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先が気になって、どんどんページをめくり、一気に読んでしまいました。
さすがの文章力。
ただ、お話は面白かったけど、この作品、私にはイマイチ刺さらず。
攻めのタスクも受けの基彬も、どちらも私の萌えキャラレーダーにヒットしなかったんですよね~。残念。
二人とも過酷な過去を背負っている点、かわいそう…とは、思ったのですが。
とくに、冒頭のタスクのオナ○ーショーは、私には滑稽で気味の悪い見世物としか思えなかった。
飛ばし読みしちゃいました。
そんな始まりだったから、まさか最後があんなにキレイな着地だとは…!
飛ばし読みした時点で諦めずに、最後まで読んで良かった。
銃撃戦の描写とか、権力の構造とか、ワクワクしながら、読みました。
風俗キャストxハイスペエリート官僚のシリアスもの。
物語は、エリート官僚・高瀬の離婚成立日から始まります。
駅のベンチで立ち上がれないほど憔悴する高瀬だが、向かいのホームにいた男に目を奪われ…
この男がデリバリー系の風俗キャストなんだけど。
ゲイ傾向を隠して生きていた高瀬が、この魅力的な謎の男・タスクに溺れいていくさまと並行して、高瀬の抱えている苦悩、仕事の困難さ、そしてかつての同僚との関係性が織り込まれていきます。
そこが…
読み応えはありつつ、でもバランスが悪いというか…
高瀬が幼くして亡くなった兄に人生を乗っ取られて生きてきた苦悩…本当の自分ではいられなかったという苦悩…その苦しみはさすがの筆致で迫ってきた。
またタスクはタスクで何か苦悩を秘めていて、自分を罰するように耽る性技の描写も迫力十分。
しかしながら、彼らをもとから取り巻いていた国を揺るがす陰謀(?)的な背景がちょっと突拍子もないというか。
構想が大きすぎた?
それはそれとして、私がこの作品ですごく良かったところは。
タスクの弱いメンタリティ?のような部分。
2人の結びつきは変則的な性で始まります。そこにははじめ「攻め」も「受け」もない。後に本当のセックスで結ばれた後もあまり攻め受けの印象は強まらない。そこがBL作品としてかなり稀有な気がしています。
タスクは酷いトラウマを抱えていて心にいつも罪と罰を内包している、だから高瀬に対して全く優位でなく逆にすがり合い許し合うような。
そこに哀しい意味での同等性があるように感じたのです。
著者のお名前だけは知っていましたが、作品を初めて読みました。
すごくすごく、感想に困っています。
主人公が経済産業省の官僚で、特殊な生い立ちからとても自己評価が低い人なのですが、タスクという男娼と出会い恋をしたことから、仕事に対する取り組み方も変化し、きちんと自分自身と向き合って自分を大切にするようになる、というお話。
この経済産業省のお仕事に関する記述や、主人公の中小企業支援に関する考え方、対するパラシフ派の考え方(外資至上主義)が興味深く楽しめましたし、終盤のアクションシーンもBLらしからぬ展開で目を瞠るものがありました。
そうなんですけど、あちらこちらで首を傾げる箇所がある。
たとえば序盤、主人公が宿泊しているホテルの部屋に帰ろうとしたときに、後ろから別の人の手(=タスクの手。この時はまだ面識のない人)がドアノブを握ってそのまま部屋に押し入れられる。
不審人物だし、犯罪のにおいがするし、その上主人公が彼に対して抱いた感情は殺し屋か押し込み強盗かというもの。長身で筋肉隆々だということもあって、読んでいるこちらもハードな印象を持つわけです。で、その後彼が主人公に名刺を渡して、デリヘルのキャストだと明かす。
で、それがオナニークラブだということで、いきなり主人公の眼前で扇情的に服を脱ぎ出すのです。
話を整理すると、主人公は彼を呼んでないし、一度見かけたことはあっても知らない人が、犯罪まがいに部屋に押し入ってきて勝手にストリップを始めるという、これが私にはコントにしか見えなくて。
オナニークラブっていうのも、ぷふっと吹き出してしまう文字面と印象だし、笑うところなのか、でも描写は至って真面目で文章も流麗で、どう読んだらいいのか本当に困りました。
こういう、解釈に困る不思議な場面(というかハードで端正な文章の特徴と合ってない)が何カ所もありまして。
最後まで首を傾げながら読んでいたのですが、あとがきに、「真顔でへんなことをするのがモットー」とあったので、すごく納得したものです。ストリップ攻めを書きたかったとも書いてあり、それも納得しました。
私は頭が硬いので、このアンバランスに最後まで慣れられず、咀嚼にも苦労しました。
しつこいようですが、文章は読みやすくストーリーも展開しますので、本当に好みの問題と思います。
攻めが攻めのまま攻められるのが大好きな自分としては神以上の神作品でした。
終盤の例のシーンは皆様も書かれている様に本当にすごいです。なので個人的に序盤のヤバさを書かせてください…!
