「ベッドの上でドロドロに愛してあげる」

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作捨て猫たちのトーチカ

佐波宗一、テレビ局のプロデューサー
碓氷隼人、元俳優、佐波の「猫」

その他の収録作品

  • カバー下漫画
  • 描き下ろし 捨て猫たちのデザイア

あらすじ

笑顔でドSな敏腕プロデューサー×罪を犯した元俳優

スキャンダルを起こして芸能界を追放になった俳優・碓氷隼人。
繁華街をさまよっているところを、テレビ局の敏腕プロデューサー・佐波宗一に声をかけられ、
マンションの一室に連れていかれる。
「オレはお前を一番愛してあげる。この部屋にいる限り――…」
行く当てもない隼人は、佐波の“猫”として暮らすことになり!?

描きおろし後日談18P&本編追加ページ収録!


■収録内容
・「捨て猫たちのトーチカ」第1話~第5話…COMICフルール連載作品を加筆修正
・「捨て猫たちのトーチカ」第2話追加収録…描きおろし2P
・「捨て猫たちのデザイア」…描きおろし18P
・「あとがき」…描きおろし1P
・本体表紙…描きおろしマンガ2P

作品情報

作品名
捨て猫たちのトーチカ
著者
木田さっつ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
フルールコミックス
シリーズ
オレを守ると誓ってよ
発売日
電子発売日
ISBN
9784046828354
4

(40)

(21)

萌々

(7)

(4)

中立

(8)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
153
評価数
40
平均
4 / 5
神率
52.5%

レビュー投稿数10

その先にある幸せ

スキャンダルを起こして芸能界を追放された俳優隼人、行くあてもなく彷徨っていたところプロデューサー佐波に拾われて彼の猫として暮らすことに…
以前先生が描かれた作品のスピンオフになりますが、元の話を読んでいなくてもこれはこれで完結したお話になっています(読んでると深まるけど)

隼人はドラッグ、レイプと罪を犯しているので普通の形で幸せになるのは難しいです。
先生も言われていましたが、物語といえどそのあたりはちゃんとしていて、彼らなりのその先の幸せを見つけるまでのストーリーになっています。
ハッピーエンドではあるけれど、抱えているものはそのままに…ファンタジーになり過ぎていなくて私は好きな結末でした。
2人は幸せそうだし!

途中罪を犯しているわけだからしんどい展開もありますが、隼人は佐波さんに出会えて本当によかったなー!
先生の描くエッチなシーンもとても好きです。
出てくる猫ちゃんにも癒やされますよー!

0

スピンオフでした

罪を犯して芸能界を追放された隼人と、
テレビ局の敏腕プロデューサー・佐波の物語。

冤罪とか誤解ではなく、しっかり罪を犯している主人公というのはなかなか珍しく、それだけに重い始まりになっています。

どこにも行く場所がない隼人。
そんな隼人に声を掛け、自宅へと連れて行くのが佐波です。しかしその実態は『美人な野良猫を飼ってみたい』という願望で…。

次第に佐波に依存していく隼人。
ハピエンなのかな?メリバなのかな?突然佐波の手酷い裏切りがあるのでは?と、どういう結末を迎えるのかハラハラしながら読みました(^_^;)

犯した罪は消すことが出来ず、
それはどこまでもついて回る。

どこにいても誰かに知られるんじゃないか?また軽蔑の目で見られるんじゃないか…そんな気持ちを抱えながら生きていく隼人の姿が描かれています。

知らなかったんですが、本作は『オレを守ると誓ってよ』のスピンオフだそうで、隼人が罪を犯したお相手の物語が先に出ているようです。

スピン元を知らず本作を読んでも問題なく読めましたが、スピン元から読んだ方がより分かりやすいような気がします☆

0

色々中途半端…?

最近読み始めた作家さん。まだ全ての過去作を追えていないところでの最新刊を読んだのですが、どうやらまだ読んでなかった作品のスピンオフだったようです。が、読んでなくても特に問題なし。

…ではあったんですが、作品として、うーん、何処か中途半端なのかなあ。
犯した罪を後悔していて彷徨っていたところ、旧知の人に拾われる。もちろんただ住まわせてもらうだけじゃなくてー、という流れではありますが。
どうせ行く場所なんてないんだからと主人公の彼は受け入れざるを得ない。が、別に酷くされる訳ではない、寧ろ快感に落とされて甘やかされてグズグズにされてるくらいなのでサドはサドでも毛色が違う。暗いトーンではあるんですが、酷さがないのと猫とで穏やかな雰囲気なんですよね。

主人公の彼も、クスリをやってたというのがあったけど、しなくなった(軟禁状態になり手に入らないし)中で、全然禁断症状みたいなのもないし…。
こっちが2人の距離感がどんな状態になっているのかがまだ掴めないうちに、何かあっという間に1年経ってたりするし…。

