初恋をずっと忘れられないアッパーミドル×黒い噂のある羽振りのいい経営者 1929年――享楽的な街・ニューヨークで、男たちは刹那の快楽に溺れる。

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表題作こたえてマイ・ドリフター

エリオット・J・ウィリアムズ
自動車業界勤務
ロバート・フェレーロ
ドラッグストア経営者

あらすじ

――享楽的な街、ニューヨーク。
景気のいい自動車業界で働くエリオットは、知人の主催する新年パーティーで、
初恋の子に似た黒髪で黒い瞳のロバートに一目惚れをした。
その後高級ホテルで再会し、意味深なロバートの視線をきっかけに情熱的な一夜を過ごす。
――ロバートが長期滞在するホテルの一室で彼を抱くようになり数カ月。
ドラッグストア経営者だというロバートは、やたらと羽振りが良く非合法の仕事で荒稼ぎしているらしい。
それでもエリオットは、たとえ彼が裏で何をしていようと、
淡い恋の甘い疼きを味わいながら楽しめればそれで良かった。
しかし、世界を狂わす過酷な運命が二人を引き裂き――?

作品情報

作品名
こたえてマイ・ドリフター
著者
大島かもめ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
電子発売日
ISBN
9784796415996
4.4

(217)

(137)

萌々

(49)

(19)

中立

(10)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
37
得点
948
評価数
217
平均
4.4 / 5
神率
63.1%

レビュー投稿数37

No Title

まるで映画のような大作です。
貧困、暴力、人種差別等のヴァイオレンスの中に二人の永遠の愛の美しさが絶妙なバランスで描かれていて、一冊にこれだけの深い内容をまとめ上げる大島かもめ先生天才です。
読んだあとメンタルにも作用するので気軽に読むことはできませんが、絵もとても綺麗で文句無しの神作品でした。

0

予想外!

こんなお話だとは思ってなかった!!!
一言で言うと、“予想外”が多かったご本でした!
この表紙から想像していなかった仄暗いお話だし、最後にも驚いた。
大島先生の作品を遅ればせながら読ませていただいているのですが、すごく好きな作品と刺さらない作品があって、本作も途中まであまり刺さらなかったのでこれは合わないのかな…と思ったんですが、後半一気に面白かったです。

ロバートを助けられなかったと後悔していたエリオット、でも私がエリオットでも同じことをしただろうと思う。
助けたいのにあと一歩の勇気が足りなかったってことは大なり小なり案外多くの人が経験したことがあるんじゃないかな。
後悔を抱えつつも薄れていくというのもある意味人間らしいので、そういう人間らしい弱さのあるキャラクターなのかと思っていたら、違っていて。
次こそって、ずっとずっと後悔していたんだと思う。
心に誓っていたから、咄嗟にそうしてしまったんじゃないか。
ロバートといることで影の道を進んでいくこと、ついに一線を超えたエリオットの愛情、完全に足を踏み外してしまった結果に驚いたけど、2人で逃げる決意が不謹慎にも好みで。
ロバートはこんな境遇でさえなければそもそもこういう道にはいなかっただろう優しい人なので胸が痛くて。
裏社会のお話が好きな人は読んでみてほしいです。
この選択が幸せかは難しいけど、この選択をしたこの2人が私はとても好きです。

0

不憫受け。そして大島かもめ先生天才。

初恋をずっと忘れられないアッパーミドル×黒い噂のある羽振りのいい経営者
って帯にありますが、わざとこういう書き方したのかな?
不憫受けです!!!

すっごく良い、

攻め視点で物語は進んでいくため、
恋愛にたいして淡白な受けに、弄ばれる攻め、みたいに前半見えるのですが、

受けがめっちゃピュアなんです。
そして受け(リンチェ)は攻め(エリオット)を好きすぎてる。

受けの気持ちがわかった時、泣きました。何回か泣きました。

エリオットのことを絶対に否定しないリンチェ。
エリオットとの思い出だけを心の支えに生きてきたリンチェ。
幼い頃の思い出をエリオットに汚されて怒って出ていくけれど、追いかけられると、あっけなく戻るリンチェ。
リンチェがエリオットのことを好きすぎる。

エリオットもリンチェのことを大好きなラストに胸がしめつけられました。
大島かもめ先生天才。




1

文句なしの神作でした。こんなに眼福でえぇんかな

「受けの過去がキツイので苦手な人注意」みたいなレビューが多かったので尻込みしてましたが、「オフステージラブサイド」があまりにも良かったので、やはり本作も読まねばと思い去年の11月に読破。

いや~本当にかもめさんの絵柄は欧米人キャラに合いますね。
前述作や「コントラディクト」と違って、大人っぽいイケメン2人のスーツ姿やタキシード姿、ハット姿、バスローブ姿に加えて、さらに美しい裸体も思う存分堪能できて、え、私最近なんかデカめの功徳積んだっけ?と脳内若干バグるぐらいの眼福を堪能。
特に目と指だけで表せる表情描写がすごい。
饒舌で、色っぽい。
かもめさんギャグもちゃんと健在。

でも人種差別や禁酒法、マフィア、大恐慌などが関わってくるシリアスなお話で、5話でギャー!どうなるん?!心臓バックバク。
まるでハリウッド映画を観ているようでした。
ラストが…という方もいらっしゃいますが、私はあのラストはちゃんと希望が持てるラストで納得でした。

大島かもめさん好きならぜひこれは読むべきです。
既読BL作品のベスト5に入ると書かれてたレビュワーさんがいらっしゃいましたが、大いに納得です。
試し読みが35ページもあるのでぜひ。

1

もう大事なものを見失わないよね

 ストーリーは神でした。大島先生の美麗な絵で時代もの且つ異国ものの話が読めて嬉しいです。今でも根強い白人社会でのアジア系差別を受け、一度落ちたら這い上がれない超資本主義社会で幼い頃から生きてきたリンチェ。序盤ではそんな幼少期を過ごしたとは思えない堂々としたエリート男性の振る舞いを見せていて、あそこからここまで成り上がってきたことは素直にすごいなと思いました。

 リンチェの父親も彼にとっては呪いとなってしまったけれど、多分に同情の余地がある人でした。恨みを罪のない人、ましてや子供に向けることは許されない。でも、それだけ当時受けた人種差別が彼の心を強烈に破壊してしまったんだなと。それを踏まえた上で、父親の罪とリンチェは無関係だし、リンチェの振り下ろした刃には正義も込められていたと強く思います。安全地帯から危険地帯に住む人に施すことは偽善でしょうか? 当人たち次第ですよね。リンチェがエリオットの訪問に幸せを感じていたなら誰に責められる理由もないでしょう。社会の闇、人の心の闇が丁寧に描かれている分、正直BL面や甘さは物足りないと感じ萌評価にしましたが、二度と手を離さないと決めたエリオットが最後も迎えに来てくれたので、これから長い愛の逃避行を楽しんでほしいと心から願います。

1

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