世界だからこその設定がちゃんと生かされていて、攻のコンプレックスや戸惑いにもちゃんと焦点が当たっていて良かった。
お互いに寂しさを抱えていた二人が晴れて結ばれ、受が光を取り戻した時のやりとりには涙腺を刺激されます。
二百年待った攻に、お待たせしました、という受。
とても温かい続き気持ちになり、最後まで楽しく読むことが出来ました。
欲を言えば、のっぺらぼうな攻を、もっと分かりやすく絵にしてくれたらなぁ……と(笑)

とにかく読みやすい文章なので、あっという間に読了してしまいます。
登場人物は基本的に悪者は出てこず、受にいやがらせしていたお局も結局は……な感じで、とにかく全体的に優しい構成。
何もかもが良い方に向かっていくので、世の中そんなに甘くないよ、と心の隅で思わなくもなかったのですが、受の徳分でしょうかね。
そういった点は少し物足りなさを感じるというのはあったんですが、人の悪意や汚さを見たくない時にはこういうお話はいいなと思いました。
疲れてるときや、重めの話を読んだ後などには非常におすすめ。
攻も受も出てくる妖怪も、挿絵から何から何まで全部が可愛らしく砂糖菓子のようなお話でした。
春宵のスピンオフなんて期待しちゃってもいいんですかね(^ω^)

栗城さんは何冊か積んでいるので、また読む楽しみが出来ました。
そして今更気づいたんですが、栗城さんって、クリキさんだったんですね……ずっとクリシロさんだと思い込んでました。

6

薄雲

>snowblackさま

こんにちは、コメント頂きまして有難うございました!
snowblackさまのレビュー、いつもひっそりと拝見しておりましたので、コメント頂けてとても嬉しいです。

立て続けに重めの話を読んでいたので、読後にほっと一息つけるような話でとても良かったです。
脇も魅力的だったので、是非ともシリーズ化してほしいですね(^0^)

snowblack

薄雲様、こんばんは。
ほんとうに優しい心あたたまるお話でしたよね。
私も巽の「お待たせしました」には、ジンとしました。
そして、春宵のスピンオフ、おおいに期待していいと思います。
ご一緒に楽しみにしておりましょう!

妖怪の きゅーと な らぶ

妖怪の出てくる話……なんだけれど、
パステルカラーの優しく可愛い表紙の印象そのもの。
おどろどろしさや、怖さはほとんどなくて、
なんとも可愛くちょっぴりだけ切ない、人間と妖怪の物語。

のっぺらぼう(草枕、推定200歳超?)と盲目の青年(巽、21歳)。
共に孤独だった二人が、公園で偶然に知り合い
互いのコンプレックスをを埋めるように惹かれあっていく。


序章とも言える江戸編で、妖怪からも人間からも避けられていた草枕が
手に入れた鏡で自分がのっぺらぼうであることを初めて知るシーン。
いや、水鏡だってあるし、そもそも手で触ればわかるじゃん!と
ツッコミたくなり、最初からいささか躓いて読み始めたのだが
その後はとても楽しくスルスル読みました。

ぶっきらぼうだけれどあったかくて優しい草枕も
卑屈にならない静かに真っ直ぐな巽も、キャラがいい。
互いに臆病なところも、実は周りに愛されているところも、
心温まるお話。

後半ちょっと展開が早くて少々ご都合主義?とも思ったけれど
まぁおとぎ話だからいいかな〜

妖怪達が、やり過ぎなところもあるけれど(続き苦笑)
いい働きをしてます!
男前な妖怪の長・御簾裏や春宵もいい味だったので、
スピンオフもありかなぁ?

SS小冊子やペーパーも可愛くていい味です。

3

個性的な設定に萌え!!

