• 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作恋はときどき赤信号

鹿嶋大智
大学生,カフェのアルバイト,マスターの甥
山井愛斗
29歳,システム会社のSE

その他の収録作品

  • 恋はときどきオセロゲーム
  • あとがき

あらすじ

家と会社を往復するだけの愛斗の生活で小さな癒しは、猫動画と行きつけのカフェの大学生バイトだった。だが、そんな愛斗の人生を覆す事件が起こり……? 大学生×社会人、ラブ・メソッド!

作品情報

作品名
恋はときどき赤信号
著者
月村奎 
イラスト
須坂紫那 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784403526091
4

(59)

(28)

萌々

(11)

(14)

中立

(5)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
16
得点
231
評価数
59
平均
4 / 5
神率
47.5%

レビュー投稿数16

本音とタテマエのギャップにご注目

月村奎先生の、優しげでソフトタッチな筆致がたいへん読みやすく、ひょんなことから好きな相手とグッと距離を詰めることになる恋愛模様がとても面白い作品でした( ´∀`)

勘違いから始まる恋のお話なんですが、好きな人を目の前にして別の相手のことが好きだと言ってしまう"やらかし"系ラブコメ。しかしこのやらかしは意外にも良い感じの効果を発揮して、想い人である大智と親密になっていく展開にキュンときます^ ^
愛斗が好きな相手だと思わず言ってしまったのは大智の叔父さんである喫茶店のマスターで、愛斗と自分の叔父とのキューピッド役を、大智が買って出ることになったからさぁ大変。
あちゃちゃーな展開ですが、それキッカケで妄想デートに繰り出すことになったりと、ラッキーな部分とアンラッキーな部分が交錯します。

大智がとっても良い子で、愛斗と叔父の恋を応援する旗振り役に回るのですが、明るく朗らか、そして前向きで優しい青年です。愛斗の恋を無邪気に応援する姿は好印象ですが、でも一方で愛斗のことは何とも思ってないよと言われてるようなフォローにズキリと胸が痛みます。
それにですね、大智の方にも好きな子がいるよ発言が飛び出すもんですから、状況は悪いっちゃ悪いんですよね。でもそれはあくまでもセリフ情報のみの話で、その真意までは明らかになっていないところがミソです(´∀`*)

こうした隠しネタがなかなかにパンチ効いていて、ジワジワくる。
言葉のロジックというか、"解釈は1つじゃないですよ"的な絶妙なセリフの言い回しは勘のいい方ならすぐに気付くと思います。
大智の好きな子のタイプは、サラサラの黒髪の子 → 実は愛斗も黒髪
好きな子とキスした発言 → リアルでとは言ってない
とかね(^ ^)

大智の"好きな子"情報に落ち込む愛斗と、好きな子のことを楽しそうに話す大智との態度のギャップが良いんですよね。愛斗の失恋ムーブからの〜…"実はね"の煽り方がすごくニヤる。
それが分からないうちは愛斗にとって心穏やかじゃないですが、恋愛に積極的にいけない愛斗の勇気が試されているところにも注目して欲しいなと思います。


自分らしくあるために、また自分と未来を歩いていってくれる大事な存在のために立ち向かう愛斗の成長がこの一冊の中にギュギュッと濃縮。ガチガチのジェンダー論者の父親との向き合いからもう逃げないっていう決心をした愛斗と、それを見守る大智の姿がとっても素敵でした。
ラスボスである父親との対峙シーンはめちゃ面白かったです。
事態はあらぬ方向に飛んでいって、形勢逆転なカミングアウトオチが父ザマァ展開で笑っちゃいました♪( ´▽`)


勘違い発進のスタートは、ちょっと遠回りした恋の道のりでしたが、だからこそかな…より好きが深まっていく展開がすごく良かったです。好きなところを100書くノート…あんなキュンするアイテム出してくるとか月村奎先生、最高…(〃ω〃)
このノートの前では素直に好きな人のことを考えて書いてる無防備さが良き。こうしたアイテムを登場させながら、2人の間にある想いに少しずつ触れていく物語の進みに酔いしれます。