何かねー、中途半端な感じなんですよね…。
今まで読んできた分の木田先生のお話って、きちんとお話を組み立てていらっしゃった感じがするので、それらに比べて、何で今回こんな?と感じるというか…うーん。

0

〝トーチカ〟の中で寄り添いながら生きていく

▶︎オレを守ると誓ってよ
▶︎オレを守ると誓ってよ more!
ではヒール役だった佐波さんと隼人の二人。
果たして、悪役二人に救いはあるのか…?と言う事で、スピンオフ作品です。
一応こちら単体でも読めますが、個人的にはスピン元も読んだ方が深掘りできてお勧めです。

「俺を守ると〜」では、非常に尖っていて〝THE・悪役〟だった隼人。
カナン(スピン元の主人公)への未練タラタラな隼人は、モーゼ(スピン元の攻)に対して「カナンの処女、俺が奪ってごめんね」なんて煽りまくり、全く反省の色無し!でしたが、その裏ではボロボロの精神状態で佐波さんの〝ペット〟として飼われていたとは……
あの強気な隼人は何処へ!?と思うほど、今作では精神的に弱りきっていて痛々しい主人公でした。

カナンに執着する余り、許し難い強行に及んだ隼人。
人気が落ち始めて不安な時に、カナンからセフレを持ちかけられたのが、隼人にとっての拠り所になっていたのかな……
そんなカナンは〝好きな人の1番になれない〟から偶々近くにいた隼人に声を掛けただけだったと言う…

隼人の犯した罪は決して許されるものではありませんが、お互いに利用し合う関係だったカナンがモーゼと出会った事で満たされていき、一人取り残されてしまった隼人の気持ちを考えると、少し同情してしまう。

そんな隼人救済のスピンオフ。
しかし、そんな簡単に救いなんてある筈もなく……
自分の犯した罪の重さ、失ったものの多さに気づき、いくら後悔しても今更どうしようもない…。
そんな中でも、少しづつ前を向き一歩踏み出した矢先、またしても全てを失ってしまう。
隼人の報われなさに胸が痛みますが、全て因果応報、自業自得なんですよね……

一方、「面白ければ何でも良い」視聴率が取れるなら、炎上大歓迎!なTVマン・佐波さん。
それ故に、芸能人のスキャンダルや事件をエンタメとして消費し、人の痛みに気づかないフリをする人物でした。
損得勘定で動く、TVマン故のエゴイスト。必要ない人間は容赦なく切ってきた佐波さんですが、彼も本心ではずっと孤独に喘いでいたんだな…と。

孤独な二人が出会い、〝飼い主と飼い猫〟の歪な関係ながらも、穏やかな日々に少しづつ癒されていく……
犯した過去は消える事はなく、これからも不安と罪を背負いながら生きていくので不穏さは漂っていますが、孤独ではなく一緒に背負ってくれる人がいる。
〝お互いの拠り所を見つけた〟と言う点では、ハッピーエンドだと感じました。

木田先生作品の中でも異色で暗いお話。
少し不穏な空気は残しつつ、それでも前に進もうと寄り添う二人に、不思議と読後感は爽やか。
攻撃から身を隠すための拠点〝トーチカ〟を見つけた二人が、これからは穏やかに過ごせる事を祈って……
個人的には、こちらのスピンオフの方が好きでした!

▶︎紙書籍/白抜き

1

好き嫌いも賛否も分かれそうな作品

作者様買いした今作、木田先生にしては珍しく1冊通してダークトーンなイメージの1冊。

ドラッグに手を出し性犯罪を犯してしまった元俳優がさらに堕ちていきそうなところに現れたやり手プロデューサーの佐波に拾われ彼の猫として生きていくことになり…

メリバの定義が曖昧なので微妙なのですが、個人的にはこれは一種のメリバなのではないかという印象でした。

犯罪を犯してしまった隼人と順風満帆に見えても捨て猫に分類された佐波、周りの目や喧騒から逃れ2人寄り添って掴んだ幸せは一見とても幸せそうに見えました。
でも芸能人だから必要以上に騒ぎ立てられた、だけでは片付けられないような人を巻き込んだ犯罪を犯した隼人を真綿に包むように大切にしてあげるのが果たして正解なのかと考えるとうーん、、としてしまう。よく犯罪犯したがゆえに愛する人と離れるお話を読みますが、読むたびにもう逃げちゃえよと思ってましたが本当に逃げてしまうとそれはそれでもやっとするんだなという気づきでした。(執行猶予だったし法的にはクリアしてるのかもしれませんがその辺の描写も曖昧だってので…)

これは賛否も好き嫌いも分かれる作品なのではないかなぁと幸せそうな2人に満足しつつもどこかもや、が残る読後でした。

2

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP