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灼熱の若王と秘されたオメガ騎士

shakunetsu no wakaou to hisareta omega kishi

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表題作灼熱の若王と秘されたオメガ騎士

アスラン・パーディシャー・アルバール,20歳,アルバール王国の若き王・(α)
セナ・シーパ,23歳,王属騎士団の騎士・(Ω)

同時収録作品灼熱の若王と秘されたオメガ騎士

ヤウズ,セナの同室者で素行の悪い落第騎士
セナ・シーパ,18歳,今年騎士団に入団した平民出身の騎士

その他の収録作品

  • 王妃セナのある日
  • あとがき

あらすじ

砂漠の王国アルバール。血の滲むような努力を重ね王属騎士団の一員となったセナはある日、
若き王アスランにその美貌と剣の腕を認められ近衛騎士に抜擢される。
セナが気に入り常に傍に置こうとするアスラン王だが…セナにはある重大な秘密があった――
それはオメガであること。そして入団直後、同室の落第騎士に強姦されて番にされたうえ身ごもり、
極秘で産んだ四歳の娘がいること。アスランの寵愛が深まるにつれセナの焦燥は募り…。

作品情報

作品名
灼熱の若王と秘されたオメガ騎士
著者
桜部さく 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
ISBN
9784815532345
3.4

(42)

(12)

萌々

(12)

(7)

中立

(4)

趣味じゃない

(7)

レビュー数
9
得点
133
評価数
42
平均
3.4 / 5
神率
28.6%

レビュー投稿数9

アラビアンな王国シンデレラ物語

初読み作家。兼守美行先制の表紙と挿絵が綺麗で魅力的。表紙は美貌の騎士、セナ。
アマゾンkindleで読んで、その後電子版をホントでも購入。
セナの真面目な生き方に感動してしまった。凄く面白い。

沙漠の王国の若い王と、平民出身の孤児で実は子持ちΩ騎士の物語。
続編が、「熱誠の若王と愛されるオメガ騎士」

自分のバースを知らなかったセナが、王族騎士に入団後、突然発情。
発情中に同室の落第騎士のαに犯され、嫌がらせに項まで噛まれる。噛んだαはその後失踪。
上司の計らいで、誰にも知られず女子を出産をしたセナは、孤児として子を預け、Ωであることを隠して騎士として勤め、借金を返済する。

城内の騎士のトーナメント戦で優勝したセナは、近衛騎士に取り立てられ、若王のお気に入りとなる。

・・と、Ω+平民+孤児+番相手が失踪+子持ち+同僚の嫉妬、と苦労するマイナス要素を複数背負う美貌のセナが、一生懸命努力する。早く娘と一緒に暮らしたいから。
この物語は、海外BLのM/Mのように、ファンタジーだけどマイノリティの社会的立場に視点を持って書かれている。

冒頭、次々起きる運命のマイナス要素に翻弄されるセナが、どうなるのかハラハラしましたが、後半一気に収束。
アッサリ解決は、一巻完結だから仕方ない。
惹きこまれる展開で疲れない。文章も綺麗でストレスない。
とても面白かった。

★お礼ssがプライベッターに有りました。
https://privatter.net/u/Saku_sakurabe

1

♡アランビアンナイト♡オメガバースキターッ♡♡

アラビアンナイトにオメガバースってもぉもぉ、どストライクてんこ盛り!。

オメガバースも好きだけど、スパダリも大好き♡♡な美魔女サマ達にも、「こんなスパダリ今までに居たか?!」と言いたくなるくらいの『スパダリ』です!

