逃げるか堕ちるかふたつにひとつーーー。

スピンアウト(下)

spin out

スピンアウト(下)
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神17
  • 萌×215
  • 萌6
  • 中立1
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
6
得点
164
評価数
42件
平均
4 / 5
神率
40.5%
著者
 
媒体
コミック
出版社
竹書房
シリーズ
バンブーコミックス 麗人セレクション(コミック・竹書房)
発売日
価格
¥619(税抜)  ¥669(税込)
ISBN
9784801953918

あらすじ

会社員の巽は社長子息の涼馬のお目付役としてストレスの多い日々を送っている。穏やかな表の顔の一方で、巽は美しく妖艶な男・三木とのSMプレイを楽しんでいたが、謎の多い三木との逢瀬を重ねるうち、三木への執着を深めていく。そして、巽に執着する涼馬は、ホテルへ向かう巽をストーカーし、三木との関係を知ってしまい!?

表題作スピンアウト(下)

巽将貴,会社員,社長子息のお目付役
三木蓉介,ネイリスト

同時収録作品人生はドラマチック

高見沢,甘味処の客
小寺純平,甘味処でバイトする平凡な青年

その他の収録作品

  • あとがき(描き下ろし)

評価・レビューする

レビュー投稿数6

誰が一番スピンアウトしたのか

上巻はネタバレなしで致しましたが、下巻はネタバレして書きます。下巻はスピンアウトの他、「人生はドラマチック」が収録されていまして、こちらは真逆のコメディーです。シリアスの後のコメディーは何となくほっと息がつける感じがしました、と一言添えるだけにしておきます。
 さて、「スピンアウト」下巻、♯5話からスタートです。もう初めから、巽の心は三木に傾いています。
涼馬ともいつの間にかセックスするようになっていて、以前とはっきり違うのは涼馬に三木の影を追い求めている逆の形になっていること。
そこに再び三木が現れますが何と、右手の爪が全部剥されています。
やったのは三木の姉の旦那。
巽と三木はその旦那を殺そうと計画します・・・
・・・結果は、二人は犯罪を犯しはしませんでした。その準備にホームセンターに来たところで、涼馬が三木を刺殺してしまいます。
 私、このホームセンターで三木が怖気づく場面が強く印象に残ったのですよね。その前のキスもよかったけど、「所詮、僕たち素人ですし、人殺しなんて無理」と、自分から巽に持ちかけておいて、ころっと変わるところが好き。情けなくて、人間らしい。
 こ続きの作品で、一番スピンアウトしてしまったのは誰なんでしょうね。
三木は実は踏み外してはいないのかな、と思います。巽に会った時点よりとうの昔に彼の未来は歪められてしまっていた。だからこそ、巽の復讐の意識は実際に三木を殺した涼馬ではなく、姉の旦那に向けられているのでしょう。
巽は、三木の事件以後は会社を辞めて、秘書からタクシー運転手となります。三木に会って、自分に眠る嗜虐性に気付いたときからスピンアウトしていったとは思いますが、巽の変貌はむしろここから先が本番でしょう。死んだ三木への思いを抱いて復讐するか、三木の姉に生まれた子供に面影を求めるのか。いずれにしても仄暗い感じに沈んでいきそうです。
そして涼馬、一番スピンアウトしてしまったのは彼のように思います。
おっとりした社長令息が、巽への執着の果てに三木を殺して殺人犯になってしまったのですから。
「僕はやっぱり、失敗しちゃったんだね」の言葉が重い。
 下巻は巽の底知れない逞しさと、三木の危うい儚さが切なかったです。

4

気味が悪い

最終的にはハッピーエンドになるんだろうと期待しつつ読み始めた下巻。
ひどさが増してました。
想像するのも怖い痛めつけ方だし、これのどこに愛情を感じろと言うのでしょう?歪みすぎでしょ。
いつかきっと幸せが訪れると祈るような気持ちで読み進めましたが、最後までいやーな終わり方。救われませんでした。
BL初心者の私にはまだまだ理解できない世界でした。
BLって、奥が深い。

2

最終話の衝撃

上下巻で購入したので、こちらもレビューを書こうと思います。
物語の顛末に触れますのでご注意ください。


なんといっても、ラスト。とても衝撃的でした。
ハッピーエンドではないです。。
初めは、なよなよしていて、頼りない印象だった涼馬がまさかこんなに変貌するとは。執着とは恐ろしいです。

下巻では、三木のことが徐々にわかってきます。二人のことがわかってきて、二人で暮らしているところまで来ると、もう人殺しなんてやめてなんとか幸せになれないかな、と願ってしまいます。三木のセリフにもありますが…。おそらく、あの数分が唯一幸せな時だったのだと思います。
しかし、生きていてほしかった。最後は幸せを感じられた三木だと思うのですが、二人で南の島に行ってほしかった、と思ってしまいました。
しかし、刺されるところからラストのぞわぞわとした怖さはすごいです。
すっきりしたとは言えません。しかし、うまく言えませんが痛いくらい刺さる作品でした。

