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表題作マジシャン・マーダーズ

サム・ケネディ,FBI行動分析官のプロファイラー,46歳
ジェイソン・ウェスト,FBI美術捜査班,34歳

あらすじ

FBI行動分析官のプロファイラー、サム・ケネディとの
複雑な関係を続ける美術捜査班のジェイソンは、
研修のためサムのマンションに泊まっていた。
研修最後の夜、サムとの夕食のため買い出しに出たジェイソンは
駐車場で襲われ薬物を射たれる。何者かによる誘拐未遂。

犯人の目処がつかないまま、サムはジェイソンに
母親が暮らすワイオミングでの傷病休暇を提案する。
はじめて二人で過ごす長い休暇ーー
ところがその町で奇術関連コレクションの盗難と殺人が発生。
マジシャンの死体が持っていたタロットは連続殺人のサインなのかーー!?

翻訳:冬斗亜紀

作品情報

作品名
マジシャン・マーダーズ
著者
ジョシュ・ラニヨン 
イラスト
門野葉一 
翻訳
冬斗亜紀 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
モノクローム・ロマンス文庫
シリーズ
マーメイド・マーダーズ
発売日
電子発売日
ISBN
9784403560453
4.6

(63)

(48)

萌々

(10)

(4)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
292
評価数
63
平均
4.6 / 5
神率
76.2%

レビュー投稿数10

続きがもう読みたい

今回も映画というかアメリカの面白いドラマ風に脳内上映しながら読みました(誰か本当に映画化してくれー!)挿し絵もハリウッドっぽいもんね。表紙のジェイソン可愛いー。美術捜査班の美形FBI捜査官34歳です。

攻めのサム46歳はFBIのプロファイラー。映画によく出てくるシリアルキラーとかサイコパスのモンスター達を捜査する仕事なので、知力・体力必要な上に逮捕後も犯人に逆恨みされるという大変な立場。事件現場も悲惨なので精神的タフさも要求される。

今回は遠恋中の2人がバージニア州のサムの家で仲良く過ごしている所から始まりますが、ジェイソンがちょっと買い物に行った時何者かに誘拐未遂され怪我もします。サムはジェイソンに強制的に療養休暇を2週間取らせ自分もついでに休暇を取ってワイオミング州の田舎の自分の実家に2人で籠ります。

せっかく遠くまで来ても別口の事件に巻き込まれ、休暇中なのに大活躍で捜査してしまう2人。完全にワーカホリックです。ジェイソンは34歳ですが12歳年上のサムは完全にガキ扱いで守ってくれようとするんだけど自分の仕事に誇りを持った捜査官としても尊重してほしいってすごく悩むんですね。そこが恋愛物として面白かったなあ。サムはジェイソンが愛しくて可愛くてたまらないだけなんだけどね。見た目が渋すぎるせいかなかなか伝わらないんです。

事件を追うストーリーもめちゃ面白いけど、M/M小説の肝であるロマンス面もしっかり描かれてて、やはりラニヨンさんの小説好きだー!って思います。日本や他の国の読者から新作を楽しみにされてるってすごいな。

このマーダーズシリーズは新たな展開で第4作に続きますが来年夏に翻訳本をまた出してくれるらしい。ありがたや。その前の2月にもモノロマ文庫でラニヨンさんの新作が出るみたいで超嬉しい。挿し絵が草間さかえさんなのでもしかしたら大好きなフェア・シリーズと同じ世界観かも?ワクワクが止まらないなあ。

11

次巻も正座待機

前巻のアンビバレンツから一転、心のままにジェイソンを過保護するケネディに対して反発を覚えるジェイソン。私からみるとケネディ(にして)は出来得る限りジェイソンに配慮しているように思えるのですが…。ケネディはジェイソンが感じている予感についてどこまで気付いているんでしょうね。
母を守りたくて怒り狂う健気なケネディ少年のエピソードは胸が詰まった。そんな彼は今は正義の為に日々悪意に自身を晒している。
最終的にハッピーエンドだろうけど(ですよね???)それまでに一回破局しそうだしその時のケネディを思うと辛い。辛いけど苦悩する攻は大好物なので正座して待機しています。

6

アブラカタブラ!

アブラカタブラで達する作品を初めて読みました。コメディだよこんなの。"マジシャン"だからと気づいたのはこの1冊の中におまじないの言葉がいくつか出てきたからです。アブラ・ファッキン・カタブラ

「ウィンターキル」を読んでから読むことをオススメします。「クリスマスの航路」の主役もチラッと登場。
相変わらず面白くて神評価ですが、ジェイソンがホワイトボードを見た時の反応がどうもしっくりこず。読み進めて"サムが責任や罪悪感を覚えている"ことに思い至っていなかったので大変驚く。ジェイソンはサムの対人能力を散々叩いてますけど、貴方も大概では。

ジェイソンがこの本の間ずっとヒゲ生えてると思うとなんだかむず痒い気持ちになります。ひそかにずっと献身的なサムにもむず痒い。サム視点が気になるけど、ジェイソンほどお喋りじゃないから一人称の主役にはなり難いよね。

