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クロ×コガネ
泣かずにはいられない。
序章からずっと不憫な狐獣人・コガネが、
父親の残した借金に苦しんでいる15歳の時、
川でまだ人の姿になれない5歳の記憶を失った盲目の子猫・クロを拾う。
コガネにとってクロは初めての温もり。
クロにとってもコガネはただ一つの居場所。
クロが喜んで泣いたり笑ったり、コガネに懐く姿・・・。
天涯孤独の初対面の2人が・・・もう感動の波に呑まれる。
家族として、お互いに支えながらの共同生活が始まる。
借金や貧窮の境遇に耐えながらも、
コガネのクロへの献身的な愛が、
苦痛を伴う大きな犠牲まで捧げる。
クロのために尽くす姿には涙が止まらない。
お別れ、そして再会・・・紆余曲折で、
途中の苦しさに打ちのめされて、
立場が逆転する展開には感情が追いつかないほど。
10年の歳の差の両片想いが、
10年以上にわたって育まれた愛と絆として、
次から次へと押し寄せる切なさと共に、
最後には2人が温かく結実するので、
安心感と幸せで胸がいっぱいになった。
コガネが、
クロのために刺繡だけではなく体力仕事までこなす。
さらに、尻尾の毛がお金になるからと、
次第にみすぼらしくなっていく尻尾には涙腺が刺激される。
クロに鈴を買ってあげて、
その鈴の音がずっと2人を導くことに胸を打たれる。
コガネの元に猫獣人として、
成長していく盲目のクロが、
コガネの姿を見ることができないことに、
自分には見えないコガネを見える人たちに嫉妬する様子に涙ぐんでしまう。
字も読めず学問もないコガネが、
大人しくてどんどん知識を増やして、
賢くなっていくクロを学校に行かせるための
目の手術で医師との恐ろしい取引に踏み込む決断・・・、
そしてガネを守るために学校に行くというクロ決意も感動的。
8年間ずっと一緒に過ごしてきた2人が、
13歳のクロが全寮制の名門学校に入るために、
3年間のお別れをしなければならない。
まだ目で見たことのないコガネに、
3年後に立派になって会うのを楽しみにしているクロ。
しかし、学校に行っている間に、
クロの家族やクロ正体が明らかになる。一方で、
最初からクロと再び会うことはないと覚悟していたコガネの行方が緊張感を与える。
コガネが医師との取引内容がダークすぎて・・・鳥肌が立つほどの衝撃。
底辺にいるコガネが
クロが領主になったことを知ってほっとして、
クロの記事が載っている新聞を大切にしている姿にはまた泣く。
クロを想い続けながらも会わないと決めたコガネ。
コガネを忘れることなく彼を探し続けるクロ。
18歳になったクロが、
やっと見つけたコガネに再会する。
隠しても漏れ出しそうクロの気持ちが悲痛で
胸が締められる進行が続行して、
2人の想いが重なり合う瞬間に心が震える。
伊達きよ先生の獣人ものが、
耳や尻尾の反応が本当に生き生きで好きです
特に子供のクロがコガネの尻尾に顔を埋める光景にギュンとくる!
yoco先生の美しいイラストが、
痛切でありながら繊細なストーリーと見事に融合している。
コガネの尻尾の毛から刺繡したハンカチが幸せを運んでくれるから、
コガネがいくら辛くてもきっと誰よりも幸せになれると確信して読み進めた。
コガネの無償の愛とクロの純粋な感情が交錯し、
コガネにとって黒豹のクロでもずっと自分だけの「黒猫」で、
2人の深い愛と絆に心が奪われました。
コミカライズが楽しみにしています。
なんという献身愛……途中から涙で文字が滲みました。
思いっきり泣かせにきます。みなさん、ハンカチとティッシュの用意を忘れないようにして下さいね。
ただいま、目がパンパンに腫れながらこのレビューを書いています。絶賛浮腫み中ですが、読後感の良さと、この作品に出会えた喜びで気分はとても満たされています。
帯の「泣ける物語」の文言は間違ってなかった。
子の幸せを想い、この身を犠牲にしてもひたすらに幸せを願い続けるコガネの生き様に胸が掻き乱されっぱなしです。クロのためなら何でもする、という彼のクロへの向き合い方があまりにも愚直で、その強すぎる思いに息苦しさを感じるほどでした。
コガネという人は、そんな人。自分より他を優先する濁りなき清らかな心の持ち主です。
帯にはこうも書いてありました。"離れていても思い合う、献身愛BL"だと。献身愛というのは良い意味で捉えればですが、ちょっと穿った見方をすれば自己犠牲愛です。つまり献身と自己犠牲は表裏一体の関係といえます。