『攻め』王様よ!王様!!それも美しくてカッコよくてまだ二十歳なのに、「神から選ばれた!」と豪語する程に、素晴らしい手腕の持ち主。しかも『受け』にぞっこん♡♡。『受け』の苦しみを我が事の様に想いやれるのよぉぉぉ。
『受け』孤児で育ったが、並大抵ではない努力努力で、王属騎士を目指し、さらにその上の一等騎士にまでになった。そして遂には王様の近衛騎士にも!。勿論美しいのはお墨付き。

あらすじにもある通り、いきなりオメガのヒートが来て無理やり項を噛まれ、子供まで出来てしまった。
これはね、ホンの数ページ。
ここから『受け』の人生が始まります。

美しい挿絵にこれまたカッケーくて美しい王様。もぉ目が♡♡です。
『攻め』である王様は一目で『受け』に恋に堕ちてしまったのね、うふ♡♡
当然「(男の1騎士を何故そこまで気にするのか??)」サッパリ判らず、そして「(まさか私が男に惚れるなど…)」と悩んでたのね、可愛いよ、王様。

ここでの大きなキーワードは『番』と『番の解消』。
オメガバースは百花繚乱。
どんどん色んな見解が出てきて、オメガバース好きにはたまらなーい(´,,•﹃ •,,`) 

今回の『番解消』もなるほど成程と膝を打ちました!
命をかけて番を解消する!
これも『攻め』の強い思いと、それ以上に『受け』の今まで歩んで来た道のりの強さがあるんですよね。その強さが無ければ生きていられなかった!
そして何より本当の『番』である攻めの王様!ここもツボるわぁ~~~。
幾ら『受け』が他に番を結んでいようが、一目で恋に落ち、また『受け』の匂いを王様だけが感じる!
くぅぅぅっ、これが萌えずにおられますかっ!!!

ラストは『受け』が后になります。
女性っぽくなると、BLじゃない!それならフツーの恋愛小説やないか!
と仰られるお姉さま方もいらっしゃいますが、この『受け』は如何に騎士になるのに頑張って来たか!その矜持も良く良く分かってるし、やはり王様の正当な『后』になるなら、それは仕方ないよね、と納得出来ます。又この王様、半端やない位に(嫉妬深い??)誰にも『受け』を見せたくないし、またこの国では『受け』=女性は、夫以外には目以外一切見せる事無く衣装で身を隠さないといけない、と言うお国柄だからねー。
また望まない番で出来た我が娘を唯一の家族と、その娘の為に必死で生きる『受け』の姿にも胸に迫るものがあります。

兎に角、今まで誰にも頼れずに必死で生きてきた『受け』に、愛に溢れて幸せに幸せになって欲しい!
それが全て叶えられ、こんなハッピーエンド、こちらまでサイコーに幸せです。
さく先生、本当にありがとうございます。
そして美しい二人を描いてくださった美行先生、ありがとうございます。

4

オメガは強くて清らかな騎士

不憫なオメガが王子様なアルファに見初められて溺愛され幸せになるストーリーが好きです。
萌えました。

運命の相手に出会えたと思ったら既につがいがいて子供もいる?というところからの出会いで一体どうなってしまうのでしょうか、ちゃんと幸せになれるのかハラハラな幕開けでした。

騎士のセナが強くてかっこいいんです。
秘密を抱えながらも、味方になってくれる上司にも恵まれ騎士として勤める中で出会った王子様。
グイグイ急接近してくる王子に対して好意を持ちつつ身分違いと境遇に気持ちをセーブしてしまうセナ。切ないです。

けどスパダリな攻め様は諦めません。
ちゃんと影で見守りつつあれこれ整えて迎えにくるところがさすがです、と思わず拍手を贈りたくなりました。

2

攻め受けどちらも好感度大

はーーー!なんて出来た年下攻めなんだろうか。
攻めであるアスランの懐の深さと、いわゆるスパダリっぷり、そして何よりとても紳士的で一途に受けのセナを想う非常に良い男。
気性も穏やかで、こんなにも嫌味がなく文句のひとつすらも言いようがない攻めは久しぶりに読んだ気がします。

うーん、とってもロマンチックなお話でした。
王道のシンデレラストーリーといった感じでしょうか。
オメガバースもので、オメガの立場が低い設定ではありますが、主人公であるセナの性格とアスランの確かな包容力とテンポの良い展開からか、あまりストレスも感じずに読めました。
兼守先生のイラストが美麗。世界観にぴったり。

