電子限定かきおろし漫画2P付
孤高のバイオリニスト×難聴のデイトレーダー 正反対の世界で生きる二人の、至高のラブストーリー
少しずつ糸を紡ぐように、とても繊細かつ丁寧に描かれた恋の描写が素晴らしく、とびきりやわらかくてやさしい雰囲気が素敵な作品だなと思います。
自分の手元に置いてページをめくりたくなるというのかな。
画面越しではなく、実際に紙に触れて読みたくなる作品です。
年の差・学生と社会人・聴者と難聴者。
彼ら2人の間にある肩書きや記号のようなものは、一見すればあまり交わらなさそうなのだけれど、そっと手を取り合うようにゆっくりゆっくりと時間をかけて自然に溶け込むように交わっていきます。
好きなシーンや好きなセリフをあげ始めたらきりがないほど、全ページから目が離せない作品ってなかなかないのではないかと思うのです。
それくらい丁寧に恋を描いて魅せてくれる、世界でいちばん遠い恋が大好きです。
個人の深い部分まで掘り下げた心理描写。
相手のことを大切に想う焦がれるような気持ち。
そのどちらもが非常に印象的で、十嘉と五十鈴の距離が縮まっていく一瞬一瞬を目に焼き付けておきたくなります。
彼らの何気ない言葉のやりとりはもちろん、私がこちらの作品で強く惹かれるのはセリフのないシーンでした。
視線のその先。好きな人の瞳。
音や言葉のない画から、こんなにも胸がじわじわと高鳴るような恋を描いてくれるのかと驚くばかりです。
十嘉の歩幅を後から辿る五十鈴が本当にかわいらしくて頭を抱えました。
恋をしている人の表情ってなんて愛らしいんでしょうか。
肩を預けて寄り添いながら、時間をかけて弱音も嘘のない本音もこぼせる特別な関係性になった2人。
まるで人生の中でひとつだけ足りなかったピースに出逢えたような…
恋愛面だけではなく、お互いの存在がお互いを満たし合い、影響し合いながら己の殻を破ろうと静かに葛藤する姿にも惹き込まれました。
素敵な未来が待っていることを期待しながら、アンダンテで進む2人の恋を最後まで追いかけたいです。
ワタシ、身体に障がいを持つ方が登場する物語が苦手で…。
漫画っていうエンタメにするには、感情の置きどころが難しいし、
上から目線の感動ポルノ的に落とし込むのはもっと嫌いで…。
まあ、地雷っちゃ地雷なので、
だいたい恐る恐る読むことにしているんですが
すみませんでした…ミツ晃先生の作品に対して
それは杞憂でございました…。
(1巻2巻通してのレビュになります!)
障がいを持って生活する困難さや、孤独感などの描写は
読者が理解できるギリギリに抑えてあるし、
それよりも十嘉という、五十鈴としたら未知の世界との関わり、
音や声への興味など、物語の焦点を
ポジティブな方に全振りしてくださっていたので
五十鈴を「野性味があって才能に溢れる魅力的な十嘉に
ドキドキしゃう、たおやかでめちゃくちゃ可愛らしい人」
として、雑念は捨てて素直に読み進めることができました。
1巻でBLあるあるな拾うスタイルきっかけで知り合った2人。
五十鈴は難聴のデイトレーダー、十嘉はかなりクセ強め芸術家肌の音大生。
一人は音のない世界に生きていて、一人は音を生みだす世界に生きる。
お互いに足りない部分を補い合いながら、成長していく姿が
それこそ吐息ひとつもらさずにすくいあげる繊細さで、丁寧に描かれます。
この2巻では、2人の時間を過ごすうちに、
戸惑い気味だった五十鈴の気持ちがはっきりしたモノとなり、
2人はさらに親密な関係になっていきます。
電車内、十嘉の肩にもたれまどろみ、
夢の中でとてもおしゃべりな五十鈴に号泣不可避。
「『特別』な人にしないで、でも君の特別にして」
これがもう、本当に素晴らしく沁みる言葉でした。
ワタクシ、現実的にはありえない存在の2人だとしても、
「この」世界を懸命に生きる美しい十嘉と五十鈴を見守る所存…。
先生が魅せてくださる、圧倒されるほど繊細な世界線の波に乗って、
意外にも自分に残っていたちょっぴりキレイな部分を愛でながら
余韻に浸りつつ次巻を待ちたいと思います。
ミツ晃先生、いつも素晴らしく上質な作品をありがとうございます。
次巻も楽しみにしています。
心待ちに、楽しみにしていた第2巻。
麻生先生の作品は紙コミックで一気読みしたいので、ひたすら発売を待っておりました。
紙コミックのカバーに『3年かかってしまいました』と麻生先生の言葉が記されていて、3年間も待ち焦がれていた自分に驚きました。
わくわくドキドキページをめくり、まずカラーの1ページ目の色使いがとても美しいし、2人が寄り添っている姿と表情にわぁーーーっと気持ちが昂りました!!!
次のページ、次のページと読み進め、繊細な美しい丁寧な描写と一文字も無駄のない深い言葉に何度も何度も感動し涙がじわり。
全ての線、全コマ全ページの凄さ!圧巻!!!
