君は私を抱けないだろう?

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表題作ダディダーリン

三田 龍児・酒屋・幼馴染で正治の父・20代→50代
梶 花雄・弁護士 20代→50代

その他の収録作品

  • カバー下四コマ漫画(4つ)

あらすじ

花雄の幼馴染の龍児に、いきなり渡された身に覚えのある赤ん坊。
弁護士の花雄は途方に暮れる龍児を励まし、家族同然に懸命にサポートしていたが…。

作品情報

作品名
ダディダーリン
著者
菅辺吾郎 
媒体
漫画(コミック)
出版社
マッグガーデン
レーベル
uvuコミックス
発売日
ISBN
9784800008404
4.3

(25)

(14)

萌々

(7)

(3)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
107
評価数
25
平均
4.3 / 5
神率
56%

レビュー投稿数9

重い荷物も2人で持てば

オヤジBL。50代x50代。
順序通り「ダーティダーリン」の方から読みましたが、こちらだけでも大丈夫そう。

駄菓子屋のかじぃの息子で、20年振りに顔を出した弁護士の花雄が主人公。
「ダーティ〜」の主人公・正児を、幼少時に幼馴染の三田と一緒に育てていたんだけど、正児がお父さんと花雄が夫婦だと思っていて。
自分の存在は良くない、と関係を絶って出て行ってしまった。
…という設定があっての、20年ぶりの再会から物語が動き始める、というストーリーです。
で、私的には色々関係ない部分にちょこちょこ引っ掛かりを感じて、イマイチBLとしてのストーリーに入り込めない気分を感じ。
例えば。
なぜ花雄は20年もお父さんと話もしなかった?とか。
口の悪い病院の救急医とか。
かじぃが急に正気になってるとか。

一方BL部分でも。
花雄の「一途」は筋金入りすぎて、やっぱりちょっと重いかな…
終盤に急にバタバタするような感じもあり。
ただ、ノンケの三田君が花雄を受け入れてくれたのはこちらも胸アツ。花雄のこじれて重い感情を半分持ってくれたんだね。
一気に肉体関係まで行ったのはちょっとビックリ。ここがバタバタしてた。

あとは、他のレビューでも触れられてますが、ちょっと外見的に年取りすぎ?顔はシワいのに体型はスッキリしてるし?
この辺は読み手も色々だし難しいとは思うけど…
若すぎてもリアリティが…ってなるし、シワハゲデブすぎると見たくないわ…ってなるしねぇ。

ストーリー自体は読み応えもあって良かった。総合「萌」で。

0

アラフィから動き出す恋

『ダーティダディ』のスピンオフです。
イケおじ二人の切なくもモダモダした恋が可愛すぎました^^

20年ぶりの再会を果たした幼なじみの花雄と三田。
花雄は三田のことがずっと好きなんですよね……
なんと、20年以上前から!
究極の一途ですよ‼︎

三田の息子・正児を愛しく思っているけど、
決して三田と家族になりたいわけじゃない。
あくまでも恋してほしい、自分を求めて欲しい……
という花雄の想いが切ない。

実は三田の心に居たのも花雄で、
アラフィフ二人は両想いなのですが、
今度は抱けるかどうかという問題がーー…⁉︎
しかし、これは難なくクリア^^;
三田が意外とやる気満々で、それも微笑ましかった♡

残りの人生、お互いを思い合って生きていくのでしょうね。
そう思うとまた一層こみ上げるものがありました。

0

おじさん2人の不器用さが切なくて愛おしい

 いやぁ、20年越しの恋愛には痺れました。お互い顔にシワもたくさん刻まれた、中年のおじさん同士の恋。前作の『ダーティダーリン』の時から花雄のことが気になっていたので、彼の話をメインで読むことができてとても嬉しかったです。幼い正児を通して刹那に築いた家族のような関係。当時の3人が本当に温かい雰囲気で描かれていて、3人ともが幸せそうで、ああ皆がこのままであったらいいのにと思うのだけど、現実はそう簡単な話ではなく。

