人形型モノクローム

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表題作人形型モノクローム

我妻夕日,高校生,木綿が世話になる家の次男
石田木綿,捨てられたセクサロイド

同時収録作品人形型モノクローム

秋葉竹男,32歳,木綿を買った男
木綿,人型ロボット(セクサロイド)

同時収録作品人形型モノクローム

モブ
木綿,竹男に捨てられたセクサロイド

同時収録作品人形型モノクローム

小橋,高校教師
石田木綿,高校生

同時収録作品いとしのお兄さま

カミール
ラフィー,カミールの家に引き取られた少年

あらすじ

人間の欲望を叶える為に生み出された存在。
箱で納品され、購入者がスイッチを入れる。
インプットされる恋心、だけど本当にそれだけ<? br>
なんだかんだで世話焼きな男子学生×主人に捨てられてしまったオモチャ

誰だって、生きることに臆病。

秋葉 竹男(あきば たけお)、32歳、独身、恋人なし、会社員のちに動画配信を始める。
そんな男に買われた高級玩具の木綿(もめん)。
彼は命令されたことに忠実なセックスドール。
恋人として日々、竹男の欲求を叶え続けた。竹男に愛され、竹男を愛す。
始まった幸せは永遠に続く、そう思っていた。
しかし木綿はあっさりとゴミ捨て場へ廃棄される。

木綿は仲間のセックスドール・キルトとその主人・真昼(まひる)に拾われ、
なりゆきで面倒を見てもらうことになる。
そこで木綿は出逢う、真昼の弟・夕日(ゆうひ)に。

可愛くて、ちょっと不思議で、涙が溢れ出すラブ・ストーリー。

作品情報

作品名
人形型モノクローム
著者
キカ糸 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
ISBN
9784865895872
4.1

(81)

(46)

萌々

(17)

(10)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
14
得点
332
評価数
81
平均
4.1 / 5
神率
56.8%

レビュー投稿数14

新刊お迎えに向け再読→予想以上の感動に包まれる…‼→新刊への期待、高まる⤴⤴⤴=This is名作!

最近新刊で久々に触れたキカ糸先生ワールド
更に来月の新刊情報でも先生のお名前と作品名を発見!
しかもあらすじを見ると聞き覚えのある名前が…‼
これは…!?と思い事前予習を兼ねて名作「人形型モノクローム」再読です

”セカイハヤサシイ”
そう思える木綿が優しいよね…
本当に木綿は夕日と出会えて良かったし、もっと言うならキルトとの出会いが何よりも大事だった
”セカイハヤサシイ”という言葉の強さと優しさに胸が詰まってむせ返ります

主な登場人物は全部で6人
木綿、キルト、竹男、真昼、夕日、先生(登場順)
最初は誰と誰のお話し?
世界観どんな?
と複雑そうな設定と愛になるの…???と不安になるようなエロさと痛さを纏った作品の雰囲気にどんな感情で読んでいいのか戸惑います

それでも読み込んでいくとこの世界のこの設定だからこそ胸に迫る「確かな愛」を感じられるお話し
私自身は初読よりも読み込んだ3回目以降の方がよりこの作品の優しさを感じられたような記憶があります
そして今日、数年ぶりに読み返して以前読んでいた時よりも数十倍の感動に包まれて読み終わりました(*˘︶˘*).。.:*♡

新刊のお迎えが楽しみで仕方ない…!!
今作はしっかり木綿にフォーカス仕切っていた分、木綿の絶対的なサポートとなっていたキルト
彼の存在、そして木綿が「愛の行為」を知った真昼とキルトの関係、、、ココが気にならなかった訳はないので、、、ここを知る事が出来る!?
期待しかないですね…♡

そして出来るならやっぱり夕日と木綿のその後も知りたいなぁーーー|ૂ•ᴗ•⸝⸝) チラッ♡
ほんと、夕日も木綿も大好き!
応援したくなる2人なんです(♡´∀`♡)

同時収録作品も短編ながら素敵な義兄弟作品です
すごく読後の妄想捗る素敵な短編なのでこの短編を読めるのも贅沢仕様だな!と思います
義兄弟で年上攻めだけど良識的!とてもイイ!!

