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「ワールズエンドブルーバード」の2巻目。
1巻の表紙はレイ、2巻の表紙にはグアンのイラストが描かれていますが、この二人のイラストだけで何かが昇華していきそうな尊さに溢れています。
1巻のネタバレも含んでのレビューになります。ご注意ください。
グアンは、彼の素性のためにとある人物から常に命を狙われている。
そして、その策にハマり、レイはグアンをマフィアに引き渡してしまうが―。
というところで終わっていた1巻目。
2巻は、己の行動を悔い、グアン救出のために奮闘するシーンからスタートします。レイは、数少ないグアンの味方と共にグアンを探し始めるが…。
1巻からの伏線の回収が素晴らしいです。
ネタバレしすぎちゃうと面白さ半減なので詳細は書きませんが、読み進めるごとに少しずつピースがハマるように事項が繋がっていく様は圧巻。素晴らしいです。
レイ、そしてグアン。
彼らは彼らの生育環境や性格によって内に秘めた強いものはもともと持ち合わせていた青年でしたが、二人が出会い、お互いを知り、そして彼らの中にあったものが少しずつ形を成していった。まさに唯一無二の存在です。彼らはお互いに、「彼ら」でなければならなかった。過酷な過去も、両親も、お互いに出会うために必要な試練だったのだと。
愛し、愛され、何コレー!
めっちゃ萌える!
とか思いつつラストスパートとばかりに二人の甘々を堪能していたらですね、
えー!
という。
もう勘弁してください、星名先生。
最高過ぎます。
好き過ぎます。
これよ、これ。
切なさも、シリアスさも、笑いも、愛情も。そしてもちろん、エロも。
このバランスの秀逸さが星名あんじという作家の才能か。
今作品はレイ×グアンのお話ですが、彼らを取り巻く周囲の人たちも良い。
正義か悪か。
敵か味方か。
まさに表裏一体。
「彼女」の姿を通して、物事の見方の難しさも見えてくる。
そして、グアンの両親も。
彼らの描写は多くはありません。多くはないのに、それでいてお互いへの愛情がきちんと透けて見える。彼らの話も読んでみたい。ぜひともスピンオフを…!
1巻のレビューで書きましたが、2巻完結ではありません。
が、このジレジレさとか、はよ続きが読みたい!とか、そういうものもひっくるめて今作品の味かと思われます。単純なストーリーではなく二転三転するその奥深いストーリー展開に痺れます。
とはいえ、今から続きが読みたくて仕方がない。
正座して、全裸待機で、続編をお待ちしています。
こちらでは、お互いを運命の人と分かった途端に、義理の弟に囚われてしまったグアンを、レイが単身で助けに行くお話です。
しかし、そんなレイに、グアンの乳兄弟で秘書のセイラン、先代魔法使いの騎士を務めていたゼラ、2人の協力を得て、義弟の所に踏み込みます。
今回はグアンの失脚を狙う義弟イエンとの対決がメインの話になってきます。しかし、イエンや、彼の配下の吉祥、そして義理の母君も、敵対していても憎めないキャラクターになってます。イエンは精神的に病んでいてグアンへ歪んだ愛着があります。吉祥は見てるだけでも笑える悪役を演じてくれます。そして、なにより、イエンの母、麟鳳の君。これはネタバレ無しで読んで欲しいですが、本当にせつない話が後半で展開します。
グアンをずっと傍で支えている有能秘書セイラン。このセイランが秘書になるまでの生い立ちや設定にちょっと悲しい秘話があります。SF好きな私はこのセイランがお気に入りです。
そして先代当主に仕えていた元騎士ゼラ。自分が命を賭して仕えると誓った人が自分より先に亡くなってしまい、、人生の目的を見失ってひっそりと生きている所から、また生きがいを見つけてくれた所、そして彼の昔話。ゼラはとても魅力的なキャラクターで好きになる人多いと思います。
2巻はレイとグアンの心と体の絆が深まる部分も見どころですが、それだけでなく、敵も味方も興味深い設定が設けられていて、敵でも憎めないし、味方のキャラクターは全員好きになってしまう♡という、カオス状態になります。
BL要素は少ないかもしれませんが、お話は戦闘もあり、キャラが際立って魅力的でどんどん話に入り込んでしまい、とても楽しめるものになっています。そして、2巻で一旦一段落したお話ですが、まだこの世界の謎の部分が多く…グアンと彼の騎士になったレイ。2人の話はこれからが本番になる。という事で、次巻も楽しみです。
グアンをマフィアに売り渡したことを後悔し、自責しながらも自身の力で思い直し、助け出すために即時行動に移すレイの姿から始まる2巻。
レイの視点を通して見るパライソの光景から、彼らが「魔法」と呼ぶものの一端が何なのか、推察することができます。それでもまだ「魔法使い」については謎が多いため、魔法についての推察も正しいのかは判断できない。
冒頭からますます作品世界に引き込まれました。2巻目でも衰えることのない引力。
新たな登場人物ゼラと、1巻から登場しているセイランがグアン救出に協力してくれるわけですが、彼らの過去にもグアンや那家との浅からぬ因縁があるとは……。
那家が血を守るための近親婚が生み出す様々な問題。それが今回のグアン監禁にも関わっており、ゼラやセイランの因縁とも無関係ではない。
グアンの義弟イエンの狂気とマフィア吉祥のコンビは怖かったです。組み合わせちゃ駄目なやつ……!誰も止める人がいない……!