 花雄がどうしようもなく三田に求められたいと望んでしまうこと、同性なのに仲睦まじい自分達の関係が正児に影響を与えてしまうのではないかということ。それらを無視して擬似家族を続けられるほど、花雄は図太くはなれなかった。あくまで家族愛のような感情しか持ち合わせてない三田との温度差も、彼には辛いものだったでしょうしね。20年の時を経て、再び何度も何度も微妙にすれ違いながら、じりじりと数センチ単位ずつ心の距離を縮めていって、やっとお互いの心の温度が同じになった時には感無量でした。すれ違い期間が長かったので、おじさん同士の濡れ場や、恋人になってからの日常を正直もっと見たかったなとは思いましたが、ストーリーは良質で大満足。20年分の愛を三田が花雄に返せるといいなと思います。

0

笑いたいのに泣けてくる

『ダーティダーリン』(2017)のスピンオフで、まるごと表題作。
仕事に没頭する毎日の裏側に、20年間秘めた想い。クローゼットにそっとしまっておきたいような気もしますが、ぜひたくさんの方に読んでほしい一冊でもあります。

本作『ダディダーリン』が始まったと知った時は「あぁ読者たちの願いが叶った!」と喜びました。しかし彼らの親世代のお話に、こんなにハマっちゃうとはなぁ。けっこうお腹に力が入ってしまうお話でもあるので、自分としてはしょっちゅう読み返す類いの作品じゃないはずなんですが、新刊のタワーを横目に今日もこの本に手を伸ばしています。

幼少期の正ちゃんの描写。これはズッキューン♡かわいいのはもちろんだけど、今の正児を、花雄さんを知っているだけに、最初の4ページでもうなんか泣けてくるんです。正児を自転車で保育園に迎えにいく若い花雄さんは、やはり美しかったし。ビジュ的にも開きたくなるんですよね。それに、ほしい言葉もあるし。正ちゃんは、ふたりの性格をうまいこととって、豪快さと繊細さを併せ持つやさしい子に育ったんだな…と、勝手に思ってニヤニヤしております。いつか花雄さんと正ちゃんが、じっくりゆっくり語ることができますように。ほろ酔いで。

そしてなにより主人公ふたりのやりとりが、段階ごとに「言葉」が表すものが明確になっていく感じが、何度読んでもいいなぁって思えるんです。ふたりの温度が同じというか。とても心地よいんですよね。だからセリフのやりとりも、スーッと入ってくる。「愛してる」の奥深さに、いろんな種類の愛情にホロリとなる作品でした。一方通行に見える気持ちは他の誰かから見ればそうではなかったり、そもそも大事なのはそこじゃなかったり。人生最大の迷いは、それが後悔になってからでも晴れる時がくる。よかった、よかったよ〜。彼らにこんなお話があって。

医師・羽場さんの新たな恋の始まりを祈りつつ、今日も本を閉じます。

あのとき裏ではこんなことが…なんてのもあるのでぜひ『ダーティ〜』と合わせて本作を読んでいただきたい。私のオススメとしては『ダーティ〜』(2017)→『ダディ〜』(本作)の順です。ただなんとなく、ですけどね。

カバー下、これも…なんかもうすごくよかったです。
キャラの一番それぞれっぽいところ全出しって感じで。


装幀:徳重甫+ベイブリッジ・スタジオ
表紙は淡いグレーに小ドット、裏表紙はそれを反転させた組み合わせ。背表紙も真ん中で2色に分かれています。

3

オジサンもの初めての人にも◎

帯バキュームで購入しましたが、本当に素晴らしく好みのお話でした。

オジサンものは初めてだったのですが、本当に丁寧に感情の動きが描写されていてよかったです。
スピンオフとは知らずにこちらを先に読みましたが、問題なく読めたのでどちらから読んでも大丈夫だと思います。

拗らせた感情のモノローグが本当に良かったです(2回目)

2

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