初読みの作家様でした。
最近ファンタジー色濃い目の作品が読みたいと思っていたのですが、人外は苦手で、今一つピンとくるものに出会えていなかったところに、ちるちるさんのランキングで見つけました…この作品を!!
妖怪系は個人的に怖くてあまり好きではないのですが、イラストが小椋先生ということで、ほわっとした優しさに溢れている表紙に安心感を持ち、即効本屋にて購入したのですが、やはり、どストライクでした(*'ω'*)

ストーリー自体は、最初から何となく結末が読めてしまったのですが、それでもどんな過程で二人の恋愛が進んでいくのか…というところが、読み進めていくうちにどんどん楽しみになってしまい、あっという間に読み終わってしまいました。
特に、のっぺらぼうの攻めの顔を触ったときの受けの言った「ゆでたまごみたい」という発想に衝撃を受けました(笑)(その発想はなかった…!とはまさにこういう気持ちなのかと…w)

また、小椋先生の描くキャラクターが皆魅力的で可愛いのですが、個人的には『春宵一刻』の挿絵がお気に入りです。
まさに「むちゅっ!」といった雰囲気のキスをする二人が可愛くて可愛くて…続き。読んでいてほっこりしました。

そして、メインの二人以外のキャラもまた素敵な人ばかりなので、他の方も既に書かれている方がいらっしゃいますが、是非私も春宵のスピンオフを読んでみたいです。
(そして合間に、またこの二人がラブラブしているのを見たい!!)

タイトルにも書きましたが、なかなかない設定の作品かと思います。
けれど、もっともっとこんな作品が増えてもいいのにな、と思えるような、とても温かくてほのぼのとしたお話でした。

8

とっても優しくてかわいくて安心して読めます

 攻め様がまさかののっぺらぼうの草枕さん。
口だけはあってよかった。キスができるもんね。
受け様は途中失明者でコールセンターで働いてる巽くん。
目の見えない自分を卑屈になることなく受け入れて、できることを頑張ってて、素直でいい子です。
人の弱いとこも頑張れ、と言うんじゃなくてそれでいい、と受けとめてくれる。
人間にはもちろん、同じ妖怪にも気味悪れてからかわれ続けて、すっかり自分の殻にこもってしまって顔を隠す狐のお面をはずせなくなっていた草枕さん。
お面をはずさない自分を不審がることもしないし、目が見えないから絶対自分の顔を見られないし気味悪く思われる事もない。
人恋しくてだれかと普通に話したかったであろう草枕さんは、最初はそんな安心感から巽君とお昼休みだけの時間を過ごすようになって。
 巽くんも目が見えないことを必要以上に気にしない態度で接してくれる草枕さんと話す時間は楽しくて。
気付けばお互いの隣は1人で頑張って生きている二人が見つけた安らげる場所になっていた。
 巽君が、妖怪仲間のセクハラ、というか痴漢されてる(妖怪側は偵察、と称してましたが)と知って、助けに来続きた草枕さんは巽君に手を出しちゃう。
この展開だけがちょっと私の中では"えっ"。
なんていうか、他の妖怪に手を出させないための儀式っぽくて、甘くない、というかなんというか。
草枕さん、好きともなんとも言わないままだし、巽君突然の行為に気持ちがついてきてなかったし。
まぁそれほど草枕さん、余裕なくしてたのね。

 草枕さんにとってやっと手にした自分の大切な存在、自分を大切に思ってくれる存在である巽だからこそ、御簾裏さんとの「約束」を果たしてもらうのは怖かっただろうな。
時間の流れが違う世界を生きている二人だから、いつかまた草枕さんが1人になってしまうのでしょうけど、それが一日でも先でありますように。
2人が幸せに暮らせますように、と願うとても優しいお話です。

 またムク先生の挿絵がとってもかわいくてステキです。
妖怪達も愛嬌あるし、巽くんはかわいく草枕さんはのっぺぼうのくせにかっこよくてかわいい。
平気でレジに持っていける表紙に裏表紙です。

10

snowblack

はるのさくら様、こんにちは。
心温まるいいお話でしたよね!
こういう人外ものは、寿命の問題を考えると切ないのですが
そこもふんわり〜というやさしいテイスト。
「平気でレジに持っていける表紙に裏表紙」という一言がツボに入り
しばし大笑いしてしまいましたものですから、
一言お礼申し上げたく書き込ませていただきました!

まさかののっぺらぼう攻め!

