特典ペーパー付
中盤までは、常に性欲を軸に行動しているような兄の龍太に若干引き、本当の兄弟でヤれちゃうってどれだけぶっ飛んでいるの?と戸惑うばかりで、正直萌える以前の問題でした。が、突然2人の激重幼少期が明かされると、それまでのすべてが腑に落ちました。寅次から龍太への異様な愛慕。セックスひでりになると後ろが疼くほど性欲を持て余す龍太。そんな彼の痴態を知り尽くしながら、まったく嫌悪感を抱く様子のない寅次。そうか、あんな経験をしたから今のこの2人に繋がったのかと。最初は一体どんな兄弟なの?と引くばかりでしたが、過去を知ってからは今2人がお互いの存在に救われ愛し合っているのなら、幸せを感じているのならどんな形でもいいじゃない、とすべて受け入れられました。日野先生のストーリー構成がお見事でした。
血縁CP苦手なのに、日野先生のお名前に目がくらんで買ってしまっていました。
タイトルに兄弟とあるのにー!!私のアホー(以前にも何度かある。読みたい作家さんはタイトル見ずに買うクセが抜けなくて)
苦手とわかりつつ、日野先生のお話は見過ごせないので読ませて頂きました。
ストーリーとしてとてもおもしろかったです。
兄弟でありつつ、なぜそうなっていくのか、がよくわかって。
龍太が虐待を受けていたこと、トラがなぜそこまで龍太を守ろうとするのか、だんだん明らかになる展開がさすが、おもしろいわ〜と唸りました。
お互いがお互いでなければいけない必然性がよかったです。
ただ個人的には、世界一お互いのことが大事だとしても、近親相姦せずに、そこは他人とできればいいのにねと思いました。
それができない2人のお話だったから説得力があって納得ですが。ここ重要ですね。
基本、ガチ兄弟への地雷も無いし過去トラウマも意味のあるものなら(性癖含めて)全然受け入れられて「楽しめる」方です。
さて、今作は要注意要素盛り沢山な1冊。
しっかりある程度の覚悟を持って読みましたが、読後の感想が自分でもよく分からないっていうのが感想です…
設定自体への嫌悪感は全くありませんでしたし最後も納得の終わり方!
でも何だろう…他の日野先生の作品の読後に比べて明確な感情が自分の事なのに見当たらないんですよね。。。
それこそ賛も否もどちらも。
初めて読んでから結構時間も経って読み返しした今も同じ感情。
でも、初回に読んだ後もこの本を手放さなかったのは間違いなく気になる魅力があるから。それも今回読んでも変わらない感想。
ハッキリとは分からないですが、きっとこのタイトル通り「マグネット」の様に「絶対」という関係性がこの2人には決められている事に対して、安心する一方で他の選択肢へのルートへの執着が2人共希薄に映り諦観してる様に見える事への哀愁が感じられてしまい「萌」に辿り着けなかったんだと思うんです。。。
応援して見守っていっていいのだろうか?
お兄ちゃんは芳男ルートを断ってしまって良かったのか?
今でも分からない。。。
基本は2人が幸せならいいじゃないか♡派の気楽な夜明けなので普段ならこの2人が選んだ答えが正解!マグネットなんだから離れられないのは当然さ!って120%思うんですけどね。
今回そう思えなかったのはやっぱりこの2人がその答えしか見つけられなかった背景が重過ぎたかな……。
そしてマグネットは離れられない(=吸着)一方で反発してしまったら絶対に交われない。
多分私はこのルートがいつか来てしまうのではないか、、、という危惧に何とも言えない感情を抱えてしまい言葉にならない焦りのような想いに囚われているのだと自己分析。
これだけ入り込んで読んでしまう位、2人の背負って来た事やこれからをを浮き彫りにし、描き出されているからこそのこの複雑な感情に今も包まれているんだろうなぁ~とぼんやり思っています。
そしてまた読み返しては2人が幸せになっていくルートを妄想し安心していきたい。
評価は本気で悩んでしまう、、、
でもこれだけ作品と向き合ってじっくり読ませてもらってもネガらない作品は自分にとって神作品なんだと思うので神評価!
多分他の作品でこんなに感情が不安定になると結構ネガるのにこの作品は不思議とフラットに向き合える!
そんな貴重な1冊です。
重めだとわかってはいたけど、、!重い!光属性にはなかなかのダメージです。兄がセックス依存症でオトウトともしちゃう、まではまあ、萌えとして受け取ろう!と思って読み始めたんですが、、ペドが……_(:3 」∠)_
お兄ちゃんが被害者だっただけじゃなくて、おとうとくんも未遂で、さらに、お兄ちゃんが、、ラストはなんとなくいい感じで終わるんですが、一生背負っていくんだよなあ。家族構成がおじいちゃんと孫たちというのも悲壮感を募らせます。
萌には辿り着けませんでした。
兄弟萌え(はぁと)って軽い期待で読んだら、めちゃくちゃ切なくて、ディープでした。ぱっと見の明るさとその奥に潜む闇の深さに、もうなんとも言えない気分になります。でも重いだけじゃないんですよね。過去をよいしょと背負って、きちんと前を向いて明るく生きている兄弟の深すぎる絆のお話でした。
設定が摩訶不思議なのに、するっとその世界観に入ってしまえる日野ワールド。互いの居場所がわかっちゃうってなんなん?って疑問を持たずに読めてしまうんですよね。細部がちょいファンタジーなのに違和感がないんです。
セックス依存症の兄の外出先での安否が心配で、だったら俺が相手をする!というDT弟。そんなDT弟への兄からの”How to Sex!" (めちゃくちゃわかりやすくてて勉強になりますw)の場面、大真面目にエロいことをしている兄弟が愛おしくなりました。ア●ルをほぐしながら”今オレは、兄貴の命を救う方法を教わっている”の発言をする弟、最高でした。
他者が想像できないくらい、互いを大切に想っている兄弟のセッススを中心にまわる淡々とした日常です。読み進めるうちに、彼ら兄弟にとってのセックスは、食事や睡眠と同じように、とても正当性のある自然な行為にみえるのでした。そして、そんなに長いスパンが描かれていませんが、今後何が起こっても、何年経ってもこの2人の間に誰かが入ることはできないんだろうな、というところまで見えてくるのでした。
楽しくて切ない、エロいけど哀しい、様々な感情要素がバランスよく配合されている名作だなと思います。