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表題作勇者は元魔王を殺せない

リカルド、勇者、35歳
イシュメル、深淵の黒珠と呼ばれる魔王、34歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

勇者のパーティの一員として、ついに魔王討伐に成功!! ところがその瞬間、魂を取り込み次代魔王として覚醒してしまった!? 絶望に陥るイシュメルに懇願され、泣く泣く魔王殺しを果たしたのは、勇者リカルド。けれどイシュメルに激しい執着を募らせるリカルドは、「お前を取り戻せるなら、俺はどんな手段もいとわない」と仲間の反対を振り切ってイシュメルを蘇生させてしまい…!?

作品情報

作品名
勇者は元魔王を殺せない
著者
西野花 
イラスト
兼守美行 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011221
3.7

(10)

(2)

萌々

(4)

(3)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
36
評価数
10
平均
3.7 / 5
神率
20%

レビュー投稿数4

シリアスと甘々のミックスが最高。

作家買い。
兼守さんの描かれた表紙が麗しくも可愛らしく、西野作品ではありますがエロ度は低い作品かな?と思いつつ手に取りました。タイトルの「勇者」「元魔王」というところからも推測できるように、今作品は魔王討伐を描いたファンタジーものです。

ということでレビューを。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。





勇者リカルドは、仲間たちとともに今まさに魔王討伐を果たそうとしていた。
「深淵の黒珠」と呼ばれるその魔王・イシュメルを斃すことに成功した彼らだが、実はイシュメルはかつて同じパーティーで魔物を斃していた仲間でもあった。

10年前、魔王を斃した際に魔王が吐き出した「魔王の種子」を吸い込んだことでイシュメルは新しい魔王になってしまったのだった。そして今、仲間であり、そしてほのかな恋心を抱いていたイシュメルを退治する敵として滅したリカルドだったがー。

というお話。

イシュメルという男性がすごくとてもカッコいいナイスガイでして。
彼は魔族ではありますが、とにかく心根の優しい人物として描かれています。彼が魔王になってしまった経緯とか、もうとにかく萌えツボ持っていかれてしまう素敵な男性なのです。

そんなイシュメルを何とか救いたいリカルドも。
彼は王道のスパダリさんです。ザ・スパダリ攻めです。彼もカッコいいです。
魔王を斃す勇者でありながら、彼のすべてはイシュメルのためにある。

ストーリーとしては、魔王になってしまったイシュメルを何とか助けたいリカルド、という展開なのですが、そこにですね、西野さんらしいエロがぶっこまれています。もうエロエロです。イシュメルの体内に残る「魔王の種子」が育っていかないようにするために…、というある意味王道の展開です。1冊のうち半分くらいは服着てないんじゃないかな?と思ってしまう濡れ場の多さです。

が、それでも、かつての仲間たちとのやり取りや、リカルドのイシュメルに向ける深い愛情がきちんと描かれているので、読んでいて心がほっこり温かくなります。敵同士でありながら、今なおお互いに想いあうリカルドとイシュメルの行く末は、というストーリーも面白く、一気に読んでしまいました。シリアスに振り切ろうと思えば振り切れるバックボーンでありながら、甘さと優しさが上手にミックスされた良作。

そして、兼守さんの描かれた挿絵がとにかく美しいです。
この作品の持つ世界観にぴったりで、萌え度は確実に上がりました。

4

勇者の執着愛に拍手喝采

なんかもう…ずっとエッチしてます!
【勇者に溺愛される魔王】のシチュエーションが大好きなので、自分が殺した魔王を蘇生させて軟禁する勇者様の執念に、拍手が止まりませんでした!

戦いの最中「魔王の種子」を取り込み、魔王になってしまった魔術師のイシュメル。
かつては勇者の仲間であり、恋仲であったものの、勇者・リカルドの手により殺される……が、即蘇生!?
「お前の中に残る魔王の種子を俺の精で消してやる!」と古城に閉じ込められて何度も抱かれる事になり……と言うお話。

もうーーー…リカルドの執着愛が最高でしたよ!
愛する人を自らの手で殺さなくてはならない〝勇者の定め〟の葛藤が丁寧に描かれていて、リカルドがイシュメルに執着する理由がよく分かる。納得の執着愛!