新刊にご興味持たれた方はこちらも抑えておいた方が良さそうかな?と思います
実際まだ新刊、拝読していないのでどこまで関連するのか?は不明瞭ですが。。。それでもこの「人形型モノクローム」が名作である事には変わらないのでおススメしたい作品です

※暴力的な表現や無理矢理、多少の血の描写もあったりするので苦手な方はお気を付けて下さい…

修正|モロ!な描写も修正もどちらも無い感じです コマによって”無”な時もトーン修正な時もありますが作画を邪魔しない描かれ方なので個人的には気にならない描かれ方かな?と思います(DMM)

0

衝撃だった。

序盤の不憫な木綿の扱いが、可哀想で仕方なくて...結構しっかりとその部分が描かれているので、気分が少し落ち込んだりもしてしまいました。

ストーリーもセックスドールのお話だと思いながら読んでいたので、最終的な展開に驚きました。
木綿が一途にご主人のことを想っているので、その展開は胸糞です。

夕日に出合って環境は救われますが、木綿の心は以前のご主人に囚われたまま。
本当の意味で解放されて夕日に向き合うのは、最終話の終盤なのでじれったくて仕方ありませんでした。

個人的には、白・黒木綿は二重人格なのかなと思っています。髪色が現実世界に干渉しているので違うかもしれませんが。

最終的には木綿が、自分の意志で未来へ進む選択ができて良かったです。

どうやら作中で気になっていた人物たちの続編があるようなので、そちらも読めることを楽しみにしています。

1

想いをプログラムされた人形

人そっくりに作られた人形。
人形に心まで与えてしまったら、虐待に等しいことを強制することになってしまう。
アンドロイドの進化は、ある程度で止めておかないと、色々不具合が起きそう。
これはそんな近未来の可哀そうな人形の話。

尽くし続けて、飽きられて、アッサリゴミ箱に捨てられた木綿。
優しい人に拾われて、素敵な出会いを得ることができた。
ラストがハピエンで、良かった。

日本には昔から、物に心が宿ると信じて粗末にしない伝承があるけれど、
ママに叱られたからって、簡単に捨てちゃいけないよね。

2

ハマると抜け出せない中毒性

面白かった!1話は本当に酷すぎてどうなることかと思いましたが、状況が二転三転し、切なさと不思議さに圧倒されていたら最後にほろっと泣かせてくる素晴らしさ。世界観にハマると抜け出せない中毒性がありそうな作家さんだと思います。
セックスドールの木綿は竹男というオタクに買われ、竹男しか愛してはいけないとインプットされます。この竹男が絵に描いたようなクズで、痛みを感じ血を流す木綿に酷い事だけをして捨てます。1話はその様子がしっかり描かれるので、竹男への怒りが止まりません!
2話からはすっかり変わってしまった木綿の新生活が始まります。やっとイケメンパラダイスになってほっとする…笑。木綿は竹男への気持ちを引き摺りながらも、いろんな感情に目覚めていきます。加えて各所で覚えていた違和感にすとんと納得できる種明かしが。
山場では唐突に猫とブタが活躍したり人格が実体化したりと不思議過ぎる世界になりますが、本筋のストーリーが面白いのでそれも含めてハマってしまいます。
本編ラストシーンで「え!?」となった状態で短編をはさみ、描き下ろしでその続きが。何なのこの焦らしプレイ笑。綺麗なめでたしめでたしの図でじわっと泣けてすごく良かったです。読み応え十分の不思議な世界観を持つ作品でした。

2

勇気が貰える一冊

表題作『人形型モノクローム』は、人形とアンドロイドのお話です。
数ある人間とロボットのお話のなかでも3本の指に入る好きな作品です。単純な私は、このお話を読むと何か頑張ろう、、と前向きになれます笑 こういう読んで良かったと思える内容は大好物です。
テーマは人間とは?と考えさせられる部分もあり、一筋縄ではいかず、しっかりしたストーリーなのに、絵が可愛いくてオシャレ!いちいち表情が可愛いっ!!ふとした時に何度も読み返しました。

1

ただのセックスドールと思うなかれ

◆人形型モノクローム(表題作)
 勝手にセックスドールを題材にした短編集をイメージしていたのですが、表題作はまるまる1人のセックスドールの話になっていました。キカ糸先生のメルヘンさと繊細さが合わさった画風に世界観がよくマッチしていて、最初から最後まで引き込まれます。この作品の特筆すべき点は、出荷された木綿が最初に冴えないオタク男性の元へ届き、彼だけを愛することを刷り込まれたこと、そして、実はドール達は元から機械なのではなく、また人間へ戻ることもできるということ。

