ある日突然現れて、俺の心をかき乱した――

コミック

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傷心男に春のあらし

shoushinotoko ni haru no arashi

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表題作傷心男に春のあらし

永島櫂・高3・美形優等生
古賀 栄輔・33歳・フリーライター

その他の収録作品

  • ヒゲ男と春うらら(描き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

フォトグラファーの夢破れ、人生諦めモードで過ごす栄輔は、
唯一の癒しである近所の桜の木の下で一人の高校生に出会う。
思わずシャッターを切ってしまうほどの美男子・櫂は、のちにお向かいさんだと判明。
その後、毎日のように栄輔のボロアパートに入り浸るようになる。
非の打ち所がない優等生は栄輔の前でだけは自然体でいられるらしく、
栄輔自身も櫂との時間を大切に思い始めていた。
しかし、櫂の好意が恋愛感情だと知り、栄輔の中に戸惑いと不安が膨らみ――?

作品情報

作品名
傷心男に春のあらし
著者
ココミ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
ISBN
9784796413190
3.7

(59)

(13)

萌々

(26)

(15)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
9
得点
219
評価数
59
平均
3.7 / 5
神率
22%

レビュー投稿数9

何度桜の季節が来ても

くたびれきったおじさんと栄輔は自虐的に言いますが
ソンナコトナイヨ……30スギハオジサンジャナイヨ……と思いつつ
高校生の櫂にしてみれば15歳上は結構大きいかもしれませんね。
とは言え、栄輔が隙のあるおじさんなので(?)親しみを持つのが早いのは納得です。
そつが無く、一見何も悩みがなさそうな櫂にも家庭の事情があったわけで
それでも嫌な感じではなくて安心しました。

栄輔が、やたら大人を振りかざして説教たれるような人じゃないから
櫂も惹かれたのだと思います。
心を許せる他人の大人というのは10代からするととても貴重なんじゃないかな。
普段色々こなしているからこそ、栄輔の前では緩めたくなるなんて
年上冥利に尽きるのでは…いいなぁ栄輔。
そこに恋愛感情が入ると戸惑うのも当たり前かもしれませんが
ドキドキする気持ちや会いたい気持ちに正直になれて良かったです。

お互いを思いやりながら喜ぶ顔が見たいって
恋人としては基本中の基本かもしれませんけども
年の差がありながらもあれこれ考える栄輔が可愛らしかったし
少し背伸びをしたがる櫂がめっちゃ将来有望でした。
二人がそれぞれ見失っていたことを補え合える幸福は
何度季節が巡っても続いていくのでしょう。
桜の木が出逢いのきっかけというのがまたロマンティックでしたし
優しい恋にほっこりさせていただきました。

4

年下攻め存分に!じんわり効く柔らかさ

あああ…ほんとにココミ先生の作品は読後感が、とても良いです。

毎作読んで、毎回そう感じています。

くたびれたフリーライターの栄輔が、自分のアパート前に越してきた家族の長男、櫂と葉桜の頃に出会います。
栄輔は桜の樹がある自宅アパートの眺めが好きだったのですが、櫂の自宅が建ったことで桜が見えなくなっていたんですよ。葉桜をカメラに納めようとして櫂と出会うんです。

それから櫂に懐かれて、アパートに櫂がやって来る毎日が始まりまして。栄輔の部屋で、ぐだぐだくつろいだり、雑談したり。二人にとって特別な時間、空間、空気感が存在していくのが何とも良い…

櫂が、実際には継母や義弟、父との間での振る舞いや立場を図りかねていたんですけど。
すっかり懐いた栄輔にだけ心情を明かすんです。
栄輔が渡したトイカメラがきっかけになって、櫂は家族と打ち解けていくんですよね~

さて、栄輔32才、櫂17才は何と15才差。櫂は学ランですよ…そして身長は高く、イケメン。栄輔は、ゆるっとオジなのですが無精髭生えてたりと決して、イケメン要素はないのです。ただですね~優しい。
櫂の事を心配したり、櫂がみせてくる甘えも、戸惑いながら受け入れて。

人間、あまりにも違い過ぎると、かえって本音を語りやすくなるって無いですか?もちろん、共有してる要素があってこそですが。

櫂は、ずっと栄輔に惹かれて好きになっていて。思わずキスしそうになって…はい、ここから栄輔が盛大に櫂の事を考えて自覚していきます❗

栄輔はフォトグラファー志望だったけど、夢は夢としていたのです。ですが、櫂が勧めていたコンテストで入賞。櫂も大学合格して。しばらく、キス未遂で距離が出来ちゃっていたけどやっと二人が再会するんですね~

大学生の櫂と、フォトグラファーとなった栄輔。すれ違いも有りつつ互いへの想いも募って行きます!
大学生になってからは、櫂サイドで語られることもあり、栄輔への気持ちの強さを感じることができます。

初えっち有ります!もちろん櫂が攻め❤️
いいですね…年下攻め❤️櫂の寮部屋での初えっちですよ~
櫂は、若いし色々我慢しましたから、栄輔に貪欲。エロさもギャップ。
描き下ろしでは、素晴らしく感じることが出来るようになった栄輔を確認できますよ!