五十鈴と十嘉の全ての表情、全てのセリフが目の前でブワッと迫ってくるような吹き出しセリフやモノローグがなくても絵だけで多くを語っている凄さに圧倒され、心揺さぶられ何度も涙しました。
この感動をうまく言語化出来なくてもどかしいです。
麻生先生のことは、冬縞しぐれ先生が麻生の大ファンだと仰っていて、特別対談が掲載されていた雑誌で知ることができ、そこから既刊作品を集めて読み漁ったのですが、全ての作品が切なく素晴らしくて心に突き刺さる名作ばかりです。
でも、私は今作が1番好きです。
何年かかっても次巻を楽しみに待ちます!
待ちました。待ったかいがありました。
1巻が大好きですばらしくてさっき自分のレビューを読み返したら興奮していてめちゃくちゃ恥ずかしい。
2巻はその1巻を軽々超えてこられました。1巻があっての2巻ですが、や〜すばらしい。
十嘉が五十鈴を好きな気持ちが言動の端々から伝わってくる描写がたまらなくて。バイクに五十鈴を乗せる時なんてなんて男前なの?!ときゅんきゅんしました。
五十鈴が十嘉を思って見つめる表情も同じくで。
光の描き方が美しくその景色の中での2人の交差がみずみずしくて引き込まれっぱなしでした。
具体的にどうこう言えたらいいんですけど言葉にならなくてすみません。
1巻から引き続き、五十鈴の生き方や言葉に刺激を受ける十嘉が自分自身やバイオリンが変化していくところがめちゃくちゃいい。
五十鈴も十嘉に惹かれて影響を受けて変わっていく。
変化による怖さや辛さもあるけど相手がいるから自分も…と勇気が出る感じが恋よな〜と染みます。
五十鈴は聞こえないことによる余白があってそこをネガティブな想像で埋めたら怖くて人と関われなくなると言い…そこを彼は乗り越えて立っている。母親の教えとはいえ自分の力で立っている強さ。
そりゃ十嘉も惚れるわとなります。かわいい上に強いんですもの。美しい。
余白をネガティブな想像で埋めたら人と関われなくなるというのは難聴でなくても誰にでも当てはまることで五十鈴いいこと言うな〜と十嘉みたいな反応になりました。
強く立っている五十鈴だけど十嘉に満たされて初めて乾いていたことがわかるというのもよかった。一人で立ってがんばってきたんですもんね。
最初から最後まで全てすばらしくて言葉になりません。絵、表情、セリフ、モノローグ、タトゥーの意味…他全部。2人ともちょっと髪切ったよね。そこも好き〜とテンション上がりました。
近かった距離がゼロになった喜び。2人の気持ちが伝わって目の奥がじ〜んとしました。
ずっと感動しっぱなしでした。
2巻もすばらしい作品をありがとうございます。
3巻で完結なんですね。めちゃくちゃ楽しみです。
余談ですが、BLの続きもので当て馬が登場せず邪魔が入らず2人の世界を深く進めて下さるだけで私の中では神なのですがそんな次元じゃなかったです。そんなこと忘れるくらいすばらしかった(何度でも言う)。こういう続きが見たいんです!と心底思わせてくれる点でもうれしかったです。
リリース前日に開催された先生のインライで
1巻の十嘉が、なんて殺伐としていたんだと
そして、2冊かけて片想いの期間の2人の気持ちの変化を丁寧に描くことができました。と
仰っていらっしゃいましたが、
描かれているものが深く複雑で
色々な感情を引き出されるような読後感と
読み応えが半端なかったです。
今回は、五十鈴さんのターンといった内容で
しまい込んでいた五十鈴さんの本音と感情が
語られるのが、本当に切ないんですよね。
障害者というマイノリティの孤独感
自分というものを分かっていなければ
それは何が出来て、何が出来ないといった類いのものが殆どなんですが
また周りに合わせた自分を整えていかなければ
他人の前に立つ自分の足がすくんでしまう
そうやって紡がれてきた五十鈴さんの感情を、
十嘉くんが解放するように解いていくような、
そんなやりとりのひとつひとつに心を打たれます。
本当は、感情が豊かで無邪気で
優しい五十鈴さんが
また更に見えてきて、読んでいる
こちらも嬉しくなってきます。
こうしたことを言葉で説明するのではなく
話の流れのなかで彼らの会話や表情から知っていく感覚で伝えられる丁寧な描写は
ラストにかけて明かされる
五十鈴さんのモノローグ
(ここ本当に泣けます!)の
言葉の解像度というか、
そこから伝わってくるものが
本当に複雑な感情で、
読んでいて胸がいっぱいになります。
ぜひこの読み応えは実際に読んで味わっていただきたいです。
私は普段、電子オンリーなんですが、
先生の繊細なタッチは紙本でも読みたいなぁ
と今回改めて思いました。
初の有償小冊子を読みたいというのもありますが。
完結となる次巻では、
このセンシティブなやりとりが更に
交錯するとのことで、とても楽しみです。
多分、普段味わうことのない感情にまた
浸らせてもらえるんだろうな。
おすすめです!!