2

絶望的な展開

上巻と続き、こちらもレビューします。ちょっと長くなってしまいました。

読んだ後は本当にショック受けて、頭まわりませんでした笑
今までの国枝先生の作品の中で一番救いようがない、絶望的なラストだったのではないかと思います。

三木は幸せだったのかな。
少しでも巽と一緒にいて幸せだったのであれば、救いにはなるのですが・・・それを確認したくても叶いません。
他の方もおっしゃっているとおり、確かに行き当たりばったり感、とっちらかっている感は多々あります。
しかし、主な登場人物が
・何を言い出すのか、何を考えているのかわからない三木
・意外?にもダークサイドに堕ちてしまった涼馬
・普通と狂気の境目で不安定な巽
なので、こんな暴れ馬3匹をうまくコントロールして収まりのいいラストに導けるのか、といったらかなり難しそうですし想像が出来ない。
ですし、このとっちらかった感が悲壮感、絶望感をより際立たせていてよかったのではないかと思います。
国枝先生が好きなので、色眼鏡入っているかもしれませんが。

そして最後の最後に入っているショートストーリー。
スピンアウトとは180続き度真逆のコメディーです。
これのせいで本編スピンアウトの虚無感がより浮き彫りになっているような気もするし、ちょっと救いがあるような気もするし。
でもこれを読んで、「あ、明るい方の国枝先生だ!」とちょっと嬉しくなりました。
国枝先生の描くコメディーは短くてもすごくぱあっと明るくなりますし、幸せになれます。このテンションの国枝先生の方が本当は好きです。

色々言いましたが、好きな人は多分好きだと思いますし
非日常を味わいたい、痛い気分になりたい、国枝先生が大好き!!な方にはいいかと思います。

6

ええー!?

下巻です。読み終わりました。
ええええええー!?
いや、いいんですが、こんな終わりって。えー!?
ネタバレになるので触れませんが、何となく行き当たりばったりで描いてらっしゃるんじゃ?と思ったら、あとがきによると本当にそんな感じだったみたいなので国枝さんもこういうラストは想定していなかったんじゃないですかね。「リング」みたいな描き方も嫌いじゃないですが、せめて希望が欲しかった(泪)
どん底なので、暗すぎる話がお嫌いな方はお気をつけて。
話に救いはないですが、強いて云うならば不幸中の幸い真面目で素直な人が理不尽な目に遭っていないので、それだけが救いです。といいますか、そういう人が一人も出ていないです(笑)
暴力は大嫌いなので主人公はもうどうなったとしても自業自得としか思えないし、社長子息も自分から堕ちたので自己責任で。
そう考えていくと、性格悪いけど受けは特に何も悪くないんですよね。ある意味、最大の被害者かも。
幸せになって欲しかったなあ。
まあ、もしかしたらあれが彼の幸せなのかもしれないですが。

今回、電子か紙媒体かかなり悩んで特典に惹かれて前者にしたのですが、電続き子書籍の方が高いので驚きました。あと修正が竹書房なのにあの竹修正じゃない!(ペンで横に白くぐちゃぐちゃって消す修正)もうブツ全体が真っ白に消されてます。これは酷いなあ。局部のアップが謎の白いシルエットになってて笑ってしまいました(笑)
本当、エロありBLはR18指定にしていいから、電子書籍のこの間抜けな状態をどうにかしていただけないでしょうかねえ。

5

圧倒的な虚無感

上巻と同時発売の下巻。

【※結末についてネタバレ気味ですので、未読の方は閲覧にご注意下さい。】

あらすじ:
三木からの連絡が途絶え、涼馬と関係を持つようになる巽。
汚してはいけない相手の代わりに三木と関係していた筈なのに、今や三木の代わりに涼馬を抱いている。
ある日再び巽の前に現れた三木は、右手の爪を全て剥がされていた。
剥いだのは姉の夫だと言う三木は、
「あの男 殺してくれません?」
と巽の耳元で囁き……

上巻で蒔かれた種が実(破滅)として結実する下巻。
予想できる結末といえばそうですが、あまりにあっけない最後には大変な喪失感があり、その直前の束の間の穏やかな時間がいつまでも余韻として残ります。

果たして最初に道を踏み外したのは誰なのか。
涼馬に想いを寄せながらも三木に嵌まっていった巽か。
巽に殺人を唆した一方で、何もかも捨てて彼と一緒に逃げることも望んだ三木か。
二人に干渉しようとした涼馬か。
三人がそれぞれに足を引っ張り合い、取り返しのつかない結末へと向かうラスト2話の展開はとても哀しいものです。
ハッピーエンドなのか、未来に更なる続き悲劇が待っているのか、如何様にも読めるラストに何とも言えない感慨と虚無感を感じました。

あとがきにあるように、あの設定は結局何だったの?とツッコミたくなる箇所もあります。
しかし謎が謎のまま、永久に知ることの出来ない状態で残ってしまったからこそ、ラストの虚無感がより強まっているようにも思え、個人的にはそこまでモヤモヤは感じませんでした。

ともすれば陳腐になりそうな物語を、絵の迫力と展開力で描ききった良サスペンスかと思います。BLでゾクゾクしたい方は是非に。

11

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