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表題作放蕩長屋の猫

成瀬遊真,27歳,受の三年来の恋人で広告代理店勤務
鳥越まひろ,29歳,攻様の浮気で悩み中のイラストレーター

あらすじ

東京の下町、根津『放蕩長屋』に暮らすイラストレイターのまひろは恋人の遊真と同棲していた。つきあい始めて三年半、まひろは変わらず遊真に恋していたが遊真はまひろに隠れて浮気を繰り返していた。穏やかな性格のまひろは遊真の浮気をずっと見て見ぬふりで通してきたが…

作品情報

作品名
放蕩長屋の猫
著者
榎田尤利 
イラスト
紺野けい子 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
シリーズ
放蕩長屋の猫
発売日
ISBN
9784813008781
3.3

(40)

(9)

萌々

(10)

(12)

中立

(3)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
14
得点
124
評価数
40
平均
3.3 / 5
神率
22.5%

レビュー投稿数14

こういうのが読みたかったです!

もう最高です!
恋愛って成就してからが難しいと思うのですが、
4年もたったカップルのお話です。

攻めが浮気性なのが最低、というのはその通りですが、
受けも嫌われたくない、ことを荒立てたくないと思って、
浮気を気にしていないふりをするのです。

相手を好きだから離れたくないし、
相手が自分を想っているのは分かっているし、
経済的にも依存してるから離れたら人生は大きく狂うし、
本音も打算もすべて別れてはいけない方向を向いているんです。
だから、我慢してしまう。
それが積もり積もって爆発してしまうんですね。

攻めは最低なんですが、こういう男の人、いますよね。。
奥さんと別れるつもりはないが、若い娘と楽しみたい、という人。
まるで、世の中の夫婦を見ているような感覚でした(*^_^*)


こういう同棲生活の日常が描かれるのっていいですね。
最初は家事折半と言ってたのに、結局9割がたやっちゃってるし、
ご飯作らない方が後片付けをするルールもなし崩しになるし、
1か月もご無沙汰になってしまうし、、

こういう現実感のあるお話、大好きです。
今まで読んでなかったのがもったいない!

5

ムカつく攻めなんだけど

凡そ十五年前の、榎田先生初期の頃の作品です。
東京の下町が舞台、受けのまひろは29歳で美人で一応イラストレーター。攻めの優真は二歳年下で、営業マンで、二人は同棲四年目。既にできている男二人のすったもんだの物語。
この優真がね、本当にガキで読んでてカチーンとムカつくわけです。挙げ句の果ては女性と浮気しますからね、こいつは。
二人が住んでる放蕩長屋の主、春彦の方が全然いい男なのに、なぜまひろは春彦にいかないのか。
たぶん、もう少し前に読んでたらもっとムカついて、評価も違くしてたかも。
いえ、今も浮気に寛容では決してありませんが。
登場人物の一人にちょっとムカついても、この作品は面白かったのですよ。
下町が何ともいい感じに描かれていますし、特に劇的な出来事はないのに飽きずに読めて、優真も憎めないところがあると思えたり。
一つだけ言いたいのは、ラストのまひろには驚きました!
(ネタバレです)
まさか、過去のまひろはタチだとは。そうきたかー。
最近、榎田先生が大好きになり、いろいろ読んでいますが、初期のこの作品もさすがの完成度だなと思いました。

3

ここまでダメな攻めも珍しい…

なっさけなー
本当に情けない男だなぁ、遊真よ……

超美人のまひろと付き合いながら、女は別腹とばかりに浮気しまくる男・遊真。
しかも、選んだ女が遊び慣れた見た目とは裏腹に、健気ないい子で、しかも処女!
その浮気を隠し通せず、まひろの友人や本人にもあっさりバレる始末……

まひろに捨てられてからの遊真の情けなさ。
ザマァ!と言いたいところだけど、それを通り越す情けなさ;
話し方から何から全てが女々しい。
本気で遊真に恋していた、浮気相手の美咲さえも引かせるほどの無様さ。