 一度は竹男に捨てられて新たに健全な出会いを経ても、竹男を忘れられない木綿。刷り込みのせいだけではなく、誰かに必要とされたいと熱望していた彼の心が、人生で初めてそれを経験させてくれた竹男に捕らわれたというのもあるのでしょう。私は序盤、竹男と木綿がメインのストーリーでもいいんじゃないかと思ったくらいでした。竹男が壊れていったところでああこれはもうダメそうだなと悟りましたが、アンドロイドになったからではなく、元々木綿は人の見た目や周りからの評価に左右されない心を持っているんじゃないかと。最後に竹男を言葉で救うシーンが入っていたのも良かったです。

 竹男に木綿を愛する勇気がなかったのは残念ですが、夕日との出会いが希望を与えてくれます。チャラチャラした少年のようで、中身はまだ本気になれる相手に出会ったことがないだけの真面目な男の子。危なっかしく、辛い経験をしたらしい木綿のことを放っておけず、気付けばすごく気にしてくれていて。傷付いてボロボロになった木綿にも、ドールとして飄々と自己防衛してみせる木綿にも会い、その痛ましい人生と自分の木綿への気持ちを知る。放っておけないが救いたいに、救いたいが好きに。そんな夕日のおかげで、木綿が辛い記憶が蘇ってでももう一度生きたいと思ってくれたことが本当に尊いと感じました。人との出会いで、ここまで辿り着くこともできるのだと。BLを超えて、人間としての生を考えさせられた作品でした。

3

幸せなロボット

セックスドール・木綿の
「就職先」である竹男との生活と
竹男に廃棄された後の日々を描いたお話。

セックスドールとして生きる道を選んだこと、廃棄されて感じた悲しみ、
無意識にパスワードを"隠した"こと。
改めて見てみると人間らしさがすごく表れていたんだなと感じます。
竹男がやっていたことはいくらロボット相手だとしても許せなくて
だから廃棄された木綿は本当に可哀想だったけど、むしろあんなヤツのところにずっと居ることにならなくて良かったじゃないか!と思いましたが
竹男とのことがあったからこそ夕日にも出会えたんだよな、と。
なので、木綿を世の中に出してくれたことには感謝をしたい気持ちになりました(笑)

夕日と出会って閉じ込めていたものを解き放つことが出来てよかったな~
白木綿も黒木綿もどっちも可愛かったです。
あとネコたちもめちゃくちゃ可愛かった!

ボリュームたっぷりで読みごたえがあり、とても満足な作品でした。

1

せつなくて、やさしい

読み始めたときは、こんな読後感になると思っていなかった!

ダッチワイフ大好きな、社会不適合者のヲタク・タケオさんに捨てられた(捨てたくなかったけど家にママが乗り込んできて捨てざるを得なかった)セックスドールのモメンちゃんが、無気力系DKのユウヒくんと出逢って、変わっていくストーリー

そんなに難しくはないけど、「そうだったのかあ」な仕掛けもちょっとあります

でもそれ以上に、モメンちゃんやユウヒくんの心情が丁寧に描かれていて、ものすごくかわいくて、せつなくて、でもやさしい世界線なので、ネコちゃんが発掘のバイトしてても全然気になりません(字面だけだと、は?って感じですが、本当に、ゆるっと受け入れられるふしぎ…たぶん作者が天才)

もっとモメンちゃんとユウヒくん、そしてタケオさんのその後がみたいです

好き嫌いが分かれるかもしれないけれど、めちゃくちゃおすすめしたい作品
(全308ページ!)

1

一筋縄ではいかない

これ、一度は捨てられたセックスドールが、拾われた先で新しい愛を知る、切ない系のラブストーリーかと思ったら、そんな単純なお話じゃなかった。
なかなか盛りだくさんな設定を、とってもうまいこと読ませてくれるし、この、よろよろした絵柄も好きなタイプの絵だし、神作品!って評価してもいいって途中までは思ってたんだけど、、、
個人的に、モブレはあんまり好きじゃないというか、玩具やら、おもちゃ扱いなんかも苦手というか、なんというかで、そんな描写満載の前半でも、その先を知らない状態なら、まあ、読めてはいたんだけど、
謎が解き明かされる後半になって、一気に反動が来てしまいまして、
泣ける、いいお話になっているとは思うけど、かなり迷って、萌2です。

3

苦手ポイントが…

多分好きな傾向の作品だったんですけれど、私にとっての苦手ポイント2つを撃ち抜きすぎて萌評価ですみません。
個人的な苦手なとこ書いてるので気になる方は読まないで…!