また、〝THE体育会系・熱血漢〟な勇者の圧が凄い…!
「絶対、離さねぇ」の有言実行で、一度捕まったら一生抜け出せないような囲い込みエッチに拍手喝采

そして、今回めちゃくちゃ乳首責め回でした。
イシュメルが乳首弱いからでしょうか???
リカルドひたすら乳首舐めてた気がする。
脇舐めや攻めフェ、*舐め等々…割とフェチな舐め舐めプレイのフルコースご馳走様です♡

ただ、道具を使ったシチュエーションが無かったので、エロバリエ的には少し物足りなかったかな…と。
折角なので、触手プレイや魔物に攫われてからの陵辱展開とかも見てみたかったですね。
まぁ、その分リカルドが絶倫すぎたので複数姦並みにボリュームがありましたが……!

濡れ場満載のエロエロではありますが、イシュメルに向けるリカルドの一途で熱い想いにジーンときて、やっぱり〝勇者×魔王〟の禁断の恋は萌える〜〜!!と再確認できる作品でした。
そして、兼守先生の〝淫紋〟が見られて感激です……!

1

掴みが最高

勇者×魔王。ただしワケアリ。
魔王を討伐するファンタジーらしい作品でもあり、美しい受けの男前な精神と、愛する人のためなら許されない禁忌を犯すことも厭わない攻めの執着愛が見られる作品でもありました。

「自分が悪になった時はその手で殺してくれ」だなんて、言われた側はあまりにも辛く切なくやり切れない気持ちになりますね。
それが想い合う2人だというのだからなおさらのこと。
最愛の人から信頼されているからこそ贈られた、守らなくてはならない呪いの言葉です。

とある事情から、望まない形で魔王となってしまったかつての仲間で想い人のイシュメル。
彼を約束通りその手で殺めたリカルドは、死者蘇生を試みてイシュメルを蘇生させるも、魔王となってしまう元凶の種子だけは取り除けず…
と、想い合っている2人の間にある障害がとても大きく切ないものなんですね。
攻めの受けに対する執着が強いのですが、合間に挟まれる過去のエピソードを追っていると、どれもこんなに好きならそりゃあこうなるよなあと思えるものばかり。
攻めも受けも一途で、どうにか上手くいってほしいと願ってしまう。

ただ、やはり西野先生作品。
今作はやや控えめかなと思いつつ、怒涛のベッドシーンの数々がページの半数を占めています。
訳あってなものかつ深い愛情ありとはいえ、切ない→エロ→切ない→エロのミルフィーユ状態だったものですから、正直ちょっと題材のテンションとは合っていないように感じて萎えてしまう部分もありました。
とはいえ愛情はたっぷり。想いもたっぷりではあります。
個人的には攻めの執着愛よりも、受けの控えめかつ深い愛情にグッときたかもしれません。

2

エロによる魔王化阻止

西野花先生の作品は複数、拝読させて頂き、今作も作家買いさせて頂きました。

個人的、各項目5段階で
エロ 5
ファンタジー 4
執着 4
戦闘 3
な感じだと思います。

勇者のリカルドさん×元魔王のイシュメルさんのカプです。

勇者のリカルドさんは仲間達と魔王討伐に成功した。しかし、魔王の体内にある負のエネルギーの「世界の罪咎」と「魔王の種子」の所為で、仲間の一人であるイシュメルさんが次の魔王となってしまった。そして、イシュメルさんとの約束で、イシュメルさんをも討ち取ったリカルドさん。だけど、イシュメルさんに想いを寄せていたリカルドさんは、再び魔王化しないようにイシュメルさんを蘇生させて…。

あらすじだけを読んだらどういった内容なのか、今作は冒険ファンタジーで、西野先生の作品としては絡み描写は少なめなのかなと思ったのですが、そんなことはなかったですね。
要は、再び魔王化する可能性がある「魔王の種子」を打ち消す為、リカルドさんはイシュメルさんを蘇生させて、何度も抱いてひたすら中に欲望を注いでいます。なので、絡み描写は安定の多さと濃厚さとなっております。

「魔王の種子」を消す為、絡みでは中出し描写が多いですが、個人的には、イシュメルさんがリカルドさんのを挿れられただけで何度も達している姿がめちゃくちゃエロいです。
一度は魔王となってしまって敵対した2人だけど、元々パーティの一員だった時から良い関係だったので、蘇生されたイシュメルさんが、パーティ時の記憶を徐々に取り戻しつつリカルドさんからの想いや執着や欲望をこれでもかと与えられて翻弄されて乱れながら、リカルドさんを求めるので、あまり殺伐とした雰囲気はありません。

絡み描写は勿論ですが、魔王や悪魔との戦闘描写もあるので、ただエロいだけじゃないファンタジー物となっていて、展開もさくさく進んで読み易いので、是非とも読んでほしいです。

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