ねえ宝。……僕の一番になりたい?

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表題作聖なる捕喰

三枝美鶴,元トップショーモデルのモデル事務所社長
三枝宝,兄に憧れてモデルとなる大学生

その他の収録作品

  • 聖なる堕落
  • あとがき

あらすじ

大学生の三枝宝は、大好きな兄の美鶴と二人暮らし。かつてパリコレで注目を集め、その極上の美を『聖母(ヴィエルジュ)』と称えられた元カリスマモデルの美鶴は、社長としてモデル事務所を興し、一人で弟の宝を育ててくれた。そんな兄に雛のごとく溺愛される宝は、赤子のように甘える一方、ひそかに後ろ暗い欲望を抱えている。「おにいちゃん…」とたどたどしく呼びながら股間を滾らせ、自らを慰める日々。兄への劣情、そして兄が視線を向ける者へのどす黒い嫉妬が抑えられない。そんな中、宝から美鶴の関心を奪う最大の敵が現れて…!? 侵してはならない、聖なるものを汚す快感――超濃厚エロスでおくる、禁断の兄弟BL!!

作品情報

作品名
聖なる捕喰
著者
宮緒葵 
イラスト
亜樹良のりかず 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
ISBN
9784344846166
3.6

(52)

(19)

萌々

(10)

(13)

中立

(4)

趣味じゃない

(6)

レビュー数
8
得点
178
評価数
52
平均
3.6 / 5
神率
36.5%

レビュー投稿数8

共依存の吹っ切れ方がすごい


兄弟もので、兄を神聖視する弟が受け。

今回のお話は攻めの方が美しい容姿で「聖母」と称されています。
ちょっと気になったのは、イラストの攻めの唇が真っ赤で弟は色付きリップグロスタイプ。

初っ端から、攻め→←←←←受けで美しく穏やかな兄に依存する弟。
…のように見えますが、宮緒葵先生のご本を読んでいる方なら隠された真実が分かるはず…。

そして平和だった日常が、自分たちに義兄弟がいることが発覚してから段々と受けが病んでいきます。
お兄ちゃんと呼ばれていいのは自分だけだ!と、受けがヤンデレ感…。
それを受け入れる優しい兄の姿…に、私はゾクゾクしました。

また、後半では受けが赤ちゃん返りします。
攻めが、よちよちと甘やかす姿は最高でした。

その後は言葉通りに二人のだけの世界。
エスカレートしていく受けのヤンデレ感と名だたるデザイナーを雄豚扱いで鞭を振るい出して笑う姿にはさすがに戸惑い、少し笑ってしました。
兄弟仲良く女王様。

この後半の展開で好き嫌いが分かれそうだなぁと思いました。

あとすみません…ワガママを言うと「渇仰」「愛犬志願」「泥舟」が好きな私は、逆の方が読みたかった…っ。
むしろ、今までの宮緒葵先生ならそっちの方が多かったような気が…。

最近の作品の傾向でしょうか。
私が個人的に傾向が近いと思ったのは「華は褥に咲き狂う」です。

ただ、ここまで吹っ切れて書ける方は少ないので、ただただ有り難いです。

1

聖母と赤ちゃん。ちょっとやり過ぎ感

宮緒さんらしいお話でした。
みんながどんどん狂ってく!

半分まではゾクゾクして読みましたが、後半は宝が思考停止というか赤ちゃんになっちゃって…。

聖母と王子。
美鶴がマイルールを宝に従わせるのも宮緒さんらしいですね。
もう宝は美鶴の言いなりで、近寄ってくる人はみんな美鶴狙いで、僕が守るんだ!って。

違うの、本当は君を狙ってるんだよ!
柾鷹まで狂っちゃって。しかも玩具にされちゃって。

みんな狂ってるよ。一人ぐらいまともな人が冷静に状況を見つめてくれててもいいのに。

宝は美鶴の赤ちゃんだからって、もう20歳だろ君!
とツッコミたかったけれど…。

ゾクゾクからちょっとやり過ぎ?行き過ぎな感じでこの評価で。

聖母すら振り回す宝。

0

強烈だった

申し訳なかったですが萌えきれなかったです。

宮緒さんの攻めは好きなんですけど、今回は途中で「いったい何を読まされているんだろう?」って疑問に思ってしまいました。

宝をストーキングしていた柾鷹が、実は異父兄弟だった所までは面白かったです。柾鷹が固執していたのは宝なのに美鶴だと誤解して、宝が嫉妬するのもお約束だと思って楽しめました。

でもですね聖なる堕落で新たなる雄豚が登場して来て、宝が躾ける描写が要らなかったような気がします。これから躾ける度に美鶴と宝の行為を見せ付けるのでしょうか?