周りの皆に祝福されている2人の未来予想図がイメージできる素敵な読後感でした^ ^

6

とにかく糖分十分な甘々作品

珍しく(個人的見解)切ない展開ほぼなしの勘違いすら愛おしいくらいひたすら甘々でニヤニヤの止まらない1冊でした。

一度死にそうになったから後悔しないようにと勢いづいたものの結局ビビりな愛斗さんが興奮すると勢いに任せて素直な気持ちを吐き出しがちなところがとても可愛くてツボでした。

本編はもちろんその後のお話にあたる「恋はときどきオセロゲーム」はとーにかく甘くてはちゃめちゃバカップルな2人が読んでて微笑ましく幸せになりました。
事あるごとに好きなところノートに記したいくらいここが好き!って相手の良いところを見つけられる2人、めちゃくちゃいい特技だなぁと思いますし、その語彙力が欲しくなります。

付き合い始めてからはとにかく思ってることや好きなところをちゃんと伝える2人だからこその甘々幸せなのだと実感させられました。幸せ満タン!!

5

〝悪気なくコンプラ違反する人間〟にご注意を…

嘘から始まるほんわか日常系BLで、初々しい2人に終始ニヤニヤしちゃいました。
咄嗟についた嘘から、片想いの相手が〝恋のキューピッド〟役を買って出て、勘違い相手との恋愛を応援されてしまう…と言う、粗筋から既にワクワク◎
デートの予行練習の名の下、親密になっていく2人にニヤニヤが止まらない!

もう、年下ワンコな大智のフレッシュ感が凄いです。
兎に角、押しと圧が強い!笑
若さ故の強引さに若干引いていたのですが、その強引さには理由があり「なるほどな〜」と後半からは頬が緩んで仕方なかったです。
ニコニコ爽やかな笑顔の内では、独占欲が強い一面にめちゃくちゃ萌えました♡

それなのに、必死な大智に全く気づかない愛斗の鈍感さよ……!(嬉)
大智にも好きな人がいると思っているため、気持ちを伝えられないジレンマが切なくてハラハラしました。
こう言う〝すれ違い〟大好きです!

ただ、昔堅気のお父さんの放った一言が、私(既婚・子なし)にも突き刺さってしまい、地味にダメージが…笑
身近にお父さんタイプの〝悪気なくコンプラ違反する人間〟が居たので、お父さんキャラを完全にフィクションとして捉える事ができず、古傷を抉られるような謎のダメージを食らってしまいました笑
なので、私と同じような方は地雷かもしれないですね……ご注意を!

とは言え、昔堅気な父親のせいで生きづらさを感じていた愛斗が、大智の眩しすぎるポジティブオーラに包まれて前向きに成長する姿に「良かったなぁ〜」と幸せな気持ちで満たされました。
『好きなところ100』ノートの使い方にキュンとして、2人の何気ない日常を少しだけ垣間見るような優しいお話で凄く癒されます◎
日常系のBLがお好きな方に是非!

4

偽告白で始まる関係

今回は喫茶店バイトの大学生と常連のSEのお話です。

攻様の伯父が好きと偽告白した受様が
攻様の協力で本当に好きな人と恋人となるまでと
恋人になってからの続編後日談を収録。

受様はシステムエンジニアとして
ほぼ21時頃まで残業する毎日を過ごしています。
そんな受様の楽しみは残業のない日や休日のお昼に
マンション近くのカフェに立ち寄ることです。

住宅街にある還暦近くの渋いマスターの店
「古田珈琲」はコーヒーもフードメニューもおいしく
マスターの甥で天真爛漫で人懐こて大学生バイトの
攻様が受様の癒しなのす。

今日もカフェに立ち寄ると
攻様は残り1食だというグラタンを勧められ
食後のコーヒーをゆっくり飲んでいると

マスターと女性客の会話から
攻様が内々定をとれたことを知り
攻様ともあと半年かちょっとかと寂しくなります。

その後のある休日に
受様は遅めの昼食のために向かいますが
新号が変わった事に気づかず
セダン車とぶつかってしまいます!!