メタがね、苦手なんです。テンションの合うメタもたまにあるんですが、基本的に自分のテンポを損ねるメタが苦手で。独自の世界観に引き込ませる作品だと思うのだけど、メタのせいでちょくちょく現実に戻されちゃうんですよ。非常にもったいない気持ちで読んでた。

そしてSF、近未来作品自体は大好きなんですが、大好きだからこそ相当世界観が作り込まれてないとしらけちゃって。一つ目の"メタ"の点含め、ダメだった…
連載のラストシーン(描き下ろし含まずの意)の雰囲気とか大変好きなんですけどね〜

5

主人に捨てられたセックスドールが「自分」を取り戻すまで

表紙に惹かれて購入した初読みの作家様。
とても良かったです!
ちょっと不思議な世界観ではあるのですが、心温まる良質なラブストーリーでした。
キカ糸さんの紡ぎ出す優しい世界に心がすーっと溶かされいく気がしました。

セクサロイドの〔木綿〕がすごく切ない存在なんです。
木綿を買った奴(竹男)は「セックスドール買う奴なんざロクな奴じゃねー」の例に漏れないクソな野郎なんですが、愛されることも愛のあるエッチも知らない木綿には竹男との生活は「恋人との幸せな生活」以外の何物でもなくて、一途に竹男のことだけを想って過ごしています。
ですがその生活も早々に竹男の母親に見つかってしまったことで破綻し、木綿はあっさり捨てられます。

ここから少し不思議な展開が始まります。
竹男と一緒だった時の木綿はピンク色の髪なのですが、ゴミ捨て場で雨に打たれてずぶ濡れになった木綿の髪は半分が黒くて、でも次のページで「こんな所で死んでたまるか」と立ち上がった時には再びピンクで、まずここでちょっと「ん?」と気になります。

時が流れて2ヶ月後。
表情を失くした黒い髪の木綿が路上で複数の男達にまわされているところを同じセックスドールの〔キルト〕が発見し、救い出します。
キルトには恋人として愛し合っている〔真昼〕がいて、そこで木綿は本当の恋人セックスはどんなものなのかを知ってしまうのですが、それで竹男はクソ人間だったんだな…とはならないのが切ないんです。
木綿にとっての竹男はどこまでも恋しい大事な人なんです。最初にそうインプットされてしまっているから。
木綿のような人型ロボットには主人に捨てられた時の為にインプットを消去できる機能が備わっているのですが、なぜか木綿はそれを実行する為のパスワードが思い出せないでいます。
竹男のことが忘れられないまま、木綿は真昼の弟の〔夕日〕と一緒に高校生としての人生をスタートさせます。
この夕日がなんていうかとてもいいヤツなんですよね。
木綿は自分で決められない子なんです。ご主人様の要望を聞くだけの存在だから。
夕日はそういうのを見抜くんですよね。で、木綿自身に決めさせるんです。
それは「カフェで自分の食べたい物を自分で決める」というほんの些細なことなのですが、小さな声で頑張って注文した木綿を抱きしめたくなりました。

木綿がパスワードを思い出せない理由は、実は木綿の髪色がピンクだったり黒だったりする理由と繋がっています。
少しずつ明らかになっていく木綿のこと。
悲しい人型ロボットの実態。
・・・なのに、この作品に流れる空気感はどこまでもずっと優しくて。
これが私はすごいなって思いました。キカ糸さんすごいなって。

私はこのお話、ファンタジー調だけどなんだかリアルだなって思うんですよね。
木綿のようなお人形さん人間に向けられた「頑張れー!」ってエールにも思えました。
夕日に助けられながら頑張って「自分」を取り戻した木綿の存在が、夕日の生き方を変えるラストがまたいい。
こういうカップルが私はやっぱり好きだなぁ。

「誰だって、生きることに臆病」
このキャッチコピーが少しでも心に引っかかったなら是非読んでみてほしいなと思います。

【電子】シーモア版:修正白抜き、カバー下なし、裏表紙○

10

セカイハヤサシイ

発売時にスルーしてしまった作品でしたが、
やはり気になって読んでみました。
絵は荒削りですが、ストーリーは独創的で面白かったです。


オタクなぽっちゃり竹男に買われたセクサロイドの木綿。
初期設定は〝僕しか愛しちゃいけない 君は僕の恋人〟

この竹男はちょっとキモい男なのですが、
木綿は盲目的に竹男を愛して尽くします。
イライラした竹男に酷く扱われようと、
ネットで自分たちの痴態を晒されようとも。
挙げ句の果てに身勝手な理由で木綿を捨ててしまう竹男……

