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ヒゲと鈴としゃぼん玉のスピンオフ作品ということで購入。
前作の鈴太郎と三太は、ちょっと変わり者だけど、穏やかで、ほんわか優しい日常がつづられていました。
今作の三太の元彼の清、とその彼の冬夜のお話。
清は、育ちがよくて頭がよくて、ちょっと武士みたいで、ちょっと極端。
冬夜は、シリーズのメイン4人の中で一番、常識人で自由な彼らのあれこれに困惑することもあるけれど、理解し、受け入れています。
この清にして、この冬夜、という感じ(うまい表現ができない)
いいコンビなんです。
清が、冬夜兄に向って
恋したのはトウヤくんが先だが、愛したのは俺が先だけどな
と言うところ、おかしくて、そしてかっこよかったです。
そこでウインクするのが、清、という感じ、さすがでした。
冬夜の上司にからの評価は残念な清ですが、職場の同僚たちからの評価はすごくて、オークションが開催されるくらい。
サイン入りブロマイドってなんなんだ…
楽しそうな会社で、一緒に働きたくなります。
わがまま、に対する2人の考えと行動、どちらも興味深く、どちらも素敵でした。
冬夜のわがまま作戦の幕切れはとってもかわいく、それに対する清のコメントがとってもかっこよかったです。
愛、愛してる、に関してすれ違う2人のエピソードは、こっけいで、かわいくて、ちょっとおかしくて、そしてとても考えさせられました。
深い・・・
ほんわか優しくてたのしい一冊でした。
前作ともども、続編が出て欲しいなあ。
もっとほんわか、ほのぼのしたいです。
久しぶりの再読。
ymzさん作品全部読んでますが、ymzさん史上、突き抜けてコミカルなお話だと思います。
ymzさん作品って、葉っぱが朝露に濡れてキラキラしたり、葉陰になって柔らかな陰影をもたらしたり……といったセンシティブなイメージがあったんだけど、こんなに笑える作品も描けるんだーって新たな魅力を再発見した一冊でもあります。
自分大好きの最強ポジティブナルシストなのに、恋愛のことになると途端にしおしお&弱々になってしまうキヨシ。
正直言ってかなりめんどくさいんだけど、でもやることなすこと笑えるんですよね。
嫌いじゃないぞ、キヨシ。
むしろ大好き。
かなりのうざキャラのはずなのに、憎めない愛すべきキャラ。
キヨシだったら
「君たち、この本を大いに楽しみたまえ!」とか言うんだろうなぁ。
もちろん片目つぶって星飛ばしポーズ付きで。
キヨシ語録が豊富で、
「俺という貴石が輝くための愛の研磨」とか、笑いが止まりません。
そんなキヨシに振り回されぎみなトウヤ。
「ヒゲと鈴としゃぼん玉」の時には、破天荒なキヨシ様に振り回されてる苦労人って感じだったけど、トウヤもしっかりキヨシのことが好きなんだーというのがわかって嬉しいし、あの男前な告白がしびれます。
脇キャラもナイス!
愛とは何か確かめ続けるキヨシ。
読んでいるとキヨシがトーヤを好きで好きでたまらないように見えるのですが。
俺様キヨシ様なキヨシは恋愛の機微がちょっとわかってない感じ?
与えて叶えて何でもしてあげるのに振られ続けてきて。
だけどトーヤとは上手くいってるのは…?
トーヤもキヨシ節にタジタジながらも、ハイハイって感じで。
なんか違和感があるけど、実はトーヤから告白してお付き合いが始まっていたと。
この人となら悲しいことおこらなさそう?もっと知りたい会いたいって。
愛とは何か?問い続けるお話なのかな?ほのぼのしてるけど掴みどころのないようなお話な気が。
最後はトーヤからプロポーズ?
めっちゃ前向きに受け止めるキヨシ。
キヨシ最強!トーヤに愛されてようやく愛するとは?愛し合うとは?わかったのかな?
「ヒゲと鈴とシャボン玉」はあとがきを読んで寂しい気持ちになってしまったんです。スピンオフのこの作品は特に"そう"だよ、とは書かれていないけれど、同じような意図があるのかな、と思う。ちょっと切ないけど、「ヒゲ〜」に比べたらキヨシさんが型破りに明るいので…たまにメソメソするけとね…寂しさは少なめ。
キヨシが大好きです。表紙の堂々たる様よ!自分もこういう人になりたい。されどまぁ周りは迷惑なこともあるんだろうな。そして元気をもらうことも多いんだろうな。
「ヒゲ〜」を読んで勝手にキヨシよりガタイいいイメージを持っていたトウヤは可愛い感じのとしし〜たの男の子で受けちゃんでした。キヨシのインパクトが強すぎるのが問題で。トウヤくんも探偵事務所で働いてるしキヨシに告白しちゃうし、なかなかな生き様っぷりの面白い人だと思うだけど。
とまぁこうやって人物に想いを馳せれるほど面白くてしっかり描かれた素敵な作品です。
あ〜ymz先生のこの空気感! 『ヒゲと鈴としゃぼん玉』が帰って来たような、カップリングは違うけれど、あのほのぼのと笑いとちょっぴり切ない感じが絶妙に混じり合った雰囲気にまた浸ることができて最高でした。マウントとりたがりキヨシのこともとても気になっていたので、こうしてメインで読めて嬉しいです。自信家で何に対しても迷いのない行動が眩しいのだけど、恋愛に関しては与えるばかりで隙がないからか、振られた経験ばかりなところが玉に瑕な男。
彼の場合無理しているわけでも何でもなくて、そうやって恋人に尽くすことも心から楽しんでいるので、なぜ振られるのか分からないという気持ちも分かるんです。でも、一時的な恋人としてならお姫様扱いされて何の不満もないだろうけれど、一生添い遂げたいと考えている相手の場合、もっと自分にも頼ったり甘えたりして欲しい、つまりお互い支え合っているという感覚が欲しいですよね。
キヨシの性格は唯一無二のもので素敵だし、彼の愛に疑いの余地はないけれど、彼の不安に対して自分は何も解決してあげることができない、彼から影響は受けても自分は彼に影響できないというのは悲しいもの。お互いに相手の「心を預かる」、その感覚を共有できて初めて恋人として未来が見えてくるのかもしれません。トウヤはキヨシに初めてそれを教えることができた人。彼のキヨシへの愛もまた、疑う余地が1ミリもなくて嬉しいです。攻めだけどどこか不安定なキヨシを、トウヤならしっかり支えながら愛してくれるだろうと思います。