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表題作夜明けには好きと言って

黒石篤成
25歳,ナンバーワンホスト
白坂一葉
25歳,別の人間として生きる

あらすじ

白坂一葉は、交通事故に遭ったのをきっかけに顔を整形、名前も変え別の人間として生きることに。
ホストクラブで働き始めた一葉は、同級生だった黒石篤成と再会。
かつて一葉は黒石に告白され、夏の間付き合っていたのだ。
同僚となった黒石は、一葉に好きだと告白する。
つらい過去を思い出しながらも再び黒石に惹かれていく一葉は…。

作品情報

作品名
夜明けには好きと言って
著者
砂原糖子 
イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
シリーズ
夜明けには好きと言って
発売日
ISBN
9784344806382
3.9

(90)

(31)

萌々

(31)

(23)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
25
得点
353
評価数
90
平均
3.9 / 5
神率
34.4%

レビュー投稿数25

不器用な2人(*´ω`*)

私も騙された、というか、え!?な目にあいました。

受様の白坂は、交通事故で顔に大怪我をした際、整形をし、名前も変えて別人として生まれ変わることを決意。
知り合いの勧めでホストとして働くことに。

攻様の黒石は、同じホストクラブで働くナンバーワンホスト。

実は2人、中学の時のクラスメイト。
当時白坂は、黒石から告白され、友達から付き合い始め好きになり始めてたのに、その告白が罰ゲームだった、という過去があり。

再会してまたしても黒石から告白され、白坂は復讐のつもりでOKする。

黒石の隣は居心地がよくて、復讐だと思いつつもどうしても惹かれてしまう白坂。


どうなる事かとおもいましたが、黒石の必死なプレゼンが微笑ましてくて。
不器用な2人だなぁ。
白坂が前を向いて笑う事ができて、よかった。
それにしても、整形の結果には驚かされました。
そっかー(*´ω`*)

内心ハラハラしてるんだろうなぁ、オロオロしてるんだろうなぁ、など、適度に攻様ざまぁも想像してにまにまできました( *´艸`)

0

“卑屈は人を醜くする”

再生の物語かな、という作品。応急処置の再生から、本当の意味での精神的な生まれ変わりを遂げたような。黒石の一途さが素敵で、適度に待つ姿勢を見せながら白坂に関わっていくのも良かった。泣きのシーンは最高に萌えた。

大きな事故に遭い、別人として生きることにした白坂は、因縁の相手黒石に再会する。過去に付き合い騙された、と恨む理由を語っているが、白坂の心理描写から黒石への怒りはあまり伝わってこなかった。

学生時代、二人が付き合っていたころの回想シーンは結構多い。たくさんの良い想い出話をされているようで、黒石の全部が嘘にも見えないし、騙された相手だとしても、黒石を悪人とは思えない。

白坂の心理描写は、無理やり黒石を悪者にして、黒石を好きだと訴える自分の心を縛り付けているよう。黒石の転校後に始まったいじめに対し、直接の加害者でなく黒石を恨み続けているところからもそう思う。

問題を抱えたまま二人の距離は近づいていき、邪魔者の新二が登場。ここは大人しく脅される意味が分からなかった。
黒石と別れた白坂はもう何も持っていないし、逃げても新二に見つけ出されると考える根拠が不明だし、以前はホストを辞めると言っていたのにこの脅し内容で従う必要はない。黒石にバレる恐怖だとしても、いまいち腑に落ちなかった。

でもその後の展開はとても良い。新二に殴りかかる白坂を、もっとやれと応援したくなった。
最後のネタバラシはサクサク進んで気持ち良い。ツッコミどころもいろいろあるけど、まあファンタジーなので。黒石の長い長い片思いというか両片思いというか、拗れた二人が良い方向に進んで本当に良かった。

強く印象に残ったのは、“卑屈は人を醜くする”という言葉。言い方を変えながら、作中に何度も出てくる。まさに!その通り!と深く頷きたい。

後日談のような二人のその後の話もとても好き。温かく幸せな読後感の作品。

1

トラウマと愛憎の末のカタルシス

数回目の再読。
自己肯定感が低く性格難ありの受けが、七転八倒でボロボロになりながらようやく自分と向き合い、ずーーーーーーーーーーっと差し伸べ続けてきた攻めの手をようやく握る。
砂原作品でしか得られないカタルシスがありますが、これもその一つです。

受けの一葉は砂原さんの作品で時々見かける「めんどい受け」ってやつです。
継母から「気持ち悪い顔」と言われ続けたせいで、自己肯定感が皆無で、自分の顔や人の目もまともに見れずに育ってしまった人。
だけど事故をきっかけに顔を整形し名前も変え、ホストの面接を受けに行った先で中学時代の同級生・黒石と再会します。
黒石とはごく短い間に付き合っていたことがあるけど、ある理由で天国から地獄という経験を一葉はしているんですね。そして黒石がナンバーワンホストであることを知り復讐したい一心で、自分がナンバーワンになって見下ろしてやると決意します。