人外物は数あれど、のっぺらぼう攻めは初めて読みました(笑)
顔はないけど唇だけあるとゆーのがちょっと面白かったです。
のっぺらぼうが自分のことをのっぺらぼうって知らなくて、初めて事実を知った時の絶望感が切なかったです。。
難しい設定の2人が徐々に距離を縮めていく感じが良かったです。
ただ、2人の初めてのHが唐突で、激情にかられていたとはいえ、攻めがカナリ手馴れてたのが拍子抜けでした。
お友達の妖怪のスピンオフがありそうな予感も感じさせるハッピーエンドでした。

2

切なくあたたかい和ファンタジー

攻め視点、受け視点、攻めの親友視点と三編です。
作家買いです。
切ないファンタジー。キャラはモブを除いていい人たちばかりで安心できます。安心できる王道だけど、じわじわと変則的。
攻めは顔無しがなによりのコンプレックスで、それが嫌で仮面を装着しています。
受けが良い子なのですが、なにが良いかって攻めが顔を隠したがる習性を否定しないところ!
顔を出したくない人に無理矢理前向きな行動を強制しないのは、すごく良かったです。
寡黙で欲のない攻めが、受けを他の奴に盗られたくないと性急に抱くところは萌えました。
攻めの親友の春宵にも、人間のパートナーがいるとのこと。彼のスピンオフも読みたいです。
栗城さんの小説は、普遍的なベースにじわじわと変則的なエッセンスがあるところ、そして文体が堅実なところが好感です。

8

まさかののっぺらぼう!

小椋ムクさんのイラストに惹かれて購入!
あらすじを読んで、どんなお話なんだろうとドキドキして読みましたが、かわいーーいお話でした!
人外大好きなので、受け君より草枕に萌え萌えでした。こんなBL初めて読みました(笑)脇役も魅力的なキャラばっかりです。

5

見られたくない人と見えない人

のっぺらぼう×中途失明者の青年。
14歳で失明し、21歳になった現在、コールセンターで働いている受け。職場でももてあまされ、公園で1人昼食をとっていると、風で狐面を飛ばされた男と遭遇する。
面を拾ってやったことにより、顔を隠すために始終狐面をかぶっている男・のっぺらぼうと、彼を奇異の目で見ない唯一の存在である受けとのぎこちない交流が始まる。そんな2人の昼休みだけのささやかな逢瀬は、受けの部屋で起こった奇妙な出来事を機にわずかに狂い始める。

なんと攻めがのっぺらぼうです。腐歴も長くなりましたが、初めて読みました、のっぺらぼう攻め。
顔がないため妖怪仲間からも疎外されバカにされ、孤独の中で200年の時を過ごしてきた攻めが、初めて出会った自分を怖がらない相手、それが目の見えない受けです。
受けは受けで、職場では遠巻きにされるかいじめられ、腫れ物にさわるような扱いを受けていて、自分と普通に接してくれる攻めが貴重でした。

攻めの過去が切なく、受けの現状が切なく、世の中ってなんて異端者に冷たいんだろう、と切なくなりました。
お互いがお互いに出会えてよかったな、と思います。
続き途中事件は起こりますが、総じてほのぼのとしていて、心癒される話でした。ほんわかした話に小椋ムクさんの絵がドンピシャです。
今度は春宵さんとダーリンの話も読みたいな。

7

優しいお話でした

ムクさんの綺麗な表紙が気になっていたのですが、初読みの作家さまだったので購入を悩んだのですが、あらすじが面白そうだったこと、レビューが高評価だったことなどから手に取ってみました。

すごく良かった。トラウマもちが愛情に満たされ回復していく、というストーリーが好きなこともあるのですが、ツボにどんぴしゃなお話でした。

のっぺらぼうで、仲間の妖怪からも疎まれ孤独に生きてきた草枕。
14歳で視力を失い、職場では孤立している巽。
自分を見られることに恐怖すら覚える草枕と、目が見えないゆえにその人の本質がみえてしまう巽。お互い足りない部分を補いつつも、相手によりかかることはせず思いやりを持って相手に接する二人の優しさや愛情にほっこりとしました。

妖怪(人外)×人間という組み合わせは数多くあれど、「のっぺらぼう」っていうのは斬新で良かった。

草枕も巽も孤独感をかなり感じながら生きてきたわけですが、実は…。というところもよかった。自分が気づけなかっただけで周りは優しさに溢れていた世界だったのも読んでいてうれしくなりました。
妖怪仲間のしたこと(草枕へのからかいとか、巽へのセ続きクハラとか)はちょっと度を越えてるんじゃ…?とは思いましたが、そこは妖怪なので人間とは感覚が違うのかなwww

ただ惜しむらくは後半の草枕が巽を抱いた時。ちょっと性急すぎるというか、急に話が進んだのが残念と言えば残念でした。もう少し時間をかけて、お互いの気持ちをん確認してからでも良かったんじゃないのかな?と。

あと個人的にすごく好きだったのが草枕の友達の春宵。草枕をさりげなくフォローする彼の優しさにKOされました。彼メインのスピンオフ作品、書いてほしいなあ。人間の恋人(男だよね?)がいるみたいだし。

ムクさんの優しい絵柄の挿絵が、このお話にあっていてすごく良かった。「のっぺらぼう」が男前に見えるなんてムクさんならではだと思いますw

読後、ほっこりと優しい気持ちになる、そんな可愛らしいお話でした。

8

落ち着いて楽しませてくれる良作

も、もったいない…!
それにつきる。
設定も、イラストも、前半の流れも申し分ない萌成分で大変癒やされ、しかしページが進むごとに、ページが残り少なくなっていくごとに、頼むから急がないでくれ、ゆっくりとやってくれ!と不安がつのる。

もっと後半を丁寧に進めて欲しかった、という願望がここまで大きいのは、この作品を好きな気持ちも同じように大きいからです。
嫌いになりようがない成分で構成されていますし、書き急いでしまったのか単にページ数が限られていたのかはわかりませんが、前半の文章力と構成力から考えるに神作品になり得たと思います。ただ癒される作品ではなく。

良作には変わりありません。
受けと攻めの需要と供給に脱帽です。

5

癒されます

作者買い。人外ものが苦手な私が内容も確認せずにネットにて購入してしまいました。
届いた本を見てびっくり!小椋先生のかわいい表紙を飾るのは、獣どころか妖怪です…マジか。
ダメだったら途中でやめてしまおうと、半ば投げやりに読みだしました。
ところが…すごくおもしろかったです。思いがけず一気読みしてしまいました。
攻めの草枕、受けの巽、どちらも周囲の人(妖怪)とは違う〝ふつうじゃない自分〟に、孤独を感じながら生きています。まず、そのさみしさに胸をうたれます。草枕が初めて鏡というものを知って自らの姿を知るシーン、巽が口にするまで中身のわからないサンドイッチやおにぎりを食べるシーンは、読んでて切なくて泣けてきました。
それでも、草枕も巽も心がとってもきれいで優しくて、二人が怖る怖る不器用に心を通わせていく様子は、こちらまでうれしくて…癒されました。類友なのか2人の周りには結局いい人(妖怪)ばかりが集まってきていて、脇役もみんな魅力的でした。読後 とっても気分がよかったです。
人外ものがお好きな人はもちろん、私のように苦手な人にもぜひ読んでいただきたいです。
きっと「読んでよかった」続きと思っていただけると思います。

7

現代版のおとぎ話

いやぁ〜〜〜〜。よかった!
ものすごく好みのお話でした。

最近早い刊行スピードで作者さんの本が出版されていて、なんとか追いかけていますが、あまり好みのにぶち当たってなかったんですが……

これは、ツボでした。小椋ムクさんのイラストもぴったりだし。

のっぺらぼうって、どうなの!!! 

いけました! ほぼ視点が視覚障害者の巽なので、読んでいても周りが見えなくて、不思議な感じでした。だから睦の人を恨んだりしない性格や、草枕の控え目ながらも優しい心がよく感じられました。

なんていうか、読んでいてすごく幸せな気分になりました。

最近、人外ばっかり読んでいて……というか特に選ばなくても目の前に人外があるっていうか、本当に増えて嬉しい限りなんですが、これは久々に異形の者のとの恋を読んだ気がしました。そして見た目じゃないんだなと。

受けなさそうな設定でも、作者さんの熱い思いがあればきっとハマる読者もいるはず。クロスノベルスさんみたいな出版社が増えるといいですねー。

8

普遍的な愛の寓話

目の見えない受けと、顔のない攻め。
それぞれ別の意味で視覚的情報のない二人が、それ以外の感覚を頼りに心を通わせていく様がとても感動的な作品です。

江戸時代から生きる妖怪・草枕(攻め)は、顔のないのっぺらぼう。
ある日、意地悪な妖怪に鏡を渡されたことで、自身に顔がないことを知ってしまいます。
そのことで傷つき、周囲に気味悪がられぬよう他者と関わることも避けがちになってしまう彼は、とても真面目で繊細な心の持ち主です。