はぁ〜(´д`)
木綿が不憫でなりませんでした。
人間じゃないってだけで、
ヒトって大切なものをこんなに乱暴に扱うんですね。
木綿には感情も痛みも伴っているのに……

そう、アンドロイドの木綿には感情があり、
血が出たり怪我をしたり痛みを感じたりするのです。
一体どういうこと?となりましたが、
その理由は後半明らかになります。

さらに、捨てられてしまった木綿がモブに輪姦されたりと、
みるに忍びない扱いを受けていて辛かったです(´;ω;`)
こちらファンタジー作品なので猫が活躍したりと不思議な世界観なのですが、木綿の扱いだけが妙にリアルで途中までとても苦しかったです。


捨てられた木綿が保護されたのは同じセクサロイドのキルトと真昼の家で、真昼の弟・夕日と心を通わせていきます。

今まで一方的なセックスしか知らなかった木綿は、
キルトと真昼の行為を目の当たりにして驚きます。
そして、自分も夕日によって幸せなセックスを知っていくのですが、その展開がとても良かったです。
キモチイイと思う木綿も木綿からのキスで嬉しそうな夕日も、
どちらも可愛くてたまりませんでした。

作中には白黒二人の木綿が登場するのですが、
それはセクサロイドの白と人間の黒であって、
どちらも木綿なのですがーー…⁉︎

若干、伏線を回収しきれていない感は否めませんでしたが、
それでも目まぐるしい展開にも納得できたし、
素敵なハッピーエンドは嬉しかったです^^
夕日の一途で献身的な愛に救われたストーリーでした。
いつか、キルト×真昼のサイドストーリーも読んでみたいです!


同時収録作は義兄弟の話でしたが、
こちらはピュアな兄様が素敵でした♡

ダークでシリアスだけど心に響くものがあり、
先生の次回作も絶対に買おうと心に誓いました!

6

木綿・・・かわいぃぃぃぃ

まずは何といってもこの厚さ♡300ページ越えの大ボリューム!
お話はシリアスなファンタジー!
でも、コミカルな感じもアリ重くない。

※以下完全なネタバレありますのでご注意

主人公木綿が出荷されて届いた先はキモオタ竹男のもと。
最初のインプットで「竹男が好き」と刷り込まれた木綿。
紆余曲折あり捨てられ、次に一緒に暮らした夕日に惹かれた木綿は自分に「夕日を好きじゃない・竹男が好き」と言い聞かす。
そこで人格が白木綿が現れちゃう。

木綿がセックスドールだと思い込んでるけど実はセックスドールと思い込まされた人間だと知った夕日に人間として扱われる日々。
不安定な木綿を大切に扱う夕日に終始胸キュンでした。
白木綿と黒木綿の対局な性格もめちゃくちゃ可愛かったです。

そして・・あの猫ズ。木綿と一緒にバイトしたり、連れ去られた木綿を追いかけたり・・・無ちゃんこ可愛かった。あの存在がコミカルすぎてシリアスな内容だけど重くなり過ぎなかった感ありますね(笑)
あと、先生のコマ外でのセルフツッコミ!!
キャラのしてるコスプレに突っ込んだり、車や自転車の画力をツッコんだり・・・めちゃくちゃ笑っちゃいました♪シリアスなシーンでも!(笑)


ただ、
最終話の最終ページ読んで、次めくったら同時収録始まった時はめちゃくちゃビックリしました!!
同時収録後の描き下ろし読んで安心しました♡
描き下ろしのラストが本当のラストですので連載追ってた方はモヤっと感残ってたんじゃないでしょうか??