舞台は架空の大国・アルバール国。
異国情緒溢れるアラビアンな雰囲気が漂います。
恵まれない環境で育ち、平民出身ながら血の滲むような努力をして近衛騎士の立場にまで登り詰めたセナには秘密がある。
それは、ベータとして騎士団に入団してすぐにオメガとして発情し、寮の同室のアルファから強姦され、番の契約まで結ばれてしまったこと。
番った相手は失踪し、残されたのは妊娠した体と、自身がオメガであるという現実のみ。
やがて子を産み、オメガであることをどうにか隠しながら騎士として職務に勤めています。
ある日、セナの美しさと剣術に惚れ込んだ若き国王・アスランから近衛騎士に抜擢され、共に過ごす内に互いへの想いが深まっていき…

と、初っ端から重たく不憫なエピソードが続き、一体どうなるんだと思ってしまうのですが、セナという人がとにかく懸命に日々を生きているからか、悲壮感はあまり感じられません。
心の強さと言いますか、家族思いで、次々と襲い掛かる困難の数々にもしっかりと自分自身で立ち向かう姿には力強いものがあります。
設定からすれば、不憫で健気で弱々しい感じになりがちだと思うんですよ。
けれどセナは違う。大切な人を守るためならと、とても強いのです。
近衛騎士に選ばれるまでの人生もですが、アスランに見初められてからも王宮内で立場や身分の違いからやっかまれ、孤立してしまったり嫌がらせを受けたり、娘を盾にされ離れたりと…まあ波乱万丈なのです。
それでも、現実を冷静に受け止めながら、その時に出来得ることを必死にやり遂げる力がある。
運命云々よりも先に、セナから滲み出るこの心の高潔さにアスランは惚れてしまったんじゃないだろうか。

そしてお相手となるアスラン。
もう、安心感がすごい。真摯で紳士。
王としての威厳はきちんと持っているのに、傲慢さなんてものは0。
セナの過去すらもすっぽりと包み込んで、絶対にこの人はセナの辛い事もミラの事も一生愛情深く守り抜くんだろうなとしか思えない。
すれ違いもありますが、アスランなら何の心配もないだろうとどっしりと構えたまま安心して読める。
なんなら、セナは早く帰っておいでとすら思えてしまう。
本当に20歳なのか?と感じるほどの包容力大の寵愛っぷりでした。
ちょっとね、この年下攻めは良いですよ。
溺愛包容力大攻めがお好きな方にはハマると思う。

番有り+子持ちということで、どんな展開に持っていくのだろうか?と思いながら読み進めると、これがまたなんともすっきりさっぱりとしたもので。
悪役は決して野放しにはされず、辛酸を嘗めていた主人公がしっかりと幸せを掴む。
子供のあれこれについては、ちょっと都合が良すぎるかな?と思える部分があったり、お話の流れ的には王道ではありますが、番の破棄方法にオリジナリティもあり、個人的には良い展開とまとめ方だと感じました。
読み終えてじわじわと幸せが広がる作品。

2

騎士の受様の活躍シーンが少ないかな

今回は若きアルバール国王と平民出身の騎士のお話です。

孤児院出で平民の受様が王である攻様の番となって家族と幸せになるまで
の本編と、王子を授かってから3年後の後日談を収録。

三方を砂漠に囲まれ、海上貿易と砂漠の向こう側への中継貿易の要所であ
るアルバール王国には王族騎士団基地があります。王属騎士団は厳しい
訓練と優秀な成績を修めた者だけが入団を許されます。

今年入団した5人の内の1人である受様は寺院付属の孤児院で育った平民出
身という異例の存在でした。小柄で痩身で淡い褐色の肌に中性的な容貌の
受様は血のにじむような努力の末に首席で訓練所を卒業したのです。

入団から3ケ月、騎士団の任務と寮生活に慣れてきた受様の身に劇的な変
化が訪れます。突然体温があがり、動悸と火照りに呼吸が乱れ、もがき苦
しんでいるうちになぜか下着が濡れるのを感じたのです。

自身の体の変化から受様は自分がオメガ性だと知る事となります。アルバ
ールでは身内にオメガが居れば、世間に隠すか奴隷として売ってしまうの
が暗黙の掟となっているほど下位の者として扱われていたのです。

自分が王族騎士団どころか、憲兵や一般兵にさえなれないオメガ性だった
事は絶望でしかないのに、そんな状態を同室で賭博や借金を抱えていると
まで噂される落第騎士に見つかってしまいます。