実の兄弟物で楽しみにしていたんですが、美鶴が僕の子どもって連呼しているのと、赤ちゃんプレイに馴染めませんでした。ww

2

う〰️っ、もうひと萌えしたかった。

宮緒さんの攻め様は、どうしてこうも私の性癖ぐっさりくるのかと思うほど大好き。この作品でも期待を裏切ることなく恐ろしいまでの執着心でギラギラで輝いてます。

今回の受けくんはガチの弟。可愛くて、可愛くてしかたない弟くんのために、用意周到に練られた愛の蟻地獄へのシナリオは、長い時間をかけひたひたと実行され、その時までじっくり熟成されていきます。

相変わらず(笑)愛する対象以外はほぼ物同然で、役に立つか、立たないかだけが価値基準というスタンスの攻め様ですが、今回は兄弟愛という枠を飛び越えて、母性という厄介で面倒くさいものまで加わっているので、いつも以上に周囲までも巻き込んで愛情をガンガンとアピールしてきます。

一方の弟くんは、そこそこ悪知恵も働くし、女の子を食い散らかすようなところはあるものの、自分を育てるために自らを犠牲にしてくれた兄のために頑張ってモデルの仕事にも励んでいる大学生。一般的な20才の男子くらいにはしっかり成長していたにも関わらず、兄の仕掛けた罠にじわじわと嵌まっていきます。う〰️っ、きたきた。

そんな弟くんの悩みは『聖母』と賞され一流モデルとして君臨した美しく優しい慈愛に満ちた兄に劣情を抱いてしまうこと。劣情を知られるわけにはいかないとひた隠しにしているつもりでいるのですが、それこそが兄のシナリオ通り。

さらにそこに突如現れた異父弟の存在をうまく利用され、独占欲をこのうえもなく掻き立てられて、とうとう悪魔と契約を交わすかのように兄の甘い罠に堕ちてしまいます。

でもここまでだったら、まぁ想定内なんですけど、この後から繰り広げられる赤ちゃんプレイに好き嫌いが分かれると思います。

『赤ちゃんだから』という言葉で思考停止してしまったり、当然のようにおねだりするところが、私としては厚かましく見えるというかちょっと興ざめ。せっかくなら「恥ずかしいけど、おにいちゃんが望んでいるから…」と羞恥心とのせめぎあいを見せたあと、結局、与えられる快感にぐずぐずにされてからのおねだりだったら、めちゃくちゃ萌えが滾ったのになぁ〰️。多少の抵抗は見せてくれたものの、もうちょっと頑張ってほしかった。う〰️ん、残念。

そしてぜひスピンオフで見たいのが、平凡そうな見た目に隠してはいるものの、かなりどす黒いもの持ってそうで、実は中身だけでなく見た目も高スペックな佑真と、異父弟くん。どんな展開になるんだろう、すごい読みたい!普段、飄々とした男が執着心剥き出しで1人を雁字がらめにするとか…滾る〰️。

2

全てはただ1人のために

今回は聖母と称えられた元カリスマモデルの実兄と
年の離れた兄に憧れてモデルとなる大学生の実弟のお話です。

父親違いの弟の登場により攻様の望みが成就するまでの本編と
兄弟を狙うアメリカ人実業家が仕掛けた策略の顛末を収録。

受様の母は受様が2才になってすぐ、書置き1通だけを残して浮気相手と
駆け落ちし、失意のどん底に落ちた父は酒に逃げた挙句、急性アルコー
ル中毒で亡くなってしまいます。

残された受様は年の離れた兄と共に祖父母に引き取られますが、2人は
会社経営に忙しく、実際に受様を育てたのは兄でした。そしてこの実兄
こそが今回の攻様になります♪

攻様は受様の食事を作り食べさせ、着替えさせ、風呂に入れ、遊んでや
り、寝かしつけて日々を過ごします。受様にとって攻様は兄であると同
時に父であり、母でもありました。