受けの巽は、14歳で失明し、高校卒業後はコールセンターで働く21歳。
目が見えない上に性格も大人しい彼は、職場でも孤立しています。
しかし、ある日公園で出会った狐面の男・草枕と親交を深めるうち、職場でも明るくなっていく。
そして、目のことで彼を避けがちだった同僚とも打ち解けていきます。

本書の面白い点は、巽には草枕の顔が見えないため、彼がいつも狐面をつけていることにも気づいていないこと。
傍から見れば奇妙な光景なのでしょうが、読者としては巽視点の物語に感情移入するあまり、作中で指摘があるまでそのことをすっかり忘れていました。

結末に関する続きネタバレは避けますが、有り体に言うと、真実の愛が奇跡を起こすような、幸せなお伽話です。
でも、叶えられのは一つの願いだけ。
そのとき何を願うか?という点が肝であり、本書の最も感動的な部分でした。

設定は斬新ですが、本書のメッセージはとても普遍的なものだと思います。
それぞれコンプレックスを持つ二人が、自分の内面を愛してくれる相手に出会えたことで変わっていく。そして、愛する相手を幸せにしたいと精一杯頑張る姿に心打たれました。
今までの栗城さんの作品の中で一番好きかもしれません。

気になったキャラクターは、草枕の友達でろくろ首の春宵。
人間のパートナーがいるという彼の恋愛事情が非常に気になります。
いつか彼のスピンオフなど読めたらとても嬉しいです。

20

切なくて可愛い

表紙も可愛ければ帯も可愛い。
これは実店舗余裕買い出来そうですね。
Twitterで呟いたことで実現した作品ということですが、ありがとうクロスノベルズさん!すごく良かった!
しかし前半可愛すぎて、『これはいったいどうやって体の関係まで持っていくんだ?』と思ったのも正直な気持ちでした(苦笑

**********************
受けの巽は後天的に14歳で視力を失くし、今はコールセンターで働く21歳。
女性だらけの職場で孤立し、ただ淡々と過ごす毎日を当たり前なのだと見ない振りをしていました。

攻めは、妖怪のっべらぼうの草枕(くさまくら)。
親もおらずはっきり友と呼べる者もいないこと、そして何よりも顔のない己に失望しています。
**********************

表題作は二つ目に出て参りますが、一話目は攻め視点。
この攻め視点の切ないこと(涙
『ただ自分は寂しかっただけだ』『愚かな己を恥じて泣いた。泣いたが涙は出てこなかった。当然だ。目がないのだ』
攻めのモノローグで泣くのは久々です。
なんだよもう、栗城さん今回は序盤から泣かせるのか続き!と(苦笑

そして巽の視力を失くした要因もあらすじを読んだ時は、てっきり事故だとかセンセーショナルなことでだと思っていたんです。
個人的にはそういうのって胡散臭く感じてしまうのですが、さすが栗城作品、そういうことではなかった(苦笑
淡々と語られる恐怖と諦め、しかしそれを飲み込み前向きに生きようする強さが巽にはあります。
表題作は巽視点なので、偶然出会い毎日約束をするでなくお昼時間を共にする草枕への驚きや喜びや、いつしか芽生えた恋心がひじょうに可愛く書かれております。
20歳超えている青年としては可愛過ぎるかもしれませんが、こんなピュアな子もたまには良いなあなんて思っちゃいました。
自分を恥じて会社のトイレで泣いちゃうとか、もう切なくて。
だからと言って女の子女の子してるわけじゃありません。
解決の仕方や職場環境の改善はちょっと簡単過ぎる気もしなくはないですが、結果本当の悪人は出ないということで、安心して読める作品になっていると思います。
疲れている時はこういうのってありがたい。

この作品、シリーズ化されないかなあなんて思います。
他にも御簾裏や春宵など魅力的なサブキャラも多いですし…
妖怪と人間とは与えられた時間が違いいつか別れはやってくるわけで、その辺りは春宵によって仄めかされております。
春宵自身はその辺りを経験済みのようですし。
でもだからこそ尚更、現在幸せに過ごす彼らが読みたいなあと思います。

19

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