ラストが怖すぎて本当に心臓に悪い。本当に。最後で気分が悪くなった…いや演出としてはいいんですけどこの類のドッキリが苦手なもので。

令状が礼状になってるのは誤字?電子で読んでますが直して欲しい。

4

恋より仕事を選んできた男が恋に落ちた話

サム(46歳)×ジェイソン(34歳)のFBIの大人の男同士の遠距離恋愛シリーズ3作め。

各巻ごとに事件が起こり、それを解決する中で二人の関係を描くシリーズなのですが、事件関係はネタバレになるのでここでは恋愛関係について。

本作の二人は、掌中の珠、愛しい雛鳥ジェイソンをあらゆる危険から遠ざけて守りたい庇護者サムVS自分の身を自分で守れる、一人前の男としてサムから認められたいジェイソン、
と言った感じでした。

主人公ジェイソンは物語開始早々満身創痍。
前作からどうやらストーカーに狙われているっぽい上、前作の事件も立件しきれず関係者と対立したまま。
その上で何者かに襲撃されあわや誘拐されかかり負傷したところから始まるのです。

かつての恋人を殺人によって失ったサムにしてみればこんな状況は決して見過ごせません。
FBIでもトップレベルの能力を誇り、経験豊富なサムからしてみれば、ジェイソンはまだまだ未熟で危なっかしくて仕方ありません。
だからお姫様を守る騎士のように、子供を守る親のように、サムはジェイソンをあらゆる危険から遠ざけ、完璧に守りきろうとします。

でも自分だってFBIの一員であり、誰よりサムにこそ自分の能力を認めて貰いたがっているジェイソンにとっては、そんな半人前扱いは我慢がならず、たびたび2人は衝突します。
(ジェイソンもおバカな子供ではないので、サムの庇護欲に一定の理解はしているところが大人の恋愛話だなあという感じではあるのですが。)

自分のやり方で守ってやらなければ、ジェイソンを失うかもしれない、だけど今の自分のやり方のままではジェイソンの心が遠ざかってしまうかもしれない。
…というわけで、今まで誰のいうことにも耳を貸さず、自分のやり方を貫き通してきた傲岸不遜なサムは、不器用ながら、なんとか歩み寄ろうとするのです。

四十代半ばと、自分のスタイルが完全に出来上がっていて、生き方を変えるのが難しい年ごろで、しかも元々自分を曲げない正確な上、自分のやり方で上々の成果をあげていた男ならそれは尚更です。

そんな男が10以上も年下の男に本気で惚れて、地味に右往左往している様に大変悶えました。

二人の関係についてまだ不安だらけのジェイソン視点で話が進むので、メロメロ具合がそこまであからさまに描写されているわけではないのですが、いやはや…という感じ。

というわけでサムのナイトぶりと不器用な伴侶ぶりを堪能した作品でした。

本作では、ストーカーも襲撃犯も捕まらないまま、ものすごいところで終わっているので、二人の今後含めて続きが待ち遠しいです。

11

頑張れジェイソン!

こわっ!
なんじゃ、このラストは!!
ドキドキが止まらないんですけど……

初っ端から、薬を打たれて拉致されそうになるジェイソン⁉︎
危機一髪のところで逃げ出すものの全身に怪我を負ってしまい、サムの実家で2週間の傷病休暇を過ごすことにーー…

ジェイソンが狙われた事で、仕事を後回しにして献身的に寄り添うサム。
あのワーカホリックのサムがですよ!
もうね、それだけで胸アツでした。

そして、サムの実家近くでマジシャン殺人事件が起こります。
それは、ジェイソンが捜査コンサルタントとして協力していたアートコレクション盗難事件と関連していて……と、いう展開。

トラブルメーカー的なジェイソンは、今回も殺人事件に巻き込まれていきます。
サムとは別行動が多いのですが、一緒に暮らすという流れにワクワク♡

ひっそりとジェイソンを狙った犯人を探すサムに、ジェイソンへの大きな愛を感じずにはいられませんでした。
黙って捜査している事でジェイソンとすれ違いそうになる場面もあるのですが、サムの素直な言葉がそれを救います。

前作では2人の関係に及び腰だったサムでしたが、もう腹を括ったんでしょうね。今度はジェイソンを守る方に全力を注ぐという感じで、そこに萌えました。
だんだん人間らしくなっていくサムが愛おしい。

マジシャンマーダーズは解決するものの、ジェイソンを襲った犯人は捕まらず。
続編に持ち越し案件かな……と思ったら、とんでもないラストが待ち受けていました!
犯人は、やっぱりドクター?
これを知ったら、サムは心配で堪らないだろうなあ。

2人が少しずつ関係を深めていく姿、サムからの「愛してる」の言葉にはキュンキュンしましたが、波乱の予感も──。
次回は大きく物語が動きそうな気がする。
少し怖いけど、楽しみに待ちたいと思います。

6

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