そして攻様も受様を傍から離さず、養っていけるようになるためにと、
祖父母に引き取られて間もなく、親族の経営するモデル事務所に所属し
モデルとして活動し始めます。

攻様の美貌はずば抜けており数多の仕事をこなしていましたが、18才の
時に新進気鋭のフランス人デザイナーに専属モデルに抜擢された事から
更なる躍進を遂げ、攻様は「聖母」の二つ名を持つカリスマモデルとし
て世界の5大コレクションをも制するモデルの絶頂に上り詰めるのです。

20代後半で惜しまれつつ引退してからは自らのモデル事務所を立ち上げ、
モデル時代の人脈を活用し、小規模ながらも有名モデルを多数抱えた
事務所は好調な経営を続けています。

そして受様も高校に入学したばかりの頃に攻様の事務所のモデルとなり
ます。攻様とはまた違った趣の美少年に成長した受様に目を付けたクラ
イアントの申込が殺到し、兄が対処に苦慮していると知った事から、兄
と同じモデルになる事を決意したのです。

受様を育てるために高校にも行かずに働き続けた攻様への恩返しをする
のは今しかないと攻様を説得してデビューして4年が経ちます。最初は
「聖母の弟」としてしか見てくれなかった周囲もだんだんと受様自身を
認めてくれるようになり、20才になった今、受様は事務所でも有数の
モデルの1人となります。

受様は中学で年上のモデル相手に童貞を捨てて以来、何人もの女性と関
係を持ちますが、どうしても気品に満ちた美貌と慈愛溢れる微笑みを持
つ攻様と比べてしまい、誰とも長続きしません。

T大法学部を首席で卒業して弁護士資格も有しながらも、攻様の顔が好き
だからと攻様の片腕としてモデル事務所に転職した攻様の友人にも、呆
れられていますが、最近の受様はスキンシップの激しい攻様に抱き締め
られた温もりや匂いを思い出すだけで身の内に欲望の熱を感じるように
なっていて適当に発散しないではいられなかったからなのです。

そんなある日、受様は大学の構内で自分に向けられる視線を感じます。
それは普段注がれる好奇的のもとは明らかに違う欲望とは無縁な、純粋
差を感じさせて受様をひどく落ち着かない気分にさせるものでした。

友人の協力で捕まえた視線の主は盗撮した受様の写真を突きつけ「受様
を撮りたい」と懇願してきて!?

雑誌掲載作であるタイトル作に続編を書き下ろしてのノベライズで、
実弟である受様のみに執着する攻様が受様を手に入れ、自分達の世界に
踏み込むものを悉く排除か、平伏させて取り込んでいくかなりダークな
物語です。

受様を盗撮していた青年が名乗ったのは受様達兄弟と同じ苗字で、受様
は得体のしれない不安を感じていました。そしてその騒動から1週間後、
受様の母の死を知り、その通夜の場で大学での盗撮者が自分達の異父弟
で従弟だと知る事になります。そしてこの異父弟の存在が、受様と攻様
の関係を変えていく引き金になるのです。

受様は自分の攻様への感情が美しい兄を汚す事になるとぐるぐるするの
攻様は受様が生まれた時から自分のモノにしようと受様が攻様だけを慕う
ように意図的に行動していて、受様に執心する異父弟を上手く利用して、
受様のもつ兄に対する「聖母」のイメージを覆すことなく心も身体も手に
入れるのです。

宮緒先生の攻様に共通する執着と粘着質なまでの独占欲が非常によく出
たお話でした。

ガチ兄弟モノの兄×弟って、どちらかの執着が凄すぎて絡めとられてい
くお話が多くてあまり好みじゃないのですが、攻様の言動は全て受様を
手に入れるための布石でしかなく、攻様の狂気にゾッとさせられつつも
そうなるべく仕組んだ攻様の思惑を超えるほどに受様の兄への思い込み
の激しさが凄すぎて、もうガチだから良かったのかも!? とさえ思わされ
ました (>_<)

私的には亜紀良先生がイラストを担当された事もビジュアル的な萌ポ
イントが高くて抵抗感が低かったのもあります。でもやっぱり根本的に
近親相姦、SM系に耐性がない方はご注意必須かと思います。

攻様の片腕である友人と彼に、攻様に似ているという事からロックオン
されてしまった異父弟のその後がとても気になります。

3

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