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友人のΩが騎士に求婚されて憧れを抱いている主人公Ωが騎士に嫁ぎたいと思いながらも一生懸命に前向きに生きている姿に好感が持てます
騎士だと勘違いして木こりに嫁ぎますが
商売を始めて豊かになろうとする前向きさとその木こりが騎士になりたいのだと思うと夢を叶えてあげたいと動きだします
木こりも主人公の行動力に戸惑いながらも着実に愛を育み心から大切に想うようになる姿にキュンキュンします
最終的に木こりは伝説の騎士だったわけで
タイトルは回収しています
とても面白く元気を貰える作品でした
騎士だと思ったら木こりだったα ✖️ 幸せになることに貪欲なΩ
同僚のΩが善意で助けた見窄らしい怪我人が実は騎士で結婚の申し込みされ幸せになったのを知り、自分も騎士の嫁になると意気込んだΩのランティ(受け)。
普段から周りをよく見ているランティはやはり見窄らしいけど筋肉のつき方からして絶対αで騎士だと確信した男ガォルグ(攻め)を親切にして自分を売り込み嫁に貰ってもらうことに成功します。
が、ガォルグは実はチョー貧乏な木こりだったのです。
ガォルグは普段から言葉が足りず、家に着くまで全く説明がなく、ランティはあまりのショックに号泣します。
が、そこでへこたれません。騎士と結婚したかったのは幸せになりたかったからなので、木こりが夫ならここで幸せになるまでと大いに張り切り、絶望的な貧乏から貯金ができるまでになります。
そんな時、ガォルグが隠していたものを見つけてしまいます。
自分の勘違いで騎士に嫁いだと思ったらきこりだったことに大泣きしていたランティ。
誰にも八つ当たりせず自分の自業自得としたのは潔くて良いと思ったけど、ガォルグの前で本当のことを言ったのはいただけないな。
それは本人には隠したほうがよかった。自業自得だと思ってるなら余計に。
とはいえまだ17歳ですから、それはちょっと難しかったかな。
とはいえ、ガォルグも早々に離縁されるのではと覚悟するくらいの嘆き方でしたが、泣き疲れて熱を出し目が覚めたら、ランティは開き直っていました。
「僕はここで幸せになります」と宣言して。
Ωだからと親に捨てられずにちゃんと学校に行かせてもらっていたらさぞかし優秀だっただろうと思うとちょっと惜しい。
でもだからこそガォルグに出会えたのですがら、今までの苦労はガォルグに出会うための修行期間だったのですね。
小売を飛ばして直売を思いつくなんて賢い、
がめついし、計算高いけども、自分を卑下しない、自分の良いところはちゃんと理解していて、かつ褒められても否定したり恥ずかしがったりしない。そうでしょうそうでしょうというのが可愛いし、すごく良い。
こういう子大好きです。
一生懸命すぎて、あんまり色気はないですが、そんなランティに振り回されているガォルグを見ているのも楽しい。2人がお互いを振り回してたり、すれ違ったり両片思いの時間が長いけど、ストレスなく楽しく読めました。
一つ気になるのが、勝手にランティに横恋慕し、自分のものにならないからとΩを下に見る発言をして暴力まで振るってきた、騎士志望の青年はどうなったのかな。
みんなの前でやったことだし、騎士になる資格なしとして、牢屋にぶち込まれてたら良いんだけど
それだけが気がかりではあるけど、とても楽しいお話でした。
騎士だと思って頑張ってアピールして、嫁いだ彼は木こりだった…というつかみでした。最初のランティの感じが最後まで続いてたら神評価ではなかったんですが、貰われていったあとは健気かつ創意工夫に富んで、環境に適応しようと頑張っていたのでよかったです。
前半のランティの手作りのご飯、お弁当、それからカフェで食べるケーキの描写などの食に関わる描写が温かみと立体感が感じれてとても良いです。
擬音語の表現がとても上手な先生なので、温かい気持ちになれます。
どんな環境でも一生懸命(打算込みかもしれないけれど)取り組み続けたことが生かされていく部分がちょうどこのお話では書かれています。
数学(簿記に近い数学)を自分から学びたいと思う向学心も悩みに悩んだらあとは吹っ切れて決断していく潔いところも惹かれるポイントでした。
ガォルグとは両片思いでお話が進んでいき、当て馬も出てきますがそこはガォルグさんのパワーで成敗され、上手くおさまってハッピーエンドになります。
めちゃくちゃ捻りがあるわけではないですが、こういうのを求めていた!!と言う気分になれます。登場人物も基本的には性格が良くて、設定も全くの異世界なので日々の嫌なことを忘れて2人の初々しさをただただ感じることができます。
幸せになりたい宿屋の下働きのオメガ、ランティと身なりは質素だけれど騎士のような風貌のガォルクの夫夫BL。
ランティの思い込みで、ガォルクは絶対に騎士だと思い込み、強い押しで結婚したけれど、実は彼は木こりだったという勘違い。
けれど、ランティはひどく前向きでした。
どうしたら快適に過ごせるのだろうか、や、どうしたらもっとお金が稼げるのだろうか、などなどよく考え、自ら出向いてあれこれ調査し、少しずつ人生においての幸福度を自らの手で高めていくのです。
最終的に判明するガォルクの正体に驚きつつも、ハピエン至上主義的BLとしては最高の結末だったように思います。
そして作中のガォルクではないですが、ランティが頑張っているのだから自分も頑張ろう。
前向きモードスイッチを押してくれる、そんな元気なお話でした。
ちなみにえちは、本編終了後のSSでようやく致しておりました。
作者様買いです!
一応オメガバBL作品ではあるのですが、エロとかそういう要素は薄めで身体的特徴や境遇としてオメガバの設定が生きているタイプの作品です。
特筆すべきは間違いなくランティの主人公然とした応援したくなる人柄だと思います!!
元々結構不遇な状況で生きてきてさらにとんでもない勘違いからの大暴走で物語は始まりますが、本当にへこたれない。明るくて元気で勤勉で親しみやすくて、でもオメガの境遇や現実にはままならないこともあることを理解した上で諦めずに上を向ける。楽観的で思い込みが激しい側面もありますが、起こったことを誰かのせいにして否定的なことを言ったりしない。置かれた環境でなんとか幸せになろうとする逞しさ。本当にランを嫌いになる人なんてただ嫉妬しているだけだと確信をもって言えるくらいいい子だし、この子が幸せになれない世界なんて破綻していると断言できます。
主人公の人柄性格にこんなに元気をもらったのは初めてです!萌えというよりも元気チャージをしたい時に読む一冊になりました!