でも、どちらでもいいんです、そんなことが問題じゃない。
言えることは、ただひたすらに、深く、広く、コガネはクロを愛し、クロもコガネを愛する……ただそれだけのこと。それだけのことなのに、なぜこんなにも涙が溢れるのでしょう…
父親に捨てられて、村人に騙されて、新薬の治験によって身体がボロボロになったコガネ。彼の人生はかなり過酷なのに、彼は自分のことを不幸だと思っておらず、むしろクロに出会えて自分は幸せだといわんばかりです。そんなコガネの満足そうな姿を前にして、私はますます涙が止まらなくなっていくのです。
尊き献身愛が光る物語なのは間違いありません。コガネの深い愛に感動の思いでいっぱいですが、同時に切なく悲しくもなったりします。
コガネが捧げる愛は大変重く、際限がないからなのか怖いんですよね。だって自分の命さえ掛けちゃうから。
私は思うのです。それって本当に"献身"と言えるのだろうかと。クロを大事にしているようで、クロを大事にしていないのではないのかと。
コガネの犠牲の先にクロの幸せがあるとするならば、彼は喜んでこの身を差し出すでしょう。でも、それってクロのためになってるのかと言うとそうじゃない。クロの幸せどころか逆に悲しませることになっているんだよと。
大事な人が自分のために命を削っていると聞いたらどう思うか…。コガネにとってクロが大事な存在であるように、クロにとってもコガネは大事な存在です。コガネの罪深さは、そこに気付いていないということです。
クロの願う幸せのカタチは、隣にコガネがいる景色。それが何よりの幸せなんですよね。
お互いの気持ちが徐々に同じ方向を向き始めたとき、クロもコガネもやっと心が1つになったと思います。親子としての情を乗り越え、ちゃんとクロを恋人として意識することができたコガネを見て、もちのろんで狂喜乱舞しましたとも!
前半部のコガネの不幸譚には心が砕け落ちそうでしたが、それがあっての後半のドラマチック展開が映えるってもんです。身体中の水分が抜け落ちるほど泣き腫らしましたが、読後はすこぶる晴れやかです。
ほんわかした筆致と、優しげでしっとりした物語の雰囲気に酔いしれ、エモいイラストがこれまた最高でした。コミカライズも決定してるようでこちらも非常に楽しみです。
私のように涙腺よわよわな方、翌日がお休みの日に合わせて読まれることをおすすめします^ ^
もう、もう、すごい話を読んでしまった……読んでいる最中、涙で目の前が霞んでしまい、ティッシュが手放せませんでした。
電子版で全346P。かなりボリュームのある物語ですが、止まることができず、一気読みです。(※ちるちるさんの作者様の登録がイラスト担当のyoko先生になっているのですが、伊達キヨ先生です。。)
与える側の献身・自己犠牲が、受け取る相手をどんな気持ちにさせるのか。
「幸せにしたい」と願う対象である相手が願う幸せの中に、”与える側”も幸せであることが含まれているとしたら…
以下、簡単なあらすじを。
村人からお金を集めるだけ集めて失踪した父親の代わりに、借金返済のため身を粉にして働いている狐獣人・コガネ(受)。
ある日川で籠の中に入り、今にも溺れそうになっている目の見えない黒猫獣人の子供を救います。”クロ”と名付けたその子(攻)に愛情を注ぎ精一杯育てるコガネ。
成長するにつれて才覚を表すクロに教育の機会を与えるため、まずは目を治そうと働いて得たなけなしのお金を持って都の病院へ行くのですが、用意したお金ではまったく足りず、途方に暮れます。
しかしその時、担当医師スオウからある取引を持ちかけられてー
と続くお話です。
文字も読めず満足な教育も受ける機会のなかったコガネが、彼を騙しもぎ取ろう、意のままに操ろうとする者たちの手に面白いほど簡単に落ちていく様子が苦しくて悲しくて痛々しくて、、( ; ; )
作中、この「取引」によりコガネが何を差し出したのかは匂わせはされるものの、中盤以降まではっきりしません。
読んでいるこちらももう分かってはいるんだけど、いつ明かされるのがかが気になって、息つく間もなくページを捲っていました。
そしてクロが名前を偽ってコガネと再会し、正体を明かさぬまま「好きです」と告白するシーン。心が震えた……
実は当初、”なんで早く「自分だよ、あなたのクロですよ」って言わないんだろう?”って思ってしまったんですよね。