と、書くとホストクラブを舞台に男のプライドをかけたサクセスストーリーのようですが、違います。
整形前も整形後も顔に雁字搦めになっている一葉と、ナンバーワンホストなのにホスト風情が皆無の黒石とのすれ違いストーリーです。

中学生の頃の黒石は真面目で朴訥な田舎の少年で、ナンバーワンホストとなった今でもプライベートは古ぼけた一軒家に住んでてジャージなんか着ちゃってて、口下手で不器用というオラオラ感が皆無のお方。
おまけにあの頃と同じように目尻に優しげな皺が出来て…とか、一葉が黒石のことを憎みつつもまた好きになっちゃうのもわかるというか……。

一葉に拒絶されて雨に打たれながら涙を流す黒石のシーンが、好きです。
不動の岩を思わせるような泰然自若の男かと思いきや、こっそり一人で泣いちゃうとか、ぎゃああああってなる。
で、ふつーなら、あそこでくっついて終わりなのに、終わらないところがこの作品の手強いところ。

それにしても黒石がほんと忍耐強くてアッパレです。
色々問いただしたいこともあるだろうにじっと待ってるし、一葉にぶんぶん振り回されても愛想を尽かさない。
最後、絶倫発揮してて萌えるけど、ほんとよく今まであれこれ我慢出来てたねと感心する。

「めんどい受け」と書きましたが、でもそれが一葉にとって生き延びるための術であったとわかるから見放す気にはなれません。
彼の「あの言葉と、たった一度のキスが拙い自分のすべてだった」というところが、哀れを誘います。
本当に「すべて」だったんだよねと。

顔の問題じゃないってことに気づくまでの一葉の七転八倒と、マリアナ海溝のように深い黒石の包容力が光る作品だと思います。

1

攻めが魅力的でした〜♡

ホスト×ホスト、それもNo.1×No.2という組み合わせ。
私自身はホストクラブに足を運んだことはないのですが、この華やかな男だらけの世界には興味津々で、ホストものが大好物です!

『優しいプライド』に続く砂原先生によるホストもの。
こちらもめっちゃ面白かった!

継母に「気持ち悪い顔」と暴言を吐かれ続け、容姿に対するコンプレックスを持つ一葉。
陰気で人の目を見られない一葉は、会社をリストラされ、自暴自棄のまま交通事故に遭います。
事故を機に、一葉は顔を整形して過去を捨ててやり直すことにするのですがーー…

この、整形して別人に成りすます……と、いう設定が面白い!
そして、ホストとしての第一歩を踏み出そうという時に出会ったのが、一葉の因縁の相手・黒石です。

罰ゲームで告白された黒石に本気になってしまった一葉は切ないのですが、黒石には黒石の本心があるのですよね。
この黒石は何ともホストらしくないホスト。
寡黙で誠実で一途で、一葉にだけ向けられるムッツリさにも萌え上がりました♡
個人的に、黒石かめっちゃツボでした〜!

中学の時に一葉を〝ホモ〟と言って虐めていた相手や、大学時代に〝20点〟と揶揄していた女子が出てきて、一葉の傷を抉り出すのが辛かった。
それでも、全て黒石の一途さに救われたなあ。

整形がバレてどうなっちゃうの……と、不安でいっぱいでしたが、まさかのオチ。
コンプレックスのせいで、あまり鏡を見てなかったかな?
まぁ、人は自信や身につけるもので雰囲気ガラッと変わりますもんね。まぁ、よかったよかった。

エロも描き方が上手いですねー。めちゃめちゃ官能的。
ずぶ濡れのスーツを脱がす描写にも萌えました♡

バーで黒字が出るようになったら犬森を雇ってあげて欲しいな。
この子がシリアスな雰囲気を中和させてくれて、すごく和みました。

0

継母の呪い

ドラマCDを何回も聴いて大好きで原作を読んでみました。
音声が脳内で声優さんの声で聴こえてくるようでした。

とにかく辛い苦しいお話ですね。
黒石も一葉もずっと忘れられず。
金崎のクソ加減も相当で。

中学のあの短い間の付き合いで芽生えた気持ちを…。

何も言わず一葉を見守る黒石。ホストになっても中身は変わってなかったみたいで。
一葉に入れ込む黒石。まるであの当時を取り戻したいようで。戸惑う一葉。
復讐なんて一葉には無理なんだよ!本当は良い人なんだから。

呪いにかけられた一葉が気の毒で。継母の呪いがようやく解けて前を向けるようになって。
なぜそこでホストに?だけどあのお店に行かなかったら黒石と再会できなかったしなあ。

黒石が絶倫で良かったです。

1

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