4

読み手を選ぶ作品だと思われるが

初読みの作家さまですが、表紙とあらすじに惹かれ購入。

人間の欲求を満たすための存在であるセクサロイド、が主人公のストーリーは基本的にシリアスで切ないものが多い気がしますが、今作品もそのイメージを損なうことのないドシリアスなお話でした。

ネタバレ含んでいます。苦手な方はご注意ください。






主人公は木綿。
AIの発展に伴い、人に愛でられる存在として生み出された人型ロボット。木綿は、その人型ロボットです。木綿自身は気づいていないですが、もっとはっきり言うとセックスを目的としたセクサロイドだ。

セクサロイドの先輩でもあるキルトと、人に買われる日を待っている。

そんな木綿を買ったのはリーマンの竹男。
女型のセクサロイドを買うお金がなかった竹男は、男の形をしている木綿を買ったが、綺麗なビジュアルの木綿に満足し愛でまくる。好みの服を着せ、抱きたいときに抱き、それでも木綿は自分を選んでくれた竹男を一途に想い続ける。

竹男の行為が、異物を入れたり、ぶたれたりするようになっても、そして金銭を得るために木綿を抱き動画を配信するようになっても。

が、ある日竹男の母親が彼の元に訪れたことで木綿の生活は一変する。

母親に自分の行動を説明できない竹男は、木綿を「いらない」と言い、捨ててしまったのだ。
竹男に捨てられた木綿は、複数の男たちの欲望のはけ口になり、まさにロボットに成り下がってしまった。

そんな木綿を救ったのはセクサロイドの仲間であるキルト。
優しい男性に買われたキルトは幸せな毎日を送っているが、男たちの欲望のはけ口になっている木綿を見つけ、自分の家に連れてきてくれたのだ。

木綿はピンクの髪を持つ可愛らしいビジュアルを持っていたが、キルトが木綿を助け出したときは黒髪になってしまっていた。明るかった性格も一変し、生気が抜けたようになってしまった木綿をキルトは心配するが、そこで木綿が出会ったのはキルトの主・真昼の弟の夕日だった―。

というお話。

とにかく、めっちゃ分厚い1冊なんですよ。
で、この分厚さに見合ったバックボーンと内容が収録されています。

ピンクだった髪色が黒髪になってしまったのはなぜか。

そこに、このストーリーのキモが隠されています。

木綿を買ったクズ男によって、木綿は本来の性格を失ってしまった。
さらに性的な動画を配信されてしまってたことによって、木綿はさらなる窮地に追い込まれる。彼に執着する男に、狙われちゃうんですね。

とにかく序盤は竹男の外道っぷりと木綿の薄幸さに目を覆いたくなるシーンがてんこ盛りです。
モブに輪姦されたり、意にそわない行為を強いられる受けさん、が苦手な方にはあまりお勧めできない展開です。

どんなに竹男に虐げられても、木綿は「竹男に尽くす」とインプットされてしまっているがゆえに竹男に依存してしまう。そんな木綿が可哀そうすぎてひたすら萎えてしまう。

そんな木綿に一途に想いを寄せるのが夕日。
彼のバックボーンはほぼ出てきませんが、お金持ちの、遊び人、という内面が透けて見えてくる。
そんな夕日の、木綿を想う愛情が、ドシリアスでダークな作品に明るさを与えます。

が、木綿は夕日の懐に簡単に入ることをしない。

なぜなのか。

そこで、木綿の髪色の変化という伏線を上手に回収していく展開。
タイトルの「人形型モノクローム」。
そして、描き下ろし。

最後にすべてがつながっていく展開の仕方が素晴らしかった。

ほぼ表題作が収録されていますが、終盤に短編が1話収録されています。
タイトルは「いとしのお兄さま」。

子どもの時に訳あって引き取られてきたラフィー。
その家の息子のカミールが、「ラフィーを僕のお嫁さんにする」といったことで、ラフィーは自分を受け入れてもらえたと安堵し、そしてカミールに対して恋心を育てていく。

ところがある日、ラフィーが男の子だということをカミールが知って以降、カミールはラフィーを「弟」と呼ぶようになり、女の子と遊ぶようになってしまう。

カミールに失恋したラフィーは、誰とでも寝るビッチになってしまうが―。

めっちゃ短いお話ですが、勘違いし、すれ違う不器用な男の恋心がきっちり描かれていて激萌えしました。

『人形型~』は、セクサロイドが主人公ということもあって濡れ場は多いです。
さらに、その濡れ場も痛い描写が多いので、もしかしたら読み手を選ぶ作品かも。
が、個人的にはめっちゃツボに入るストーリーでした。

何より、人間の欲望、狡さ、愛憎。
そういったものがきちんと描かれていて、切なさもありつつ萌えもある。設定やバックボーンが緻密に練られていて、非常に読みごたえがありました。

初めて読んだ作家さまでしたが、違う作品も読んでみたいと思います。

13

この作品が収納されている本棚

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