電子限定おまけ付き
この場所だけの、2週間だけの初恋 不器用お坊ちゃん×いじらしヤンキー
①2ウィーク・サマー・シークレット 萌2
わかりみがすごい・・・_(:3 」∠)_
自分が留学してたときのことを思い出して、『環境が変われば自分も変われるんじゃないか』と思うけど、実際はそんなに簡単ではなくて、でも『だれか』を媒介にして新しい自分を知ることができる。大学生時代の一夏のエモい体験を思い出してきゅーーーっとしました。彼らの夏はたしかにその後につながっていて・・・幸せになってほしいなあ。
②コーヒーが冷めない距離の僕ら 萌
2年・・・!なっが!でもあそこで勇気出してくれてほんとよかった。短編だから仕方ないのでしょうけど攻くん(ですよね?)が手を伸ばせなかった理由は結構無理あるなぁと思ってしまいました。野暮ですね。
短期留学したアメリカで知り合った樹と文斗。
手違いでホームステイ先がダブルブッキングしてしまい、留学中は同じ部屋で過ごすことに。
2週間という限られた時間の中で、その関係も気持ちも少しずつ変化していくのをドキドキしながら見守っていました。
文斗の地元でのことは詳しく描かれていないけれど、地方で暮らす彼にとってゲイだということは生きづらいことのほうが多いのでしょう。
気持ちばかりが焦ってしまっていたけれど、樹がここぞという時に勇気を出して文斗を連れ出す場面はカッコ良かったです。
あえて気持ちを伝えることなく別れたのはちょっぴり切なかったけれど
サプライズな再会にはすごくキュンとしました。
文斗の気持ちがあまり見えない部分はありましたが、切なさと爽やかさのバランスが絶妙なお話だったなと感じました。
表題作の設定が上手いなと感心してます。私は自分のお金で1年留学してますが、短期の人達はなんとなく切迫した感じが合ったのを思い出しました。期間の違いも有りましたが、留学費用の出どころでもそれぞれの過ごし方は大きく違いました。そうした背景なんかが話の展開に上手に絡んでいます。留学先の設定は曖昧ですが、2人の2週間に焦点を当てているので特に気になりませんでした。
同時収録はよくある設定ですけど面白かったです。
風緒先生といえば大人の男の拗れた関係を描かれているイメージでしたが、こちらの作品は大学生(と高卒フリーター)のお話が2つでした。
表題作は2週間のアメリカ短期留学で図らずも同室で過ごす事になってしまった2人の物語。
攻めの樹目線のお話で、文斗は誰とでも打ち解けられる「普通」の人なんだと思っていたが、あるきっかけでそうじゃないと知る。
普通なんてどこにも無くて、みんなそれぞれが違うものを欲しがっている…という表現に思わず深く頷いてしまいました。
非日常の中での出来事、感情。それと日本に帰ってからの日常に文斗が現れる。
対比する環境下での共通する想いが描かれているところが、作者さんの今作の描きたかった事なのかなぁと感じました。勝手な憶測ですが。
同録の「コーヒーが冷めない距離の僕ら」も良かったです。
就活中の大学生の友人同士のお話で、雑魚寝でキスをしたら目が合った…という展開。
しかし相手の阿良木は何もなかったかの様な態度で、彼女も居るしで瀬野の片思いが切ない前編でした。
安良木が瀬野の言葉を待ってるだけのヘタレなのですが、トラウマによるものという設定でした。
でも最後に勇気を出して言えた言葉に拍手を送りたい。大切なモノは自分から掴みにいかないとね!
2つのお話のそれぞれの描き下ろしも、心がホンワカするようなお話でした。
二作品収録されています。
【2ウィーク・サマー・シークレット】
普段だったら接点もないような二人が、二週間の留学で同室となり……というお話。
人見知りしがちな樹は、同室の文斗が物怖じせず周囲と積極的に関わろうとする姿を羨ましく思うんです。
だけどその積極性に隠された真実が、切なくて。
文斗は実はゲイで、地元では息を潜めて暮らしている。
だからこそ「男と経験したい」という夢を叶えるために、海外までやってきたという……
やんちゃっぽく見える文斗が、そんな切なる願いを抱えているというところに、なんかキュン……。
そして内気な自分に悩んでいた樹自身の気づきと発奮。
「二週間」という期限付きなところが良かったです。
期間限定だからこそ、樹も「誰でもいいなら俺にして」と言えたと思うの。
今言わないでいつ言う?みたいな火事場のクソ力的勇気とでもいうのかな。
そして二週間が過ぎれば、それぞれの生活に戻っていくという切なさも味わえたし。
人生を振り返ったときに、間違いなくあの二週間が転機だった、と思えるような出会いが描かれていて、爽やかな読後感が良かったです。
【コーヒーが冷めない距離の僕ら】
友人の阿良木に片思いし続けている瀬野。
二年前、寝ている阿良木にこっそりキスをしかけたことを、阿良木も気づいているはずなのに無かったことにされている。
不毛な片思いに終止符を打つため、遠方に就職しようとしたところ……。
友達ですらなくなってしまうのを恐れてたんだろうなぁと。
去る者追わずに見えた阿良木のトラウマと、そんなトラウマを乗り越えた末に発した言葉が良かった。
さらっとしてるけど、好き。