特典付き
こん炉先生の作品は、以前に読んだ『遺骨の旅路』が好きだったので、この作品も読んでみました。
『遺骨の旅路』が超シリアスだったので、『良縁と悪食』のシュールなコメディにびっくりしました。
小田島の。スパダリらしく余裕がありつつも鬼気迫る執着に惚れ惚れしました。
そして設定では奈緒也は冴えない陰キャのオタクということになっていて、たしかにグルグルマイナス思考ではあるけれど、「悪食」だなんてとんでもない、可愛いじゃないですか。
ちょっとしたすれ違いや勘違いを交えつつも、テンポよくお話が進み、小田島の思惑通りにからめとられていく奈緒也。
最後の方で、小田島が彼に執着するようになった過去のエピソードが出てきてなるほど。
あーもぅ、二人でお幸せに! っていう素敵な作品でした。
こん炉先生 初読みです。
こんな絵柄でこんなお話だと思わなかった。
シュールなオモロ系ラブコメだったんだ。
てっきり切ない系大人の恋愛物なのかなと思ってた。
自己評価低い陰キャ主人公 一木奈緒也が密かに片想いしていたハイスペイケメン後輩小田島と結婚相手としてどうか見極める1年間のお試し同棲がスタート。
そんな出来た話あるわけ無い!と疑心暗鬼な奈緒也ですが、徐々にこれは両思いなのでは?と思うくらい愛されを感じるのだけど、ちょっとした事で全部が台無しに。
それまではとってもハッピーで順調な同棲生活なんよ。
家事は得意な分野をそれぞれが担当、苦手な掃除は2人でとか話し合いで決めたり、同じく性生活についてどうするかのお話もサラリと盛り込んでくるんよ。
いちじく浣腸とシャワーヘッドに付け替えられる洗浄用ヘッドを事前に用意してるだなんて準備万端じゃないの、小田島くん!
これだけ準備してて普通の作品なら初めてでも最後までやっちゃうでしょ?でも、やんないの。開発だけで初回は終了。奈緒也くんだけ気持ちよくしてもらってきっと小田島くんはその後トイレで抜いてたんだよ。とっても紳士な男だよ。
なのにさー、誰かと話してる電話の内容をうっかり聞いてしまった奈緒也が自分との関係は1年限定だと思われてると受け止めてまうんよね。
自分に自信がないし、こんな上手い話ないと思ってるから悪い方に解釈すんのわかるわ。
誤解が解けて両思い確定してから初エッチするんですが、すけべでした。こんな可愛い姿見せられたらハマるわなと思いました。えっちで虜にする男だな、奈緒也。あと、無自覚に煽るのが上手い。そんな事言ったら喜んじゃうよ。
シーモアで購入
白抜き修正
こん炉先生の作品は、主人公のこじらせた性格やひねった設定も楽しめますが、何といっても絵柄が好きです。
歌舞伎の女形の化粧って、目の周り全体にほんのり朱を入れてちょっと酔ったときのような色気を出しつつ、目の周囲にくっきりと紅をさしてキリリとした目線を強調しますよね。
奈緒也もトーンと濃い目のアイラインで、そんな色気が感じられます。
また、尉くんはサカってるとき、顔全体の暗いトーンの中で黒目の部分だけが白抜きになって、能面の泥眼を思わせる妖しさを放ちます。
そんな印象的でシリアスな絵柄とかなりアホな設定。
それがクセになり、次も作家買いしてしまうと思います。
朝目覚めて、パンケーキの甘い香りがしてくるなんて最高!
これ、1度目に読んだ時はすっごく懐疑的で、なんか裏ある、なんか裏ある、と疑いながら読んでました。
で、読み終わって「ナニコレ?」
で、だ〜い好きな一冊になりました!
だって。
こんなストロングなストーリー。大好きですよ!
陰キャで、婚活は全滅失敗、いじけて他人の幸せなんて祝えない、一木はそんな男。
ゲイではないけど社内のきらめき王子的な小田島にちょっとアコガレ。
ところが、なぜかその小田島から結婚を望まれて…
…と、そこから始まる疑問と恥じらいと嬉しさと、そしてやっぱり疑いと。
読者(私)も一木と一緒に「なんでここまで?」って戸惑うんだけど、小田島は甘くて甘くて、なんか本当に王子様みたい。
ところがやっぱり波乱はあるんですよ。
小田島が怪しい電話してるのを聞いてしまう一木。
やっぱり…と小田島から距離を置く一木。
私も一緒になって「やっぱり!」なんて思って読んでたけど。
なんと小田島の愛情は本物なんですよ。なんでか知らんけどとにかく本当に一途。
だから陰キャでオタクで疑い深くて臆病な一木は、そのままの自分で愛されてるんです。
良いわ〜…最高の読後感だわ…
正直、小田島が一木を好きになるきっかけは弱いと思います。でもこの際どーでもいい。このハッピーさ、これが全て。迷ったけど「神」でいっちゃおう。