それでも、まひろは遊真がいいんだもんなぁ。
分かんないよ。
春彦っていう超絶いい男がそばにいてくれるのに、なぜこんな男がいいのか?
甘えてくれる男じゃないとダメってことなのかね。
だめんず好きって一定数いるもんね。

あー、でも面白かった。その点では、神だと思う。
先が気になって、あっという間に読みました。
まひろの幼なじみ・春彦と千鳥が最高なのよね!
スピンオフも読んでみようかなあー

3

迷う~!

とても好きな作品なんです。それは間違いないんですが、評価はすごく迷うんですよ。『萌』か『萌×2』かで延々と・・・何がって、もう遊真(攻)がダメ過ぎでしょう!

もうとにかく、まひろにひとこと『男の趣味悪すぎ!』と言いたいです。ホント、こんな男のどこがいいわけ?こういう言い方はなんですが、コイツを逃がしたら後がないくらい『縁のない』タイプならともかく、まひろならいくらでも選べる(というか、すでに春彦というイイ男が控えてる)のに、こんなダメ男捨ててしまえ!とこちらが熱くなってしまいました。

ちなみに春彦は、『最強の当て馬』だと思います。他にも、『当て馬の方がずっといいよ!』という作品はあるのですが(主に攻が救いようのないダメ男・・・)、多くは当て馬が『生きてない』んですよね。あくまでも『当て馬』として作られただけの存在というのか、おキレイ過ぎるんです。その点春彦は、さすが榎田さんというべきか、いい意味で生々しいんですよね(ニュアンス伝わるでしょうか?)。

もうひとつ、BLにおける女性キャラクターは、単なる狂言回しの場合がほとんどでしょうが、遊真が浮気した女の子はホントに可哀想でした。女性キャラクターにこんなに思い入れること自体まずないですよ。『振られて当然』『早く別れろ』と思うことはあっても(我ながらヒドいな・・・)。

遊真は『もう浮気はしない!』と土下座してまひろに許してもらったわけですが、あっさり許してやるのは甘過ぎますよ!こういうダメ男には、もっと目にもの見せてやらないと気がすみません。

しかし、浮気はいわば『病気の一種』だから、治らないんじゃないか・・・とこの先が気になってしょうがないです。

1

ダメ男

すでに出来上がっているカップルの危機。キュンキュンする。

東京下町を舞台に、受けがどんな環境で育ってきたかが冒頭に描かれている。榎田先生の最初の一行が好きだ。なんたってツカミがうまい。

まひろの幼馴染み、千鳥と春彦も準主役級で、春彦の方は大事なまひろを恋愛対象として思っていたがゆえに、バイで女の子好きな遊真(攻め)のことをよく思っていない。

実際、遊真からの猛烈なアタックから二人が付き合い始め、三年ほどでマンネリ気味に。どうも遊真の動向が怪しい…。遊真より二つだけ年上で姉さん女房的なまひろは、玄人相手の浮気くらいは目をつぶってきたけれど、クリスマスプレゼントを隠していて、それが女の子へのものだったうえに、上司のを預かっていると嘘をつかれて逆ギレされた日にゃあ、いくら大人ぶってても言うときゃ言います…!

遊真の方も、もしやまひろが何も言ってこないのは自分に関心がないからでは?と相手の女の子から入れ知恵されて、不安になっちゃったりしてるのね。問いただすべきことと、聞いて確認できることを疎かにしてきちゃったゆえのすれ違い。

あわや春彦にまひろを持っていかれちゃうかというところでやっぱりまひろは遊真が好きで、遊真を選ぶのです。

最終的には意外にもいい感じにまとまって、めでたしな締めくくり。

ちなみにもともとまひろはタチだったようです。いつでもお仕置きのチャンスはあるよ笑?

1

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