彼は日頃から優秀な受様を目の敵にして口汚く罵っていたアルファで、受
様は彼の劣情の対象として犯された上にうなじを噛まれ、彼の番にされて
しまいました。その後、件の騎士は騎士団を失踪、受様は望まぬ妊娠を知
る事となります。

それから5年受様は先日一等騎士となります。ある日、国王の訪問があり、
受様は整列した騎士団の最前列で自国の若き王を初めて間近に見る機会を
得ます。この国王こそが今回の攻様ですね♪

攻様は国王としてアルファとして自信と誇りにあふれ、優がに馬を操って
近衛騎士とともに現れます。騎士全員の顔を確かめるように左端から馬を
歩かせ、右端にいる受様の前で歩みを止め、興味深そうな表情で受様に歩
み寄ります。

受様に初めて見る顔だと名を訪ね、「剣術試合での活躍を期待している」
と声を掛けられた上に笑みを浮かべながら「王宮で会おう」と受様のむき
出しの肩に触れてきたのです。

アルバールでは国王は神に選ばれた存在とされ、国王が一騎士、しかも平
民に触れるのは異例な事です。突然の栄誉に受様は呆然としてしまいます
が、攻様もそんな受様に笑顔を向けて去っていきます。

その剣術試合は伝統的な行事で、貴族たちは出場する騎士に金貨を賭けて
楽しみ、優勝者には金貨10枚の褒章があります。受様はその試合で優勝し、
受様に独り賭けていた攻様はそれを受様に褒美と与えた上に、「近衛騎士
となれ」という異例の命を下すのです。

常に国王の傍に居る近衛騎士は貴族出身者しか選ばれた事がなく、受様は
指名の喜びよりも不安を覚えてしまいます。

果たして受様を気に入ったらしい攻様の真意とは!?
そして受様はオメガ性を隠したまま近衛騎士の務めを果たせるのか!?

念願の騎士となった受様がオメガ性に翻弄されつつも、自国の王である
攻様に求められて運命を変えていくアラビアンオメガバースです♪

沢山の方がオメガバースを書かれるようになった昨今、最初の頃のように
基本設定はがっちり固定で展開するというよりも、基本設定にとこまで
独自のアレンジを効かせるが作者の腕の見せ所となってきているように思
います。

本作は自分のオメガ性を知らずに騎士を目指した受様が騎士団に入団早々、
悲劇に見舞われます。望まぬ妊娠から家族を得、彼女と暮らすために戻っ
た騎士団で、王である攻様に見初められた事から運命が大きく変わってい
く展開にワクワク&ドキドキで読み進めました (*^-^*)

オメガ性の発露と同時に同僚騎士によって身籠った受様は騎士団長の協力
を得て出産後は騎士団に戻り、娘を孤児院に預けて騎士団の一翼を担い続
けます。

そして努力の末に一等騎士となり、午前試合では近衛騎士にと望まれるの
です。攻様は受様を傍近くに置く事によって更に受様を好ましく思い、
受様に求愛するのですが、己がオメガ性である事もましてや子がある事も
受様には言えるはずもなく、攻様を拒む事しかできません。

しかし結局は受様が発情期を迎えた事により、受様の秘密は発覚します。
それによって攻様は受様が"運命の番"であると訴え、受様の番契約を解く
方法を見つけると言うのですよ♪

攻様は王様なので己が法!! ではありますが、ここまで潔い攻様はなかなか
見られないかな。年下なのに揺るぎないスパダリさんです。

受様もそんな攻様に応えるべくいろいろと頑張るのですが、攻様の相手と
して平民の受様は相応しくないと思う側近もいて、受様の努力だけではな
かなか全ては上手く行きません。攻様が受様を番として伴侶として手に入
れるまで楽しく読ませて頂きました。

但、デビュー作でも思いましたが、伏線は綺麗に張られているのに収拾が
丁寧でないために後半は作者の目指す方向へとあっけなく好転しすぎなシ
ーン(例えば受様を阻害していた人達の改心)が目についたのが、ちょっと
残念でした。

次作に期待です (^-^)

0

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