【電子限定おまけ付き】限定特典と割引が充実!
みなさん書いてますが、表紙は便利屋アズマくんではなく、柊月くんでした。
とても深い作品で、読み応えがありました。絵も好きだし、心理描写が丁寧に描かれていて、ググッと引き込まれました。
ノンケの便利屋アズマくん
ゲイの柊月くん
アズマくんと、柊月くんが2人で自分の気持ちをを伝え合う場面が多く、そのセリフがいちいち刺さりました。とても深い。
柊月くんはゲイで、遺伝子が残せない欠陥品である自分がどうして生まれてきたのか知りたくて、生物学を勉強しているとアズマくんに話すところから、もうなかなか背負っているものが重たくて、過去に負った傷も深くて、諦めや失望がじわじわ出ている美麗な青年という印象。
自分のことで周囲が傷つくことを恐れて、自分自身のことは後回しで。
アズマくんは便利屋というだけあって、困った人を助けたい、世話好きな明るい人。
ゲイである自分が悪いって考えてきた柊月くんに対して、「柊月は誠実な人」って真正面から切り込んでいって、理解しようとするアズマくんに、惹かれていくのは自然だし、救われて欲しいと思いながら読みました。
アズマくんもなかなか苦しい過去があって、自分の意思を表さず、相手の喜びを優先してきた。
柊月くんも、自分を蔑ろにして、押し殺して生きてきた。そんな2人だから、気持ちが通じ合うのかもしれない。
ゲイである自分の存在を初めて受け止めてくれたアズマくんを大切だと気がつき、そんな自分も大事にしたいと思う柊月。
笑顔を見ることができて良かった。
続編も楽しみです。
初読み作家様。アワードのソムリエ部門でノミネートされてから気になっていた作品で、やっと読みました。全266ページとすごいボリューム。以下少々ネタバレあります。
実は表紙にあまり惹かれなくてしばらく読まなかったのですが、読んでよかった!ソムリエさんに感謝です。
タイトルは便利屋アズマ〜ですが、表紙は別人なんですね、これまた意外でしたw
表紙の人物、すごい美形の大学1回生・柊月(ひづき)はある仄暗い過去がある。3回生で便利屋をしている東と知り合い、一緒に過ごすことが増えていき…というお話。
前半は、柊月が大学内で便利屋をしている東と知り合い、便利屋の仕事を手伝わされて、いろんな人たちと交流していく描写が楽しかったです。
過去にしんどい経験をしてきて、ゲイである自分を嫌悪している柊月が、真っ直ぐで一本気な東の言葉に徐々に救われていく様子にキュンとします。
東は東で、コミュ強でなんでもできるハイスペに見えて、こちらも重い過去があったり、自身に思うところがあったり…単なる陽キャイケメンでないところに魅力を感じます。(キャラ紹介によると家庭にも何かあるみたい…)
中盤には、高校時代の柊月の元彼・西郷と再会。
柊月が西郷を好きなわけではないのに
「あの人がオレを望むなら、逃げられない」
とまた会うようになる。投げやりで諦めたような柊月が痛々しくて切ない…。
柊月が東にある依頼をするシーン。
柊月はゲイである自分を嫌悪して、ずっとどこか陰があったけど、東の「(自分のことを)大事にしてくれ」というセリフに、
「生まれて初めて 肯定された気がした」
と涙するシーンは、もらい泣きしてしまった…。東、ほんとにいい男だなー…。
柊月は西郷から離れる決意をする。
西郷の暴力に抗って、「ゲイである自分に誠実に生きたい」と言い放つ柊月にグッときました。一方で、柊月への執着を告白する西郷は哀れだった…。好きなのに大事にできない、不器用な人だな…。
柊月と西郷、それぞれがゲイであることに苦しんで、柊月は西郷を利用して、西郷は柊月に惚れて…共依存関係だったんですね。
柊月だけでなく西郷も苦しんでいたんだな…と切なくてまた泣けてしまった…。
西郷、いい人と出会って幸せになって欲しいな…。
最後は意外な展開に驚きました!
読み始めは、東があまりにもしっかりノンケなのでBL展開薄いのかな、と思ってたら、イヤイヤイヤ!続きが気になります!