でもよくよく読み進めてみると、幼い頃の約束のままに「どうか見つけ出してほしい」と思う彼の気持ち、そしてコガネに自らを犠牲にさせてしまい、恨まれているのではないかと恐れる気持ち、そんな気持ちがひしひしと伝わってきて…
クロがクロとしてではなく、ツルバミとして告白した時の彼の気持ちを考えると、胸がきゅーっと苦しくなります。
個人的に勝手にこの作品のテーマなのかなと思っている、「与える/与えられる」というどこか一方的ともいえる関係ではなく、「”二人で”幸せになる」ということの意味をグッと噛み締めました。
二人を象徴する色、「黒」と「黄金」。その二色は”朝”と”夜”、そして”夕暮れ”と常に繋がっているー
作中に何度か出てきたその言葉に「二人で」というキーワードが重なり、ああ…とため息をついてしまった…
愛することの形について考えさせられる素晴らしい物語…もう何の文句もなし!の「神」評価です。
伊達きよ先生の作品が大好きで、色々と読ませて頂いていますが、こちらの作品はその中でも1、2を争うくらい感動致しました…
主人公のコガネは実父の犯した罪のせいで借金を背負うことになり、毎日必死に働いては村人たちに父が奪ったお金を返しています。
コガネは父にも愛された事がなく、村人からも疎まれていて一人ぼっちで暮らしています。
そんな時に川に流されている黒い子猫を助けます。
弱っていた黒猫を放っておけず、黒猫の世話をするコガネ。すると黒猫から「ありがとう」と言われるのです。
コガネは今まで誰からも受け取ったことのない混じり気のない純粋な黒猫からの「ありがとう」がとても嬉しかったんですね…このシーンとても好きです(^^)
黒猫には記憶がなく、しかも目が悪いようでした。
そんな黒猫を育てる決意をするコガネ。
当然村人たちに反対されますが、貧しい暮らしの中で黒猫との生活はコガネに初めて幸せを教えてくれるのです。
記憶がない黒猫に「クロ」と名前をつけるコガネ。
名前を貰った時のクロの喜ぶシーンがこれまたとても良かった…
そしてコガネとクロの穏やかで幸せな生活は続いて行きます。
クロは成長すると共に頭が良く見た目も美しく育って行きます。
何とかクロの目を見えるように治すことは出来ないかと考えたコガネは、都会の病院へクロを連れて行きます。
そこで出会ったのが医師のスオウ。
スオウに「クロの目は治る」と言われて喜ぶ2人。
しかし目の手術には莫大な費用がかかります。
コガネが毎日必死に働いてコツコツと溜めたお金を全て支払っても全然足りないのです。
しかし、どうしてもクロを幸せにしてやりたいコガネはスオウとある取引きをします。
クロの手術費用とその後の名門校への入学を約束する代わりに、コガネの身体を差し出すと…
コガネの「何としてもクロを幸せにしてやりたい。そのためだったら何をしても構わない」という献身的な愛に苦しくなるレベル(*T_T*)
しかしそんな事を全く知らず、目が見えるようになってコガネの姿を無邪気に楽しみにしているクロ…
ぎゅっと胸が締め付けられました…
目が見えるようになり名門校の寮で暮らしているクロは、3年後卒業したらコガネに会えるという事だけを楽しみに勉学に励んでいます。
子猫から美しい雄獣へと成長するクロ。
小さくて可愛かった攻めが大きく成長して立派なスパダリ攻めになるのってなんでこんなに萌えるんですかね…
クロはコガネからの文字のない手紙が届くのをとても楽しみにしています。
まさかコガネの身体がボロボロになっているなんて知らぬまま…
文字通りボロボロになったコガネとクロが再会し、どちらかが与えるだけでなく、2人で幸せになる方法を見つけられて本当に良かったと思います…
悲しく切ない涙も多いですが、最後には幸せな涙を流させてくれる…そんな素晴らしい作品でした。
長くなりましたが、辛い展開からのハッピーエンドが好きな方には刺さる作品だと思いますので、是非是非読んでみて頂きたいです!
BLですからね、エロの量は大事です!
ですが、たった一回のエッティでも全然オッケー!
と思わせてくれる作品でした。
多読の腐友が「泣いたー」というので購入し、
一気に読んで途中から私も泣きました。
コガネが生い立ちから「人のために身を削る」ことを普通としてしまっていて、特に養い子のクロに対する献身がもうその字の通り、全て、ギリギリまで捧げていて。
それを一方的に受けなければならないクロの苦悩も。
恋人同士になってのイチャイチャ(とも呼べないくらい)は後日談で。
ほんのちょびっとずつ近づくふたりの物理的な距離が尊かったです♡