まさか攻めが服を脱ぐ事に6ページ使うなんて…そんな作品他にないです(感涙)
風俗のキャストとしてプレイの一環で服を脱ぐんですが、受け同様読み手もじっくりたっぷり焦らされて、なんだか見てはいけないのに目が逸らせない様な、本能と理性をぐわんぐわんゆらされる重厚なエロを感じました。
エロっていうのも違う気がしてきます…なんだろう…芸術…!!
身も心もしっかり鍛えられたストイックな男がゆっっくり服を脱ぐの、ものすごく興奮しました!しかもスーツ…!ネクタイやベルトを片手で外す描写も大好きですが、カフスボタンを外す描写や、しっかり服を着てる受けに対して自分はどんどん脱いでいるのに、受けを挑発するように見つめる描写までしっかり書いてあって生々しくて最高です。
あと、受けに見つめられながら攻めがお尻に物を入れる描写もあるんですけど、そんな攻めが見られるなんて…本当にみていいの?変な脳内物質がじゃんじゃん出てしまうな、癖になるとやばいと思いながらページを捲る手が止まりませんでした!
攻めと受けの境界があいまいというか、でもリバじゃない、すごい…歴史に残りますねこの作品…!
なぜ攻めがそういうことをしているのか、辛い部分もありますが、その辛さが色気に繋がっているというか…自分を罰する手段が本当ストイックでエロいです。
あー…余韻で眠れない!
官僚と風俗キャストの話。
と言ってしまえばそれだけなんですが、良く組み立てられていました。
小難しい官僚の話は、苦手ならすっ飛ばしてもまぁ大丈夫です。イメージできればさらに深くハマれるかな。
元々同性志向のある主人公、基彬は完璧になることを求められ続け、そして自分もそうしてきた。あるキッカケ(妻の不倫による離婚)から、仕事で出世コースからはずれて異動、離婚という完璧を崩すことになったことで自分を保てなくなりつつあった。
そんな時に地下鉄のホームである男性に釘付けになり…それがオナクラのキャストで「タスク」と名乗る人物であった。そこから売り買いを通して基彬の本来の自分を確立していく。同時にタスクの方も基彬を特別に思っていることが伝わる。二人は普通に一緒に生活したいと思うようになり、風俗を辞める方向へ向かうが。。。
ここからは、色々あって(細かいネタは出てくるんですが、主題はこの後書いてるところなので、他は読んでもらうのが一番!)、やはり二人はお互いの事を思い合っているのが萌どころ。そしてそれを確かめるシーンで出てくるのが、沙野風結子さんも後書きに書かれていたメインの「双頭のアレ」です。確かに独りよがりでは相手が怪我をすることにもなろうし、はー、こう言う使い方(実際にじゃなくて物語への組み込み方)するのかぁと感心しました。
最後は、基彬は元の職場に異動したし、タスクも復帰して、、、と基本は平和な終わり方ですが、続編あるかもなぁって期待しちゃいます。あの隊長さんが今度は何かやらかしてくれたりしないかな?
最後まで一気読みしちゃったので神評価です。