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個人的にゾクっときた…シンクロニシティ体験をしてしまった。
というのは、全くの偶然なんだけど、本作を読む数時間前に旧約聖書の神の為さる全ては不条理だという記事/文章を読んでたんです。
本作って正にそのことでしょ?
はじめは、大型バイクをかっ飛ばすソロモン王のハチャメチャなギャグテイスト。
そしてソロモンの子供時代とその時代背景、悪魔と神がせめぎ合う世界観。
ラストに向かっては、ソロモンとマルコシアスの永遠の関係性について。
正直、ただ単にソロモンとマルコシアスのBLと読むには、また悪魔を愉快な仲間たちとして読むには、途中が哲学的すぎると思うのです。
そこが正に「神の不条理」という部分。
私たちはなんとなくでも「因果応報」という考え方をしがちです。
原因があって結果がある、こうなったのには理由がある、と。
でもソロモンを愛する神、旧約聖書の神は理由など持たない。
『神は与え、奪う』
理由なく愛し、理由なく奪い、理由なく生かし、理由なく殺す。そういう理不尽な神です。
ソロモンを取り巻く神も悪魔も愛も哀しみも、〇〇のせい、〇〇だからは一切ない。
そういう乾き、みたいなものが漂ってると思う。
さて。そもそもなんで本作買ったか。
マルコシアス・ヴァンプっていうバンドの大ファンだったから!マルコシアスっていう単語にびっくりしたんよ。
この世界観と空気感はやはりSHOOWA先生にしか描けない唯一無二のものだなぁと、改めて思います。聖書の知識は微々たる量しか持ち合わせていませんが、そんな私でもライトに、かつ一部ではしっとりと物語を楽しむことができました。序盤では高度な悪魔召喚術を持つソロモンが喰えない男なのだなという印象を受けますが、後半から彼のマルコシアスへの並々ならぬ想いが描かれ、徐々に印象が変わっていきます。周りの誰も信用できない殺伐とした世界で、唯一彼の拠り所であったマルコシアス。時を超えて何度も繋がる2人の強い縁にこちらも壮大な旅をしているような気分になりました。
前半、フリーダムな先生ワールド全開で例のナンセンスギャグなのね〜と読んでいたんですが。
それはオープニングアクトというか、序章にすぎなかった。これはこれでおもしろいですが。
ソロモンの主人公っぷりと、マルコシアスの存在を匂わせながら後半に突入。
まず、ソロモンが子ども心にマルコシアスを守りたくて…というエピソードにやられました。
こういうのに弱い。
子どもの頃から一途に思い続けて、マルコシアスもそうで。純愛やん。
挙句、本当に時空を超えて、転生して結ばれるという。なんて壮大なお話。好き。
序盤の悪魔ノリノリナンセンスギャグから、こんなオチが待っているとは思いもよりませんでした。
まさにSHOOWA先生の幅の広さ。
自由にはちゃめちゃにやっているようで旧約聖書を元にしているとかズルいw
世界のバイブルを基盤に持ってきておいて、イケてる現代版のカルチャーでアレンジする。
なんて楽しいミックス。
SHOOWA先生ならではが詰まった1冊で圧倒されました。
話は戻りますが、マルコシアスが人間の体で転生してソロモンの末裔、魂と一緒にいたいというところがめっちゃ好きです。外はどうでもいい。げんかいピュア。
それまでも命をかけた純愛だったけど、お互い姿形は変わっても魂で結ばれるなんて、これこそ純愛、ロマンチック。こんな究極の落とし所ある?と参りました。
正直、私の理解力不足で話の筋がわからないところがいくつかあります。
でもいいんです。なんとなくそういうことかな〜とふんわり感じられるので。
笑いのツボもたくさんありましたが、特に
・マルコシアスハズカシィ
・↓マルの赤子
・セクシービーム
が好きです。
1点気になったのは最初めちゃくちゃイケめていたソロモンがだんだんかわいらしくなっていったとこ。
若い頃の回想だったからですかね。
SHOOWAさん特有のコメディーとおセンチがこの一冊で両方楽しめます。一ファンとして感謝感激です。
1話目がぶっちぎりのザ・SHOOWAコメディー作品という感じだったのでこのまま最後まで行くのかと思いきや、約10年のリアル時空超えを経て連載されたマルさんのお話がセンチメンタル寄りでしたので内心「キタキタキター!!!」と興奮しながらページを捲っておりました。
完全なファンタジーですが扱ってるテーマも面白いなと思いました。時空を超えて現代を知ったときのソロモンの心情を思うと、なんとも言えない虚しさのようなものも感じました。
序盤ではかなり自己肯定感高めというか陽キャ属性なソロモンさんだったので、後半(マルさんの話)とのギャップが…それはもう読み返せば読み返すほど…味わい深く…ギャップ大好き。
そして、先生…二人のスケベが…見たいです……。
便利屋稼業をしていた頃のお話ももっともっと読んでみたいです!
SHOOWAさんのギャグシーンあるある(だと思ってる)『主張激しめなデカイ擬音』に今回もいちいち笑ってしまいました。
私のお気に入りは「ダダン(!)ダン(!)ダダン(!)」です。
※実際には(!)の表記はありませんが幻覚で見えます
みなさん、これをぜんぶ理解して楽しんでるんでしょうか??え?神学者?神学者なの??SHOOWA先生ワールド全開でおもしろいんですけど、読み始めたときは『神だな!』と思ってたんですけど、個人的には聖書ネタがっつりなところがちょっと難しかったです・・・。
それと、あとがき?にも書いてあるとおり、ラブ要素(セクシー要素?)が少なめなのがちょっとかなしい。ソロモンとマルのもそうですが、どうしようもないベリアルちゃんの話も、もっともっと読みたかったな〜。
でもやっぱり素敵な本です。落ち着いて、もう一度読んでみます!