二人の付き合い初めてから4年後まで楽しめます。甘えなれた櫂と、甘えられて嬉しい栄輔。
二人が添い遂げるには、まだ色々有るでしょうが幸せな恋人同士になって、大変よろしかったです❤️

ココミ先生の次作も、きっと作家買い決定です。

2

年下がほんのり纏う大人っぽさ・・・かわいい!!!

やさぐれオッサン栄輔とDK櫂♪

アパートの窓から見える桜の景色が気に入ってたのに
半年前に窓の前に建った一軒家。そしてそこに暮らす幸せそうな家族。
ある日、桜の木の下でその一軒家の高校生の長男・櫂と出会い話すようになり、
父親が再婚して新しい母親とその連れ子(弟)と暮らすも接し方に未だに戸惑っていた櫂は
次第に栄輔の部屋で寛いで時間を過ごすことが増えていく。

男子高生の櫂が、栄輔といると子供っぽいところもあって可愛いけど、
たまに見せる落ち着いた大人っぽさに心臓キュッってなっちゃいました♡

元々フォトグラファーの夢を挫折してライターをしていた時に櫂に出逢ったけど
櫂のきっかけで栄輔がまたフォトグラファーとして働きだすのですが、
ラストで個展を開いた時の写真が最高に素敵でした♡

0

古びたアパート、和室、学ラン、桜。

しっとりとした雰囲気の中で進んでいく、少し切なくて優しいストーリーです。

傷心男こと英輔は、フォトグラファーの夢を諦め、古いアパートでひとり不貞腐れながら生活しているフリーライター。
桜の下で出会ったのがきっかけで、向かいの家に住んでいる高校生・櫂と不思議な交流が生まれます。

放課後、特別何をするわけでもなく英輔の部屋に入り浸る櫂。
穏やかな時間がゆっくりとふたりを繋いでいきます。

英輔は、自分の撮った写真が好きだと言う櫂にフォトコンテストに応募するよう勧められ、もう一度夢と向き合うように。
そして櫂は家庭内で悩みを抱えていましたが、英輔のアイディアでわだかまりを解くことができます。

何気ない会話や、小さな喧嘩を経て、いつも周りに気を遣っている櫂にとって英輔は、素直に甘えられる唯一の存在に。
英輔にとっても、櫂は可愛がってやりたい存在になっていました。

だけど櫂にキスされそうになり、恋愛対象として慕われていたのだと知った英輔は拒絶してしまいます。

それから疎遠になってしまうふたりですが、卒業式の日、これで最後にするからと櫂がもう一度ど会いに来て…


櫂という男の子は、落ち着いてるけどがっつり大人びた性格でもないし。
子どもらしい弱さも抱えてるけど、がっつり健気な性格でもなくて。
高校生らしいアンバランスさが魅力的だなぁと思いました。


第二話以降は、大学進学後のお話です。
15も年下の男の子に振り回されているのに、なんだかんだ楽しそうな英輔が微笑ましいです。
読者からすれば、あ〜すっかり櫂にハマってるね英輔さんって分かるんですが。
櫂は忙しく仕事している英輔を見て焦りを感じていました。

ただただ会いたい一心で、朝の5時前にアパートを訪ねに行くシーンが好き。
"カーテンの向こうでは
みんながまだ眠っているのに"
ふたりは甘い情事の中なんですよねぇ…
カーテンの隙間から陽の差し込む部屋で、甘くまどろむふたりがすごく素敵でした。


描き下ろしではさらに時が進み、なんと櫂がお仕事している!
恋人四年目のふたりは、身体的にも精神的にもすっかりラブラブになってました。
さらっとかっこいい事を言ってみたり、年下らしく甘えてみたり、櫂の魅力は計り知れないな。

電子限定は、櫂がハタチになってお酒を解禁した時の話なんですが、こちらでもさらっと英輔を口説く爆イケな櫂くんでした。

0

自分たちらしく

15歳という結構な年齢差があるふたりのお話でしたが、櫂が大人びていることや栄輔がくだけた人というのもあって年齢的なハードルの高さはあまり感じなかったかなと思います。

すぐに身体の関係を持つようなお話がとても多いなかで、焦って前に進もうとせず何気ない日常を大切にしているふたりなので、彼らのあたたかさがより際立ったように感じました。

特に大きな波はなく淡々と進んでいくようなところはありますが、それが逆に自然体な彼ららしくて好きでした。
少しずつ、自分たちのペースで。この先も一緒にいる幸せを選択していくのでしょうね。
桜の木が繋いだ優しくてあたたかい、素敵なお話でした。

0

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