もうすぐ発売の2巻で二人の恋がどうなっていくのか、とっても楽しみです♡
(余談ですが、こちら舞台は東京かなと思っていたら神戸なんですね!誰も関西弁を話さないナゾ設定ww)
素敵な作品に出会えたという喜びを感じられる作品でした!改めてBLソムリエさんに感謝です♡
一樹先生作品初読みです。
中身の絵がとてもきれいで、表紙とイメージが違うと感じたのは私だけでしょうか。
柊月のちょっとした表情で東を意識して惹かれていく描写がよかったです。
東がただのコミュ力ポジティブ野郎ではなく彼なりの背景、理由にも納得。
だから東は柊月のことをよく観察して察していくのがわかりましたし。
柊月がゲイであることをそこまでネガティブに捉えているのは西郷からの性被害や刷り込み的なものがあったからですかね。
西郷が柊月に執着し悲観的に陶酔しているのは弱くて柊月に依存していたからか。
西郷の演技がオーバーでこっ恥ずかしく古く感じてしまいました。
西郷も柊月も若く視野が狭すぎたんでしょうか。ちょっと極檀だなと思いまして。
そんな西郷に立ち向かい、柊月のうじうじに東が突破口を開いてくれたのは痛快でした。
東のセリフが少し理屈っぽいと感じる部分があったのですが、柊月の本心を言い当てて心を動かすところはお見事でした。
柊月を特別に思うようになって初めて欲が出た東の今後がどれだけ魅力的になるのか楽しみです。
風邪で寝込んだ時、柊月の感情が溢れて東を帰した後「終わった……」とベッドに倒れ込むところ、その後、めちゃくちゃ落ち込む東がかわいかったです。
なんとなくタイトルや表紙のイメージからラフな雰囲気を想像していましたが、ゲイであることに葛藤するシーンがしっかり描かれているタイプの作品でした。東と柊月の相性は既に割れ鍋に綴じ蓋という感じがあり、大学内での便利屋を本格的に営んでいるのが面白い導入ですね。性的対象はわざわざ言う必要はないというのが今の時代の主流な考え方だと思いますが、男友達に言わないのは不誠実だからあえてオープンにするという柊月の考え方も一理あると思いました。結局正解はないし、自分が傷付きたくないからという理由で言わないのも他人は許容するだろうけれど、本当に許容してほしい近しい人がどう思うかを重んじようとする彼の考えも分かるなと。
そんな彼に、東は本当の自分の気持ちを蔑ろにしたり、他人の気持ちより軽く扱ったりせず、自分のしたいこと、したくないことに真正面から向き合って、意思を尊重することを教えます。自分の好意で他人を不快にするかどうか、傷付けるかどうかは相手による。一概に決めつけるんじゃなくて、1人ひとりときちんと向き合って、打ち明けるか考えてみてもいいんじゃないか。人を好きになる感情自体は普遍的で素敵なもののはず。柊月が東の言葉で考え直して、高校時代の因縁の先輩とも自分の言葉で訣別し、明るい表情を見せてくれたことを嬉しく思います。2人がどんな風に距離を縮めていくのか、2巻が楽しみです。
便利屋をしているくらいなので、明るく人嫌いしない性格は当たり前なのだとしても。
柊月との出会いの場面での東はとてもノリが軽く見え、さらには相手の戸惑いもおかまいなしでグイグイいく様子から
パワーと勢いで進んでいく系のお話なのかな?と最初は思ってしまっていました。
でも読み進めて東自身の考えがわかってくると彼への印象も変わり、ストーリーの表情もまるで違うものに見えてくるんです。
いい意味で読み手をどんどん裏切ってくれる感じがものすごく好きでした。
柊月のエピソードが加わっていくことでお話の雰囲気まで変化していくのもすごく良かったし、
そのおかげで東が"ただの良い人"なわけではないという部分も知ることができて。
彼らのまだ見えていないところをもっと知りたい!という気持ちにさせてくれたのでした。
柊月の悲しい過去に繋がっている西郷と再会したときはものすごくハラハラしましたが
それでも悪い方向には向かわず、結果的に柊月だけではなく西郷までもが救われるような展開になるのも素晴らしかった!
この先ふたりがどうなっていくのか、そしてまだ明かされていない東の家庭環境のことも気になりすぎる…!
次巻も楽しみにしています。