前魔法使いの元騎士ゼラとグアンの義母リンファの関係は切なかったです。「素直に告白していたら」という「もしも」を異なる相手に対して抱き続けてきた二人。でも、そうしなかった現実がある。
那家(魔法使い)後継者を巡る争いは、イエンが触れてはならない秘密を暴いてしまったために、一度にまとめて決着がつくことに。物事は一気に進むこともある。
しかし、決着がつくのと並行して、新たな問題(謎)が示されます。
何故、グアンは「愛してる」と言えないのか。
1巻でも軽く触れられていた点ですが、2巻では「愛」についてが更にクローズアップされることになります。
1巻のラストで「これが愛だ」と自覚したレイ同様、2巻ではグアンが「これが愛」と自身の中にある炎のような熱い感情を自覚する。レイはグアンに向けて、グアンはレイに向けて。
相思相愛という奇跡のような幸せな状況にあって、グアンに向けて紡がれたレイの「愛してる」という言葉。それに何も答えることができないグアン。
魔法使いの呪い(影)が警告のような脅しをする。「魔法使いはその愛を口にした瞬間死ぬ」
レイからの愛の言葉に答えられない状態に耐え続けられるかどうか、不安になるグアンの心情を考えると辛いです。
続くシーンで、ゼラとリンファの「もしも」が描かれるので、余計に。伝えられないこと、伝えなかったことによる結果に対する後悔と、夢見てしまう「もしも」という仮定。
伝えられないままだとしたら、グアンの未来もそうなってしまうのでは、と危惧してしまいます。
が、流石のレイです!
レイがグアンの男妾と揶揄された件をきっかけに、グアンが違うと言ってくれればそれだけでいい、誰の許しも必要ない、と、揺るがぬ信頼を示し、詩歌の遣り取りで愛を伝え合った。「愛してる」という言葉など無しに。
二人の教養や知識の豊富さがあればこそ、伝わる気持ち。だから、レイはグアンの騎士で、グアンはレイの王なのだと、お互いしかいないのだと、魂を分けた半身なのだと、改めて納得させられます。
多くの資料が失われ、文明が一度途絶えたような世界では、知識に触れることすら難しい。その中で、教養を身につけ、出会ったことは運命とも呼べる。出会うべくして出会ったのだと。
魔法使いの力(呪い)など、謎もまだまだあり、彼らの困難はこの先も続くと思いますが、お互いの光を失わずに進んでいってほしいです。呪いを解くため進み続けるグアンとレイから目が離せません。
「光」を意味する名前を持つ二人のこれからが少しでも光あるものになるよう、願っています。
これからも単話で追いかける予定です。
早く続きを読みたい・・と思うのは、
1-2巻続けて一気読みしたので、世界観を理解できたからかもしれない。
グアンにかけられた呪いは、「愛」を言葉で表すと破滅をするというもの。
誰がかけた呪いなのか、解呪できるのか
わからないまま、続く。
早く続きを読みたくなる、上手い構成だと思う。
1巻でグアンを引き渡してから
どうなったのかずっとハラハラしていました。
そこからの2巻です。
この作品BLなのですが、戦闘シーンもあって
うわぁ…すごい…!!!と素直に感じました。
うまい言い方ができないのですが、
ただのBL作品じゃないんですよね。
ファンタジーであり、戦いもあり…なんだろう。
語彙力がなさすぎてうまく言葉にできないです。
無事、レイのもとに帰ることができたグアン。
ハッピーエンドだぁ!と喜んだのもつかの間でした。
これから先この二人はどうなるんだろう。
ますます目が離せなくなりました。
早く3巻が読みたいです。