カフェの前で驚愕に目を見開く攻様の顔を
スローモーションのように見つつ宙に舞った受様は
次の人生は悔いなく生きようと決意します。

そして次に目を開けた真っ白な世界を
死後の世界かと思った受様は
覗き込むように声をかけてきた攻様の手を掴んで
「行かないで!ずっと好きだったんです!」と
告白してしまうのです。

しかし
それは勘違いで入ってきた女性看護師に
受様は交通事故にあったけれど当たり所が良くて
奇跡的な大怪我を追わずに済んだと言われて
やっと自分が死んでいないと気付くのです!!

攻様は事故に居合わせて搬送に付き添ってくれたそうで
受様はとっさに告白はマスターに向けてだと偽ります。
果たして攻様の反応とは!?

雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
伯父の喫茶店でアルバイトする攻様と
喫茶店の常連客の受様のラブコメディになります♪

受様がマスターへの告白と偽ったのは
単なる客である年上の男にいきなり告白されたら
引くだろうと考えたからなのですが

攻様は父親代わりの伯父の良さに気づいた受様は
見る目がある、応援するなんて言い出して
マスターのことを知るという名目でのお出かけを
兼ねていくのです。

読者から見たら両片思い確実な流れですが
攻様の仲を取り持つという名目は
どこまで本気なのかな!? と思わされて

受様と一緒にグルグルしつつ
それぞれの誤解が解けて両想いになるまで
楽しく読ませて頂きました (^-^)/

好きなところを100書くノート、
書くことでさらに想いが深まっていくとの
半分で止めちゃうところがきゅんポイント過ぎです。

須坂先生のイラストも
物語世界にとてもあっていて良かったです。

3

むずがゆいッス(,,> <,,)

もうね、雑誌で読んだ時からあまぁーーいって転げてたんですよ。
ヤダもう、書き下ろしも甘々じゃないですの(*ˊᵕˋ*)

受様は、真面目で地味に生きてきたゲイの愛斗。
行きつけのカフェでバイトしてる大智をいいなぁ、と眺めて癒される日々。

ある日、大智を前に慌てた愛斗は、赤信号に気付かず車にぶつかり気付いたら目の前に大智がいて。
混乱のあまり告白したのを、なんとかマスターを、と誤魔化したら、応援します、と言われてしまい。

応援と称され、大智と2人で出掛けて、模擬デートを重ねる愛斗。

大智ってば、まだ大学生の年下彼氏なのに、めっちゃ包容力あって気遣いもできるいい子~
何度、あ、年下だっけ、と思い直したことか。

恋のアイテム『好きなところ100』というノート、かわいいですねぇ。

かわいいといえば、ドライブデートで、寒がってる愛斗に上着を着せ掛けようとする大智と、それに萌え死ぬ、なんて言ってる愛斗ですよ。
バカップルかよ(≧▽≦)
愛でられるわ~

愛斗の友達が泊まるってなった時に、それっぽい言い訳作って家に押しかけたのも、年下彼氏っぽくてかわいいぞー。


私だったら、は!?( º言º)ってなるくらい無神経な愛斗のお父さんの言葉も、すげーポジティブに受け止めてて、大智くん、拍手ものやわ。
それに感化されて笑顔で対応できた愛斗も、よかったね。
こんな風に受け止める事ができたらいいな、と思う大智でした。
愛斗、いい人に出会えてよかったね。

溺愛で甘々な2人で、むずがゆいわ~o(>∀<*)o

2

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP